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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第233回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。
10月20日、日曜日。
まだ北海道です。
今日一日お勤めをして夕方仙台経由で帰ります。
一部
台風は各地に甚大な被害をもたらしました。
死者79名行方不明11名。4600棟の家が水につかり、全半壊の住宅が553棟。一部損壊が2437棟となっています。
スポーツの大きなイベントが重なったせいか、報道も遅れがちでしたが、一週間たってようやく被害の全容が見えてきたような感じです。
被害が広範囲にわたっていることから、その地方地方で対応していかなければなりません。
東北では、福島、宮城、岩手と、大震災の時と重なるような地域で被害が起きています。
報道を見るにつけ、現場の状況を知りたいと思いながら、北海道を離れられず歯がゆい思いをしていました。
せめて情報だけでもつないでいこうとしました。
相馬市で水が足りない、という緊急を要する情報が流れそのまま拡散したところ、それを目にされた和尚さんがすぐに動いて、福島市から相馬市までペットボトルの水を運ぶ手配をしてくれたのでした。
ところが相馬市まで行って、飲み水はもう間に合っていると受け取りを拒否されて持ち帰ってきたとのこと。
情報を確かめずに横流ししてしまったために、大変ご迷惑をかけてしまいました。
この手の情報はしっかり確かめてからでないといけないと肝に銘じます。
二部
北海道巡回の2日目は枝幸の長林寺さんが会場でした。
2年前に布教師の先輩である先代さんが亡くなられたので今回はそのお参りをさせてもらおうと心がけてきました。
到着して本堂にあいさつに上がると、なんと須弥壇上に先代さんのお写真が飾ってあるではありませんか。
命日は3月でしたが、今回の法要に合わせて三回忌もお勤めされるとのこと。
その笑顔の写真を見て、思い出が巡ってしばらく離れられなくなりました。
今回こちらを回らせていただくのは実は4回目になります。
その1回目が平成14年のことで、その時は先代さんからのお声がけで回らせていただいたのでした。
その以前にも、その後も大変お世話になった先輩でした。
やさしさに包まれてはいましたが、一面怖さもありました。
ギロッとした目は、心の奥まで見透かすような目でした。実際、人には見えないものも見えたようです。
お酒が入り、酔えば酔うほど頭が冴えてくる体質の方でした。
ある時、私の甘えを指摘され、徹底的に叱られたことがありました。それも、適当なところで許してはもらえず、日付が変わっても骨の髄まで叱られました。
そのくせ次の日にはケロッとした笑顔で「昨日は悪かったネ。したっけさ、オレあんたのこと好きだから言うんだわ。かんべんしてけれ」と。
三回忌法要と説教が終わって控室にいると、奥様があいさつに来られました。
手には一枚の写真がありました。
「この写真をなぜか側において、いつも眺めてはニコニコしていたんですよ」。三部さんが来られたらお渡ししようと思っていましたと、手渡されました。
見ると、それは一緒にカンボジアとタイに行った時の写真のようです。
難しそうな顔をして電話をかけている私の肩を抱いて先代さんが笑顔で写っている変な写真です。
こんな写真をなぜいつも眺めていたのか、私には分かりません。
でも、うれしかったです。
奥様と二人、微妙な写真を眺めて泣きました。
今回、三回忌に合わせて説教させていただくのは、先代さんに呼ばれたのかと思いました。
三部
北海道、稚内オホーツク方面はもう紅葉が始まっています。間もなく雪も降るでしょう。
葉が、散る前にこんなに美しく変化するのは、死に対する恐怖心を軽減してくれているかのようです。
柔らかい若葉の時期を過ぎ、暑い夏にも耐え、強風にも堪えてきた、その生涯を称えるように、最期に賞賛のまなざしを受けるのです。
よく頑張ったね、お疲れ様。あとはゆっくりお休みください。
150年ほど前にこの地に移り住み、素手に鍬を握り、血の汗流して少しずつ少しずつ荒れ地を耕してきた人々の上にも、落ち葉は暖かく積もります。やがて白い布団もかけられるでしょう。
自然は厳しくも暖かい。
厳しさと暖かさは、表裏一体のものかと思います。その中で私たちは生きていくのです。厳しさも一緒に受け止めていかなくてはなりません。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。
