伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

2025-02-09 00:11:17 | ノンフィクション
 一人で大丈夫といって、入院も透析も拒み在宅医療と在宅死を希望する80代の慢性腎臓疾患の父親を伊豆の実家に通いながら介護・看取りをした経験を綴ったノンフィクション。
 慢性腎臓疾患で、次第に腎機能が落ちて行き、さまざまなことができなくなって行く父親の姿は、身につまされます。
 腎臓の数値が悪化し大腿骨骨折で入院中で要支援2、88歳で重度の貧血で倒れて救急搬送されるような状態で「非該当」となって介護保険打ち切り、死んでから要介護3の認定が降りたという経過は、本人の意地っ張りとか主治医や周りの不手際もあるとはいえ、今の日本の社会福祉の貧困を如実に感じさせます。
 訪問看護師、訪問医、ヘルパーの人柄や心遣い、プロ意識に著者も感心し、読んでいて勇気づけられる面がありますが、そういった個人の献身でなりたつ現状は、やはりもろく先行きに不安を持たせます。


石川結貴 文藝春秋 2023年8月30日発行

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