伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

ペッパーズ・ゴースト

2024-10-20 19:46:44 | 小説
 唾液や飛沫を受けるとその人が翌日に見る光景が脳裏に浮かぶ「先行上映」を見ることがあるという不思議な能力を持つ中学の国語教師檀千郷が、受け持ちの生徒の「先行上映」や態度から気にかけて行くうちにトラブルに巻き込まれていく様子と、5年前にSNS上で猫の虐待の実況をしたアカウント「猫ゴロシ」の支援者たちをその際に被害を受けた猫の飼い主から宝くじ当選金10億円の提供を受けて襲撃して回っている「ロシアンブル」「アメショー」の2人組の様子を絡ませながら展開した小説。
 ややシニカルにではありますが人の善意や素朴な正義感を信じた暖かさを感じさせます。しかし、檀の超能力が前提とされていることやロシアンブルらと布藤鞠子の小説の関係がうまく説明されないことなどから、いまひとつしっくりこないところがあります。


伊坂幸太郎 朝日新聞出版 2021年10月30日発行

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