新宿までの電車の中で読んだもの。
・ゆうやけ七色 近藤ようこ
・寓話 岡村幸宣
「・・体験を拠り所とする想像力は、否応なく遠ざかりつつある。「記憶の継承」がメディアが取り沙汰されるのは、そんな危機意識のあらわれだろう。一方で、歳月によって記憶が遠ざかるのは自然なことだ。体験者の証言はかけがえのない意味を持つが、他者がそれをなぞるだけでは、記憶の鮮度は失われていく。「継承」とは、記憶の意味を理解し、思索を深めると同時に、そこから見出せる問題意識を更新し続けることだと思う。」
「ものごとにはかならず終わりがある。けれども人々の心には、確かな記憶となって残り続ける。美術家の心のなかにも、この場所を通過したという記憶と手ごたえは残されるだろう。大切なのは、その試みを、途絶えさせずに続けていくことだ。」
今月号は16編中12編で読了。