メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(2003.9~ part3)

2014-02-14 13:24:34 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『オルゴール』(1989)
監督:黒土三男 出演:長渕剛、仙道敦子、哀川翔 ほか
グル魂がやたらVシネ俳優をフィーチャーしてるおかげ?で知り得た翔さん。
「いいとも」にも出て、なんかカッチョい~~~~と気になって借りてみたw
翔さんの出てるシーンだけ面白かった。同じ双子座だしv
意外に軟派なキャラなのね。高い声が特徴。

好きな女優、仙道&永島さん(『湯殿山麓呪い村』つながり)の共演もあるし。
「仁義」シリーズの硬派なヤクザ映画から、ニューウェーブとしてチンピラ映画ができたのか?

長渕色が濃いせいか、兄妹2人っきり&結婚間近&別れた女房と子どもetc...
ベタベタな設定。大事そうに抱えたタイトルのオルゴールからは持ち歌が流れ・・・

長~~~~い親子の再会シーン。それも道のド真ん中。おいおい、轢かれるよ君たち
子分役の翔さんのほうがよっぽど風格あって強そうだ
しかも粉をすする長渕さんの演技が素に見えるほどリアルで笑えない。蹴り方も慣れた感じ・・・

さてさて今作でブレイクしたらしい翔さんの他作品も気になるところ。乞うご期待v

(そっか、もとはといえばグル魂からなのか!


『ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ~』(1990)
監督:高橋伴明 出演:哀川翔、青山知可子、峰岸徹、宍戸錠、山田辰夫、力也、大杉漣 ほか
ドラマ「とんぼ」と前回観た「オルゴール」、そして今作が大ヒットして俳優として注目されて以降、
“哀川ブランドに外れなし”とVシネ帝王伝説に。出演作が13年目にして100本達成!
今作では結構からみシーンも大胆にあるし、トンボ返りで一世風靡セピア時代の片鱗も披露。
挿入歌まで書いてるみたいで多才さが光る。

原作者が安部譲二さんだけに、アクションヤクザ映画かと思いきや、若いチンピラが殺しを命令されて
“男”になるまでを描いてて、肝心な結末がない。
「いくぜ・・・」て決めた背中で終わってて、チンピラ、ヤクザ、殺し屋を美化したままでいのかい?
と勧善懲悪ものに慣れた客は思ってしまう

「初犯なら10年臭いメシだ」ってゆーけど、今はもっと待遇いいかも?
「出たら通帳に金が待ってる」やり方は昔と変わらないみたい。

まだまだファッションとか映画自体が'80をひきずってる。
ピンクの口紅、パーマ、白いフレアスカート、カラフルなシャツetc...
ポケベル、公衆電話、ベンツの中の電話がカッチョいいって時代。


『借王 シャッキング』(1997)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子 ほか
1991年バブル崩壊。億単位の借金を抱えた他人同士が詐欺で返済していく。
悪事も悪事で取り返すナニワのあくどい底力。っつーか転んでもタダじゃ起きないバイタリティ~!
今作ではマネーゲームに溺れて15億もの借金を抱えた中堅エリートサラリーマンの銀行員(妻子持ち)を演じる翔さんもハマる。
大阪のオバチャンも参る男臭さと色気を漂わせて、クールかつ人間味もあるダークヒーローって感じ。

3人は最初の約束通り、金を山分けしたら赤の他人に戻る―――はずが、
まだまだ返済が足りないらしく好評シリーズ化してるw

夜逃げといっても今は昼間が多いらしく、山奥より都会に紛れ込むのが一番らしい。
不景気が続く中、他人事じゃない人がたくさんいるんだろう。
それを逆手にエンタテイメントにしちゃってるところが大阪っぽい


『ピンポン』(2002)

監督:曽利文彦 脚本:宮藤官九郎 出演:窪塚洋介、ARATA ほか
『GO』以上に泣けて感動するスポ根王道、なぜか私は『エースをねらえ!』がダブった。
世界一を目指す極めた世界は、共通点が多いのかも。クドカンに男の友情を描かせたらピカイチ。
マンガの元ネタは知らないけど、それぞれキャラのハッキリした役にハマってるこれ以上ないキャストで、
ピンポンってゆー地味なスポーツを題材に、ここまで面白いエンタテイメント映画が出来ちゃうんだから。
ネタの尽きたハリウッドよ、邦画を観ればよろしい。

トランス系のアップテンポな挿入歌がマッチしてる 特訓は積んでもボール(客まで)CGってゆう裏話もある。
川に飛び込むシーンで警官役に『マンハッタン~』土井垣さん役の俳優もチラリw

(この頃はまだ部長の名前は覚えてないらしい


『借王2 シャッキング』(1997)
監督:和泉聖治、香月秀之 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子 ほか
一発当てても2となるとコケるシリーズが多い中、
原作と脚本の面白さでどんどん引きこまれてゆくこのマネーゲーム。
もちろん、ハマり役のキャストもイイ。ついつい続編が観たくなる。
今回、残額表示はなかったけど、3まではいかないだろうとの謙遜か?
ハメる3人が、逆にハメられそうになる展開が楽しい。

今作では翔さんもお得意?のヤクザに扮するシーンあり。
黒縁メガネの銀行マン、監察官と、いろいろコスプレ?七変化するのも見所。
翔さんと夏樹さんの間になにやらイイ雰囲気が漂ってないともいえないし
でも今どきマンション住まいで、親子3人床に布団を敷いて寝るウチも珍しくないかい?w
次長家の夫婦関係もなんだか他人行儀っぽいし・・・もしや、昇進狙いの結婚か?


『BAD GUY BEACH』(1995)
監督:あいかわ翔 出演:哀川翔、梶原聡、藤原紀香、麻生久美子 ほか
よく頑張ったで賞w 翔さんの長~~~いプロモって感じ。原案も担当したのかな?
ゲーム業界とかの材料の着眼点はイイ感じ。
怪しい店のオーナーは『晴れときどき殺人』に出てた男優だ! 懐かしい~~ってか全然変わってなくない?
藤原紀香も若い頃は顔がパンパン。ってか自作に相手役ヒロインにしてるのは、翔さんのタイプなのか?
怪しい中にもファンタジー色の入ったフシギな作品。


『木更津キャッツアイ/日本シリーズ』(2003)(劇場にて

監督:金子文紀 脚本:宮藤官九郎 出演:岡田准一、櫻井翔、岡田義徳、佐藤隆太、塚本高史、哀川翔 ほか
今までに劇場でこんなに本気で笑った映画は初めて(泣笑
人を泣かすより笑わせるほうが難しい。

これを30日で撮り上げたって、低予算でも最高のエンタテイメントを創れるんだ。
さすがクドカン、これでもか、これでもかの笑いのツボ、相変わらず絶妙のテンポとタイミング。
これ以上ないハマり具合なウッチャン(TVコントを彷彿)、2H前後?が永遠に続きそう、いや続いてほしいと思わせる1本。

そして何より、チョイ役と思いきや、しっかり要所要所に絡んでた翔さん
のっけからのつかみが「テキヤ球団」だもんね/爆

ドラマの映画化でコケる(『X-FILES』や『ツインピークス』)作品が多い中、グッズやイベントなどの
スタッフの知恵&努力の成果でもあるが、見事なまでにドラマをつなぎ、
また超える面白さで締めてるところがスゴイ。
また余命が半年延びたことだし、シリーズ化してくれないかな

翔さんに電話して「日本語勉強したいってゆーんすよ」「じゃ、そっち行くよ」
「いや、マジすか? 今どこです?」て見ると、すぐ近くにいる/爆
「今『ゼブラーマン』の撮影なんだ」w ボールに“完全燃焼”って書いてあるやつを渡して
「もう行かなきゃ」てボートに乗って決めポーズのまま去っていく、あくまでカッチョいい翔さん

キャッツのHPでは氣志團と一緒にビデオレターがあって、撮影中のホテルでのコメントが聞けたv
しかも劇場で『ゼブラーマン』の予告編もしっかり観たっ!
意外に?カッチョいいではないか! もうロッピーで前売り売ってたから買わなきゃw

これでまたまた新境地開拓。Vシネを知らない人々にもその勇姿が広がっていくことだろう。
なんだか客もキャッツぽい人選なのが笑えた。
ps.ウッチャンのやりすぎ“やっさいもっさい”がほんとウケる


『白い手』(1990)
監督:神山征二郎 出演:南野陽子、哀川翔、石黒賢 ほか
少年時代の様々な思い出は移ろいゆき、大人になってほとんど思い出せないものばかりになるけれど、
苦しい時、寂しい時、思い出して自分を元気づけてくれるのは、やはり子ども時代の思い出や体験だ。
そんな日々を純朴に描いた爽やかな1作。


『借王3 シャッキング』(1998)
監督:香月秀之 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、萩原流行 ほか
今回は大阪人が金の次に好きな人情絡み。
それぞれがワケありで、ビジネスだといいつつも、いろんな人間関係を巻き込んで、半分人助けになってきてる。
言ってみれば悪徳商売人を騙して、ボロ儲けした汚れた金をせしめるワケだから、現代の悪のヒーローと言えなくもない。
夕陽に映える翔さんの決めポーズにしびれる~~~

ラストはまた3人で夕陽見ながらわざわざ別れと再会の儀式。
水沼の残額不明、怜子はあと2億、安斉はあと12億。まだまだ先は長そうだ
しかも早々4の予告が入ってて、次回は安斉が刺されて大ピーーーンチ!
大ヒットシリーズなのね、これって。


『黄泉がえり』(2008)
監督:塩田明彦 出演:草剛、竹内結子、哀川翔 ほか
翔さんは助演もいろいろあって、ヤクザもの以外に幅広い表情が観れるのが楽しみv
今作では、娘を持つ普通のお父さん。笑わせようとヘンな顔をつくるシーンにポッ

作品自体は淡々とした話。ラストに撮影風景のオマケまでついて、草くんのアイドル映画風味。
今作でRUI役・柴咲コウが歌も上手いって分かった
蘇ってほしいと願ってたヒロインが、実は死んでたってアイデアは『シックス・センス』の受け売りか?

「愛する人と一瞬でも心が通ったことで、その人がいなくなっても前向きに生きていける」
といった言葉で納得した答えを見つける。

コメント

notes and movies(2003.9~ part4)

2014-02-14 13:24:33 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『めぐりあう時間たち』(2002)
監督:スティーヴン・ダルドリー 出演:ニコール・キッドマン、メリル・ストリープ、ジュリアンン・ムーア、エド・ハリス ほか
今年注目していた人間ドラマのひとつ。ベテラン女優3人を看板にするだけでも豪華。
ニコールはウルフになりきって顔に特殊メイクまでして意気込みを見せた。

観てみると、淡々とした女性の生き方、それもたった1日の出来事で、
書いているウルフ、作品『ダロウェイ夫人』に感化されている50代の主婦、
そして彼女の息子の友人である現代女性、終盤に互いがリンクし合うという構成がポイント。

「私はあの家で死ぬことより、子どもを捨ててでも生きることを選んだ」

「あの朝、幸せはここから始まるんだって思ったけど違った。
 あの瞬間がまさに幸せそのものだったのよ」

ジュリアンがベッドで寝ていると周囲が水で溢れるシーンはショッキングな心理描写だ。
傍から見れば幸せそうに見える普通の女でも、それぞれ抱えている問題と皆闘っている。
夫人の友人は、ローラに子どもがいることで「あなたは恵まれている」と言い、
ローラはMに「娘がいて幸せね」と言う。

E「人は何で生きてるんだ」
M「お互いのため。皆支え合って生きてるのよ」

それぞれ価値観が違うから、生きる権利も、死を選ぶ権利もある。
人のために生きることもできるが、まず自分のために生きなければ、
人に愛情をわけることもできないのではないだろうか?


