バッハの曲を連続して聴いているうちに、まだ続けようとしていたが、いつの間にかベートーヴェンのビアノ三重奏曲になり、そして今はメンデルスゾーンになった。メンデルスゾーンは、作業中のバックグランドとして、作業を中断して音楽に入れこまないようにというつもりだった。
一応作業の見通しも立ってきたので、そろそろバッハに戻ろうと思ったが、メンデルスゾーンのCDがあと3枚ある。ヴァイオリンソナタ2曲、ピアノ三重奏曲2曲、そしてヴァイオリン協奏曲。これを聴き終わってからバッハに戻ることにした。
こんなに続けてメンデルスゾーンを聴いたのは17~18年ぶりだろうか。ヴァイオリン協奏曲に至っては30年以上も聴いていないと思う。
曲を聴くにも波があることがわかる。そして意外と同じ曲を無意識のうちに聴くものである。そして忘れたころにふと思い出して聴くのもまたいい。演奏することや聴くことで生計を立てているわけではないので、好きな時に聴きたい曲を聴けばいいいのである。
しかし意識的にならないと、次の曲に移るタイミングを失うこともある。「意識的に選択する」ことも大切である。それが意識の固定化を防いで、思考や感受性の柔軟さを保ってくれると思うようになった。
これは何も音楽に限ったことではないはずだ。気に入った絵画ばかり、俳句ばかりを読んでいては頭が固まってしまう。時々は空気を入れ替えるように、思考や感覚を刷新できるように刺激を変えないといけない。
さて、明日は「美術の物語」の17回目の講座である。「新しい知の波及」ということで、16世紀初頭のドイツとネーデルランドの絵画を扱う。画家では、アルブレヒト・デューラー、グリューネヴァルト、ルーカス・クラーナハが取り上げられている。そして最後にヒエロニムス・ボスも登場する。
講座終了後は、引き続き退職者会の作業。メンデルスゾーンを聴きながら、会議の資料作りの仕上げである。