ウェザーニュース社は17時過ぎの地震について「南海トラフ地震とは別要因」として、17時30分に次のように配信している。
11月14日(月)17時09分頃、三重県南東沖で深発地震がありました。震源の深さは約350km、地震の規模はM6.1と推定されます。この地震では、震央に近い東海地方ではあまり揺れず、少し離れた関東や東北南部で震度4~3の揺れが観測されました。
関東や東北の太平洋側に揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布ですが、たびたび起こることであり、地震活動そのものは異常ではありません。
★深発地震による異常震域とは
今回の地震は非常に深い所で発生する「深発地震」と呼ばれるものです。
多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。
今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って、北日本や東日本の太平洋沿岸に揺れが伝播したものと考えられます。
深発地震では津波の可能性は小さく、一般的に震源が100kmより深い地震ではほぼ津波の心配はないと考えられます。
オホーツク海や日本海、三重県南東沖から東海道南方沖、鳥島近海などでは同様の深発地震が発生することがしばしばあり、数年に一度M6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
1984年1月1日には三重県南東沖でM7.0の地震が発生し、東京都千代田区や横浜市で震度4を観測しました。こうした地震は津波の発生こそないものの、大きな揺れを伴うことがあるため、注意が必要です。
少し大きな揺れがあると、決まって南海トラフ地震と結びつけて論評する人も多いようで、それを否定するためにも、このような早めの見解表明が求められているのだろうと思われる。
確かなことと、不確かなことを混同して不安を煽る言説には振り回されないようにしたいものである。