メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(2002.10~ part3)

2014-01-26 08:57:57 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『アザーズ』(2001)

監督:アレハンドロ・アメナーバル 出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン ほか
『パニック・ルーム』に劣らない面白さ。こっちは中世劇の心理サスペンス。
同じ母役でも光アレルギーの子どもを2人も抱え、愛の冷めた夫が戦後も前線から帰らず、
待つ孤独と、死者のうろつく大きな屋敷におびえる敬虔なクリスチャン役のニコールの役選びは
自分の個性を知った上での賢い選択だった。

「ウソをついた子の行く地獄はどこにあるの?」
「私はもう無知だから分からないわ」
「ここが私たちの家。もう離れない」

こうして家にゴースト現象が生まれるワケだ
しかし、何百年もたったら、それこそ混雑してあふれてしまうだろうに!
輪廻転生は信じても、魂や霊の存在は否定しているのか、場所に執着するからいつまでも成仏できないのか?
今と違って昔の郊外でシングルマザーが2人の光アレルギーの子どもを抱えて、
ずっと家に縛られているそのプレッシャーと孤独たるや想像を超えるものだろう。


『GO』(2001)
監督:行定勲 脚本:宮藤官九郎 出演:窪塚洋介、柴咲コウ、山崎努 ほか
これが話題作。同じ低予算ながら、しっかりした脚本と窪塚のキャラで魅せた。
金城武じゃハマりすぎだし、永瀬じゃ上手すぎる。
特別カッコいいとも思わないが、インディーズの勢いがある。RIZEもオススメの1本。
元ボクサー役の山崎さんがイイ味出してる。でも毎度あんなに本気で殴ってたら骨折れてるんじゃない?

在日ってそんな深い意味があったのか? どこの生まれだって今の時代珍しくないじゃん。
でも現実に今でもこんな意味のない差別があるとしたらショックだ。
子より親、またその親の偏見、弱者意識でつながっているんだろう。

「警官の制服ももっとダサかったらな。セーラー服とかだったら誰も道聞かないだろうし」w

「腕を伸ばした範囲が大体お前という存在で守られてる。でも伸ばして外のものをひっつかめ。外の世界を見るんだ」

よく考えたら、私がもし欧米人でなくアジア人と結婚するって言ったら親が反対するかもね。
でも、どんどん変えていくのは私たちで、未来は国籍なんて言葉すら意味をなさないようにできるはず。
国家より個人、老人より若い世代なんだ。より明るく平和に良い方向に変えていくのは。


『嵐を呼ぶ男』(1957)
監督:井上梅次 出演:石原裕次郎、北原三枝、青山恭二、小夜福子 ほか
これが有名なドラムのシーンと同タイトル曲。主役の裕次郎を一躍スターダムにのし上げた大ヒット作。
都会のセンスと、ワイルドで爽やかな魅力、甘い歌声すべてが人々を熱狂させたのだろう。
『太陽にほえろ』のボス役でしかリアルタイムで知らない世代には新鮮。
コーヒーのCMでも流れて、CGでよみがえり、昭和ブームの今、その他の代表作もチェックしたいところ。
ラストがいかにも母子泣かせなドラマみたいなのが可笑しいが、
当時の銀座がホットなJAZZと喧騒で賑わっていた感じが分かる。


『仁義なき戦い 第一部』(1973)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、松方弘樹、田中邦衛、金子信雄、梅宮辰夫 ほか
これが大ヒットシリーズの記念すべきエピソード1。ひやむ曰く「最初の3作目までの勢いが特にスゴイ」とのこと。
スピード感や迫力が伝わる。一発撮りに徹したという深作にならって、本シリーズにインスパイアされたアルバムも同様に録ったとか。
新作のサントラも演ることだし、予習必須。実際の事件が元か。

新勢力が台頭しては潰される、まさに無常な血で血を洗う殺し合いの繰り返し。
でも極道と道がつくからには、それなりの掟と美学を持ち、その中でも汚い連中は「腐れ外道」ってことか(専門用語その1
広島弁も面白い。

土建や競艇等ヤクザがらみの商売がいろいろ出てくる。
殺される場所も売春目的の風呂屋とか床屋のシーンは『ゴッドファーザー』を思わせる。
殺しても金で出所できちゃう仕組みが恐ろしい。「男になる」には組長を殺してムショに入ればカンタンになれるらしい。
新作では梅宮や松方が出てるけど、生き返ったのか?w


『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、前田吟、成田三樹夫、梶芽衣子 ほか
だんだん話が見えてきた(とゆーか本編前説を観て)“広島20年ヤクザ抗争”の原作本の映画化なのね。
1作目は呉市を牛耳る山守組の若手分裂の話で、今作2作目は台頭する村岡組と大友組の話。
北大路が極道にもカタギにもなりきれない半端なもどかしさとマヌケさ、
反面、人間的感情をヒロインと絡めて描いている。千葉のキレ演技が弾けてる。
よくまあこれだけ次々とワルっぽい顔ばっかり毎度集められたな。

しぶとく生き残った山守ほか組長連と、次々芽を出しては血気盛んに暴れまわる若手。
今作は昭和30年までの話でまだまだ戦いは続いてゆく。

初めて人を撃った後、北大路が口笛を吹き、殺しの快感に変わるまで、
殺人現場を改めた後、再び口笛を吹いて警官に捕まるシーン、
そして最期、口笛を吹きながらなかば半狂状態で自殺する1発の弾をこめた銃身に砂をつめるシーン、
口笛という効果で様々な心理を描いているのが印象的。


『ファンシィダンス』(1989)
監督:周防正行 出演:本木雅弘、鈴木保奈美、竹中直人 ほか
オフィのカキコミにあった通り、若き頃のスカパラメンバが最初と途中40分目ほどに出演。
ひやむがひたすら動き回る&グラサンなし姿が初々しい。ほかは顔がボヤけて分からん
話はなんてこたないラブコメディ。友だち曰くマンガ原作は面白いらしい。
『Shall we ダンス?』『しこふんじゃった』の監督。途中船こいじゃった


『狂った果実』(1956)
監督:中平康 出演:石原裕次郎、北原三枝、津川雅彦 ほか
アラン・ドロンを主演にしてもイイ感じなラブサスペンス。
鎌倉を舞台に燃え上がる夏の恋愛と兄弟の愛憎劇。シンプルながら見応え充分。
当時水上スキーは最先端スポーツなのか? 今でも1人でヨットやボードを持って乗り回せる坊ちゃんは珍しいだろう。
石原のワイルドさと津川の対照的な演技、北原のヴァンプ的魅力、
脇を固める若手の岡田も離婚家庭のハーフで影のある役で際立つ。

「オレは一体何人目の男なんだ!? 体はオレのものでも、心は弟のものなのは気に食わねえ!」

この頃は葉山のあたりは外国人が多かったのか?
世間に冷めた見方をして、退屈する裕福な若者たち。彼らが太陽族?
水着も時代を感じさせる。ドレスもヒラヒラで'80アイドル歌手って感じ。
踊り方もすました型の決まったもの。こんな銀幕のスターに憧れた若者がずいぶん真似したものだろう。


『スターウォーズⅡ クローンの攻撃』(2002)
監督:ジョージ・ルーカス 出演:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン ほか
急ピッチで製作され、完結へと向かっている今シリーズ。
エピソード2の見所は、なんといってもアミダラとアナキンの結婚と、自在に動くCGヨーダ
杖をついたじいさんに見えて、フォース使いの師匠は、ライトセーバーを持たせても
目にも止まらぬ速さで戦えるスゴイ奴だった!
アナキンの片腕が機械なのもクローン戦争の指導者に切られたせいだと分かるし。

ジャージャーも続出演してるし、エピソード1の面々もいるが、よく覚えてないからな
相変わらずお調子者の3POがクローンと頭をとりかえられて血迷うシーンとかで笑わせる。
処刑で使われる恐竜みたいなのや、戦闘キャラ、飛ぶマシン、もろもろの創造物が次々と目を楽しませ、
スピルバーグの頭の中の世界が限りなく広がり、ことごとく映像として全世界に具現化される様は圧巻。
現代のウォルト・ディズニーといったところか。
この分だといよいよクローン戦争となるエピソード3と、アナキンがダークサイドへ行くきっかけは何だったのか気になる。

May Force with you.