『借王4 シャッキング』(1998)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、西川峰子 ほか
翔さん・・・いや安斉の名演にすっかり騙された。とにかく無事でなにより。
今回も地道に1億ずつ返せた。「インサイダー取引」がキーワード。
いやー世の中いろんな金の回り方があるもので、てか普通に生活してたら
1億円使うのだってすごい額なのに、借金地獄ってホント無常・・・

「自分の勝負のケツは自分で拭く。負けてたまるか!」の決めゼリフがgood。
銀行上層部って人生と金に関する幅広い洞察力に長けてないとダメなのか?
さて、次回1億ずつ入ったら怜子は降りるのか?が気になる。

バグパイプみたいな音のインパクトあるテーマ曲もすっかり耳に馴染んで、
週末にこれを聴かなきゃ落ち着かない感じ

「ゼブラーマン」の前売りも買って、翔さんはプロモーションにあちこち、TV出演もして、ますます大忙し!
年末は衛星放送も含めて3本も一気に出演作OAありv


『うなぎ』(1997)
監督:今村昌平 出演:役所広司、清水美砂、柄本明、倍賞美津子、田口トモロヲ、哀川翔 ほか
カンヌの賞をとったらしい。今村監督ってたしか有名だよね。他に何を撮った人かな。
リアルでドロドロした人間模様と、これでもかの執念、情の世界って私が一番苦手な部分だけど、
これだけのベテラン役者が揃って、うなぎって動物を選んだインパクトも強いし、翔さん出演作としては異色。
花粉症?で赤いスポーツカーに乗った近所の兄ちゃん役。パーティの時にギターを弾いてるのもそう?!

UFOが来ると信じてる近所の男「来ると思う?」「強く信じれば来るのよ」

前科者は暮らしにくいから、強姦でもなんでもして再び刑務所に戻るという。
真面目に刑期をつとめても、自分の犯した罪に反省がないのはどんなものか・・・
まあ、殺すほど愛してたって理由も成り立つかもしれないけど、妻も浮気する理由があることだろうし。

般若心経を唱えつつ、しつこく絡む柄本さんの演技は強烈。
フラメンコを踊る市原悦子さんも怖い
金目当てのダテ男役?の田口さんもハマる。

うなぎが赤道付近まで2000kmも旅をして(生殖のためにそこまで・・・)、
メスの卵子にオスが精子をかけ、子どもを作ってから日本の川までまた戻って来るってトレビ知識も得たw
で、蒲焼にされちゃかなわないだろう。

「やっとオレもお前と同じになった。誰の子か分からなくても子どもは可愛がらないとな」

待っててほしいとも約束しないのはズルイっちゃズルイ。
しかも、自分の殺した妻似の女ってのも悪縁だ。
そうそう、清水美砂がすごい格好での体当たり演技/驚 有名監督のなせる技か?


『借王 THE MOVIE 沖縄大作戦』(1999)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、南野陽子 ほか
シリーズ5作目にして映画化か。予算も増額して沖縄ロケだっ
翔さんは白スーツで決めて、なんと水上バイク?にも挑戦。
何やってもサマになる、こんなカッチョいい銀行員はいないw
怜子も、こんな色っぽい公務員はいないだろうに。

今回で借金全額返済となった怜子に、安斉はひと言「おめでとう」と言って
アッサリとした別れとなったが、6の予告編にまだいたような・・・?
水沼はまだ残額不明、安斉は10億。今作では京都のオバチャンとの布団2ショットもサービスw
家族で娘に誕生日祝いをあげるシーンは、ちょっとプライベートとも重なるものがある。


『修羅がゆく』(1995)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、大和武士、萩原流行、菅原文太、安岡力也 ほか
修羅:阿修羅の略、争いを好むインドの鬼神

『借王』と同じ監督が翔さんと組んだ、これまた大好評シリーズ。
『仁義なき戦い』の現代版といったところ。菅原文太も出てるし。しかも医者役ってヤバすぎる

横浜が舞台で、大阪ヤクザと東京ヤクザの対立も見せどころだけど、翔さんはあくまで標準語。
ドスをきかせて暴力ふるっても、どこか情が染み出て、クールで軽やかだから
どっちかっていったら知恵と信頼でのし上がったタイプ向き。でも背中には修羅の刺青がうねる!
コミックの映画化らしく、続くの前提ですって終わり方が可笑しい。

北海道出身の恋人が「迷惑はかけられない!」と言いつつ、思いっきり絡んでくる。
若いチンピラRが本郷に恩義を感じつつ殺され、ヤクザ映画ってホント不毛・・・

翔さん出演やヒヤム推薦でもなきゃ絶対自主的には観ない、癒されないジャンル。
これを娯楽として観て楽しむファンってどんな感覚なのか?
目潰しや、寝技かけるわ、刀でけっこう立ち回りをする翔さんは「Vシネの帝王」てこのことだったのかあ。

肩に黒いコートをひっかけて、斜めからの横顔ショットがあまりにキマってて、なぜか笑える
しかも、その後の作品紹介がチカンものとかだもの。
私がVシネを最初、ヤクザ映画かAVものと勘違いしてたのもムリないっしょ?

(このシリーズで、また萩原流行さんの魅力を再確認してハマったv


『借王6 ナニワ相場師伝説』(1999)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、根津甚八 ほか
6作目にあたる今作は、ベテラン根津甚八さんの重厚な演技が見所。
翔さんと並ぶとホント絵になる2枚看板。しかも、昔ボクサーを目指してた安斉の意外な過去も明らかに!
だから少々荒っぽいことも平気なのか。てか1人は有能な銀行員、1人は株式のエキスパートに育ったとは、
どこの塾よりもすごいジムだな、ここはw

2人がカッチョよく語るシーンで、カメラが引いていくと、そこはなんと通天閣のてっぺんだったってゆーシーンが爆。
あんな高い所まで上がれて、しかも屋外に出れちゃうんだ/驚

借金は返したが、今作は情がらみで参加した怜子。珍しく本気キスシーンもあるで

「試合はまだ終わっていない」
Nの残したメモの言葉を噛み締める安斉。
3人はいつものニンマリ顔もなく、夕陽をバックに無言で別れる。
いつもの京都のオバチャンも出てこなかったし、人情がらみの人助けになってきてる。


『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(1999)
監督:三池崇史 出演:哀川翔、竹内力、杉田かおる ほか
あのー、チョットマッテクダサイ、このエンディング、よく分かりませんでした
竹内さんが取り出したのは水晶玉?OR核爆弾? 地球まで滅んでしまったんですかね。

ヤンキー座りの2人が♪ワン、ツー、ワンツースリーフォー て始まりからブッ飛んでる。
癒されないってか心が荒む暴力映画シリーズ。
アジアなんたら賞をとったらしく、監督はええっ『ゼブラーマン』の方じゃないすか!
角刈り翔さんの刑事役も渋いv

チキンレースの末、腹にナイフ刺さるわ、車が転倒した際、傷ついた片腕もぎとるわ、
Rと相撃ちになるわで、最終兵器はバズーカ砲vsRの武器がなんだか分からない
相撃ちの結果、地球(少なくとも日本)滅亡くらいの勢いだったけど、勢い余って続編まだあるみたい。
確実に死んでると思うこの2人が出るんだよね、やっぱり・・・

あんまりメモって思い出に残したくない汚いシーン満載だったから概要のみ。
家庭も崩壊するくらいの激務に、毎日会いたくもない死体や悪人と付き合ってる
殺人課の刑事さんって、人間味も保てないのでは? でも、実際こんな刑事いないのかもね。
「踊る大走査線」ネタも出てたけど、刑事ドラマには本物の刑事が呆れる誤った解釈がたくさんあるらしい。


『借王8 狙われた学園』(2000)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、白竜 ほか
通産8作目。こんなにほうぼうに敵を作って、面も割れてたら、どっかで誰かに見つからないか?w
“隠れるなら都会の雑踏に紛れるのが一番”て法則か?

海に落ちた子どもをスーツ姿の安斉が助けに行くシーン。
本当は服着たままじゃあんなにスムーズにいかないんじゃ・・・? ま、翔さんだからできるか
手を握られてAがポッとするシーンもオマケ?w

今作で安斉の借金は10億切った? 残るは3作くらい。完済できるか、すべてバレて地獄へ落ちるか。
それともシリーズは寅さん並みに続いてゆくのかw


『DEAD OR ALIVE 2 逃亡者』(2000)
監督:三池崇史 出演:哀川翔、竹内力、遠藤憲一 ほか
前編で死んだ2人がよみがえるかと思ったら、まったく別の話で、今作では幼なじみ同士。
キャッツでぶっさんたちが話してた“きつねうどん”の件も観れたv 人情深い殺し屋か・・・

「一緒に仕事しねーか? バカ1人殺せば何十万って世界の子どもが助かるんだぜ」

「いつも先回りしやがって」

力さんの背に黒い羽根、翔さんの背には白い羽根、まるで堕天使みたいなカッチョいい絵面だ

「地獄に落ちるなら、一緒に行こうぜ」「ああ」

ちょっとコミカルで、人情臭くて、金髪に黄色いアロハシャツの翔さんもイケてる。
夜空には描いたような流れ星 2人の通った後には、白と黒の虫の大群みたいなのが流れ出る。
前作同様エグいシーンも多々あるが、今作には少年に戻る郷愁があふれている。


『借王 THE MOVIE 2000(ミレニアム)』(2000)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、宍戸錠 ほか
今シリーズも残るはあと1本。今作のテーマは、システム金融、金貨しがつるんで人の骨までしゃぶるやり口を逆手にとる。
翔さんがダサいヅラを着けて、双子の弟役を演るコミカルさがスリリングで楽しい。
怜子は夫人、水沼が小間使いって、こんな怪しい変装、誰でもおかしいと気づくと思うよ
怜子の店は、またかんばしくないようで借金になっていたが、今回ので少しは落ち着いたか?
次回でついに安斉完済か? それとも今までの苦労が水の泡となるか?

コメント

notes and movies(2003.9~ part5)

2014-02-14 13:24:32 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『DEAD OR ALIVE FINAL』(2002)
監督:三池崇史 出演:哀川翔、竹内力、ジョシー・ホー ほか
三池監督・・・タダ者じゃない この3部作、『ロード・オブ・ザ・リング』なんか目じゃない、
壮大なスケールの一大叙事詩だったことに初めて気づいた。
アクションを超えた、超アクション。今シリーズの翔さんは、すでに翔さんじゃない。
ワイヤーアクションに、カンフーも軽く笑い飛ばすスーパー翔さん、ついに武内力と合体対決だっ/爆

「結局、人間の後始末をしてるだけなのに、ちょっとは役に立ってんのかなあ、なんて考えちまう。
 頭の上を飛び交う弾をよけながら一度言ってみたいな・・・」
「なんて?」
「愛してるヨ」
「私も」
「いいの? オレ人間じゃないヨ」
「あ、そ」
こんな会話の脚本もシャレてる。

「ここの空気はうまい。懐かしくねーか? 母ちゃんの匂いだ」
2人が本気でぶつかり合ったら、なんと合体して怪しい物体に!爆

ウーは消えるとしても、その後どーなったのか、知りたいもんだ。
弾丸を素手でとったり、画面が歪むほど速く走ったり、でも「気にしないで」と軽いノリw
中国語と英語と日本語でフツーに会話しちゃってるのも面白い。画面全体が黄金色でなんでもアリ。
三池監督の頭ん中はいったいどーなっちゃってんだか。


『借王 ファイナル』(2001)
監督:香月秀之 出演:哀川翔、志賀勝、夏樹陽子、加勢大周 ほか
ファイナルを飾るにふさわしいスリリングでデカい仕事。やっぱ一攫千金と言えば石油か・・・
日本のゴルフ場から石油が出るなんて話を信じちゃうのも弱い人間の欲の故。
今作は安斉のクビまでかかっての大勝負!

