久しぶりに美術館へ出向いた。といってもごく近く、横浜駅東口のそごう美術館で開催されている「KAGAYA 星空の世界展」(7.23~8.31)。会期は明日までである。
思ったよりも多くの来場者がいて、チケット売り場では15名ほどが並んでいた。夏休みの子どもをも対象にした展覧会でもあるが、大人が見ても十分に楽しめる。私のように元天文少年崩れでも同様。
私が学生時代までは、星空と風景写真を同時に画面の中に入れるのは「邪道」といわれ、「天体写真」は「学術写真」でなければならない世界であった。多分にデジタル写真によって星と風景が合体する「星と風景の写真」がもてはやされるようになったのではないかと思っている。
これによって天文ファンがおおいに増えたことを思えば、この世界の確立者には大きな栄誉が与えられてしかるべきと思う。
各種星雲やさまざまな形の銀河の写真、宇宙最深部の写真や、太陽系の各惑星の拡大写真などは興味深くそれだけでも見ていて飽きないものである。しかし見る人によっては多少の色合いの違いがあっても点だけの「星」だけが映っていて、つまらないと思う場合が多い。
人は未知の世界であっても、身近な地球の自然や都市風景と絡めることでその世界がより身近に思えるものである。それが宇宙への興味の入口になればさらに嬉しいものである。それがひとつの「美」として確立されたともいえる。
例えば月食や日食、彗星の出現にワクワクするのは、それらが宙空にかかっているだけでなく、地平線や山並みや夕焼け、そして都市風景、人工物、人に身近な自然物などと組になって目に飛び込んでくることで、身近に感じるからではないか。
世界を見る目、宇宙を見る視点が拡がることが、ものの見方が豊かになることに繋がるといいのだが。