『仁義なき戦い 代理戦争』(1973)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、小林旭、渡瀬恒彦、山城新伍、辻玲子、成田三樹夫 ほか
今シリーズでフシギなのは、同じ俳優が別の役で何度も出てくるから、複雑な抗争劇がなおさらややこしくなるw
さすがにドス声&悪顔の男優はそんなにいないってことか? 第3弾の準主役は渡瀬恒彦。
組同士のいざこざでも実際働くのは下っ端、殺し合い、服役するのは常に若者だってこと。
母子物語にもとれるが、極道に入れてくれって頼んだ自業自得だ。明日なき世界なのは分かってたんだから。

とゆーワケで今回も広能らはしぶとく生き残って次作へ続く。
すっかり顔の広くなった広能は、なんだか皆の交渉人でもあり、いったん事が起これば特攻隊長にもなり、
なんだかんだで山守のたぬきオヤジとの因縁は続きそうだ。
S35まできて、政治も外交問題が悩みの種なのを反映して、ヤクザ社会と連動してるのも皮肉。
プロレス界とも通じてるのもスキャンダラスだ。


『仁義なき戦い 頂上作戦』(1974)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹、小林旭 ほか
シリーズ中、もっともヒットしたという第4弾は、S39東京オリンピック後
やっと暴力反対に立ち上がった市民に警察が重い腰をあげ、マスコミはペンで闘い、
小さな事件も書きたて、世論によって組長、幹部級の一斉検挙によりいったん沈静化するまでの模様を描いた。
結局、死者20数名、負傷者20名弱、逮捕者1500人、一般市民の巻き添えも増え、
上が二の足を踏む中、若者の暴走が街を荒らした。

「わしらの時代は終わった」なんて言ってて、第5弾「完結」ではしっかり復活してる
賭けの対象も昔は花札、今や野球にまでのびてるのか。

コメント

notes and movies(2002.10~ part4)

2014-01-26 08:57:56 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『砂の女』(1964)

原作:安部公房 監督:勅使河原宏 出演:岡田英次、岸田今日子 ほか
恐ろしい話! モノクロと鋭い笛の音みたいな音響効果がさらに際立たせる。

哲学でもある。自由を奪われた人間。たしかに愛する者と一緒にいられるなら
他に何もいらないってヒトもいるだろうけど。人はどんな環境にも適応可能だというし。
この男みたく目的と他者がいれば、外界の無意味な快楽・娯楽は必要ないのかもしれない。
強いストレスで抵抗するより降服・無気力を選ぶ心理もあるかも。

でも実際あっていいわけはない。女は外界を知らずに育ち、恐怖心に縛られていた。
男が消えるのにおびえ、都会に憧れながらも自発的行動より巣を守ることしか考えない。
そこに“自分”はないし、依存のみ。でも、それは外界にいても、地中にいても同じだと言いたいのか?
自分でその立場を選んだなら納得もいくが、そもそもなぜ閉じ込められたんだっけ?
過疎化だけじゃ不条理すぎる。ああ、“不条理”がメインテーマか。

失踪扱いとなってはや7年。
男はたぶんまだ穴にいるだろう。出ようと思えばいつでも出れると思いながら―――。
たしかに生きるのに意味はないと悲観はいくらでもできるが、広い世界を見て、
自分の力で生きる楽しみをイタズラに否定する必要もなかろう。
スタッフの印鑑を冒頭に見せたり、途中、村人が祭りのごとく太鼓を叩いたり、
狂気とスリルを盛り上げる演出がたくさん。


『太陽の季節』(1956)
監督:古川卓己 出演:南田洋子、長門裕之、石原裕次郎 ほか
ヌーヴェルヴァーグのフランス映画っぽい。今までこんなファジーなテーマで映画を撮った人はいなかったろう。
今作から“太陽族”が生まれたのか?
裕福な家に育って、ヨット遊びに別荘での休日、アイドルみたいなワンピを着て、
恋愛ゲームは肉体関係もこみ、ナンパもありだし、デートはダンスホールでお酒を飲みながらチークも踊る。
でも、何の目的も見いだせなくて、冷めて乾いた視線は今の若い世代と通じてさえいる。
ラジオからはホットなJAZZ、なかなかイイ時代だったんじゃない?
“トッポイ”とか、所々に挟む英単語とか、時代を反映した若者言葉も面白い。
今回、慎太郎氏がどこにゲスト出演してるか分からなかった。長門&南田は実際結婚したよね?
彼は恋人の死に泣いただろうか? でも死んでからじゃ遅すぎる。


『新仁義なき戦い』(1974)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、若山富三郎、渡瀬恒彦 ほか
一応、原作のほうは4作目で一区切りついて、今作はシリーズ6作目みたいだから、5作目がどこかにある?
でも山守組の内輪もめの1作目に話は戻ってる
だんだん撮り方もキャラも落ち着いて、演出効果も意識した感じ。

まさに親子の杯も兄弟分もない仁義なき戦いに終わりはない。
常に台頭する若いリーダーも次々と消えてゆく。極道といっても、のらくら遊んでばかりいられない。
完璧縦社会のプレッシャーでストレスたまるじゃん。
人殺して数年で出てこられちゃう仕組みがそもそもおかしくないか?
清順作品ではヒーローの宍戸も今作では飲んだくれの病気持ちで冴えない。


『ザ・ギフト』(2000)

監督:サム・ライミ 出演:ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リピシー、キアヌ・リーヴス ほか
サム・ライミで納得。けっこー怖かった 途中で犯人分かったし、展開としてはありがちなんだけど、
それぞれハマリ役の役者揃いで2Hたっぷりハラハラドキドキの連続。

ヒロインの見るたくさんの幻がフラシュバックとなり、デヴィッド・リンチの『ツインピークス』状態の効果あり。
小さな町での殺人事件は、男女関係のもつれでドロドロしたものが多いのかな?
怪しいキャラが多い中で、ホラーサスペンスのルールに基づいて一番らしくないキャラが犯人だってことはすぐ分かったv


『錆びたナイフ』(1958)
監督:舛田利雄 出演:石原裕次郎、小林旭、宍戸錠 ほか
ハリウッド映画みたいな台本。もっと予算をかけて2Hくらいでじっくり現代風に撮ったらイイかも。
S33だと、ヤクザもなんだか上品でカーチェイスも別撮りがバレバレだし、
悪の御大自ら殺しの手を下しにきちゃうのも甘過ぎる。
これを書いた本人が今や政治家なんだから現実は小説よりも奇なりw
当時から暴力団と警察、政治家の関係が疑われてたというワケだ。

手切れ金や脅迫でせびる金が10~50万円なのは、今の物価に直すとどれくらいか?
慎太郎作品は、どれも兄弟が出てくるものが多いようだ。
小林も若く、裕次郎にしても仁義シリーズに比べたら余りに正義純情キャラで
とてもヤクザには見えない好青年ぶりなのが可笑しい。


『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)
監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ジェニファー・コネリー、ジャレッド・レト ほか
本格的にドラッグの天国と地獄を描いた1作。
若者は一攫千金のため、老女は孤独なダイエットのため、その先のお先真っ暗な犯罪の世界、
行く末は病院か刑務所。簡単に手に入ってしまう世の中とあまりに無防備な人たち。

電気ショック治療ってまだやってるの? こんな時代遅れで野蛮なこと
みんな元はと言えばごく一般的な家庭の日常生活で起きていることっていうのが恐ろしい。
ドラッグの背景にある、もっと暗く絶望的な社会と人間像をとらえなければ根本的になくならない。


『サウンド・オブ・サイレンス』(2001)
監督:ゲイリー・フレダー 出演:マイケル・ダグラス、ショーン・ビーン ほか
やっぱハリウッドは作り方と金のかけ方が上手い。
大して目新しいテーマじゃないのについ引きこまれてしまう。
ドロボウも医師もプロで、時間を限定することで展開をスピーディにしたところがミソ。
少女がダクトを通じて歌声を母に届けるシーンは『知りすぎた男』を思わせる。
母はスキーで骨折して動けない設定は苦しい。
緻密な部分と大ざっぱにまとめているのが気になる部分も混ざっているが全体的によくまとまってる感じ。
大体あんなモデル系ママはいないしなあ
本気で仕事したら10年越しの犯罪も一気に片付くってことか?w


『新仁義なき戦い 組長の首』(1975)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、山崎努、梶芽衣子、渡瀬恒彦、成田三樹夫 ほか
こんどはS43北九州が舞台。かなりテンション下がって歌あり、お色気あり
“~くさ”がいっぱい出てくるほかは訛りも広島弁と変わらない? 流れ者の菅原が組を荒らす話。
寝ると殺される下げマン呼ばわりの色っぽい女優も大活躍?と思いきや、誰が死のうと構わない脇役だった。
演技派の山崎が若い! 小林稔侍を加えてがんばってる第7弾。


『ピアニスト』(2001)
監督:ミヒャエル・ハネケ 出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル ほか
かなりショッキングでR15に納得。これを劇場で観たらさらに衝撃的だろう。
自伝的作品を原作にしているとのこと。

精神病院にいる父と、異常に過干渉の母に育てられた女性の、歪んだ形でしか表せない愛情と感情表現、
裏腹の音楽の研ぎ澄まされた感覚を生かして、ウィーン音楽学校で教えるカリスマ教師なのだから、
人の性欲を才能に開花させるという説もあながち嘘じゃなさそう。

男ばかりの個室でAVを観たり、トイレで何やらもぞもぞ仕込んだり?! その歪みっぷりはスゴイ。
ユペールのプライド高そうな仮面のような表情が対照的。
母を「愛してる!」と襲おうとしたり、異常行動はエスカレート。
だけどあんな母親に始終つきまとわれてたら狂うのも分かる。その後、彼女はどーなったろうか?


