午後に用事を頼まれて横浜駅まで出向いた。帰り際にサボって喫茶店でコーヒータイム&若干の読書。「雨月物語」(上田秋成)の「青頭巾」を読み終えた。
話の筋は追えたものの、これまでの7つの物語とはおもむきが違うようでもあり、物語の示唆するところがよく理解できなかった。
物語中の「心をさむれば誰も仏心也。放てば妖魔」という言葉を鍵として、食人鬼となった僧の心を救う。しかしこれが禅宗=曹洞宗の基本理念なのだろうか。
よく理解できない解説であるが「人間の本質を善悪以前の白紙と捉える考え方は、国学が思い描いた古代人の「直き」人間像に繋がっている。鬼僧が「直くたくましき性」と評されていることは、鬼僧が古代的な人物でもあるということである。善悪の境界を易々と越えると同時に、仏教と国学の境界をも越えてしまう人物がここに描かれている。こういう原型的な人間像を秋成は繰り返し描いた。」
いろいろと考えているが、私の能力ではよくわからない物語の核心である。