Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

秋の雲

2010年10月16日 21時14分53秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 雲を見ていると飽きない。秋・冬・春・夏それぞれの季節にそった表情がある。朝・昼・夕・夜・明け方それぞれの時間帯ならではの色がある。晴れ・曇り・雨・雷雨・雪さまざまな気象に合わせた形もある。
 1年を通した規則的な気候変化に関わらず、時々刻々の様は不規則である。人間はこの大枠では規則的、定常的なものであっても瞬間的には不規則なものの連続を見ているのが好きなのかもしれない。
 たとえば滝や沢の流れ、海の波、大河の流れ、風になびく草原のうねり、樹々の葉や枝のそよぎなどなど。物理学的には波、波動方程式というもので説明ができるものだが、解のあるような規則的なものはかなり複雑であっても人は機械的、人工的なゆらぎと、人はすぐに見破ってしまうようだ。海の波をいつまでも眺めていた記憶は多くの人にあると思う。

 秋は空を見る機会が多い。夏のうだるような暑さの元ではみながうつむいて歩く。私も夏は雲を見る気にはなかなかならない。せいぜい夕焼けにはえる入道雲なのかもしれない。多くの人は冬も背を丸めて寒さをこらえているから空を見ないようだが、それでも私は遠くの雪に覆われた山を見るのが好きだから、背筋を伸ばして山と、それに続く空と雲を見る。春は秋についで空を、雲を見るのかもしれないが。
 今季節は秋、私はウォーキングの途中いつも空を見上げる。特に夜は雲の色が微妙にさまざまの色合いを示して美しい。雲が細切れに夜空のごく一部に浮かんでいると美しさもひとしおだ。空一面に紫がかった日もある。暗緑色がかかったような時もある。雲もそれにつれてうすい紫がかったり、緑っぽく見えたりする。それに月の出ている、出ていない、三日月か、満月に近いかによっても、違う。
 5分後に見上げると、雲の形も変わり、地上では風がないのに、ついさっき想像していた5分後の位置と随分違うな、と驚くことがしばしばある。
 さて晴れた昼間の秋の雲の私の印象は陰影が少ないことだ。白い部分が圧倒的に多い。そしてうろこ雲などといわれるように細切れである。夏の雲は厚みが手に取るようにわかり、太陽の光の当たるところとあたらないところで明暗の差が大きい。白さが目につくだけあって、秋は空全体が明るいと感じる。
 物理的には秋は夏と違い、雲の厚みが少ないためという理由で説明ができるのだろうか。また雲の高さが高いということでもあろう。気象学的な説明も知りたいものだが‥。
 雨の時の雲も全体として雲の位置が高いというのが、私の印象だ。夏や春先の荒れた天候の時の雲とは違う。雲間から日矢が美しく差し込むという光景の印象がない。印象がないだけなのかもしれないが。

 天高く‥と称される秋の空と雲だが、私の気分はなかなか晴れ上がらない。

俳句誌「軸」12月号投句

2010年10月16日 08時12分05秒 | 俳句・短歌・詩等関連
俳句誌「軸」12月号投句

★一茎のすすきの重みを瓶に入れ
★秋の雨樹木の相のあらたまる
★彼岸花雲鮮やかなるゆえに咲く
★手に肩へ塀に屋根へと秋あかね
★単眼に港は青し赤蜻蛉
★この竹のかくもあたたか秋夕日
★丹沢へ星降り行かん金木犀