なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ16

2015年08月02日 13時49分04秒 | サンサンラジオ
♪三ちゃんのサンデーサンサンラジオ!

さあて、今週も始まりました三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。
お相手は、三ちゃんこと三部和尚です。

今日のお話は、法事でのお話。
昨日の法事は95歳で亡くなったおばあちゃんの3回忌法要でした。
お勤めが終わり、墓参りも済んで、お斎の席となりました。
役目柄、中央に座り施主家の接待をいただいておりました。
とても暑かったこともあり、また勧め上手であったことでもあり、殊の外ご酒をいただいてしまいました。
住職がゆっくりしてくれればうれしい、などという言葉に甘えて締めの挨拶まで長居してしまいました。

隣の席の方々と施主家との関係を伺いながら、頭の中で家系図を描いていきます。
なるほどそういう関係ですか、とその時は納得しても、酔いが回った頭では、帰る頃にはすっかり白紙に戻って、また同じことを聞くことになるは必定です。

しかし、話の中で、おばあちゃんの苦労話などを聞くのはうれしいことです。ありがたいと思います。
田圃がないので炭焼きをして現金収入を得ていた。戦争のさなか水路を這いつくばって米を買いに行った。そんな話を聞きながら、苦労を乗り越えたからこそ、子孫が今の穏やかな生活をしているんだと思うと、おばあちゃんの苦労が報われたんだと思ってうれしくなります。涙も出ます。
すると、隣のお父さんもまたその隣のお父さんも、親の時代の苦労を語り始めます。
それぞれに、語れば長い苦労があったことが知られます。

塗炭の苦しみを味わった親たちは、子どもにはこんな苦労をさせたくないと身を粉にして働きました。お陰で少しずつ暮らしも楽になり、今では苦労があったことすら知らない子どもたちが増えてきました。
昔はこうだったああだったと苦労話をしても、「時代が違うよ」「そんな話は聞きたくない」と家族の中では耳を塞がれるかもしれません。

しかし、法事の席では違います。
聞いてくれる相手がいます。それを聞きたいと思う雰囲気があります。
公然と昔話を語り合う機会です。
それを、子どもたちが、聞くともなしに、あるいは小耳に挟んで心の中に記憶します。
そして大人になったとき、自分のルーツを知りたくなったとき、法事で聞いた言葉が蘇ってきます。
それが法事のいいところだなあと思います。
話の引き出し役が住職の役目かと思います

ということで、昨日はおいしくいただきました。


コマーシャル

最上町瀬見温泉「喜至楼」

皆様から、【明治?】、【大正?】、【レトロ?】、【文化財的?】と言われる喜至楼は、本館玄関(日帰り温泉の入り口)とその周辺建物は、山形県内に現存する最古の旅館建築物と言われております。

外観はもちろん、館内の建具や彫刻や装飾品なども歴史的なものが数多く残っておりまして、ご利用頂いたお客様からは、「明治、大正、昭和を一度に感じられて、喜至楼はまさにワンダーランド!」とお褒め?頂いております。
またお風呂は、家族風呂4箇所、混浴の風呂(女性、男性の専用の時間有)や岩風呂、男女別のあたたまり湯や展望のいいオランダ風呂など浴室も多彩にあり、館内で湯めぐりが楽しめます。
新しい旅館・ホテル様の設備にはかないませんが、たまには昔の日本にタイムスリップして、瀬見温泉喜至楼でのんびりとゆっくりと過ごされてはいかがでしょうか。


自衛隊とNGO

2015年08月02日 13時39分21秒 | シャンティ国際ボランティア会
私が副会長を務めるシャンティ国際ボランティア会は、NGO(非政府国際協力団体)が発信する「非戦ネット」に賛同しています。
非戦ネットは、安全保障法案に反対する理由の一つとして「国際協力活動への悪影響」をあげています。

「自衛隊による武力行使は平和主義国家としての日本のイメージを一変させ、紛争に対する中立国としての「日本ブランド」はもはや通用しなくなります。こうしたなか、NGOの活動環境は著しく危険なものに変わることは明らかであり、NGO職員や現地協力者が紛争当事者から攻撃されたり、「テロ」の標的となる危険性は格段に高まります。日本の中立性が失われれば、紛争に苦しむ現地の人達と日本のNGOが信頼関係を構築し、支援を行っていくことも困難になります」。(安保保障法案の採決に反対する声明)

シャンティが活動しているアフガニスタンのナンガハル州でも2009年に仏のNGOが建設を支援した学校の贈呈式で自爆テロが起き、先生や児童が死亡・負傷しました。仏政府は軍隊を派遣しているため、反政府武装勢力は、仏軍と比べて狙いやすいターゲットであるNGOと彼らが支援した学校を攻撃の対象としたのです。学校は選挙の投票所として使われることも多く、農村地域では唯一の公共施設であることからターゲットになりやすいのです。アフガニスタンでは現在、469校が放火や攻撃によって閉鎖されています。

シャンティは、ナンガハル州で2003年から2011年まで30校の校舎建設を実施しましたが、一度も攻撃されませんでした。しかし1度だけ、建設の期間中、武装した反政府勢力が、夜間に対象校に偵察に来たことがありました。彼らは建設資材を警備していた村人に、「この学校はどこからの支援で建設されているのか」と聞きました。村人は「この学校は日本の支援で建てられている」と答えました。すると反政府勢力は、「わかった」と言って帰っていき、その後何もおきませんでした。彼らが日本のNGOであるシャンティが支援する学校を攻撃しなかったのは、日本が自衛隊(彼らにとっては軍隊)を派遣していなかったからです。

自衛隊がアフガニスタンに派遣されれば、シャンティの活動も反政府武装勢力の攻撃の対象となる危険が高まります。(シャンティブログ)

私が2002年にアフガニスタンに行ったときも、現地の人々から、「原爆から立ち上がった国、独立記念日が同じ国」として、この国の人々はみんな日本を尊敬し親しみを感じている、と言われました。

自衛隊はあくまでも「自衛」隊であり、軍隊とは一線を画してきた、というのが日本の態度であり、海外でもそのように受けとめられてきたでしょう。
そこを信用され、親しみを持たれてきたこの国。
今後もそれを貫き通すのは並大抵の苦労ではないと思います。
むしろ、武力を整え、大国の傘に入って「抑止力」と言っていた方が楽でしょう。
しかしそのことによって、より危険性が増すということは火を見るより明らかです。

非戦は決して弱虫の態度ではありません。
武力によってのみ平和が構築されると考える前時代的な国や国民と一線を画し、智慧をもって平和を維持していく成熟した強い意志の国民であると信じています。



(写真は2009年に当会が建設を支援したカイラアバッド小学校)