安斉の仕事が堅いのは、それまで築き上げてきた人脈と経験、良心があっての成功だろう。

「今まで挫折したことがない者は、自分に火の粉がかかるとは思わないものだ」

成功と失敗、天国と地獄を知る安斉の深い哲学がセリフに滲み出る。

「安斉さんにとって金は良くも悪くもない」
金自体に罪はない。使う人の心の弱さが犯罪や苦しみを生むってこと。


『修羅がゆく2 戦争勃発』(1996)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、萩原流行、坂上香織、力也 ほか
さて、借王シリーズが完結した後は、同監督と組んだ、こちらの長寿シリーズ。
修羅な翔さんをじっくり観ていきましょう。
ヤクザの組長にしてはクールでカッチョよすぎる新しいダークヒーローだ。

「本当にスゲエ男だ」
イヤな奴と思いきや、組員を思う心はあったんだ。

女が身の上話をすると、小さな娘の前で父を殺した本郷の記憶がダブり、
全裸で迫られても「抱きたくなった時に抱くさ。今はその時じゃない」とクールすぎる翔さん。
そーいや離れてる愛人がいたのにどこ行った?

本郷の野望は、なんと全国制覇! デッカイ夢、いやデカすぎる、てかあり得ないっしょw
まあ、先は長いからじっくり付き合わせてもらおうか。


『デコトラの鷲 祭りばやし』(2003)
監督:香月秀之 出演:哀川翔、こずえ鈴、柳沢慎吾 ほか
これが記念すべき99本目の主演作品。
なんとゼブラの前にこんな明るいお茶の間コメディ?やってたんだ。

気負いなく持ち前の軽妙さで下町っ子のトラック野郎になりきってる
ケンカっ早く、惚れっぽく、失敗しても立ち直りが早い、昔ながらの江戸っ子復活。

浅草ロケしてたなんて!
まあ、常に観光客でごった返してる仲見世通りをさすがに貸し切ることはできなかった感じだけど。

デコトラって、小さい頃、兄がプラモでハマってたっけ。
あんなデカいひさしみたいの付けてたら、あきらかに違法じゃない?w

毎年やるブラジルサンバのネエちゃんとデキてたり、寄席の新人がいたり、
のんびりした交番の巡査が出てきたり、墨田公園の違法定住者まで出てきて、
キリンビールのあのデカいオブジェ看板なんかほんと風情出してる。


『アバウト・シュミット』(2002)
監督:アレクサンダー・ペイン 出演:ジャック・ニコルソン ほか
哀れで寂しい老男の話で存分に泣こうと思っていたら、これは皮肉の効いたコメディだった。
こんなに心底マイナス思考な偽善者はいない! こんな父親はイヤだ
彼が抱える苦しみや呪縛は、なんのこたない自身の考え方が原因になっているだけのこと。

説明書きには、娘の婚約者がロクデナシとあるが、そうだろうか?
参加賞のリボンを見てバカにする、見た目とか、家族の習慣が違うとかで人の本質は測れない。
娘が同じレベルでしかなかったとも言える。

緊迫した雰囲気の中、実に感動的なスピーチをするシュミットだが、
本当は全くくだらないと思ってるっていう冷たさが凄まじい
でも「こんな俺でも何かの役に立ったのか?」と自分に問うだけまだ救われる可能性がある。
クセのある男を、老いてもなお強烈な個性でこなすニコルソンは憎いほど。
キャシー・ベイツのオールヌードも衝撃的だし/驚

「今ごろ口出しするワケ、わたしの人生に? で、なんで母の棺を一番安いのにしたの?」

貧しい子どもへの寄付ですら、たぶんシュミットは自分のはけ口か偽善的&懐疑的&否定的な
気持ちだったに違いないのに、ラストで初めて号泣する。
人間そんなに1日、2日で考え方、生活のクセが抜けないが、少しは慰めになったかも。
どんな国でも親との確執、親戚付き合いの煩わしさは同じだなあ。


『ソラリス』(2003)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ 出演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン ほか
あの大好きな名作『惑星ソラリス』のハリウッドリメイク。
ジョージ・クルーニーは好みじゃないが、原作が魅力的な故、つい引きこまれる。
女優のミステリアスで圧倒的な美しさもポイント。

現実か夢か。人間か別のエネルギー物体なのか。
それすら超えてしまうヒトの愛、執着心、欲望、後悔・・・
そんな深いテーマが、静かで、時にストップモーションの映像の連続の中にある。
90分前後は短いほうだが永遠を感じさせるストーリー。

「もう2人はずっと一緒よ」

このまま歳もとらずに擬似世界と分かった上で暮らしていても幸せか?
2人ともコピーってことは、誰の記憶で動いて存在しているのか? まあ、理論を追求しても仕方ない。
ある意味、ここにいる私たちも、実体のない意識~かげろうみたいなものなのだから。


『修羅がゆく3 九州やくざ戦争』(1996)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、萩原流行、大和武士 ほか
だんだん様子がわかってきて面白くなってきたv
ヤクザ映画といっても、仁義を通そうとする本郷らの人情ドラマの部分も多いし、
1コ1コ駒を進めていく達成感?は『借王』シリーズにも通じるw
監督が同じせいか、出演者もかなり重複。また各々違った表情が見れるのが楽しい。
力だけじゃなく、策略合戦なのも、現代の暴力団映画のポイント。
なんといってもホームグラウンドの九州が舞台だし、良かったね翔さんv

「医師は極道より汚い」

「本郷が大きくなって天下を3分すれば安定する」という考えだが、そうはさせじと燃える伊能
まだまだ修羅の戦はつづく。

本郷「痩せた土地のヤクザが、博多の宝を横取りは許せねえが、組員を抱える長として気持ちはよく分かる。
   九州に大磯という侍がいたこと忘れないだろう」彼は伝説となった・・・らしいw

海辺での決闘は時代劇みたい。ラストは海をバックに立つ翔さん!


『修羅がゆく4 東京大戦争』(1997)
監督:和泉聖治 出演:哀川翔、萩原流行、白竜、安岡力也 ほか
再び新宿に戻った本郷は、この激戦区でついに伊能と対決
今作では都心の多様な犯罪網と、外国人不法就労者の問題にスポットを当てている。
およそ悪そうなメンツが勢ぞろいしての派手な全面戦争。

実家に借金があるからといって密入国して、仕事がないとはいえ暴力団に入ろうってのは安易。
それもかなわないとヤク中になって、日本人を呪ったら筋違いだ。
海外でも外国人は皆苦労しているはず。女性もすぐ体を売るってのもなぁ・・・

本郷「極道を堂々と張れて幸せなのかも知れない」てそりゃあなたw
クラブやパチンコ屋の経営から始まって、麻薬、売春etc...
犯罪も華やかな新宿・都心は、裏社会でも憧れの地ってワケか。

それにしても本郷流一vs伊能政治、この2人の名前からしてすでに対バン状態w
今シリーズの注目俳優は、他にも大和武士(この名前もスゴイ。4には出てない)、
本郷組若頭役もシャープでガタイがイイ。



【歌詞をメモした曲】
♪BRAZIL


【イベントメモ】
「ラクーアスパ」@後楽園
「わんにゃんWORLD 2003」@幕張メッセ
ディズニー・シー@舞浜
翔さんトークショー@新宿HMV 2004.1.24(ここに行く途中で乙三ストリートを見たんだな、たしか
六本木ヒルズ、ヴィーナスポート


【ライヴレポ(追加で別記)】
YO-KING ONE-MAN FESTIVAL@野音 2003.10.11
SOUL REBEL 2003@野音 2003.10.13は雨天による機材破損のため中止
RAKSTONE Records Presents BIG SHOT 2003 - Japanese Authentic Ska & Rock Steady Bands Convention@新宿ロフト
PE'Z REALIVE TOUR 2003 冬~武士は食わねど高楊枝~@新宿LIQUID ROOM 2003.11.24
PE'Z REALIVE TOUR 2003 冬~武士は食わねど高楊枝~@新宿LIQUID ROOM 2003.11.25
PE'Z REALIVE TOUR 2003 冬~武士は食わねど高楊枝~@新宿LIQUID ROOM 2003.12.5
PE'Z@NHK(ライブビート?) 2003.12.16
SMILEY'S SOUND SYSTEM@渋谷O-East 2003.12.29
COUNTDOWN JAPAN 03-04@幕張 2003.12.31

コメント

notes and movies(2003.4~ part1)

2014-02-07 10:55:43 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はピンク色のルーズリーフからご紹介。
会社の同僚に教えられて江原さんのスピリチュアル本にハマったらしい。

  

photo1:このライブビート公録でバンバンを初めて見たv
photo2:ジャック・タチをスクリーンで。
photo3:宇宙芸術展@横浜のメモ。

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『純愛譜』(2000)
監督:イ・ジェヨン 出演:イ・ジョンジェ、橘実里、キム・ミニ、余貴美子、大杉漣 ほか
1組の男女が出会うまでの話。「人の出会いは縁で、偶然も必然だ」ってゆー江原さんの説を映画にしたような感じ。
イ・ジョンジェが、これまたいつになくぼーっとしたフツー男を演じているw かえって難しいのかもね。

ネットの空想的アイドルと巡り会うなんて、いかにも現代オタク男の夢だな
写真の切り抜きを持ち歩いて、アイドルの顔にのせたり!、着た服の匂いは嗅ぐわ、
およそ変態っぽい行為のオンパレードなんだが、これが現実の、平均的男の日常なのかもw

対して、さすがに少女のほうは、あくまで透明、純粋。死にたい願望も中途半端。
行きずり男と子どもを作った母を持つダンサー?と会って、不幸なのは自分だけじゃなく、過去と今の自分は違うと気づく。

なんで人は、親と同じになるもんかって思っても、同じ道にいるんだろう?
ちょっと時間の流れが流行りのリワインド気味なのが面白い。


『ストーカー』(2002)
監督:マーク・ロマネク 出演:ロビン・ウィリアムズ、コニー・ニールセン ほか
ロビンは様々な悪役を演じるのを楽しんでいるみたい こういう人、フツーにいそうなのがヤバイ。
ストーカーは、自分が異常行動をしていることに気づかないという。
彼側からすれば正義心からやった道徳的行為、外から見れば立派な犯罪。
日々進行する新たな犯罪に法が追いつかないのが現状。

事情聴取で「子どもに虐待したりする奴は許せん!」みたいにキレて、
自分の幼児期の片鱗をうかがわせる演出だったが、結局殺すよりも侮辱のほうがより効果的かも。
Aは懲りて浮気をしなくなるだろうし、家庭も崩壊、でもJには直接被害はない。心の傷は深いとしても。
リアルに徹した分、心理サスペンス的で思ったほどスリル感のない印象が残った。
マネージャー役の俳優は『アメリカン・ゴシック』以来、端役が続いてるけど、もっとブレイクしないかな。


『ゴースト・シップ』(2002)

監督:スティーブ・ベック 出演:ジュリアナ・マルグリース、ガブリエル・バーン ほか
文句なしおもしろいホラー 『CUBE』ではスパッと切れる人体シーンがあったが、今回は一気に数百人斬りに挑戦?!
『タイタニック』ばりの豪華さと哀愁、悪魔まで絡んできちゃうサスペンス。
最後の1分まで目が離せない極上エンタテイメント! 美しく恐ろしい最新ホラー。


『カンパニーマン』(2001)
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ 出演:ジェレミー・ノーザム、ルーシー・リュー ほか
冴えない変身願望の男から、タバコ、酒、ゴルフをたしなむカッコいい男へと変貌。
しがないサラリーマンには夢のような話w
D.ドゥキャブニーならハマりすぎ、久々ノーザムのカッコいい主演作。
しかも相手が今チャリエン続編でさらに人気沸騰中のルーシーだから申し分ない。

二重、三重に仕掛けられる罠に自分が何者なのか、誰を信じるのかハラハラドキドキ。
スパイ稼業もハイテク最先端! 目をビローンと広げる洗脳マシンや、
地下数百mまで一気に下がるロケットエレベーター、周囲の皆がグルでフツーのおばちゃんから電話を渡されたり、
乗った飛行機で皆中毒にされていたりと、驚くアイデア満載のSFサスペンスの逸品。


『運命の女』(2002)
監督:エイドリアン・ライン 出演:リチャード・ギア、ダイアン・レーン ほか
毎日、三面記事に載る浮気と殺人を改めてじっくり描いた1本。
ダイアンの円熟味の増した色っぽさが際立つ。ギアとのベテラン競演が見所。

そこまで我を忘れさせる性欲ってあるだろうか?
夫は妻のことをよく分かってると言ったが、それほどじゃなかったらしい。
愛されていても気づかないこともあるし、愛してると思っても伝わっていないこともある。
誰が悪いという人もいない。

魔が差したといっても、その裏には何かしら理由となる土台があるはず。
こんなささいなよくあるすれ違いから起こる哀しい事件が多すぎる。
誰かを理解し、自分を理解してもらいながら生活し、社会と向き合うって難しい。


『カルマ』(2002)
監督:ロー・チーリョン 出演:レスリー・チャン、カリーナ・ラム ほか
先日、自ら命を絶ったレスリーの最後の作品。
これからも素晴らしい安定した演技力で円熟味も加わって活躍してゆくはずの彼が、なぜ突然消えなくてはならなかったのか?

