伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

その扉をたたく音

2024-08-29 22:45:32 | 小説
 大学を卒業して7年間無職で親から毎月20万円の仕送りを受けてすねをかじってぶらぶらし音楽で身を立てる見通しもないままギターを弾いている29歳の宮路が、老人ホームの余興でギターを弾き本人は「今を生きる魂の叫びを歌った渾身の歌」を届けたつもりがまったく受けずに間を持て余したところで、入所者からせがまれて老人ホームのスタッフの25歳の青年渡部が吹いたサックスに魅せられ、もう一度聞きたいと老人ホームに通ううちに、老人たちから頼まれごとをし、面倒がりながら応じてゆくうちに老人たちとの交流が生まれて行くというほのぼの系小説。
 病気や認知症など厳しい先行きを見据えながら、憎まれ口を利きつつ、明るく逞しく/ふてぶてしく過ごす老人たちの様子が読みどころかと思います。


瀬尾まいこ 集英社文庫 2023年11月25日発行(単行本は2021年2月)
「小説すばる」連載

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