『ボーイズ・ドント・クライ』(1999)
監督:キンバリー・ピアース 出演:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー ほか
実話の映画化だろうか? 社会的問題となった“性同一性障害”。
いまだに日常でもメディアでも“オカマ”や“ゲイ”が特別視される中で、
先進国アメリカでも田舎では意外に堅いクリスチャンや偏見が多いと聞く。
彼らにはエイリアン同様に理解を超える存在なのかもしれない。
あえて主人公を男の心を持つ女の体とし、レイプされ、殺される最悪のエンディングによって
多くの人に問題意識を抱かせる必死の思いが感じられる。
なんといっても主演女優がハマリ役で素晴らしい。

心と体が食い違うというストレスがどれほど辛いか想像するのは難しい。
こっそり生理用品を買いに行ったり、胸をさらしで隠したり、愛する者に打ち明けるリスクや
対等に愛し合う難しさ、性転換手術のリスクも大きい。
その上、社会や家族からも阻害されてしまったら、生きるだけで大変な負担だ。
今までは世間から隠したり、自分を偽ってきた人々も、次第に世の中の変化
(よりオープンに、柔軟に、科学的、人間的に)によってカミングアウトし主張しはじめている。
あらゆるタイプの人間がいることを知り、自分のいる小さな世界からより広く大きな眼を見開くことが必要だ。
ラスト、1人で車を走らせるラナが象徴しているように。

コメント

notes and movies(2002.10~ part5)

2014-01-26 08:57:55 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『トゥームレイダー』(2001)

監督:サイモン・ウェスト 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・ヴォイト ほか
『ハムナプトラ』の女性版か。とにかくバツグンのスタイルと美貌のアンジーが
完璧カッチョいい完全無敵のアクションヒロインぶりがお見事
男の子にスーパーマンが必要なように、女の子にも彼女みたいなイコンが必要な時代。
余計なお色気シーンやお涙頂戴がないのが現代風。

犬ぞりしたり、スキーにカヌーにバンジーに銃撃戦etc...
あらゆる道具や状況を利用してのハイスピードアクションにコーフン。
長い髪にパツパツのタンクトップ、ホットパンツ? 極地でも寒くないのか?
白い動きやすそうな服も“デキル女”にピッタリのファッション。


『インティマシー 親密』(2001)
監督:パトリス・シェロー 出演:マーク・ライランス、ケリー・フォックス ほか
結婚しても相手のことを何もかも知ることはできない。
それでも共同生活して運命をともにするフシギ。
離婚しても癒えない傷もある。男女の愛情の複雑なこと。

家を出る理由も、親友がなぜいつもトラブってるかもよく分からんし、
部屋を貸す貸さないでモメるシーンもよく分からん。
お互い愛し合っていたということか? 傷つきあうのを恐れて時期を逸してしまたか?
でもまたそれぞれの元へ帰るのはなぜだろう?? なんだか終始煙に巻かれた気分。
―――にしてもかなりリアルな絡みシーン。R18だっけ?
こんな演技を求められるなんて俳優もラクじゃないな


『ショコラ』(2000)

監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ ほか
とろ~りとろける魅惑的なチョコレート。カカオマスには心と体を癒すフシギな力がある
魔女のように人の好みを言い当て、癒し、閉ざされた小さな村の人々の心を解きほぐす、ジプシーのような母娘。
チョコの誘惑にはどんな人も抗えないのと同様、自由な考えや行動を人に禁止することなど不可能だ。
とくに恋と食を謳歌するフランス人には。なぜ英語なのが気になるが、味のある役者をそろえた感動の1作。

毎日あんな魔法みたいに幸せをもたらすチョコを作ってくれる人なら私も嫁にもらいたいくらいだw
「何を禁じるかでなく、何を受け入れるかが神の愛であり、生き方であり、それこそ大切な人間性だ」
と神父が語り、村人が納得する。実際は人の考えを変えるのはこんな簡単じゃないし、
自由には常に危険と責任もついてくるが、それもひっくるめて底に流れる人の良心、
前向きで開放された温かい心の存在を信じさせてくれるような作品。


『セッション9』(2001)
監督:ブラッド・アンダーソン 出演:デヴィッド・カルーソー、スティーヴン・ジェヴェドン ほか
わざわざ囲み枠の注意書きで「精神的に不安定な時は心して見るように」
みたいなことが書かれていたのにまんまと乗せられた
やたら長くて、遅くて、メリハリのない展開、それっぽい立派な建物とロケは良かったけど
話はなんてことない―――とゆーか前半~中盤までちょっと眠りかけた
今作に期待して劇場に観に行った人に同情する。単に気分が悪くなっただけだろう。
一応、2001年ヴェネチア国際映画祭特別招待作品とかになってる。


『タイムマシン』(2002)
監督:サイモン・ウェルズ 出演:ガイ・ピアース、ジェレミー・アイアンズ ほか
お金とCGを使った割りに奥行きのないドラマになってしまった。
妙に貧相な顔立ちのガイが中世向きじゃなかったせいか?
H.G.ウェルズのひ孫が撮ったらしい。

2037年には月が落ちてきて、その衝撃で気を失って、なんと80万7000年まできてしまう。
ここまでくるとコメディだ セットも作りきれないからジャングルだし、
コクーンみたいな場所(崖の側面)におびえて暮らすエロイ族の中に英語を話せる美人教師がいるのもなあ・・・
なんか『猿の惑星』と『スターウォーズ』の合作じみてきた。
『アルマゲドン』とかの世紀末ものも全部そうだが、すべてアメリカが世界の中心で
世界そのものみたいな描き方がいつも鼻につく。

とにかく、過去に戻っても人の寿命は変えられないというのが結論か?
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいなパラドックスは起こらないらしい。
それをやってたら映像化不可能になっちゃう。
人の想像は創造となり、実現するというが、今作に目新しい未来はないばかりか、
最近の近未来ものはいつも破壊、滅亡が多い。
変えたい過去、のぞきたい未来はいっぱいあっても、今現在の命を生きることが大切だって思う。


『新仁義なき戦い 組長最後の日』(1976)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、松原智恵子、尾藤イサオ、地井武男、成田三樹夫 ほか
今作で堂々、北九州市小倉が登場! だが“~くさ”、“~ばってん”他は関西弁なのはなぜ??
九州vs大阪、復讐に次ぐ復讐。今作では菅原が執拗な復讐の鬼と化す一方、
兄妹ドラマ、そして犯罪が少し複雑になって、女がより大きく関わってきている。

今シリーズで頭を使うヤクザ幹部として、いつも活躍している成田さんが渋い
あまり殺される役じゃなく、とりまとめ役が多い。スッキリとスーツを着こなしたインテリっぽさがイイ。
それにしても懲りない面々。人殺しても保釈金次第だったりで7年くらいで出てこれちゃう法律はおかしくない?


『マレーナ』(2001)

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:モニカ・ベルッチ ほか
甘い音楽とイタリアの明るく開放的な光、そして何といってもモニカの圧倒的な美しさが今作の見所。
戦時中、美しさ故に小さな村で残酷な仕打ち(セクハラもいいとこ)を受ける未亡人と
何も出来ずに想いを募らせる少年(ほとんどストーカー)の性の目覚めを描いて、
前半はコメディタッチ、後半はドラマチック。
最初で最後に交わした言葉が「お幸せに」であるとか、変わり果てた妻と再会し、
村に2人で戻るまでのドラマを敢えて描かずに想像の余地を与えたトルナトーレ監督の上手さに感動。

人間社会のルールは複雑怪奇で猿同然
「その他何人も女を愛したが思い出すのはマレーナだけ」とはイタリア人の言いそうなセリフw
父のズボンを勝手に切って自分用の長ズボンにしたり、マレーナのかけてたレコードをかけたり、
下着は盗むは、部屋は覗くは、やり放題。冗談みたいにオーバーアクションの父はそれほど政治的でもなく、
息子のために売春宿まで連れてきてあげるような理解者でもある
「シチリア女め」ってセリフがたくさん出てくるが、どこに行ってもいわれのない差別があるもんだな。


『その後の仁義なき戦い』(1979)
監督:工藤栄一 出演:小松方正、星野美恵子、松方弘樹、原田美枝子 ほか
監督が違うから妙に人情臭いドラマ仕立てで、シリーズと離れた話っぽい。
1人1人丁寧すぎるほど描かれて、音楽はブギウギバンドと松崎のオンステージ状態。
でも舞台が再び小倉なのが嬉しいv

友情出演の萩原は飲み屋で絡む変な男のチョイ役。
今で言ったら浅野忠信と永瀬正敏みたいな人気だったろうから、
いろんなサービスショット満載にしたかっただけかも?

