アフガン戦争で多数の人々が殺された村に住んでいた少女ジャミーラが、敬虔なイスラム教徒だった母が死んで、信仰が薄く阿片や酒に溺れジャミーラが嫌っている父親に連れられてカブールに向かうが、継母に嫌われて父親に捨てられて孤児院に住み、その中で次第に自立心を強めていくという小説。
唇に障害を抱えていたこともあっていつもスカーフで顔を覆っていたジャミーラが、手術を受けて自分が美しくなったと自覚して女性の前ではスカーフを外して見せたくなるという、外見に依存した要素が大きいこと、ジャミーラの他の者に対する蔑視、とりわけ身なりをかまわない不潔な少女アルワに対する生理的な嫌悪感という感じの蔑視など、成長物語として読む際にもちょっと抵抗感があるところが目に付きます。
むしろ、イスラム教信者の女性が、欧米の女性や兵士などにどういう視線を向けているかという興味で読むのに適している本かなと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en3.gif)
原題:WANTING MOR
ルクサナ・カーン 訳:森内寿美子
さ・え・ら書房 2010年12月発行 (原書は2009年)
唇に障害を抱えていたこともあっていつもスカーフで顔を覆っていたジャミーラが、手術を受けて自分が美しくなったと自覚して女性の前ではスカーフを外して見せたくなるという、外見に依存した要素が大きいこと、ジャミーラの他の者に対する蔑視、とりわけ身なりをかまわない不潔な少女アルワに対する生理的な嫌悪感という感じの蔑視など、成長物語として読む際にもちょっと抵抗感があるところが目に付きます。
むしろ、イスラム教信者の女性が、欧米の女性や兵士などにどういう視線を向けているかという興味で読むのに適している本かなと思いました。
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原題:WANTING MOR
ルクサナ・カーン 訳:森内寿美子
さ・え・ら書房 2010年12月発行 (原書は2009年)