松に孔雀図襖(部分)
この絵を見たとき、モノクロームの水墨画がいかに豊かに色彩を表現するか、をあらためて実感した。孔雀の尾羽、この絵は閉じているが、他の部分の広げている尾羽もこの絵も、孔雀の羽の美しさを十分に表している。そして松の葉も深い緑に見えてくる。
この絵も薄い金箔が地に施されているが、きらびやかさや豪壮さではなく、落ち着いた感じがして、絵をしっとりと見せているようだ。それが豊かな色彩を思わせる要因の一つかもしれない。また尾羽の丸い模様が鮮やかなこともその要因の一つでもあろう。
岩の上に孔雀を配し、その上に松の絵だがあるのもいい。翅を広げた孔雀があらわされた他の部分では、孔雀のすぐ隣に岩がある。いづれも孔雀と岩の対比と松の風情がうまくあっていると思った。
襖12枚には孔雀と岩と松の3種しか表現されていないが、松の枝ぶりも何となく自然に枝を広げて見える。実際はこんなに広げた枝を持つ松はありえないと思うが、無理なく納得させられるのが不思議だ。左側の4枚、全体の三分の一を占めるのは松の枝のみ。特に一番左は何も描かれていない。の中央の4枚に幹日本と孔雀雄雌各1羽、岩1つが描かれているのに比べ実に伸びやかな空間を示している。
右側4枚には松の絵だが左から右へこれも実に伸びやかに描かれており、押すの孔雀が岩の上に乗っている。たたんだ尾羽と松の枝が平行なのも効果的だ。
襖12枚を使って、3種の絵をといえなくもない。襖12枚だから横の広がりは伸びやかだが、並みの絵ならば縦の空間が窮屈になってしまうだろう。しかしこの絵はそんなことは何も感じさせない。
この絵を見たとき、モノクロームの水墨画がいかに豊かに色彩を表現するか、をあらためて実感した。孔雀の尾羽、この絵は閉じているが、他の部分の広げている尾羽もこの絵も、孔雀の羽の美しさを十分に表している。そして松の葉も深い緑に見えてくる。
この絵も薄い金箔が地に施されているが、きらびやかさや豪壮さではなく、落ち着いた感じがして、絵をしっとりと見せているようだ。それが豊かな色彩を思わせる要因の一つかもしれない。また尾羽の丸い模様が鮮やかなこともその要因の一つでもあろう。
岩の上に孔雀を配し、その上に松の絵だがあるのもいい。翅を広げた孔雀があらわされた他の部分では、孔雀のすぐ隣に岩がある。いづれも孔雀と岩の対比と松の風情がうまくあっていると思った。
襖12枚には孔雀と岩と松の3種しか表現されていないが、松の枝ぶりも何となく自然に枝を広げて見える。実際はこんなに広げた枝を持つ松はありえないと思うが、無理なく納得させられるのが不思議だ。左側の4枚、全体の三分の一を占めるのは松の枝のみ。特に一番左は何も描かれていない。の中央の4枚に幹日本と孔雀雄雌各1羽、岩1つが描かれているのに比べ実に伸びやかな空間を示している。
右側4枚には松の絵だが左から右へこれも実に伸びやかに描かれており、押すの孔雀が岩の上に乗っている。たたんだ尾羽と松の枝が平行なのも効果的だ。
襖12枚を使って、3種の絵をといえなくもない。襖12枚だから横の広がりは伸びやかだが、並みの絵ならば縦の空間が窮屈になってしまうだろう。しかしこの絵はそんなことは何も感じさせない。