今作はホラーであると同時に、それぞれが抱える心の奥底のトラウマと正面から向き合い、
恐怖、不安、悲しみを受け止めることで解放してゆく心理ドラマに力が入っている。

ちょっと『リング』の貞子とかぶってる。鏡などに映りこむ女の姿って、なんでこう恨みいっぱいで恐怖心を煽るのかな。
浮遊霊は何か訴えたくて未練があって残るという。すべては人の念の強さ、執着心ということか。


『ぼくの伯父さんの授業』(1967)(劇場にて
監督・出演:ジャック・タチ ほか
一体何の講座なのか、黒スーツのオッサン相手にパフォーマンスと観察力について講義するタチ。
タバコの吸い方から、スポーツはテニス、乗馬、釣り・・・
大会社社長、中小企業社長、初心者、上品ぶった婦人etc...それぞれの例を見せてゆく。
果ては階段でのつまずき方、パネルへのぶつかり方など、丁寧にも高度な計算により割り出された歩数によって皆練習してみる。
最後にド派手に頭をぶつけてフラフラのタチは、講義を終えて外に出ると、
高層ビルは作り物で、その奥のバラックに住んでいるというオチ。


『のんき大将』(1949)(劇場にて
監督・出演:ジャック・タチ ほか
「当時はまだ新しい実験だったカラーと、念のためモノクロも同時に撮り、
 公開はモノクロだったが、今回タチの遺志を考え、カラーで公開する」という説明付き。

「アメリカがなにさ、速いだけじゃないか。待つ甲斐のある手紙もいいもんだよ」

笑わせて、どこか哀しさも漂ったり、癒されたり・・・タチのあったかいまなざし、
意外に芸達者で細かい計算された制作裏が垣間見れて、新たな印象が付け加えられた。

ショップにはいろんな書籍、ポストカードもあった。
Afternoon Teaって雑貨屋でも『プレイタイム』等の展示があるみたいだし、
客は10~20人くらいだったけど、日本でももっと観てほしい。
ユロ叔父さんだけでなく、こうした短編ものにもタチのこだわりが満載だ。

(これはまさに『ぼくの伯父さんは、のんきな郵便屋さん』(平凡社)の映画版だな


『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』(2002)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:レイフ・ファインズ ほか
期待のクローネンバーグ作品。エグエグかと思いきや、意外にアッサリしてたw
レイフが目玉か。最近『レッド・ドラゴン』等、異常者役が続いたが、
彼の繊細な美しさが、どうしても悪者に見えない。

つまり、ふしだらで下品でなく理想の母として葬りたかったのか、
それとも理想の母を父にとられ、女の部分を見せられたのが許せなかったのか?
よく分かんない終わり方。

“中身のない人間ほど厚着をする”とかと親しげに話す施設の老人のセリフがなかなかイイ。
この俳優どこかでよく見る。


『戦場のピアニスト』(2002)

監督:ロマン・ポランスキー 出演:エイドリアン・ブロンディ ほか
文句なしの名作。重く複雑な物語をよくぞリアルかつ叙情的に描ききった。
あらゆる悲しく凄惨な出来事の中でもナチスドイツのユダヤ人虐殺は、まだ歴史の片隅においやるには生々しすぎる。
その中で死ぬ者、生きる者を分けたのは、まさに作品中のセリフ「神のみぞ知る」。
残された者は記憶を受け継ぐ使命を負うが、民族同士の戦争も絶えないのが現実。

本作は、彼の自伝を基にしていて、エイドリアンが細身で八の字型の眉が印象的なのに比べ、
本人は丸顔のハツラツとした感じ。

本作を観て一番感じたのは人の寿命。
それぞれの役割、人との縁等々は人間には推し量れないということ。
シュピルマンは、なんと何人もの人に助けられ、いくつもの偶然に救われたことか!
それも彼が素晴らしいピアニストとして無数の人々に感動を与え、
また、この重い体験を書き、こうして映画化されることで、より多くの人々に
戦争や殺人の悲惨さ、空しさを伝えるための計らいと思えて仕方ない。

弟の読んだ本のとおり「殺されても憎むべからず・・・」復讐や憎しみは、新たな殺しの連鎖を生むだけ。
それぞれの時代、人生でできる限り良心をもって、ベストを尽くすしか私たちには術がないのかもしれない。


コメント

notes and movies(2003.4~ part2)

2014-02-07 10:55:42 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『コンセント』(2001)

原作:田口ランディ 監督:中原俊 出演:市川実和子、つづきみほ ほか
田口氏つながりで、ヒットした原作を読む前に映画を観たら面白かった! 気になるのは、これは自伝か?
最初は、未知で恐怖の世界が、分かるにつれて温かくなってくる。

「なぜ掃除機のコンセントが入れっぱなしなのか? ダイイング・メッセージか?」
「無意識なメッセージってあるかも」

Cの患者には、魂を出し入れ自由にできる人たちがいて、皆“コンセントを抜く”と表現している。
彼らは感度100%、記憶力100%でオーバーヒートするのを自衛しているのでは?

「覚えている必要がないから忘れたんだよ」ってセリフもイイ。


『ピノッキオ』(2002)

監督・出演:ロベルト・ベニーニ 出演:ニコレッタ・ブラスキ ほか
ベニーニは素晴らしい監督兼俳優だ。呑気に笑わせながら深くて熱い愛と哲学を持っている
今作はむしろ子ども心を忘れて、日々の暮らしで自分に纏足をハメている大人たちの心を自由に解放してくれている/涙

ラストに歌われる♪子どもは大嫌いなものばかり は、ベニーニ本人か?
マドンナ役は常連の女優。母性あふれる美しさが毎回魅力。
子どもらも皆大人の役者で演じられている。ベニーニは50歳?!
跳んで、はねて、高い声で喋りまくる。まさに子どもと人形になりきってのびのび動き回る!


『インプラント』(2002)
監督:ロバート・ハーモン 出演:ローラ・レーガン、マーク・ブルカス ほか
予告編までB級ホラーのオンパレード(『ゴースト・シップ』を除く)。
最初から神経症っぽく痩せたヒロインがとにかく叫びまくる。出演者も演劇学校を出たてみたいなコたち。
結局itの正体は分からずじまいで、邦題(付け方上手いよな)となった埋め込まれたものも不明。
もちょっと奥深い謎と展開がなきゃ。

どこにでも現れる『エイリアン』ちっくなCGモンスターは、巧妙に狙った獲物は百発百中の用意周到さで持ってゆく。
あの数なら別に“印”なんか必要ないのに・・・頭から埋め込まれたネジみたいのを取り出すシーンが妙に生々しい。
CMでも使われていたから一番の見せどころだったんだろう。


『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)

監督・出演:マイケル・ムーア 出演:チャールストン・ヘストン、マリリン・マンソン ほか

銃によるいたましい事件を2つ挙げている。

1.コロンバイン高校での生徒銃乱射事件

2.6才の黒人の男の子が叔父の家で見つけた銃で、同じ6才の女の子を撃ち殺した事件

白人で太りすぎ、銃大好きの幼少時代を銃天国のミシガンで過ごして、
銃所持登録者でもある典型的?アメリカ人ジャーナリストのマイケル・ムーアが
あくまでアポなしで、用意周到でない本人のコメントをとり、
銃反対者、被害者ヘストンを代表とした銃肯定派(国や家族、自己防衛、自由と権利、法律で認められている)。
両者の見解を取材。事件当時の911通報は生々しい。

インタビューはぶっつけ本番でも、ムーアのリサーチはちゃんと哲学の筋が通っていて、
人々が一般的に考える理由「アメリカはなぜ銃犯罪が多いか?」の問いに対する答えが、
いかに事実に反しているか、アメリカ人の好きな数字による統計で示す。

1.暗い争いの歴史(米大陸に逃れた白人開拓者が原住民を殺して、アフリカ黒人を奴隷化し、
  解放されてもなお反逆を恐れてKKK団が生まれて今に至る)
2.暴力的映像(映画・ゲーム)→他国でも流れている。
3.人種が多様
4.銃所持者が多い→隣国カナダも他民族で銃所持者はもっと多いのに犯罪は少ない。家に鍵もかけない。

同学校出身者で『サウスパーク』のアニメーター、ストーン曰く
「教師や大人が子どもに“一度失敗したら一生負け犬だ”と叩く。世の中はその逆なのに」

事件後、わざわざ現地で銃所持肯定の大会を開いたヘストンは、インタビューを途中できりあげて去る。

コロンバインで車イス状態になった学生2人は、Kマートの弾を買い、本社へ抗議。
意外にもあっさり「今後、弾は売らない」とコメント。マスコミの威力か?
しかし、マスコミは毎日犯罪が減っているにも関わらず、血生臭いニュースばかりをトップにする。
どうやら恐怖心をあおって商売して儲けている企業が元凶のひとつにありそうだ。

「銃乱射の犯人が聴いていたマンソンは訴えられたのに、殺人前に行っていたボーリングは非難されないのはおかしい」
マンソン「オレを攻めるほうが簡単なのさ。彼らの言い分を聞いてから意見を言うよ」
ロックシンガーがずっとまともなことを言っているのが可笑しい。

結局、ひとつの回答を出して締めるのではなく、観た私たち一人ひとりに考えさせる形になっている。

9.11テロも含め、巨大国家、自由と豊かさで世界を引っ張ってきたかのようなアメリカが、今再び内側から脅かされている。
その影響は分身のような日本も無関係ではいられない。

銃を持たなくなる日は来るのだろうか???