そもそもヤクザに人情、仁義、道理を通そうってのが間違ってる。
不良がこれを観て悪行をやめたり、更生するとも思えないし。
'80代の中途半端な邦画の雰囲気が随所に漂ってる点は仕方ない。
原田さんの作品が思いがけず観れたっていうので納得。


『バイオハザード』(2002)

監督:ポール・アンダーソン 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ ほか
超~~~~おもしろかった ハイテクゾンビ映画だったんだw
めちゃ強いヒロインものが続くけど、今まで少年~中年男らが無敵のヒーローに憧れる気持ちが分かった。
美しくも逞しいミラが狂犬にハイキックする瞬間から最後までドーパミン大放出

<ゾンビルール>
その1.たとえひっかき傷でも感染する。
その2.動きはトロいが食欲旺盛
その3.頭をぶち抜かない限り死なない。

外に逃げても皆ヤラれてるって結末は今までもあったが、「生き残る。たとえ1人でも」ってキャッチが効いてる。
めげないヒロイン、今度は世界と闘うのか
確かこのゲーム、社員さんが話してたやつかな?
ひたすらゾンビを撃つシューティングゲームより映画のほうが面白いんじゃないかな?
ゾンビになる前から怖いマリリン・マンソン?以外は皆美しい出演者たち。
メタリカ風サントラもカッチョいい


『冬物語』(1991)
監督:エリック・ロメール 出演:シャルロット・ヴェリー、アヴァ・ロラスキ ほか
さて、今作がどーしてコメディ映画に分類されたのか?
笑えるギャグが1つも出ない代わりに、再会までの長いドラマで女性の自立の話でもある。
仏映にしちゃ珍しい、ギリギリでの超ハッピーエンディング。
さて、この後2人が何事もなく暮らせたかは、それぞれの想像に任せられる。

経済力のあるM、インテリで愛情も友情も支えてくれるR(やたら小難しい会話にはウンザリ)でもなく、
理想の初恋の人?を待ち続けたFは、カトリックではなく魂の転生を信じると熱弁。
Sともきっと縁があると言い切っていた。
欧米人には、なかなか自然に理解できる考え方ではないらしい。

美しい女の子が王子と結ばれるおとぎ話を聞いて育つ女のほうが“運命”や“偶然の出会い”なんか信じやすいだろう。
今作はロメールの撮った四季の映画の1つ。
劇中劇として同題のシェイクスピア劇が演じられるが、それが軸になっているのかも。

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notes and movies(2002.10~ part6)

2014-01-26 08:57:54 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづきでこのノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ニッポン無責任野郎』(1962)

監督:古澤憲吾 出演:植木等、団令子、ハナ肇、クレイジーキャッツ ほか
おもしろい 不世出のスターってこーゆー人のことを言うんだな。
高度経済成長期に入った日本に現れた、まったく新しいタイプの人間像。
若い女の子たちの考え方も変わったのがよく分かる。

♪てなこと言われてその気になって~ハイ、それまでヨ 等々、青島幸男作詞の歌がまた楽しい。
バンザイ、ワクワク、スイスイ、植木の独特な動きも笑える
どんどん先を読んで臨機応変、過去も未来も関係なく、今の瞬間の幸せに生きて、
それがトントン拍子に運んじゃう、ハイテンポなシチュエーションコメディ。
団令子が二重顎でも、ハナ肇のゴリラ顔もハマリ役。

上司のご機嫌伺いに、出世を争う派閥抗争、安月給で昼はラーメン
日本のサラリーマンの悲哀は今でも全然変わってないのがまた可笑しい。

「お茶飲みに行かない?」と誘ったのは銀行の無料給湯器w
団は憧れの一軒家に満足。庭は植木を「バァーっと引っこ抜いて!」駐車場にする/爆
まんざらでもなく金儲けに働く浦辺がまたなんとも適役。
ミンクのコートを着たホステスに「マリリン・モンローのオバケかと思った。人間離れ・・・いや、日本人離れしてるヨ」てギャグも笑った。
植木の陽気な高笑いは、不景気な今の日本も救ってくれそう


『仁義なき戦い 完結篇』(1974)
監督:深作欣二 出演:菅原文太、北大路欣也、松方弘樹、小林旭 ほか
ビデオ化は'96で、公開は'74だったんだ。ってことは私はビデオ化順に観てたってこと?
公開順と勘違いして後先バラバラだったかも?

深作監督追悼にシリーズ5作上映という話もある。劇場で観たら迫力も違うだろう。
今作はさすがに完結篇だけあって、まとまり感がある。
20年も経ってやっと広瀬も改心?、引退したし・・・っておいおい、まだ山守さんも武田も皆ピンピン生きてるってことかい!?
まったくヤクザ稼業から足洗うなんざ不可能だろうに、バリバリ裏でまだ牛耳ってるんじゃないの?
それに、完結篇に成田さんが出てないのはおかしい

彼が獄中で書いた今までのいきさつが今シリーズの元になってるのだろうか? 文才があったなんて意外や意外。
この世に善と悪が存在する限り、我欲を通そうとする者、その中で君臨する夢を見る者は絶えないと思うし、
実際変わらず存在してるからね、ヤクザも麻薬、賭博、性産業etc...
とにかく今シリーズもあと残すところあと1本か。
スカパラがサントラ担当した新作公開も近いことだし、予習・復習はこれでバッチリ


『黒猫 白猫』(1999)
監督:エミール・クストリッツァ 出演:バイラム・セヴェルジャン、スルジャン・トロヴイッチ、ブランカ・カティク ほか
スカのサントラに惹かれて選んだはずが、話と映像が強烈インパクトですっかり忘れてたw
爆問がなぜか前説入れてて「監督は皆川おさむです」「それは黒ネコのタンゴ!」とか笑わせてくれてる
ユーゴの話らしいがのんびりムードなおとぎ話(ちょっとエグい)のよう。孫役の男の子がカワイイ。

所々に出てくる黒と白のネコカップルはかわいい。たくさんのアヒルやヒヨコ、ヒツジに、
車を食べるブタ!、牛etc...生活に動物が溶け込んでいるような田舎町。
娯楽も少ないから結婚式があんなに派手な大騒ぎなんだな、きっと。


『カサノバ』(1976)

原案・監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ 音楽:ニーノ・ロータ
出演:ドナルド・サザランド、ティナ・オーモン、シセリー・ブラウン ほか
時間の都合でまだ半分しか観てないが久々フェリーニの夢の世界を120%堪能
サーカス、小人、大女etc...彼の大好きな原色の美しいものたち、
そして女性への無限の愛にあふれてる

「男には魂が3つあり、女は崇高な1つが欠けている」「美しい女には1つあれば充分」

自動人形が本当に人形みたいな動き。
年老いて気難しくなり、自分は文筆家だと言い張り、人形との逢瀬を夢見てのなんとも淋しいラスト。
が、ここまで人生を自由にエンジョイした人も幸福だろうに。
定住も、1人の女だけでも我慢ならなかったろうし。『カサノバ回想録』があるということは実在の人物か?
フェリーニ作品には、とにかく無数の巨乳女性が出演。美しい夢は永遠に続いてゆく―――。


『ニッポン無責任時代』(1962)
監督:古澤憲吾 出演:植木等、ハナ肇、重山規子 ほか
♪ハイそれまでョ、♪無責任一代男、♪やせ我慢節、♪五万節、♪ドント節、♪スーダラ節 作詞:青島幸男

1作目より2作目のほうがおもしろいな、無責任度アップしててw
この1作目の平等(たいらひとし)は、けっこー会社のために骨折ってるし、意外に筋も通してて、
同僚にはちょっと反感を買っちゃうキャラ。谷のマジメ上司役は厳しい


『日本一のホラ吹き男』(1964)
監督:古澤憲吾 出演:植木等、浜美枝 ほか
こちらはホラ吹き男、といっても人の10倍は働く男、高度経済成長期はアイデアと技術次第でいくらでも伸びた売り上げ、
“過労死”なんて言葉もなかった頃だ。
大笑いとゆーより、シチュエーションコメディと、ジーン・ケリー風ミュージカルのあいのこみたい。
とにかく植木のバリバリ体育会系サラリーマンの元気一杯さが気持ちいい。
前進あるのみ!の彼なら幹部より社長になるべきじゃない?
彼の前進は安定して、守りに変わっちゃったのかな?



