なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンデーサンライズ432 AIが謝罪?

2023年09月03日 05時00分00秒 | サンデーサンライズ
三ちゃんのサンデーサンライズ。第432回。令和5年9月3日、日曜日。

遅ればせながら、話題のchatGPTというものを使ってみました。
アプリをダウンロードして、英語の画面だったので、まず最初の質問は「日本語で大丈夫ですか?」と。
答えは、「はい、日本語で大丈夫です!どのようにお手伝いできるでしょうか?」と丁寧なもの。
気をよくして、『賢愚経』というお経の「貧者の一灯」の元となった部分の漢文を張り付け、「以下の漢文を日本語に翻訳してください」と入力。
すると、サクサクと驚くようなスピードで完璧(だと思われる)な内容できれいな日本語になって返ってきました。
これなら、全ての事柄に答えてくれそうです。
続いて、福島原発から放出される水について。
気になっていた、通常の原発から放出されるトリチウムと事故を起こした原発からのトリチウムに成分的な違いがあるのかという点について質問すると、
「通常の運用中に排出される原子力発電所のトリチウムと、原発事故後に排出されるトリチウムにはいくつか違いがありますが、これらの違いは事故の種類や規模によっても変化します。以下に、通常の運用と事故後の場合での違いを簡単に説明します。・・・」と、トリチウムそのものの違いではなく、主に排出量や放出状況、地理的要因などに関連しての違いについての答えでした。
なので「どこから排出されたかによらず、トリチウムそのものには違いがないのではないか」と追加質問をすると、驚いた答えが返ってきました。
「申し訳ありません、誤解を招くような回答をしました。ご指摘いただいた通り、トリチウムそのものには排出の源による違いはありません。トリチウムは放射性同位体であり、その特性は排出元によらず一定です。・・・」と。
え、AIが自分の答えについて謝罪をするんだ、と驚いたのです。
さすがchat(会話)と言うだけあって、やりとりの経過も踏まえて回答してくれるのでした。
最後に褒めてみようと思って「色々ありがとうございました。回答の正確さスピードに驚きました。今日はこれぐらいにしておきます。」と伝えると、
「どういたしまして!お役に立てて嬉しいです。質問がある度にこちらでお手伝いできるので、何か質問がある際はいつでも気軽にお尋ねください。良い一日をお過ごしください!」と、優しいお姉さんと会話をしているような雰囲気で、楽しい気持ちになりました。
すごい時代になってきました。
良いか悪いかは分かりません。利点もあれば弊害もあるのでしょう。
インターネットを使い始めた時、これは百科事典だと思いましたが、もうそれどころではありません。使い勝手といい、手軽さといい、万能という意味では、いわば「百億科辞典」とでもいうべきものです。
もう少し使ってみようと思います。

トリチウムについて気になったのは、通常と事故後の原発からの排水でトリチウムに違いが出るかという疑問からで、放出についてのことではありません。
そもそも原発そのものに反対の立場なので、事故には憤りを感じるし、その処理についても、だから原発は危険なのだという思いを強くするばかりで、通常であろうが事故後であろうが、放射性物質を海に流すこと自体賛成できるものではありません。
ただし、事故は起こってしまい、たまり続ける汚染水を何とかしなければならないというのも現実でしょう。
その処理方法として、それ以外の方法が考えられないとすれば(そうではないかもしれませんが)、科学的データを明らかに、リスクも含めて包み隠さず公表して、間違いなど起こらないよう万全に管理してもらう以外にないでしょう。
加えて、もし海洋放出以外の処理方法が発見・発明されれば、直ちに放出を止め、変更することに躊躇することのないよう求めたいと思います。その発明にも手を抜くことなく全力を尽くしてもらいたいと思います。
いずれにせよ、原発は核爆弾と変わらない原理なので、存在そのものが危険であることに変わりはありません。
それを管理するのが人間ですから、万能ではありません。人間のやることに人為的ミスはつきものです。
むしろ、人間は間違うものだと認め、それを許し合う社会こそ人間らしい社会なのだろうと思います。
幸せの形に正解がないように、AIとは違うあいまいな生き方を人間は目指すべきなのでしょう。
正解はAIに任せればいい。正解のないところに人間の価値がある。今後そんな受け止め方ができるようになれば、AIの更なる進歩にも意味があるように思います。
それにしても、AIが謝罪するとは。もちろん、AIに謝罪の「気持ち」があるわけではないでしょうが。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。