昨晩は十五夜の月の下を20分ほど歩いてきた。月がほぼ真上に見えたが、下を見ると月による自分の影を見ることができた。とても微かな影であるが、道を東西や南北に行き来するうちに、間違いなく月による影だと断定できた。ずいぶん久しぶりに見たと思った。月によってできた自分の影を追いかけているうちにいつの間にか自分の影が今度は後ろにできていた。
月による影は残念ながら街灯や車のヘッドライト、コインランドリーやコンビニの灯りですぐに消えてしまうほどの儚さである。
そんな遊びをしているうちにあっという間に20分経って自宅にもどってきた。小さいころに戻った気分になった。しかし23時過ぎに月による自分の影で遊んだことはないはず。子どもの頃は、真夏の昼間の影遊びであったはずだ。
そんなふうに時間が混同するのは、何という現象なのだろうか。
大人になってからの記憶は2回しかない。仙台での学生時代に、大学の構内で見た記憶がある。アルバイト先から疲れた体で大学の構内を通って住んでいたアパートに戻り途中だった。また30歳を過ぎて南アルプスのどこかの山小屋で深夜に外に出たときに見た記憶もある。そのときは通りがかった人のヘッドランプで一瞬消えたが、すぐにくっきりと元に戻った。
いづれも疲れた体を引きづっていた時の記憶である。しかし昨晩はそんな状態ではなかった。
本日は満月、ふたたび月による自分の影が見られるだろうか。
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