三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ
今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ、第233回。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。
10月20日、日曜日。
まだ北海道です。
今日一日お勤めをして夕方仙台経由で帰ります。
一部
台風は各地に甚大な被害をもたらしました。
死者79名行方不明11名。4600棟の家が水につかり、全半壊の住宅が553棟。一部損壊が2437棟となっています。
スポーツの大きなイベントが重なったせいか、報道も遅れがちでしたが、一週間たってようやく被害の全容が見えてきたような感じです。
被害が広範囲にわたっていることから、その地方地方で対応していかなければなりません。
東北では、福島、宮城、岩手と、大震災の時と重なるような地域で被害が起きています。
報道を見るにつけ、現場の状況を知りたいと思いながら、北海道を離れられず歯がゆい思いをしていました。
せめて情報だけでもつないでいこうとしました。
相馬市で水が足りない、という緊急を要する情報が流れそのまま拡散したところ、それを目にされた和尚さんがすぐに動いて、福島市から相馬市までペットボトルの水を運ぶ手配をしてくれたのでした。
ところが相馬市まで行って、飲み水はもう間に合っていると受け取りを拒否されて持ち帰ってきたとのこと。
情報を確かめずに横流ししてしまったために、大変ご迷惑をかけてしまいました。
この手の情報はしっかり確かめてからでないといけないと肝に銘じます。
二部
北海道巡回の2日目は枝幸の長林寺さんが会場でした。
2年前に布教師の先輩である先代さんが亡くなられたので今回はそのお参りをさせてもらおうと心がけてきました。
到着して本堂にあいさつに上がると、なんと須弥壇上に先代さんのお写真が飾ってあるではありませんか。
命日は3月でしたが、今回の法要に合わせて三回忌もお勤めされるとのこと。
その笑顔の写真を見て、思い出が巡ってしばらく離れられなくなりました。
今回こちらを回らせていただくのは実は4回目になります。
その1回目が平成14年のことで、その時は先代さんからのお声がけで回らせていただいたのでした。
その以前にも、その後も大変お世話になった先輩でした。
やさしさに包まれてはいましたが、一面怖さもありました。
ギロッとした目は、心の奥まで見透かすような目でした。実際、人には見えないものも見えたようです。
お酒が入り、酔えば酔うほど頭が冴えてくる体質の方でした。
ある時、私の甘えを指摘され、徹底的に叱られたことがありました。それも、適当なところで許してはもらえず、日付が変わっても骨の髄まで叱られました。
そのくせ次の日にはケロッとした笑顔で「昨日は悪かったネ。したっけさ、オレあんたのこと好きだから言うんだわ。かんべんしてけれ」と。
三回忌法要と説教が終わって控室にいると、奥様があいさつに来られました。
手には一枚の写真がありました。
「この写真をなぜか側において、いつも眺めてはニコニコしていたんですよ」。三部さんが来られたらお渡ししようと思っていましたと、手渡されました。
見ると、それは一緒にカンボジアとタイに行った時の写真のようです。
難しそうな顔をして電話をかけている私の肩を抱いて先代さんが笑顔で写っている変な写真です。
こんな写真をなぜいつも眺めていたのか、私には分かりません。
でも、うれしかったです。
奥様と二人、微妙な写真を眺めて泣きました。
今回、三回忌に合わせて説教させていただくのは、先代さんに呼ばれたのかと思いました。
三部
北海道、稚内オホーツク方面はもう紅葉が始まっています。間もなく雪も降るでしょう。
葉が、散る前にこんなに美しく変化するのは、死に対する恐怖心を軽減してくれているかのようです。
柔らかい若葉の時期を過ぎ、暑い夏にも耐え、強風にも堪えてきた、その生涯を称えるように、最期に賞賛のまなざしを受けるのです。
よく頑張ったね、お疲れ様。あとはゆっくりお休みください。
150年ほど前にこの地に移り住み、素手に鍬を握り、血の汗流して少しずつ少しずつ荒れ地を耕してきた人々の上にも、落ち葉は暖かく積もります。やがて白い布団もかけられるでしょう。
自然は厳しくも暖かい。
厳しさと暖かさは、表裏一体のものかと思います。その中で私たちは生きていくのです。厳しさも一緒に受け止めていかなくてはなりません。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。