もっとも有名で、私もこの曲が聴きたくてこのCDを購入したのは、第4番《ドゥムキー》であった。しかし今回は、第1番~第3番の印象が非常に良かった。
以前は第4番《ドゥムキー》ばかりを聴いていた。ドゥムキーとはスラブの哀歌のドゥムカの複数形という。しかし今回は、哀歌・悲歌という印象は第3番のほうがよりその傾向が強いと感じた。
昨日から、この二つの曲を続けて聴いていると、あまり記憶になかった第3番が実に懐かしく思い出されてきた。解説の文章を読むと、第1楽章は冒頭から「ブラームス的」ということらしい。リズム、ハーモニー、旋律どれもがたしかにブラームスのニュアンスは強い、と感じた。
第1楽章から第4楽章まで、とこからでもすでに幾度も聴いている懐かしいような感覚に襲われる。第3楽章は、悲歌・哀歌という表現が似合う。
第4番はあまりに凝りすぎのように聴こえた。ドラマチックすぎるというのだろうか、語りすぎている小説のようである。聴き終わるとどっと疲れが出てしまう。あるいはこれでもかと進められて、食べ過ぎてもたれた食事のようでもある。
多分聴いている私のほうの精神のありようが原因であることは分かっている。しかしこれまで味わったことのない、満腹感であった。
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