伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

迷いアルパカ拾いました

2016-11-03 22:26:40 | 小説
 楓ケ丘動物園の飼育員たちが騒動に巻き込まれる動物園ミステリーシリーズの第3弾。
 楓ケ丘動物園にアルパカが迷い込み、時を同じくして楓ケ丘動物園のアイドル七森さんの大学時代の友人が失踪し、謎を追う桃本らの周囲に不審な男たちや監視の目が…という展開です。
 今回はミステリーの規模と中身が飼育員たちの動きや関心とマッチし、作品としてしっくりとくる感じでした。
 主人公の桃本と七森さんの関係が、前作では七森さんが桃本の鴇先生への秘めた思いを疑い嫉妬する風情だった(「ダチョウは軽車両に該当します」77~78ページ等)のが、桃本の鴇先生への思いを理解し応援するように(54~55ページ)変化していて、なんだかあっさりと落ち着く方向になっています。
 話としてはまとまってしまったのか、その後ペースが鈍り、続編は別冊文藝春秋324号(2016年7月号)にフクロモモンガさんの短編(証人ただいま滑空中)が掲載されたところで、書籍化はしばらく先になりそうです。


似鳥鶏 文春文庫 2014年7月10日発行
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ダチョウは軽車両に該当します

2016-11-03 00:09:49 | 小説
 「午後からはワニ日和」の続編の動物園ミステリー。
 今回は、市民マラソンでのダチョウの暴走、鴇先生の前職をめぐり、事件と謎が展開します。
 主人公の桃本、ミステリアスな獣医鴇先生、桃本に思いを寄せる楓ケ丘動物園のアイドル七森さん、不思議で不気味な服部君らのキャラが、前作より書き込まれこなれてきた感じで、のびのびとした筆致が読み心地がよい。桃本がひそかに思いを寄せている様子の鴇先生がますますかっこいい。
 ミステリー部分は前作よりも陰謀のスケールが大きくなり、面白いともより荒唐無稽感が強まったともいえます。
 基本は、登場人物のキャラとそれぞれの人間関係の絡みを楽しむ作品とみた方がよさそうです。


似鳥鶏 文春文庫 2013年6月10日発行
 
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