【読書感想メモ】
「幸運を引きよせる スピリチュアル・ブック」江原哲之
「スピリチュアル生活12カ月」
「“幸運”と“自分”をつなぐ スピリチュアル セルフ・カウンセリング」

「あの世の話」佐藤愛子・江原哲之
「霊能者として生まれて生きて」宜保愛子
「あなたの愛の守護霊」
「あなたに霊が囁いている」

「最新 超入門 大図解 ゼロからスタート インターネット」藤田英時
「Word 2002 操作の知恵袋」吉田喜彦
「顔の本」ライラン・ヤング
「心がやすらぐヒーリング・メッセージ」神尾恵理子

「カラダのきもち」寺門琢己
「かわいいからだ 気持ちよくキレイになれる115の方法」
「かわいいこころ 気持ちよくスナオになれる85の方法」
「恋する★からだ 恋愛上手になる100のレシピ」
「かわいいからだのメニューブック」
「かわいいお肌BOOK」
「こころのひみつ」田口ランディ+寺門琢己

「転生」田口ランディ
「昨晩お会いしましょう」
「その夜、ぼくは奇跡を祈った」


【イベントメモ】
「宇宙芸術展 ヒロ・ヤマガタとNASAの世界」@横浜
「ジブリがいっぱい スタジオジブリ立体造形物展」@東京都現代美術館
「三鷹の森ジブリ美術館」@三鷹
ディズニー、川崎大師


【ライヴレポ(追加で別記)】
ROCK'N JAPAN FESTIVAL 2003@ひたちなか
スカパラ@赤坂BLITZ 2003.8.26
ライブビート公録2003.8.30
エレカシ 俺の道ツアー@新宿リキッドルーム 2003.9.5

コメント

notes and movies(2003.2~ part1)

2014-01-31 09:21:41 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はスカパラの切り抜きが貼ってある透明なルーズリーフからご紹介。

  

photo1:ロッキングタイムほか@野音
photo2:PE’Zもいる。
photo3:ミシェルも見たv

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『新・仁義なき戦い』(2000)
監督:阪本順治 出演:豊川悦司、布袋寅泰、佐藤浩市、岸部一徳、村上淳、松重豊、哀川翔 ほか
これがシリーズで今のところ最新。音楽も布袋さんが担当。
最初のつかみを使った今っぽいロック系と、ラストはヤクザ映画にありがちな渋い歌謡曲系。
話はやはり組長の座を争う内部抗争。
だいぶ静かな争いがホラーと同じで、指をつめたりする基本的ルールは今でも変わってないのね。
やってることはずーーーっと同じなんだな。キリがない。

どんどん若い連中(主に暴走族とかをスカウトしてるらしい)を取り込んで、
この不況下でも様々なビジネスをやって活動を続けてる。
下っ端から始まって上へのし上がるには、サラリーマン以上に厳しい世界じゃないかな?
上下関係もハンパない。時に体育会系な情も絡めてる。
だんだん男性ホルモンが薄くなってきてるし、昔ほど凄みのある男がいなくて、そのうち弱くなってこないかな。
しかし土木系だけじゃなく、「○×経済事務所」なんて看板もあるんだ。
黒い車といかついオジサンたちがいなかったら一見分からないよね。


『チョコレート』(2001)
監督:マーク・フォスター 出演:ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソーントン ほか
初の黒人女優オスカー作品ということでいかにアカデミーが偏ってるか改めて分かった。
『マルコムX』『アメリカン・ヒストリーX』ほか同テーマは繰り返し描かれ、
そのつど波紋はよんでもなかなか根絶しない根強い差別意識。

「黒い女を抱いてこそ男だ」

アメリカ映画はあくまでもハッピーエンドにしたいらしい。納得できたのだろうか?
報復は憎しみしか生まないが、差別の家に育ち、そう簡単に考えが根本から変わるか?
ヒロインがハル・ベリーほど美しくなかったらどうか?

今作のように差別は、親や環境から受け継がれているもので、それ自体深い理由などない。
人には生まれつき良心があって、差別主義ですらその矛盾に無意識では抵抗を感じ、苦しいことだろう。
ここまで極端でなくても誰でも心の中に優劣を作ることがある。
自尊心のためだったり、恐怖心からくるもの、この2人の男女のように
どん底の悲しみを共有することでしか同じ人間だと気づけないのは悲しいことだ。


『サイン』(2002)
監督:M.ナイト・シャマラン 出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス ほか
思った通りのB級ぶり。妻の死に泣けもせず、宇宙人との対決に恐怖も刺激もなく、
政治的陰謀もなく―――唯一コメディとしてなら観れる1作。
やたらとアップの多い撮り方が素人臭いし、ひいた男はMr.ビーンソックリw
奇跡を信じろという宗教映画か。

逆光を浴びて、なんか足がいっぱいの、着ぐるみのモジモジ君に近い。
『シックス・センス』では、あんなに緻密なプロットと、
真に迫る映像でアッと驚かせた監督がなぜこんなことに・・・
F氏がオススメの誕生パーティのビデオに写った宇宙人もデカすぎる。
以前“これマジ!?”で流した小人型のほうがカワイクて好きだな


『ドニー・ダーコ』(2001)

監督:リチャード・ケリー 出演:ジェイク・ジレンホール、ドリュー・バリモア ほか
『シックス・センス』的ドンデン返し。
限られた時間と着ぐるみウサギ、カッチョいい主演男優がブッ飛びまくり。
バリモア出演が不安だったが、怪しい彼とともに意外な使われ方をしていてgood!
絶望感漂うREM風音楽もハマってる。

そんなに自分の死期が知りたいか? タイムリミットが分からなきゃ楽しめないか?
“リヴァースムーヴィー”が流行ってるなあ。
腐った大人と、ダルイ学校、異常と正常の境が分からない日常。

「自分の最期を安心して迎えるために夢に見せてもらいたい。やりたい事がたくさんあるので」

でも一体どこまでが妄想なのか?
本人はよく納得しても、死で最も辛いのは残された家族ではないのか?


『THE X-FILES SEASON 6』
監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか

【FILE No.609 Terms of Enderament】
久々の再会! この曲聴くと心が落ち着くw それにしてもなんだかなぁ。
『ローズマリーの赤ちゃん』のパロか。ここまでくるとブラックジョーク。
X-FILEは超自然現象をなんとかリアルな現実的こじつけ理由をつけて、
少なくともスカリーが納得するように作るところがミソだと思うんだが・・・
元妻に魂を与えるこの悪魔「ノーマルな子どもが欲しかっただけ」ってイイ奴じゃんw


【FILE No.610 The Rain King】
今度は究極の雨男w ほんとにネタに困ってきてるみたいね。
♪Over the Rainbow が流れる中、これまたウソっぽいほど夢みたいな虹の風景。
「スカリーみたいな魅力的な女性と一緒にいて何もしてないだって?」
S「モルダーが恋の相談相手? あなたが最後にデートしたのは一体いつのこと?」
などのギャグもまじえつつ、恋のキューピッドになった2人のほのぼのエピソード。


『クローン』(2001)
監督:スペンサー・オーラム 出演:ゲイリー・シニーズ、マデリン・ストウ ほか
ゲイリーファンのための1本か?w あとSFファン。
でもストーリー展開としては物足りない。近未来ものでは金がかかってるほうだが。
スパイ同士と知らずに愛し合ってたってワケ?ってゆー悲哀が残るSFらしい結末。

人の体温を感知したり、脊髄の部品で犯人を確実に追う未来の捜査や、
切り傷をシューっとふさぐ医療器具、手形でロックするドアetc...ステキな未来世界アイデア満載。
『タイムマシン』にはこの要素が足りなかったからSF映画としちゃ弱い。

が、なんといっても今作の見所はゲイリーv 『ザ・スタンド』の頃のステキな姿復活
いつも苦虫噛んでるような目元、ほどよく鍛えられてるスレンダーボディ、
危機に追いつめられる演技も素晴らしい~。
完璧な美にちょっと老いが見られるマデリンもSFづいてる。


『ムーラン・ルージュ』(2001)
監督:バズ・ラーマン 出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン ほか
オーソドックスに時代を再現したミュージカル映画を復活させて笑わせるのかと思いきや、
あのパンク風『ロミ・ジュリ』を撮った監督らしく、ヒップホップをカンカンで踊るハイテンション。
話はありがちだがきっちりボリュームある作品にまとまってる。

アップがこれまた満載なのが気になるが、とりあえずニコールは、たとえ汗びっしょりでも、
涙ひとすじ、口から血ひとすじ流してもパーフェクトな美しさ
透明なソプラノも披露。おとぎ話風ストーリー。
考えてみれば公爵は悪くない。ってゆーより金目当てにダマされた可哀相な男じゃないか

挿入歌が他にも♪HERO、♪Sound of Music などなどアレンジして、隠れネタ探しも楽しいかも。
DVDだとなんでもメイキングを見せて夢の種明かしをしてしまうが、撮影方法を見せたら興ざめだ。
映画が夢やマジックでなくなったら意味がない。

古い街並みをなめるようなカメラワーク、オモチャみたいにキラキラしたセットで、夜歌う恋人のシーン、
次から次へと妖しいメイクと衣装のダンサーが踊るショーのシーン、
夢の舞台裏は観客に見せないほうがイイ。


『穴』(2001)
監督:ニック・ハム 出演:ソーラ・バーチ ほか
予告編にも使われてる最初のつかみが効いてる!
フラフラブンブン(ハエの音)歩いてる少女が学校の電話から119していきなりキャ~~~
と見事な叫びっぷり。穴の中で何があったのかウソの証言に友人の証言。
最後まで引っ張られ、真実を知った後もモヤモヤが残る。

少女の情熱に任せた未熟な愛情。
相手を神格化し、所有できないなら共に死んで永遠に一緒になれると錯覚する。
確かに直接殺人はしていないが、監禁し死に至らせた立派な犯罪だろうに。
少女が原因だとは思わない周囲の先入観を見事に利用し、逆手にとってる。

おいおい、カウンセラーが警察にひと言話せば内側ドラ他、物的証拠はいくらでも見つかるだろうに。
暗い中に食糧もなしに閉じ込められた時の人間の恐怖と衰弱からくる異常行動は計り知れない。
フラッシュライトに照らされるクレジットの演出効果がまた効いている。


『ドールズ』(2002)
監督:北野武 出演:菅野美穂、西島秀俊、松原智恵子、三橋達也 ほか
なんといっても絵がキレイ 桜から始まって、夏の海、真紅の紅葉、そして雪の白。
日本の四季を舞台に、三様の男女物語が限りなく静寂に綴られてゆく。
暴力的なヤクザ映画から始まった北野作品。
歳を重ねるごとに深く穏やかな心象風景の変化が分かる。
次作『座頭市』も完成前から世界が待ち望んでいるし。

文楽劇がたっぷり5分プロローグとして挿入され、生きているような人形の男女の表情。
和を感じさせる色鮮やかな菅野の衣装が目を引く。
深田の歌うポップスは、なんと小西康治作曲。いろんなところに絡むねえw
人形のように抑えた演技。とゆーか全編歩くだけだが、様々な心情の動きを内包している。
が、皆死につながるのはなぜか?
あっけなく命は消えても、誰かを想う気持ちだけ温かく残り、自然の美しさはそれを静かに見守り、彩って余りある。

コメント

notes and movies(2003.2~ part2)

2014-01-31 09:21:40 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『鉄男』(1989)
監督・脚本・美術・照明・編集・撮影・出演:塚本晋也 出演:田口トモロヲ、藤原京、石橋蓮司 ほか
ひやむ推薦。インパクトあるタイトルとジャケット写真で気にはなっていたが、
こういう前衛&試験的なのは体調のいい、時間にゆとりがある時じゃないとね
病気そのものってカンジ。地獄で見続ける悪夢。
安心して死ぬことすらままならない。こういう作品って“付き合わされる拘束感”を感じる。

まさに自作自演の低予算。藤原は衣装や助監督も兼用。ヨーロッパのなんか賞をとったんだっけな?
TVチャンピオンの特殊メイク選手権に出れるよ。カラーじゃとても耐えられまい。
ゴールデンタイムだってムリだ。子ども、大人だってコレを観て「カッチョいい~」て真似する奴も出かねない。
一応、撮影風景は和やかだったっりして。カットの後「今の笑えるよねー!」みたいな。
たしかモックンの出た『双生児』も同監督? アレも独りよがりでワケ分かんなかったな、長いし。


『まぼろし』(2001)

監督:フランソワ・オゾン 出演:シャーロット・ランプリング、ブリュノ・クレメール ほか
静かな映像が自然なリアリティを演出。子どものいない熟年夫婦に訪れた突然の死。
泣き叫ぶわけでもなく、ただ受け入れることを拒んで日常に戻されてゆくという現実。
誰かを愛するということは、その人の死さえも受け入れることでもある。
ランプリングの自然な内部から湧き出る知性と美しさ、抑えた演技が、
テーマをより深く訴えるにふさわしいものにしている。

「自殺するような一族じゃない。男の夢を追って家出したんだよ。あんたに飽きたか、家族も作らないから」
「老人ホームより精神病院に行くべきよ」
「あんたのほうが先に入るさ。母と子の絆をナメちゃいけない」
「私は妻よ」
こんな会話が哀しい。近い関係で愛すればこそ傷は深く受け入れがたいんだ。

