今年の春は異常にカメが多い。
冬前にカメが多いのはよく知っていましたが、春にもこんなに出るのかと、今年初めて知りました。
というか、今年は特に多いと皆さん申しております。
異常発生ですね。
というか、昨年の大量発生分が、春になり屋内から屋外へ出て行こうとする数なのでしょう。
昨秋は、集中講座の頃に大量発生して、高座の柳家さん喬師匠の周りをブンブンブンブン飛んでヒヤヒヤしたものでした。
そのうちの1匹があろう事か師匠の膝に落ち、師匠はそれをつまんで袂にしまい、何食わぬ顔で噺を続けたのでした。名人はスゴイ!
というか、師匠には本当に申し訳ないことをしました。高座設定の配慮が足りませんでした。
しかし、これほどのカメが寺の建物の隅々、見えないところに隠れていたのだと思うと、ある意味恐ろしくなります。
本堂の畳やガラス戸にへばりついているのを、そのまま放っておくわけにもいかず、やむを得ず駆除しております。
それにしても、このカメぐらい捕まえやすい虫はないですね。
羽根はありながら飛んでもわずかばかりで、落ちれば仰向けになってジタバタするし、割り箸でつまむのもそれほど苦労はしません。匂いがなければいいのですが。
でも、時々考えます。
この世に意味もなく生まれた命はない、と言うではありませんか。私も言います。
カメの生きる意味は何なのでしょうか。生まれた意味は。
カメやゴキブリは死んでもいいのだ、などというのは人間の傲慢なのではないでしょうか。
そんなことで、お坊さんはいいのですか。
というか、カメの生きる権利はないのですか。
もしですね、もしカメの発する匂いがさわやかなお香の香りならば、扱いがまるで違うでしょうね。
虫かごに入れて芳香剤として玄関に置くとか、タンスに吊すとか。
匂い袋にして懐中にしのばせるとか。
部屋中にいっぱい放してカメ香浴するとか。
色々な使われ方をしたでしょう。
もちろん、みんなこぞって捕獲しますから、需要が高まって繁殖する業者もできるでしょう。
もう、山形は一大カメ産地、特産品カメ。そのうちカメ成金、カメ御殿もできるでしょう。
誰か、あの匂いを変える研究をしないですか。大発明、ノーベル賞間違いなしです。
くさい話でいつまでも失礼しました。