同級生の深川青磁からいきなり「俺はお前が嫌いだ」と言われマスク依存症になった優等生の色葉高校2年生の丹羽茜が、働く母とひきこもりの兄、年の離れた父違いの妹に囲まれて家事と妹の世話に時間を取られていっぱいいっぱいになって、学校では深川青磁への嫌悪感が、家庭では家族への不満がストレス要因となっていたところ、ふとしたことから自由奔放に言いたいことを言う銀髪の深川青磁が絵を描いている美術室に通うようになり…という青春小説。
半分読む頃には、概ね先行きが見えてしまいます(強いて言えば、青磁の銀髪の話に気づかなかったのがうかつに思えた程度)が、それでも読ませるところは立派と言うべきでしょう。
発行元は「泣ける小説No.1」とか宣伝していて、確かにうるうるするところは多いのですが、茜がボロボロ泣く描写があまりに多くて、自分より先に視点人物(主人公)に泣かれてしまうとすっと醒めてしまい、そこが残念だった印象です。
汐見夏衛 スターツ出版文庫 2020年5月28日発行(単行本は2017年6月)
半分読む頃には、概ね先行きが見えてしまいます(強いて言えば、青磁の銀髪の話に気づかなかったのがうかつに思えた程度)が、それでも読ませるところは立派と言うべきでしょう。
発行元は「泣ける小説No.1」とか宣伝していて、確かにうるうるするところは多いのですが、茜がボロボロ泣く描写があまりに多くて、自分より先に視点人物(主人公)に泣かれてしまうとすっと醒めてしまい、そこが残念だった印象です。
汐見夏衛 スターツ出版文庫 2020年5月28日発行(単行本は2017年6月)