新しい恋人を見つけるべきかもという思いと、夫への未練、罪悪感が
眠る妻に触れる2人の男の手で表現されているのが象徴的。
老衰による自然死ならまだしも、まだ若いうちに亡くしてしまった、残された家族の悲しみと絶望、
どうしようもない空虚感は想像もできない。
それでも自分の人生を生き抜く力もやはり持っているのが生命の力。


『インソムニア』(2002)
監督:クリストファー・ノーラン 出演:アル・パチーノ、ロビン・ウィリアムズ ほか
犯人当てミステリーではなく、ベテラン警官を巻き込むことで“人が人を裁くこと”
“何が正しく、何が罪なのか?”を深く問い質す作品になっている。

良心の呵責から不眠症になり、精神も体も限界になることでタイムリミットの緊張感も生まれる。
同僚を撃ってしまった男は、刑事として犯人を挙げる正義感と、良心に苛まれ、
結果死ぬことで永遠の眠りと安息を得られるというラストが哀しい。
刑事役が板についてきたアル・パチーノと、変質者づいてる?ロビンのベテラン競演が見所。
アメリカ田舎の壮大な自然美が素晴らしい。

ロッジの女主人が証拠捏造についてどう思うか訊ね
「その時正しいと思ってしたことなら、それとともに生きるしかない」という答えがイイ。
善悪は必ずしも常に完璧に白黒つけられるものではなく、ましてや、一警官、一判事の判断ですべて解決するものでもない。
その時何をすべきかは、自分の良心の物差ししかなく、それが正しかったか、失敗だったか、
どちらにせよ、一度下した決断は消せない過去となる。


『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)
監督:ウェス・アンダーソン 出演:ダニー・グローバー、ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ビル・マーレイ、
グウィネス・パルトロウ、ベン・スティラー ほか ナレーション:アレック・ボールドウィン
本を読む感覚で進む。淡々としながらも変テコファミリーがひとつにまとまるまで。
多彩なキャスト皆クセがあり、ファッション、音楽で醸し出す'70っぽさがハマる。
ヴァン・モリソン、ヴェルヴェッツ、ニコetc...

マンガのような静止画と抑揚のないセリフ回しがなんとも言えない。
親子、兄妹の愛情表現は十人十色、何十年ものブランクも古い傷も
誠意ある言葉と、たった数日間でも取り戻せるだろうか。

こんな風に和解して納得して最期を迎えられるのは幸せなことだろう。
ビーグル犬が可愛い(轢かれちゃったけど・・・


『御法度』(1999)
監督:大島渚 出演:ビートたけし、松田龍平、武田真治、浅野忠信 ほか
大島渚の復帰作品。『戦場のメリークリスマス』 のメンツ以下豪華スタッフでの時代劇。
とはいえ、幕末のせいか、イスに座ったり、考え方、喋り方も現代風。しかもテーマが侍のゲイ騒動。
たけしさんが珍しく?一番冷静で公平な立場。時代の変化は武士魂を失わせ、統率力も落ちたと見える。


『華の愛』(2001)
監督:ヨン・ファン 出演:宮沢りえ、ジョイ・ウォン ほか
ここ最近は宮沢りえの当たり年。今作と国内の時代劇で賞を総なめした。
まだヤセすぎくらいと思うが、その美しさに円熟味が加わり、女優として大輪の華を咲かせたというところか。

今作は時代の変化とともに衰退していった貴族社会と、それに翻弄された2人の女性の
同性愛にも似た愛情物語をまったりと描いている。超高音で歌われる伝統的な歌が作品を彩る。

ラストが曖昧で物足りないが、敢えて湿っぽいドロドロした部分を省略したのだろう。
複雑な思いに悩み苦しむジョイ・ウォンの演技力の確かさ、これ以上ない男性の魅力を持つ男優にも注目。


『チャーリーズ・エンジェル』(2000)
監督:マックG 出演:ビル・マーレイ、ドリュー・バリモア、キャメロン・ディアス、ルーシー・リュー ほか
女性アクションものが続く中、三様の個性と美貌の3人が見せる本格アクションは痛快!
TVシリーズを一新させて、こちらもすでに2を製作中の上、『新絶叫計画』でもパロられてるあたり、
分かりやすいギャグと展開、お色気サービスたっぷりのハリウッド娯楽の王道。
数十曲のノリノリサントラの中には、なんと!ピチカート・ファイブもあり、
Fatboy Slim 、ロッド・スチュアート他豪華アーティスト目白押し。

開放的すぎて車狂のキャメロン、ワルのドリュー、機械ものに強く、俳優と付き合ってるルーシー。
ちょっと鍛えてあれだけになれるなら大したものw
でも、どんなに強くても、イイ男には従順で、チャドって男に支配されてるんだよね。
レース会場でのドリューのお色気作戦ほか、スキなしのボディをフルに使って、
いろんなファッションに身を包み、やりたい放題の開放感も観ていて楽しい。


『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(1989)
監督:アキ・カウリスマキ 出演:マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン ほか
同監督の新作『過去のない男』のサントラにCKBが使われるとのこと。以前聴いてファンになったらしい。
フシギなリーゼントに、同じくとんがった靴の大所帯バンドは、今作のヒットで来日も果したとか。
民謡から急にロックもできちゃうところが可笑しい。
星の数ほどいる明日のスターを目指すバンド。客の心を掴む、掴まないって実際何がポイントなのか?
見た目インパクト+演奏レベル+曲の良さ?

「なぜウケないか? 顔色が悪いからだ」

死体を運んでいるのを咎められ、留置所に数日間入れられてる間もずっと缶を叩いて音楽好きなのが笑える。
ホーンもしっかり入るとけっこーイケる音v 続編も作られたが今作ほどじゃないとか。


『キューティ・ブロンド』(2001)
監督:ロバート・ルケティック 出演:リーズ・ウィザースプーン、ルーク・ウィルソン  ほか
F氏オススメ。観て3日も経ったから細かいところまで覚えてないが
アメリカン・ドリームの女の子版。途中所々安易な展開はあるけど、軽いラブコメで観た後爽やかだからOK。
ペディキュアの中年女性と仲良くなり、配達人との間もとりもつ。
落し物を拾って、胸を張りながら起き上がるやり方は、成功率90%の男の落とし方とか? うーんアメリカでのみ通じる?
F氏曰く「ヒロインの顔が好きじゃなかったけど、観た後可愛く見える」んだとかw


『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)

監督:クリス・コロンバス 出演:ダニエル・ラドクリフ ほか 戸田奈津子訳
待望の第2作。ポスター等ではトビーがクローズアップされてた。
奇しくも同時期に、しかも同じく3部作で、同じファンタジー原作ものの『ロード・オブ・ザ・リング』
の2作目にも似たようなゴブリンが出てきて、まともに張り合ってる感じ
私は今シリーズのほうが好きだが、けっこー話が込み入ってきたから、子どもらが観て理解できるのか?

ハリー役の子が急に大人びてビックリ ロンは声変わり?
どんどん成長してゆく彼らのもっとも儚く、美しく過ぎ去ってゆく時代を夢物語とともに
急ピッチに記録しているタイムリーさがなんとも言えない。
ジニー役の子も妙に色気があるし、エセ教師役にはケネス・ブラナーがはじけている。
しかし、重要な校長役が本作を撮って亡くなったということで、残る1作をどうするのか気になる。
CGシーンも1作目は多少機械っぽい部分が残っていたが、今作ではより自然でスピーディに展開してゆく。
ストーリーに溶け込み、リアルなマジックワールドに完成v

「生まれより、何を選択するかで人間が決まる。自分で決めるんだ」みたいなセリフがとてもイイ。
トビーはHの機転で主人から靴下をもらって奴隷から自由の身となる。

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notes and movies(2003.2~ part3)

2014-01-31 09:21:39 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ザ・リング』(2002)

監督:ゴア・ヴァービンスキー 出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダースン ほか
怖かった~~~ 日本版を最初に観た時の衝撃ほどじゃないが。
これだけお金かけてリアルにリメイクされたら、お客さんが可哀相だ
観客インタビューで「ホラー好きでよく観てるけど、こんな怖いの初めて~~~」って言ってたのも分かる。
ほぼ日本版通りだが、さすがに貞子じゃなく馬の話になってた。アメリカ人にはそのほうが分かりやすいからか?
で、続編『らせん』も作るかな? ワッツは来日もしたし、新作も続々。

これは見せられたほうにゃたまらん反則行為だよね~
でも見ちゃう人間の好奇心ってほんと食えない・・・ほんと、このプロットってうまくできてる(感心
キング・オブ・ホラーのS.キングも思いつかないだろう。ホラーの夜明けか?
これで日本ホラーの輸出が増えたら面白い。金田一耕助シリーズとか思い切りドロドロ系のやつ。


『マリー・アントワネットの首飾り』(2001)
監督:チャールズ・シャイア 出演:ジョナサン・プライス、ヒライリー・スワンク、クリストファー・ウォーケン ほか
以前読んだ『悪魔(デイモス)の花嫁』の話(王妃にソックリな娼婦が、
一夜の名声と富、愛欲しさに処刑の身代わりになる)かと思ったら全然違った。

フランス革命の引き金ともなった首飾りを巡るスキャンダルという実話に基づく中世劇。
事件関係者が本を書いて騒がれる形はこんな昔からあったらしい。
ここでの王妃は贅沢をしながらも民衆の支持を切望し、命もいとわない女性に描かれている。
過去のことは人の口に伝えられるかぎり、様々な主観によって歪められる。真実はどうだったのか?
波乱万丈とはこのこと。民主主義の現代になっても、政治、宗教、金、スキャンダルの縁は切れない。


『クロエ』(2001)

監督:利重剛 出演:永瀬正敏、ともさかりえ、塚本晋也、西島秀俊 ほか
ボリス・ヴィアンの不条理で無限に自由な世界を、多少設定は変えても大切に映像化したのが
日本で今の時代だということに驚き、そして嬉しい。本人はどうだろうか?
とてつもなく絶望的な結末なのに、ここまで美しく純粋な感動の余韻が残るこの傑作が
当時なぜ受け入れられなかったか不思議でならない。
ヴィアンに巡り会わせてくれたひやむ、ひいてはスカパラに感謝

少年が小説のネズミの代わりか? 医師が高太郎を慰めるために妻の写真を見せるシーンもちゃんと入っている。
いつもはキレた役が多い永瀬が優しい青年を好演。塚本さんまでリンクしているのにはビックリ。
やわらかな音楽と、2人の親密さと絶望感を表す部屋の照明が原作のイメージより、ずっと暖かなのが分かる。
これを機にヴィアン作品を全部映画化ってどーかな? 不条理さもそのまま、より原作に忠実なままでv


『プレッジ』(2001)
監督:ショーン・ペン 出演:ジャック・ニコルソン、ベニチオ・デル・トロ、ロビン・ライト・ペン ほか
予告編に感動して、観てみたら、泣くよりも胸騒ぐサスペンス劇。
豪華なキャスティング、渋い音楽の使い方、そして大ベテラン、ニコルソンの演技が見事。
止まらない幼児誘拐、レイプ、殺人、行方不明でも犯人が死刑になっても、
わが子を失った家族らの深い悲しみは消えない。

ハッピーエンドと思いきや、真実もハッキリしないまま寂しい終わり方。
が、このほうがよりリアルに恐怖と孤独感が伝わる。
平和な日常が描かれるほど、その裏に潜む暗い影がヒシヒシと伝わり、緊迫感が伝わる名演出だ。


『シンプル・プラン』(1998)
監督:サム・ライミ 出演:ビル・パクストン、ビリー・ボブ・ソーントン、ブリジット・フォンダ ほか
何年か前、Nさんから原作本をもらって一気に読んだミステリー。映画にしてもやっぱ面白い。
大金への欲がいかに簡単に人の善悪、良心、罪悪感の秤を狂わせてしまうか。
もっとも正直者だと思っていても分からないもの。微妙なバランスで保たれている人間関係も、家族ですら危ない。

「父が言っていた。男を幸せにするものはシンプルなこと。愛する妻、まともな仕事、
 信頼、尊敬し合える仲間と隣人。自分は気づかずに全て持っていた。幸せなはずだった」

以前ならささやかでも幸せだった家庭が、今となっては偽善で空しいだけになってしまっても
どうしようもないラストが哀しい。


『悪いことしましょ』(2000)

監督:ハロルド・ライミス 出演:ブレンダン・フレイザー、エリザベス・ハーレイ ほか
派遣先の誰かが絶賛してた1作。『ハムナプトラ』の男優の達者な変化ぷりと、
『オースティン~』の女優の迫力あるセクシーコスプレで、人の欲を叶える大人のマジックテイル。
笑えてほのぼのできる1本!