【読書感想メモ】
「墓に唾をかけろ」ボリス・ヴィアン(追加で別記)
「うたかたの日々」
「心臓抜き」
「北京の秋」
「すべての子供たちに」ミッシェル・グランジェ絵
「アンダンの騒乱」

「アジア楽園マニュアル 好きになっちゃった中国~開放大国の摩訶不思議ディープの旅」双葉社
「陰陽師5678910」
「鈴木清順全映画」立風書房
「チーズはどこへ消えた?」スペンサー・ジョンソン
「笑うシネマ」エンター・ブレイン発行(のちのち本書を参考にビデオ漁りしてた


【歌詞をメモした曲】
♪12階のこいびと/松任谷由美
♪BLUE RAIN/松任谷由美
♪私を忘れる頃/松任谷由美


【イベントメモ】
兄の結婚式@ロイヤルホールヨコハマ
キロさん占い@反町


【ライヴレポ(追加で別記)】
スカパラライヴ@日本武道館 2002.11.8
スカパラライヴ HEY! HEY! HEY! 公録@東京メディアシティ


深作欣二死去 2003.1.12


コメント

notes and movies(2002.5~ part1)

2014-01-22 09:37:02 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はスカパラ@横浜アリーナのチラシが見える黄色のルーズリーフからご紹介。
このノートを見れば、どうライヴにハマりまくったかが分かるかもw
てことで、ライヴレポもちょこちょこ書いてみる予定なり。

  

photo1:ライヴにハマりたて当初はぴあの見方も分からず、F氏に聞いたりしてたっけw
photo2:横アリは結局チケ取れなかったのか
photo3:コンビニにあったチラシを見て、その場で電話かけたら取れちゃったのが最初のチケとり体験v(ちなみに@神県

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『アメリ』(2001)

監督:ジャン・ピエール・ジュネ 出演:オドレイ・トトゥ ほか
久々映画観た。時々観ないと心が枯れるからネ。
ミニシアターから口コミで人気爆発しただけあった、よかった。
原色の色彩やかな世界、CGの使い方がPOP、次々と展開されてゆく人々をちょっとずつ、
時に大奇跡を起こしてhappyにする話に引きこまれ、たどり着いた恋人はフツーの兄ちゃんなのに、
とってもカワイク見えてしまう

たくさんの人々がたくさんの事をして考えてる。
そんなもろもろを一気に缶詰にしたような作品。
ちなみにドワーフのポストカードや、マントを着たアメリカの人形、
DVDがつまった“アメリ缶”が8000なんぼで売り出されてた。
ヒロインと男の子の内気で静かなキスシーンはgoodv


『冷静と情熱のあいだ』(2001)
監督:中江功 出演:竹野内豊、ケリー・チャン、マイケル・ウォン、ユースケ・サンタマリア、篠原涼子、椎名桔平 ほか
かなり話題だったのに今頃観た。
ありふれたラヴストーリーもフィレンツェ、ミラノを舞台にして、エンヤをBGMにすれば感動大作になる。
恋愛は、はたから見ればもどかしくて遠回りで“ありがち”な道を何度も通るものなのかも。
きっと原作を読めばさらに共感・感動できるだろう。

「本当に好きな人とは結ばれない」
篠原さんの役のように恥も外聞もなく飛び込むやり方もある。
周りの見えない恋の始まりが過ぎた後にとる選択は、結婚か別れかの2つだけ?

「帰る場所は好きな人の胸の中だけ」ってセリフに反発する半面、納得もできる。
「過去でなく、未来でもなく、現在(いま)愛し合うことが大切」

偶然か必然か、本当はシンプルかもしれないのに、素直に心と体の気持ちを聞いて、
自己表現することの難しさ。アオイの“冷静さ”もそんな孤独と迷いの結果かも。


『ヴィドック』(2001)
監督:ピトフ 出演:ジェラール・ドパルデュー、ギョーム・カネ、イネス・サストレ ほか
ドパルデューがアクションスター “鏡の仮面に映った者は命を落とす”という伝説を利用した
現実とも夢とも思える殺人事件は、ミステリアスで、原色の美しさはこの監督の持ち味。
98分があっという間でもあり、見応え充分で、次から次へと早い展開に引きこまれてゆく。

犯罪者→警察官→探偵になったヴィドックが実在人物だってゆうのも驚き。
19Cのフランスは『陰陽師』のごとく闇が闇として恐れられていた時代だったのだろう。
意外な犯人は、ホラーの基本的ルールながら、誰も分からないだろう。

人間とは思えない動き、見えたり消えたりのデジタル映像と、中世コスプレの合体が見所。
やたらアップが多くて、とにかく濃い~世界。


『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)

監督:クリス・コロンバス 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン ほか 戸田奈津子訳。
今頃観てるんだけどドキドキハラハラ、笑って泣いて感動した。
グッズを買ったり、コスプレしたくなるのも分かる気がする?
なんてことない平凡な男の子が“運命の”“有名な”“魔法使い”。
これはある日、突然すごい人に変身するって願望を叶えてくれる。
お金がかかったCGは、マジカルワールドで自由に心を遊ばせるのを助けてくれる。
ジョン・ハート、ジョン・クリーズの出演も嬉しい!

寮生活やらがいかにもイギリス風。喋り方も思いっきりイギリス訛りだけど、アメリカで撮影したんだっけ?
子役らがどんどん成長して、顔も変化していく年頃だから、
3部作をなんとか早く撮ってしまおうと急ピッチで進めているらしい。
ファンタジー、夢とかのキャッチがピッタリはまる、『ネバー・エンディング・ストーリー』以来の興奮。
シングルマザーが喫茶店で1杯のコーヒーでねばりながら書いたという原作にも注目。


『メメント』(2000)
監督:クリストファー・ノーラン 出演:ガイ・ピアース、ジョー・パントリアーノ、キャリー=アン・モス ほか
10分間しか記憶を留められない男が殺された妻の犯人を探して、体にイレズミを彫るってアイデアがイイ。
複雑で断片的、映像のコラージュは、迷路のようでついてゆけなかったが。
途中つなぐのはサミーという男、彼も記憶障害で、妻は精神を病んで糖尿病の注射を何度もさせて自殺した。
ミステリーが進むうち、基本ルールに戻って、もっとも意外な人が犯人だとすると先が読めてしまった。
結論としては、人は覚えていたいことだけを(真実を捻じ曲げてでも)覚えている、それが“記憶”だということ。

アルコール依存症や、精神病等による健忘症という症状もある。
人の脳と記憶をストックし、思い出し、連続させてゆく仕組みには、まだまだ謎があるようだ。


『おいしい生活』(2000)
監督・出演:ウディ・アレン 出演:トレイシー・ウルマン、ヒュー・グラント、エレイン・メイ ほか
知人は劇場に観に行って変なオヤジに会ったせいで酷評していたけど、F氏は笑ったらしい。
私は1度だけ爆笑したけど、ラストはほのぼの。

ウディ作品はきっと低予算だし、アクションやらもないけど、極上のJAZZとNYを舞台に
「やっぱ映画っていいなあ~」て思わせる魅力がある。

マイアミやフロリダってアメリカ人にとっては夢の場所なのね。
「present」って原題なら、O.ヘンリーの話を思い出す。
夫婦が互いに無意味になってしまうプレゼントをし合って、最後は愛情を確かめ合うってやつ。


『シッピング・ニュース』(2001)

監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ケヴィン・スペイシー、ジュリアン・ムーア、ケイト・ブランシェット ほか
K.スペイシー好きのF氏オススメの1作。原作、キャスト、舞台すべて揃った逸品。
真夏に観ても寒そうな離島だけど、人々がそれぞれの重いルーツを背負いながらも
寄り添いあって生きている温かさを感じる。

「こんな奇妙な事が起こり得るなら、きっと傷ついた心も癒されることができるだろう」

先祖が海賊ってヤダな とにかく今作を観てK.スペイシーがいい役者だとやっと納得w
でも新作はオースティンらしい


『ジェヴォーダンの獣』(2001)
監督:クリストフ・ガンズ 出演:ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ ほか
単なる怪物退治の話と思いきや、アクション、ロマンス、歴史、ミステリー、いろんな要素を含んだ佳作。
マニのカンフーアクションが仏映の、しかも中世舞台には異色。
ラスト、弱らせた獣は銃で殺されるが、その眼は情の通った哀れみさえ漂って、冒頭の残虐なシーンと対照的。


『陰陽師』(2001)
監督:滝田洋二郎 出演:野村萬斎、伊藤英明、小泉今日子 ほか
思った通りの期待ハズレ感だが、一応確認までにということで。
原作をミックスした上、ライバルを設定して映画風に演出してみたものの、
資金不足か力不足か、フラットな映像と2Hドラマみたいな軽さがぬぐえない邦画の性―――無念。

が、DVDには野村の舞ロングバージョン他が“まんさい”だそーな
そして2まで2003年に公開予定・・・私にとって陰陽師は、やはりマンガのイメージが強いが
それとて実際とはかけ離れたフィクション。
なんとも捉えがたいヒーロー故にそれぞれの中で広がる清明&平安京ワールドを楽しめる。

2人のヒーローは酒を酌み交わしてラスト『太陽にほえろ』みたく不自然な笑いでエンディング
で、舞がエンディングロールの間中披露されるというダサさ・・・せめて2は監督を変えたほうがいいのでは?


