人気新興IT企業の新人採用で5000人以上の応募者から勝ち残った6人が、最終選考のグループディスカッションの場にそれぞれの秘密を暴露する謎の封筒が置かれていることに困惑し戦々恐々としながら進めた選考と、その8年後に真相を解明しようとする試みを描いたミステリー小説。
映画を先に観てその原作を読んだのですが、映画で描かれなかった終盤の存在が、映画を観て「犯人」と「真相」を知っていてもなお、読ませてくれると思いました。映画では、浜辺美波のイメージを守ることが優先されたのか後ろ暗さや悪い感情を見せなかった嶌衣織にも陰の部分が見られてむしろ人間味を感じましたし、何よりも就活や大企業、人事部について相対化するというかそんな大したものじゃないという描きぶりが爽快に思えます。
総じて映画はわかりやすくまたミステリーとしての見せ方はうまくできていたと思いますが、原作の方が深みというか考えどころが多々あるなと思いました。
浅倉秋成 角川文庫 2023年6月25日発行(単行本は2021年3月)
映画を先に観てその原作を読んだのですが、映画で描かれなかった終盤の存在が、映画を観て「犯人」と「真相」を知っていてもなお、読ませてくれると思いました。映画では、浜辺美波のイメージを守ることが優先されたのか後ろ暗さや悪い感情を見せなかった嶌衣織にも陰の部分が見られてむしろ人間味を感じましたし、何よりも就活や大企業、人事部について相対化するというかそんな大したものじゃないという描きぶりが爽快に思えます。
総じて映画はわかりやすくまたミステリーとしての見せ方はうまくできていたと思いますが、原作の方が深みというか考えどころが多々あるなと思いました。
浅倉秋成 角川文庫 2023年6月25日発行(単行本は2021年3月)
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