世界一繊細な男になっても、夕陽にいちいち泣けて「いつになったら沈むんだ!」て爆
プロバスケ選手になっても、滝のごとく汗をかいてバカ丸出し/爆泣

「本当は悪魔も神も自分の中にある。天国も地獄もこの世にあるの」

「マジックで叶えられるものじゃない。ゴールが重要じゃなく、プロセスが大事なんだ」


『キャッツ & ドッグス』(2001)
監督:ローレンス・ガターマン 出演:エリザベス・パーキンス ほか
可愛い&よく出来てる! 本物の動物たちの撮影も大変だろうけど、メイキングにあったCGや、
コンピュータで動く人形?の組み合わせが絶妙で、犬猫の愛らしさを残しつつ、うまく擬人化させてる。
CGは無限の可能性だね。人と動物の見事な共演v

でもこれって犬好き向きだな 会議中フリスビーで遊ぶ犬を高級ドッグフードで黙らせて、「SIT!」w
本部では本格的な訓練をさせているのに、人を見るとお互いのお尻を嗅いだり、
穴を掘ったりして誤魔化したりw 細かいギャグが可笑しい。


  

photo6:剣さんもいる。
photo5:ジャパサキのチラシ。
photo4:ポップジャムのハガキ(これは外したほう



【読書感想メモ】
「ヴェルコカンとプランクトン」ボリス・ヴィアン(追加で別記)
「赤い草」
「人狼」
「帝国の建設者」
「ぼくはくたばりたくない」
「死の色はみな同じ」
「醜いやつらは皆殺し」

「陰陽師11」岡野玲子/著 夢枕獏/原作
「からだレッスン」寺門琢己
「大阪学」大谷晃一
「続・大阪学」
「こんな飼い主と暮らしたい 犬編」澤邦彦


【歌詞をメモした曲】
♪FLYING BABY/真心ブラザース
♪FLY/YO-KING


【イベントメモ】
「善光寺7年に1度の御開帳」@長野


【ライヴレポ(追加で別記)】
冷牟田竜之presents TABOO 2003.2.14
ポップジャム公録@NHK 2003.2.17
CRAZY KEN BAND in FRIDAY@関内 2003.2.18
JAPAN CIRCUIT vol.10@赤坂BLITZ 2003.3.9
スカパラ HIGH NUMBERS TOUR@CLUB CITTA' 2003.3.19
FACTORY公録@フジテレビ 2003.3.29
ミシェルライヴ@赤坂BLITZ 2003.4.9
スカパラ@渋谷クアトロ 2003.6.5
ロッキングタイム@野音 2003.6.7
スカパラ HIGH NUMBERS TOUR FINAL@東京ベイNKホール

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notes and movies(2002.10~ part1)

2014-01-26 08:57:59 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はスカパラベストのチラシが貼ってあるピンク色のルーズリーフからご紹介。
鈴木清順映画を漁ってます。

  

photo1:HEY! HEY! HEY! 公録が当たったFAX。
photo2:友だちが切り抜いてくれたスカパラの新聞記事。
photo3:兄の結婚式に安いスーツ着て行ったw

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ツィゴイネルワイゼン』(1980)

監督:鈴木清順 出演:原田芳雄、大谷直子、大楠道代、藤田敏八 ほか
さらに清順度の濃い~ヘヴィでディープでデカダンスで?な1作。
今作では、ついにどっちが生きてるのか死んでるのかも分からなくなる。

「オレが先に死んだら焼かずに骨だけにしてくれ。
 その代わりお前が先に死んだらお前の骨をくれよ」

全編に登場する男2人と女1人の芸人も怪しい。
互いに女を狙いつつ、下ネタの歌をうたってお金をもらっているのだが
決闘して殺し合ったのか、生きるために3人で結婚したのか、という真相も不明。

大谷が大量のコンニャクをちぎるのも怖いし、真っ暗な屋敷で赤い灯がついたり消えたりのまるでオバケ屋敷状態。

「オレがまともだったためしはない。それを承知でお前も付き合ってるんだろーがっ!」
逆ギレる妙な男・中砂役の原田の怪演も怖い。

この作品でこんだけ薄気味悪いんだから、TSUTAYAにあった古ぼけた円谷ちっくな
怪談っぽいビデオは夜観たら悪夢にうなされそうと思うと、なぜか笑える


『くたばれ悪党ども 探偵事務所23』(1963)
監督:鈴木清順 出演:宍戸錠、笹森礼子、川地民夫、星ナオミ、金子信雄、佐野浅夫 ほか
こちらは単純明快なギャングもの。「濱マイク」にも通じる軽快なノリ。
ジャズっぽいサントラはスカパラがやってもハマる。
都内ロケらしいが街並みが今よりずっとハイセンス。ハードボイルド向きな'30NYっぽい!
クラブではチャールストンとか踊ってるし、モダンで粋な空気がみなぎってる。

クラブの女性歌手(元恋人)と♪バカな男だけど惚れてるの~ みたいな歌を一緒に歌って踊るシーンも楽しい。
「ボスの女はグラマーだって相場が決まってるんだ」
セリフの端々に出てくるカタカナがいい味出してる


『陽炎座』(1981)
監督:鈴木清順 出演:松田優作、大楠道代、加賀まりこ、楠田枝里子、麿赤児、原田芳雄、内藤剛志 ほか
松田優作がぜひにと申し出た作品。夢と現実の間をさまよう男女の愛憎、想念の世界。
音楽が和洋折衷なのもおもしろい。尺八ドロドロ+ジャズ風。
過去と現実、遠近もフシギと溶け合って、だまし絵を観ているようでもあり、
1人の女が心中を図るに至るまでの劇中劇のような設定でもある。
妖しげな世界を書き続けた原作者の泉鏡花の名はそこかしこで見られるが気になる。

「病院の見舞いに付き合って下さいませんか? ほおずき売りのばあさんが
 “死んだ女の魂だ”と言って気味が悪いので・・・」

「4度逢ったら恋。次会う時に死なねばなりません」

遊ばれたSの女の意地をかけた心中劇が舞われる。この少女がイイ
樽の中に沈み、ほおずきが着物から浮かんでいっぱいになるシーンも美しい。

「惚れた女に対する男の義務ですよ」

フシギなシーン、カットの連続ながら、セリフで逐一説明が入るのは親切か蛇足か。
楠田枝里子の演技は、背の高い着物姿と同様ぎこちないが、ドイツ女性という役柄上それもありか?


『東京流れ者』(1966)
監督:鈴木清順 出演:渡哲也、二谷英明、川地民夫、玉川伊佐男、松原智恵子、吉田毅、北龍二 ほか
ヤクザの仁義もの。例によってタイトル同名のテーマ曲を渡哲也ほかが朗々と歌っている。
彼の名は今作の役名からとったのか?

冒頭から今とあまり変わらない都内の名物スポットが流れて観光ガイドになるかも?
途中、流れた先に九州・佐世保も出てくる。
組から外れたヤクザは、どこの土地に行っても派閥抗争に巻き込まれて大変なのね。
イヌやネコの縄張り争いみたい

「流れ者は、女と一緒じゃ歩けねえんだ!」てセリフは、カッコいいとゆーより侘しい感じ。
こーゆー男臭い世界に憧れる男もいるのか・・・理解し難いけど。
歌手のチエはテツにゾッコンだが追っても追ってもかたくななポリシー?でつっけんどんにされて泣くばかり。

モノクロ映像に一色、赤が映えたり、黄色いクラブとか色使いがおもしろい。
昭和初期から踊るクラブって流行ってたんだ。今の40~50代も若い頃はオシャレしてけっこーイケてたのかもw
二谷のルパンみたいな緑のジャケットや、渡のまぶしい水色のスーツもどうなのか。
真っ白な靴ってゆーのがヤクザ界のオシャレ最先端なのかな?


『河内カルメン』(1966)
監督:鈴木清順 出演:野川由美子、伊藤るり子、宮城千賀子、川地民夫、松尾嘉代、楠侑子 ほか
これまた日活チックな1作。バタ臭い若い松尾がバンプ役。
関西弁のセリフで、なんだかコテコテすぎるのがかえって怪しいが、大阪名所もいろいろ出てきて嬉しくなっちゃう。

「甲斐性なしの父ちゃんも知ってる。お前の代わりに母ちゃんが体張ってんだ」と開き直ってるのがスゴイ!

同性愛が病気みたく扱われてるのがヒドイ。
なんでも金中心なのが関西らしい?
今回ダンスホールで生バンドが歌うシーンはエルヴィス風。
カルメンってゆうと薔薇を口にくわえるって定番が可笑しいw
深く考えずに世渡りしていくヒロインの勢いがイイ。


『けんかえれじい』(1966)
監督:鈴木清順 出演:高橋英樹、浅野順子、川津祐介、片岡光雄 ほか
何だか分からん終わり方の上に、疲れてて途中何度か寝ちゃった
昔の映画って主演俳優のキャスティングと年齢にムリがあるんじゃ・・・?
高橋が中学(旧制?にしても)ってゆーのは・・・
ヒロインに憧れ、コーフンしてあり余る力をケンカで発散する単純なケンカ話―――
のはずが、何だか急に暗転して、急にラストになっちゃった!
“会津魂”のとこだけアップになるのが可笑しい。


『野獣の青春』(1963)
監督:鈴木清順 出演:宍戸錠、渡辺美佐子、川地民夫、小林昭二、江角英明 ほか
アルバム「STYLE TO KILL」の冒頭を飾るのは今作のアップテンポな曲
ストーリーはハードボイルド、モノクロ調に一輪の赤い花のシーンが始めと終わりに出るのが印象的。
ヤク中の女が出てきたり、ヌードショーのクラブや、コールガールetc...
新しい商売に手を広げていく暴力団の様子が描かれる。
ボスがサドマゾごっこが好きだったり、チンチラみたいなネコを可愛がってたり、
ギャングもののルーティンがもう出てきてる。
銃もピストルから散弾銃になってるし。カーアクション、ドンパチシーンも次第に派手になった。


『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)

監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ライ・クーダー、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ ほか
今年最後を飾るにふさわしい感動の1本
これほど人の心をとらえて離さない音楽がこの世に残っていたなんて奇跡だ。
80歳の人生、20世紀の歴史が背負われ息づいているからこそだろう。

一世を風靡した彼らが路上で忘れられていたのを'70キューバ音楽に感動したライが呼び集め、レコーディングした。
1人1人の紹介とともにカーネギーホールでたった二晩の珠玉のステージ。
'98に結実するまでをドキュメンタリータッチでゆったり描いた。
イヌと子どもがたわむれる古いキューバの街並みはハイテク等の冷たい未来とは
無関係のように信じられないくらい豊かな時間が流れている。

「女と花とロマンスと音楽が人生」
「愛する者を養うためなら靴磨きでも、ゴミ拾いでも関係ない」
葉巻をくゆらせ、酒に溺れる。粋に傾けた帽子のつばと合わせたスーツがとてもオシャレだ。

「NYは初めてだ。ずっと憧れていた。家族にも見せてやりたかったが、俺の目で見ておくとしよう」
きらびやかな高層ビルの明かり、ひしめく車の波etcは、彼らの目にはまぶしいのだろう。

この作品が素晴らしいのは、あくまで彼らの現在を映しているからで、
若き頃の栄光をイタズラに回顧してないところ。
刻まれた皺、一挙手一投足に一日一日を精一杯生きてきた証が見られる。

「歌をやめようとしたことがあった。耐えなければならないことがありすぎて」
しかし、ホール全体が揺れんばかりの熱いスタンディングオベーションに湧く時、
すべては報われ、ステージの上も外も一体化する至極の幸福に昇華した。

まさにgifted~神から与えられたもの。
彼らが生まれた時、その頭上には音楽の天使が舞っていたことだろう。
一生を音楽に捧げ、自らと、周囲の世界をも幸せにする音を奏でるために。


『ピストルオペラ』(2001)
監督:鈴木清順 出演:江角マキコ、山口小夜子、永瀬正敏 ほか
音楽:こだま和文、EGO-WRAPPIN'

あの仙人風のおじいさんが、ここまでブッ飛んだ映画を撮るんだからビックリ!
まさに自由にやりたいことを全部やらせてもらって独自の美を完結させた感があるのでは?
しかも自分の今までのネタを自らトリビュートしちゃってるのも可笑しい。
赤い椿や、原色の着物と、染めた背景、♪青い顔した殺し屋は~ って歌もw

でも一番のオチはラストのテロップ。
「一部不適切な表現があるため音声が消えております」w

音楽がなんとエゴで、レゲエ、スカのたるい曲が絶妙のタイミングで流れるのが嬉しい
清順さんも江角さんのシャープで長い美形顔とスタイルに満足では?