『マルホランド・ドライブ』(2001)

監督:デイヴィッド・リンチ 出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・エレナ・ハリング ほか
待ってましたのドップリ、リンチ・ワールド しかも往年の?『ツイン・ピークス』の小人まで登場。
だが、このパズルを一緒に解いてくれる相棒が必要だあああああ

ハリウッド映画界の汚くも妖しい裏事情も垣間見え、明るいアメリカ市民と陽射しVS
妖しくドロドロな裏アメリカの対比がまさにリンチならでは。
カミーラ役の女優の肉感的な美しさは圧倒的。
しかし、レストランのウエイトレスの名前がベティだったということは・・・???
う~~~~ん、もう少し考えてみなくちゃ

コメント

notes and movies(2002.5~ part2)

2014-01-22 09:37:01 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづきでこのノートのラスト(早っ
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『オースティン・パワーズ・ゴールドメンバー』(2002)
監督:ジェイ・ローチ 出演:マイク・マイヤーズ、ビヨンセ・ノウルズ、マイケル・ヨーク、セス・グリーン ほか
最初にカメオ俳優がいきなり出まくり。映画仕立てで『MI』ばりのトム・クルーズ、
ヒロインにグウィネス・パルトロー、ケヴィン・スペイシー、ダニー・デヴィッド、ブリトニーもちゃっかり、
スピルバーグ!、ラストはジョン・トラボルタ他。

オープニングテーマ後、Dr.がミニミーを抱っこして登場w チョコホリックらしい。
悪事を思いついたのも束の間、捕われ“ハンニバル”状態。勢いづいて開いちゃうが「閉めるね」
’75にタイムトリップしてGに会う(マイク・マイヤーズ?)自分の皮を食べるエゲツなさ(ウエ~~~
スモーレスラーのファットマン(マイク?)も下品ギャグ満載で引く。
なんと『WONDER YEARS』のアイドル、ケヴィンくんがホクロ男で登場! ちょっと情けない・・・
宿敵が仲良くなっちゃって、次回はどーすんの?

監獄の中で見事なラップを披露してるし、一番笑ったのはションベン小僧の代わりにオシッコを飛ばすシーンと、
検尿で肩車してるミニミーが、アップルタイザーを口から勢い良く吐き出すシーン、破水して生まれ落ちる/泣笑

オゲレツ度が200%増の今作。キャラのキョーレツさも増量してて、引くシーンも数多し。
ルーティンのダンスと曲もおさえつつ、毎回笑いをとるのに必死さが感じられ、次回作が心配・・・でもないか。
YEAH!BABY!YEAH!!


『ロード・オブ・ザ・リング』(2001)(劇場にて
監督:ピーター・ジャクソ 出演:イライジャ・ウッド、ケイト・ブランシェット ほか
戸田奈津子訳

とりあえず第1弾はここまで。2弾が来年2003年春ってゆーんだから気の長い話
こーゆー勇者の冒険物語ってどこの国にもあるけど、神話をここまで資金と時間をかけて
リアルに描いたのは今作の圧倒的な見所。
悪鬼のメイクもCGもリアルで出演者も適材適所。
でもこーゆー作品って壮大であればあるほどパロにしやすい標的になるw
レスリー・ニールセン辺りでやらないかしら。

自然の美しさも圧巻! 昔の旅人は靴も履かなかったのか? よっぽど足の皮が厚かったとみえる。
2弾の予告編を見るために再度、鑑賞したツワモノも大勢いたとか。
今年はハリポタといい、スターウォーズといい、大長編作揃いで、それぞれの続編がいまや遅しと待たれるばかり。


『千と千尋の神隠し』(2001)

原作・監督・脚本:宮崎駿 声出演:柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子、神木隆之介 ほか
宮崎アニメの中で『ナウシカ』『もののけ』の次に好きかも
前作では自然破壊と動物、精霊を描き、今作では日本の昔からの土地神信仰が土台となっているところが
日本人の心に自然に入ってくる。が今作は世界でも大絶賛を受け、ハリウッドで吹替え上映とのこと!

絶筆を決心した宮崎さんだが、その創造力(想像力)の広がり、奥深さは本当に計り知れない。
少女の冒険というエンタテイメントの裏に、1シーン、1カット、各キャラの細部にまで精魂こもった思いがあることは
『もののけメイキング』を見て並々ならぬものと知った。
今作も気づかない思いが無限に込められていることだろう。

なぜ神さまらが疲れを癒しにくるのか、人をブタにして食べてしまうのか、謎は多い。
いつか原作?か、宮崎さんの本を読んでみたい。
ハタがなぜ魔女になど弟子入りし、かつ千尋を積極的に助けようとしてくれたかも何かワケがありそう。

どこに行っても捨てる神あれば拾う神あり。協力してくれ、支えてくれる仲間がいるってステキ。
今作のテーマは“生きる力”というけど、私はそんな友情、愛情に強く感動した。
いつもながら流れるような飛行シーン、いろんなキャラの面白さ、動き、色使い、
アニメーションがここまで進化し、人を感動させる力があることに宮崎作品を観るたび驚かされる。


『青い夢の女』(2000)
監督:ジャン=ジャック・ベネックス 出演:ジャン・ユーグ・アングラード ほか
ミステリー、ロマンス、そしてコミカルでもある夢と現実が交錯したドラマ――まさに私好みv
久々ジャンの繊細な演技と、お決まりのヌードもあるしw

「君はいいカウンセラーになってくれ。カウンセラーは聖者みたいなもんだ。
 人が人であることを恥じないでいいんだと教えてやってくれ」

死体遺棄、その他偽証罪にも問われずハッピーエンディング。
全編青白い光の夜が舞台。日常から外れた異常が横行している時間。
今もどこかで誰かが殺め、墓場に埋めているかもしれない。
精神科医が親に対するコンプレックスを持っていたり、緑のキリンを埋めてたり・・・
と普通じゃないんだから仕方がない。


『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2001)
監督・脚本・出演:ジョン・キャメロン・ミッチェル 出演:ミリアム・ショア ほか
21世紀に蘇ったグラムロックの栄光。D.ボウイ、マドンナがグラミーをサボって観に行ったって噂もうなづける。
監督・脚本・主演まで務めたミッチェルに注目。

ベルリンの壁崩壊のニュースをまじえながら、性愛の複雑さを全編グラムロックナンバーで綴る。

♪男同士がくっついた太陽族、女同士の地球族、そして男女のくっついてる月族
 人が強くなりすぎたのを心配したゼウスが各々切り離して洪水でバラバラにしてしまってから
 それぞれの片割れを探すことになった 愛の起源(the origin of love)

同性愛その他ルールに反するものを一切排除しようとするキリスト教にしばられつつも矛盾と闘う人々。
そして現代の「性同一性障害」や、親からの虐待も明らかになってきた中で、
様々な愛の形をもっとオープンに考えるべき時代になった。
'70のおどろおどろしい妖しげなグラムの世界も美しく光っていたけれど。


『殺しの烙印』(1967)

監督:鈴木清順 出演:宍戸錠、南原宏治、真理アンヌ ほか
冷牟田さんがハマって観た後、一気に数曲書き上げたというイベントでのコメントを聞いて借りてみた。
鈴木清順監督作品第1弾。新宿TSUTAYAでも特別に名前順でない棚で“おすすめコーナー”として紹介されてた。

今作はガンアクション邦画の先駆らしい。変わってるとかなり身構えて観たが、やっぱ変!?
日活系のお色気あり、殺し屋ハードボイルドあり、なんか滑稽なコミカルシーンあり、渋々ブルーステーマ曲あり・・・

「結婚してんのか?」「男は嫌いヨ」「じゃ夢も希望もないワケだ」「死ぬことが夢なの」

いくら主人公といえども一応、勧善懲悪なのか共倒れ&恋人まで自分の手で殺しちゃうエレジーな世界―――。
妄想のシーン、殺されそうになった女房が狂うシーン等、突然POPと言えなくもない演出がこの監督の特徴か?
全編に張り詰めた空気は、同じ殺し屋を描いた『レオン』なんかに比べるとよりリアリティさを強調しているのかも。
ファムファタル的ヒロイン、ミサコは美しい。米を炊く匂いフェチの男がブキミ


『肉体の門』(1964)
監督:鈴木清順 出演:河西都子、野川由美子、松尾嘉代 ほか
第2弾。こっちのほうが原作小説に基づいて撮ってるせいか分かり易くリアリズムに徹してる。
敗戦後、米兵GHQ統制下、混乱を極め、毎日、食べられるかどうか生死を争い、犯罪が横行し、
人間が家畜のごとく生き抜かざるを得なかった時代の“人間性”を問う作品。
肉欲をあらわに描いていて、40円で体を売りながら本物の愛情を知らず、
タダで寝た仲間をリンチする哀しい売春婦の世界が生々しく心をとらえる。宍戸錠って肉体派俳優だったんだ。

「私は敗北者です。が、敗北者の幸せを忘れない」

どうやらアンハッピーエンドが好きらしい。
汗だくで抱き合うシーンは、とても衛生面でよろしくなさそーだが肉感的。
水のシャワーで避妊具もない時代。今までよく性病にかかったり、妊娠しなかったとフシギ。
盗んだ金で即イモを買ってむさぼり食うシーンは強烈。
強くなり、感情を殺さなきゃとても生きていけなかったんだ。
牛を盗んでさばくシーンは本物でグロすぎ


『ミスター・ミセス・ミス・ロンリー』(1980)

監督:神代辰巳 出演:原田美枝子、宇崎竜童、原田芳雄、名古屋章 ほか
TSUTAYAオススメの棚にあった。
原田美枝子さんが主演のみならず、企画プロデュースまで携わったという、前から探してた1本。
妙な3人の男女がアウトロー的に集まって犯罪ごっこをする。
始まりも終わりも気にしないオフビートさは、邦画のニューウェーヴだったのかも。

キレイな服を着るでもなく、始終アレルギーでハナをすするヒッピー的ヒロイン、
百科事典製作で“100回も読んで丸暗記してる”インテリでズレた男、
孤児でヤクザに拾われ、オカマの軽犯罪常習犯・・・それぞれファジーな役作りとセリフで面白味を出している。

始終、小説家に対するファンレターを読まされるのにはちょっとウンザリ。
意味がよく分からないが、千里は自分にヒロインが似ていると共鳴して名を語り、同じ道を歩もうとしてるらしい。
家のそばでガンガンロックしてるバンドがサントラ代わりか?





