千年に一度の津波。甚大な被害をもたらしました。
加えて、福島の原発事故は、これまでこの国の人々が被ったことのない大被害になっています。
事故によって放出されたセシウムの量だけをみれば、広島原爆の168個分だといわれています。
それ以外の違いもあるようですので、単純に比較できるものではないようですが、それにしても、60年以上経っても日本人の誰もが知っている、誰もが恐怖を感じる、あの広島の原爆よりも福島の原発事故が大きな事故であることを知っている日本人は何%いるのでしょうか。
しかも、たった一年しか経っていないのに、既に忘れ去られるような空気は、いったい何なのでしょうか。
肥田先生の本に書いてありました。
原爆投下後、広島に入ったGHQは、日本国民に原爆のことは人に話さないようにと、日本政府に厳命したとのことです。
アメリカとしては、初めて使った原爆の効果を他国に知られたくなかったという事情があるのでしょう。日本政府は、占領下ですから嫌とは言えない状況にあったのでしょう。
爆発によって直接死亡した人以外、直接や間接に被曝して時間が経ってから現れた症状については、原爆との関連性は全く無視されたとのことでした。
何かものを言う人は警察に連行されたということもあったようです。
そして、被曝者は、誰にも相談できず、診察も受けられず、差別的な扱いをされて、見捨てられたように死んでいったというのです。
まさか今の福島で同じようなことが起ころうとしているわけではないだろうと思います。
ないだろうとは思いますが、この大事故の重大さがあまりにも国民に知らされていない、たった一年でこれほど関心を薄くさせられている、そこには、何か意図があるのではないかと、思いたくなります。
どうも、真実は、知ろうとしないと知れないような状況にあります。
しかし、今は敗戦後の言論統制下ではありません。
知りたいことを知り、言いたいことを発言できる社会です。
まず知らなければなりません。
そして、知ったことは言わなければなりません。
福島を他人事のように眺めていてはいけません。
このまま、忘れ去られることを待っているような仲間になってはなりません。
幸福な日本列島の中に「福島」があります。
福島の幸せなくして、日本列島の幸せはありません。