夕食後は久しぶりに「日経サイエンス」を紐解いた。読んだのは2月号の「DNAが語る古代ヤポネシア」。ゲノム解析と考古学を組み合わせて、先史時代のヤポネシア(島尾敏雄の造語)での複雑・多様な古代人の流入と混血の歴史を見ようというもの。
これまでは、縄文人に弥生人が流入・混血し、「日本人」の原型が出来たと教わってきたが、さらに古墳時代の人々のDNAの解析からいっそう複雑な流入・混血が想定されるらしい。
また、アズキという作物、縄文犬とニホンオオカミとの関係などにも言及されていた。
なお、このゲノム解析から進化を探るという分野は私の最も不得意とするところ。
・縄文人の痕跡を現代人に探る
・ゲノムで見る躍動の弥生時代
・アズキ 日本から大陸に渡った作物
・古墳に眠る人々の家族関係
・縄文犬とニホンオオカミの深い関係
の5編を読んだ。
「渡来の波の「三段階モデル」や日本人集団を中央軸と周辺部分に分ける「内なる二重構造モデル」を提唱している。さらに遺伝的特徴の異なる集団間の混血の時間的・空間的ダイナミクスをもっと加味して精緻な説に仕上げなくければならない。」(「縄文人の痕跡を現代人に探る」)。
「渡来人の故郷の一つ(中国東北部の内モンゴル自治区から遼寧省にかけての西遼河地域)が判明したが、谷ものルーツとなる場所が存在するようだ。…「渡来人と縄文人の混血」は従来考えられてきたよりも幅広い時代と地域で起こった可能性がある。」(「ゲノムで見る躍動の弥生時代」)
理解できたかどうかは別として、とりあえず目を通し終わった。他の特集や記事は追々と。