【読書感想メモ】
「きりひと讃歌」手塚治虫著
「傑作選集2 ザ・クレーター2」
「傑作選集13 空気の底」
「海のトリトン1~3」

「陰陽師2、3、4」岡野玲子著

「ペットDE心理テスト」霧島しおん著
「ヴァン・ゴッホ・カフェ」シンシア・ライラント著
「思いがけない贈り物」エヴァ・ヘラー作 ミヒャエル・ゾーヴァ絵(ここで初めて出会ったのか
「らくがきセラピー「ほんとうの自分」がわかる本」金盛浦子著
「きっと、あなたは癒される 自分と「いちばんの友達」になる方法」金盛浦子著

「性格がイヌ型かネコ型かわかれば、人生100倍ラクになる」タニア・マッキノン&ガヤトリ・パトナイク著
「「わたし」というニンゲンがよくわからなくなったときに読む本」井上紀代著
「恋愛ストレス 恋愛セラピー」海原純子著
「ますむら版 宮沢賢治童話集 カイロ団長・洞熊学校を卒業した三人」ますむらひろし作画
「瞑想」J.クリシュナムティ著

「子供歳時記 愉快な情景」矢吹申彦/画・文
「凍れる河」オリヴィエ・フェルミ/写真・文
「アジャンタとエローラ」立川武蔵/文、大村次郎/写真
「世界がもし100人の村だったら 2」池田香代子&マガジンハウス編
「ダウンタウンブックス結婚ごっこ」ニルス・ベルイクヴィスト著

「カクテル・アンコール in NY」エルヴェ・ル・テリエ著
「見知らぬ島への扉」ジョゼ・サラマーゴ著
「安倍晴明伝説」高原豊明/著 岡田正人/写真
「アジア楽園マニュアル 好きになっちゃったインド」双葉社
「銃後の街―戦時下の長野 1937-1945」川上今朝太郎/著・写真

「Peanuts Essence1 こんどは何?」チャールズ・M・シュルツ著 谷川俊太郎訳
「Peanuts Essence12 もしかしたら」


「今日も青い海で」ブルース・バラン著
「モリーはどこ?」ウーリ・ヴァース著
「心は高原に」ウィリアム・サローヤン著
「Little Children」 ウィリアム・サローヤン著

「21世紀の相性診断 G感性で「恋愛と結婚」が見える」富士総合研究所
「しぐさで心理を読む方法」山辺徹著
「愛が終わる理由」佐藤悦子著
「今日、自分を少し変えてみる」宝彩有菜著
「自分にあてた手紙 カメのポシェの長い旅」フローランス・セイヴォス著 クロード・ポンティ絵

「色彩心理の世界」末永蒼生著
「図説 般若心経」金岡秀友著
「ナイナイとしあわせの庭」キティ・クローザー作・絵
「my Book おもしろウォッチング 血液型でニンゲンを読む本」能見俊賢著
「こころを鍛える 絵とき インド」伊藤武著

「ティッピ 野生のことば」ティッピ・ドゥグレ文
「写歌集 小さな友だち」俵万智著
「イルカの宇宙」著・写真:水口博也
「アジアと遊ぶ マカ不思議 インド人」築地正登著
「身体にやさしいインド」伊藤武著
「図解雑学 イヌの心理」武内ゆかり監修
「ハロー?」ヨースタイン・ゴルデル著 レイダー・シェルセン絵


【歌詞をメモした曲】
♪誰がそれを/PUFFY
♪プールにて/PUFFY
♪ロンリーカナリア/中島みゆき
♪サーチライト/中島みゆき
♪世界中で一番きれいな女の子/ピチカート・ファイヴ
♪ヒッピー・デイ/ピチカート・ファイヴ
♪東京は夜の七時/ピチカート・ファイヴ
♪magic carpet ride/ピチカート・ファイヴ


【イベントメモ】
「シャガール展」@東京都美術館

【ライヴレポ】
SKA!!!~横浜開港祭2002@赤レンガパーク
SKA!!!~FACTORY観覧2002
SKA!!!~神奈川県民ホール02.9.15
★チンパラライヴ@ON AIR WEST
★三木道山ライヴ@新宿ロフト

  

photo1:FAXがあったおかげでFACTORYも当たった/嬉 今じゃメールだけどねw
photo2:ROSSOの切り抜きなどもペタペタ。
photo3:知らずにユトリロも貼ってある/驚

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notes and movies(2002.1~ part1)

2014-01-17 11:15:31 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は黒のルーズリーフからご紹介。いきなりスカパラにどっぷりハマった。
きっかけは「HEY! HEY! HEY!」で♪美しく燃える森 を観て冷牟田さんに釘付けになってから

  

photo1:いきなりスカパラ登場! ♪美しく燃える森 の歌詞をメモ。
photo2-3:友だちと大阪行ったメモ。

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『大地の子守歌』(1976)
監督:増村保造 出演:原田美枝子、田中絹代 ほか
図書館で美枝子さんのエッセイを読んで、そこに今作のロケ話があったことで観た。16歳!にしては成熟してる。
で、終始強烈なエネルギーを発する奇人?の役だけに、おっとりしたイメージが一変。
ずっと肩に力が入る、妙な後味は'70代のせい? 監督の演出のせい? 美枝子さん独特の雰囲気のせい?
今でも強烈に印象に残ってる出演ドラマは、やはり閉鎖的な島が舞台で、父(丹波鉄郎)の偏執的な愛で育ち、
ラストは男が自分の足の肉を食べてしまう、あのドラマの役にも通じる。

狂気が漂うウェットな役が多い。3ヶ月の撮影、八王子と四国のロケ、数々の賞に輝いたという。
島という特殊な環境と、昭和初期の苦難、同じ設定でもこれが昭和30~40年代に撮られていたら、
もう少しソフトに仕上がっていたかも?

「困ったら土につっぷしてみれば答えが返ってくる。山へ帰ってこい」と聞こえるばばの声。
でも考えたらこんなに人間不信にして、人生をより辛くするよう育てたのは、このおばあさんのせいじゃないか?
まあ元々気性の強さはあったろうけど。

小気味よく動いて、ずっと声は張りっぱ! 次にどう出るか予想のつかない奇行ぶり。
遍路が終わった後はどうするつもりなのか?フシギな映画だ・・・
唯一力の抜けた自然な演技を見せる田中さんはやはり違う。


『青春残酷物語』(1960)
監督:大島渚 出演:川津祐介、久我美子 ほか
なんか今回はみんな後味の悪いようなのばっかり たしかに残酷な青春だ。
民主主義で戦後、自由、豊かになっても迷える若者らのはしりか。
久我は40代?にしては全然変わらない美しさと威厳

若気の至りにしてはあまりにバカな感じ。
そんなにネガティブに考えずとも、フツーに学生するか、働いて恋愛すりゃいいのに、
ムリするから道を踏み外して悪い連中に絞られるのでは?
若いうちに安易な金で遊んじゃいけない。好き勝手やるのが青春じゃないでしょ。
ジミーディーンの反抗と違ってカッコ良くないんだな。暴力的な性描写が当時は斬新だったみたい。


『黄色いからす』(1957)
監督:五所平之助 出演:淡島千景、伊藤雄之助、田中絹代、久我美子 ほか
戦後の教育問題も変わったことを物語る1作。子どもの描く絵から児童心理分析をするあたりなんか、
ガンコ一徹オヤジ世代ではかなり意識改革しなければならなかったろう。
でも家事をしたり、話し合って決めたりと、このだんなは理解ある“進んだ夫”だ。
この伊藤氏は時々見かけるが、いかつい顔でインテリくさく、どこかおとぼけな、いい役者さんだなあ。
鎌倉、江ノ島の様子も今と随分違ってのどか!

