今回の津波では、漁船の転覆等の被害、養殖などの漁業施設の被害、共通入学試験の混乱、鉄道の運休、飛行機の欠航などの被害が報道されている。また1991年のピナトゥボ火山のような大噴火ならば、数年後の気温低下などによる農作物への影響なども考えると、影響はさらに大きくなる。この時は、大量の大気エアロゾル粒子が成層圏に放出され、全球規模の硫酸エアロゾル層が形成され、地球の気温が約0.5℃下がり、オゾン層の破壊も著しく進んだ。日本では米の不作により米の輸入に頼らざるを得なくなった。
なお、津波の原因については、気象庁でもなかなかその原因や解析が出来ない事態のようである。わからないことはわからない、と答えていた姿勢を私は評価したいと思った。
また、読売新聞は、東北大の今村文彦教授の分析として、「地震などで海底の地形が変化して発生する通常の津波では、海面は、10分から1時間程度のゆっくりとした周期で上下に変動する。特に、遠方から襲来する津波は周期が長くなる傾向がある。今回観測された津波の周期は数分程度と小刻みに上下動するタイプだった。このため、火山噴火に伴う海底の変動や、噴出物が海面に落下した衝撃で発生したものとは考えにくい。これらの潮位や気圧の変化を分析した結果、津波は気圧上昇の後に確認されていた。」「気圧の変化をもたらした衝撃波は、海面に短い周期の波を作りながら長い距離を移動してきた。日本付近ではこの波が集積するなどして、大きな津波となったと考えられる」と報道している。
津波はチリでも大きな被害をもたらしており、日本近海だけではないので、私の頭ではなかなか理解できない。
いっぽうで図のような状態が映し出されており、島が消失するような大規模噴火であったこともうかがえる。
噴火の状況や規模、そしてメカニズムの解明にともない、津波の分析がさらに進むことを期待したい。