「ゆっくりしたいが自殺はイヤだ。舞台の俳優のように美しく散りたいが相手がいない。
 そこでトーナメント方式で勝ち残ったのがのら猫」

農村に建つ旧家、1両編成のチンチン電車、今作のロケは癒し系
画面に赤い線、妙な効果音etc...今までやって散々けなされてきた手法のオンパレード
清順さんが撮るアクションはオペラになってしまった。


『パニック・ルーム』(2002)

監督:デビッド・フィンチャー 出演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー ほか
『羊たちの沈黙』以来、ひさびさジョディの本格サスペンス。
最初ヒロインはニコールだったとか、妊娠・出産かなんかで撮影が大変だったとか、
いろいろ噂を聞いていたが、やっぱ面白い
だてに金かけてない。ハリウッドはちゃんと使い道知ってる感じ。

中からしか開けられない部屋の不自然さが、子を持つ母の直感で危険だと判断してから
様々な伏線を利用して息もつけない展開に。

シングルマザー、糖尿病の娘、老人介護で遺産の隠し場所を知った白人のチンピラ、
家族持ちのウィテカーも敵役だし、銃を持つ白人男の汚さや、マンハッタン区域の担当で
百戦錬磨っぽい刑事といい、キャラクターもハッキリしててハマる。

3Fまでのグイグイ引っ張るロングショットや、懐中電灯の芯まで見せたり、
鍵穴深くまでカメラが入ったり、一直線に部屋のあらゆる物の間を
視線が突き抜けていくシーンなんか一体どう撮ったのかビックリ!

夫の通報で来た警官が「もし何もいえない状況ならまばたきで合図してくれ」なんて言うあたりも、
犯罪の多いアメリカの警官ならでは。
だが結局は自分の身は自分でしか守れないってことか。


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notes and movies(2002.10~ part2)

2014-01-26 08:57:58 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『豚と軍艦』(1961)

監督:今村昌平 出演:長門裕之、吉村実子、三島雅夫、丹波哲郎、大坂志郎、加藤武、小沢昭一、南田洋子 ほか
冷牟田さんのコンピに入ってた今作。何と言っても長門さんのチンピラぷりがイイ
横須賀の港町を舞台に戦後の混乱期の昭和の貴重な記録でもある。
豊かなアメリカに負け、支配され、文化融合し、憧れすら抱いてきた日本。
高度経済成長を果たしても、その姿は変わらない。
貧しくても女1人で地道に働いて自立しよとするヒロインの強い表情のアップが頼もしい。


『穴』(1957)
監督:市川崑 出演:京マチ子、船越英二、山村聡 ほか
『マルサの女』を思わせる女性記者。京マチ子といえば黒澤映画の妖艶な美女。
が、今作では変装するたびに様変わり! 女って着るもの1つでこうも変わるかって見本みたい。
軽快な音楽を取り混ぜて、早口なセリフ、スピード感あるコースター式ミステリー。
オマケに現都知事・石原慎太郎の甘~い歌声も聴ける、痛快な1本。

今作も冷牟田さんのコンピに入ってたがスカパラの同名曲とは関係ないみたい。
モダンでセンスあるつくり。北が捕われた縄を外し、電灯を加工して感電させて脱出するシーンとかも面白い。


『音曲の乱』(1992)

監督:林海象 出演:東京スカパラダイスオーケストラ、鰐淵晴子、佐野史郎 ほか
ついに TSUTAYA半額キャンペーンだからって、いつもより多く借りようと見てたら発見
くだらないムダなシーン満載の時代劇風コメディで長~~~いプロモみたいな感覚。
一番演技っぽいことしてるのは川上さん、ひやむはさすがにチョンマゲじゃないが
得意の薔薇投げっぱなしでうっすら化粧もしてる?/驚
こーして映像で軌跡が残ってるってやっぱいいねえ~。

谷中「生涯抱ける女には限りがある。その1人に選ばれてラッキーだったな!」
これ決まり文句なのかなw
谷中vsひやむの撃ち合いで倒れる渾身の演技にも注目v
なぜか全編セリフがほとんどないんだな、おかしなことに
しかしなんでこの映画を撮ったのか?w こーなったら他のもぜひ×1000観てみたい~~~!


『黒い十人の女』(1961)
監督:市川崑 出演:船越英二、岸恵子、山本富士子、宮城まり子、中村玉緒、岸田今日子 ほか

「どのみちこうなるんだわ。会話をしても男には女の話が分からないし、男の言い分は女には可笑しいだけ」

'61の時点ですでにTV界のいいかげん体質&ムダなハードワーク慣例は定着してたんだ
女性も本格的に社会進出して、肩を並べて働いてる。結婚して辞めるって体制は今も昔も変わらない。
Kを殺さず仕事という生き甲斐を奪ったのが結果的に一番いい懲らしめ方になったというオチか。
「オレを殺すのがそんなに面白いかな?」と飄々としたKのキャラは面白い。
10人の女が完全犯罪をする正統派ミステリー?と思って観てたら、
社会批判のブラックコメディでエンディングもあっけない。


『関東無宿』(1963)
監督:鈴木清順 出演:小林旭、伊藤弘子、平田大三郎 ほか
こーゆーフツーの仁義ものも撮ってたんだ。噂のふすま倒しも観れたしv
背景が真っ赤に染まったり、画面横に赤い線が入ったりって演出が工夫されてる。
小林旭の太い眉はともかく、二枚目だったんだ。

「バカだね。白い着物(死)か、赤い着物(刑務所)なんて」

一昔前のヤクザは、極道なりにフツーより人間関係や作法に気を遣ってたのか。
変なルールだけど、敵側の奥さんに惚れちゃう日本版ロミジュリみたいなストーリーを意外にもじっくり描いた作品。


『春婦傳』(1965)
監督:鈴木清順 出演:川地民夫、野川由美子、石川富子 ほか
初めて鈴木作品で泣いて感動するシーンがあった。ちゃんとドラマも撮れるんじゃん。
途中アレッ!?と思うつなぎの不自然な部分もあるけど、自らの戦争体験も生きてるんだろうか?
川地はクールで繊細でカッコいいし、野川はとにかく体当たりのハリウッドアクションヒロイン並み
銃弾びゅんびゅん飛ぶ中を走り抜けるシーンなんかランボーみたい。

生きようとする女と、恥とプライドをもって死のうとする男。結果は時代の価値観によって心中となる。
戦争のナンセンスさが伝わるが、実際は慰安婦の日常は言葉にならないほど壮絶なものだったらしい。
好きな男を待ってダラダラ考える余裕などあったろうか?

さすがに今作はモノクロだから色遊びもないし、変な挿入歌もナシw
96分が2時間半くらいに思えるくらい重い戦争ドラマだがロマンスを追うため、重すぎない。


『花と怒濤』(1964)
監督:鈴木清順 出演:小林旭、松原智恵子、川地民夫、久保菜穂子、滝沢修、山内明 ほか
突飛な色遊びも演出もない代わりに、しっかりした脚本、伏線、キャラ設定、
唯一奇抜なのは、川地の怪人二十面相みたいなファッションw
“ベンガロスタイル”ていうらしいが、黒いスーツに、黒い帽子、マジシャンかと思いきや、
日本刀を振り回す神出鬼没の殺し屋がカッチョいい


『悲愁物語』(1977)
監督:鈴木清順 出演:白木葉子、原田芳雄、水野哲、岡田眞澄、和田浩治、佐野周二 ほか
これが日活クビ事件から10年後に久々メガフォンをとった復帰第1作。
渋い節回しの歌謡曲から入って、女心を表す黄や黒のネイル、笑った顔のガラスに映った反転は青い影だったり、
宙ぶらりんの男etc...面白い仕掛けがたくさん入っているミステリー。とにかく江波杏子が怖い
今でいうとストーカーそのもの。精神異常者という設定ではあるが、正気と狂気は紙一重。
男のマネーゲームに踊らされるヒロインが落ちてゆく様、1人の女の執念によって歯車が狂い、
弟の姉への想いによって浄化されるまで。

パーティをやる部屋が天井にうつる風呂場のシーンもフシギだが、
弟と話す少女との桜吹雪のシーンも考えてみればブキミ。
弟の部屋がよく見えるというが、弟からは見えない幽霊なんだ。
髪をザンバラに切ったり、近所の奥さんが賞賛する裏で、嫉妬に狂い身包みはいでしまう様も異常で怖い。
白木は若く美しいヌードを披露。宍戸が前作を思わせるスーツに帽子の刑事役でちょい出演しているのは笑える。


『カポネ大いに泣く』(1985)
監督:鈴木清順 出演:萩原健一、田中裕子、柄本明、チャック・ウィルソン、ランディ・レイス ほか
戦争で負けたアメリカ人に対抗して作ったらしいが、
舞台が横浜ドリームランドやウエスタン村じゃどーしても無理がある
やたら長いガンアクションシーンの連続とお祭りの喧騒のごとくひっちゃかめっちゃかで終わるまで
何度も眠気がさしてしまった チャックのアル・カポネぶりは一生懸命だが、
見づらい字幕に、聞きづらい英語で大半のセリフを読み飛ばした。

ひとつの時代が終わったことを示したかったのか?
浪曲初めての萩原が実際に猛特訓したという裏話もある。
ナニワブルースだとジャズセッションにハマるシーンはイイv


『悪太郎』(1963)

監督:鈴木清順 出演:山内賢、和泉雅子、田代みどり ほか
日活らしからぬ?文芸作品の快作。これなら誰からも文句はつけられまい。清順さんもやればできるんじゃんw
妙な奇抜さを狙わなくても人情あふれる作品で感動を生み出せると証明した。

闊達な山内の清清しい潔さは気持ちよく、慣れないとコメントしている関西弁がとても心地いい。
にしても昔の中学が、今の高校生の年齢だとしても初体験は早熟な話だったろう。
異常に厳しい風紀係も“都会だ”という神戸出身者の文学説得ですんなり退散してしまう田舎の素朴さが可笑しい。

いい家の出で贅沢と自由があるせいか芸者遊びもして、それに聞き入る友人がボーっとしてしまうくだりも面白い。
恋愛がむやみに禁止されていた時代に、ここまで大らかに恋愛論を持つのは小気味いいが、
責任を伴わない少年の部分との微妙なアンバランスが通過儀礼として描かれる。


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