作った粘土細工を褒めてもらいたかったのに「もっと算数とかやらなきゃダメだ」とか、
小さい食い違いで子どもの心は少しずつ傷つき、いじけてゆく。
それに気づいたのはいいけど、今となっては子どもの機嫌をうかがう単なる甘やかしになってしまった。
子どもの教育って難しい・・・親も子どもとともに学んで悩んでいくしかないんだ。

明治のチョコレートだの、サンドイッチでピクニックだの、オルゴール、パステルetc...
外国製品と文化が急速に入ってきてる1つ1つが面白い。
隣りのオバサンは戦争孤児を養女にしているらしいことも時代を反映している。


『続・拝啓天皇陛下様』(1964)
監督:野村芳太郎 出演:渥美清、久我美子、岩下志麻、藤山寛美、小沢昭一、佐田啓二 ほか
『男はつらいよ』の原型になったとはいえ、戦中・戦後の体験記としての記録映画的シリアスドラマでもある。
同じ呑気なキャラでも体一杯熱演する渥美さんの役者魂を感じる。

天皇が「人間宣言」したってゆーのにもビックリ。特殊な世界だったんだな。
物のない時代、競輪やパチンコが大流行したり、とにかく何も無い状態から這い上がったこのパワーはスゴイ
今から見ると本当にあったとは思えないくらい、第二次世界大戦後の朝鮮戦争とか、
今作は日本人から見たものだが逆から見たらもっと悲惨なものだったろう。


『新・平家物語』(1955)

監督:溝口健二 出演:市川雷蔵、久我美子、木暮実千代 ほか
動乱の時代、平清盛の若い頃のほんの一幕を描いている。
相変わらず人々は貧困にあえぎ藤原貴族の“朝廷”、白川上皇らの“院”、平家ら“武士”、
果ては坊さんまでが槍を持って勢力争いに余念がない。

グルーチョみたいな眉の市川、ほんの数シーンの久我の喋りやふるまいは現代劇とも変わらぬ個性。
小暮は胸出しルックで女の色香全開 こんな着物があったんだ。

「公家共よ踊りたきゃ踊れ。お前らに未来はないのだから。明日は俺たちのもの」
と言って終わる。これから面白くなりそーなのに・・・
父が最期に息子に託したのは、上皇とともに詠んだ歌の書かれた扇子。
「後は頼んだよ」みたいなことが書かれている。こういう教養が昔の人にはあったのね。


『長尾紳士録』(1947)

監督:小津安二郎 出演:飯田蝶子、青木放屁、河村黎吉、吉川満子、笠智衆 ほか
いーなーやっぱし・・・小津作品の滔々と流れる時間の世界。セリフや動きで笑わせるシーンも所々効いてて、
同じ人情ものでもお涙頂戴ではない。ココロの底にじーんとくる、このどこか切なくてあったかい静かな感動
戦中・戦後ものでもすさんでいない貧しさがある。

「海岸で貝拾っといで」と行った隙に猛スピードで走って逃げるが追いつかれちゃうシーンも可笑しいw

「もう情が移っちゃったんだよ。犬でいったら土佐犬だね。ちょっとブル入ってるけど」w

当時は戦争孤児も多かったのか。配給制とはいえ、子ども1人くらいはなんとかなる時代だったのか?
このかあちゃんの子どもらは成人したのか、“後家”っていうから戦死したのかも知れない。
2人並んでノミに肩を揺らす仕草も可笑しい。飯田の怒った顔は本当に鬼面のようだし


『秘密』(1999)
監督:滝田洋二郎 出演:広末涼子、小林薫 ほか
今頃観たちょっと前の話題作 ベッソンがコレを観て自作起用を決めたらしい。
“なり代わり”の典型パターンなんだが(しかも相変わらず2Hドラマほどの低予算な邦画)やっぱ引きこまれちゃう。
小林薫ファンだから?w 広末もイケてる。ラストがちょっと納得いかないゾ。

40代でも新婚ホヤホヤみたいな夫婦も珍しいが、娘の体を夫に捧げちゃう母の心理はどーなの
だんなに理性が残ってたからまだいーものの。
それにしても、こんな憑依ってあるのかな、世の中には・・・?


『TOUR! PUFFY! TOUR!』(1997)

♪セトリ:
とくするからだ、simple、渚にまつわるエトセトラ、長生きしてね、ウサギチャンネル、
ショッピング、パフィーのHey! Mountain、サーキットの娘、アジアの純真、これが私の生きる道、すばらしい日々

奥田民生のフシギで心地よい脱力感はPUFFYにもしっかり受け継がれてるw
2人がピッタリはまるのは天命か、はたまたプロデュースの腕か!?
Tシャツにジーンズ、ダラけた振り付けw、なにもかも、それまでのアイドルの伝統を打ち破って
♪アジアの純真 でいきなりブレイク、はたまたアジアでも大ブレイクしてしまった快挙。
それが井上陽水の作詞作曲と最近知って2度びっくり。

今作はタラタラとリハする2人のはじけぶりと、DJ風景、移動、各ステージでのパフォーマンス、
そして“地元産のコーナー in 広島”では御大?奥田も登場(あくまでさり気ない
楽屋では正座して反省会w 師弟関係なのか? うらやましくもある

聴けばけっこー昔懐かしい'60代テイスト。ビートルズ、ザ・フーを思いっきりパロった、ラトルズ的な曲が見つかるのもまた楽し。
ギターロック野郎の民生が、先人にならってガールズグループをプロデュースしたのもその辺の追従か?
いやー自曲も書きーの、平行してるんだから、桑田に負けないハイペースな実力。
実はそんなパフィーの2人に投影されてにじみ出る奥田の魅力と、彼女ら本来の個性のぶつかりどころもまた楽し


『八月のクリスマス』(1998)
監督:ホ・ジノ 出演:ハン・ソッキュ、シム・ウナ ほか
新作に並んだ時「きっと重いだろーなあ」とパスしてたけど、同僚のおススメで借りたらやっぱ重かった
でもベタベタした重さじゃなく、淡々としてジーンとして、こんな風に穏やかに自分の死を迎えられたら、とは思う。
けど死を見つめながら生きるって辛いだろう。

「記憶の中の写真みたいに愛も思い出になると思ってたけど、君は違った。
 想いを胸に旅立たせてくれたことに感謝したい」

人はそれぞれ生きる権利と死のスタイルも選択できる(不意でなければ
AはRに告げずに迷惑をかけまいとし、優しい思い出と、進行形のままいくことを選んだ。

余計な音楽を入れず、自然のままのシーンがリアルな効果を生み出す。
ド派手アクション系の香港映画と違った趣のある韓国作品もなかなかのもの。
この冒頭で監督に追悼が捧げられてるが、亡くなっているのだろうか?
「幽霊は怖くないのかも」という兵役時代のユーレイ話の件もイイ。


『宋家の三姉妹』(1997)
監督:メイベル・チャン 出演:マギー・チャン、ミシェール・ヨー、ヴィヴィアン・ウー ほか
歴史ものは背景を知らないとなかなか感情移入が難しい。

コメント

notes and movies(2002.1~ part2)

2014-01-17 11:15:30 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『天ぷら油大爆発~バラ貴族の逆襲~ ネプチューンコント2001』
ちょっと期待大だっただけに肩透かしっぽいのは、いっぱいレギュラーかかえて超多忙のせい?
バラ貴族のコントはどっかで見たことあるし。

楽しみな個々の独り芝居。今回、泰造は犬の訓練士。意外性があって面白い。
ホリケンはいつもの変な奴シリーズで「告白」。ウエスタン男がウケないギャグをまじえつつ突然コクる。
名倉っちのは・・・忘れた
学園もので始まってスタンガンでクラス1の暴れん坊(名倉)を大人しくさせる。

ラストは刑事に勘違いされたドロボウの話。これも焼き直しっぽくて、いつものホロッと度は低め。
名倉とホリケンの子役、あとはーうーん思い出せん。2度3度見る時間もなかったし。


『猿の惑星』(2001)
監督:ティム・バートン 出演:マーク・ウォールバーグ、ティム・ロス、ヘレナ・ボナム=カーター ほか
完全なるパロw レスリー・ニールセンが主演でもよかったかもって思ったら、
監督がティム・バートンで納得。コテコテメイクで誰がどの役を演ったかと想像するのが楽しい。
DVDには長いメイキング入りらしい。

派遣先の社員さんがしきりに議論してたけど軽く受け流しちゃってイイんじゃないの?
別次元だったってことで。眉村卓ワールドってとこか。
さすがハリウッド映画、猿になっても青い眼、英語なのが笑わせる
しかも今の社会そのままで中身だけ猿のラストにも苦笑い。
猿の動き特訓、ワイヤーアクション、CG使い放題・・・となかなか現場も楽しそうだ。


『みんなのいえ』(2001)

監督:三谷幸喜 出演:唐沢寿明、田中直樹、八木亜希子、田中邦衛 ほか
おもしろい! ここ10年間くらいのつまらない邦画の中でやっと“日本らしい良さ”が出た。
三谷自身の前説にもある通り「笑えて、じーんときて、感動する」
TVのホームドラマ風でも終始魅きつける1つ1つのエピソード。
大工って汗臭い、ダサい職業だという見方がガラッと変わるかも。
チョコチョコ出るゲスト出演も適材適所で楽しい。自伝的でもあるらしい。

花屋配達人で大塚さんが出てたのは笑った! 妻の姉の清水ミチコもピッタリ。
子どもを叱る鬼のような母親の顔が可笑しい。
「自分の問題ですから」と迷惑なくらいこだわるバーテンダーも笑える。
今作で海外遠征までしたメンバー。海外でも同じ笑いがとれたか知りたい。


『ラヂオの時間』(1997)

監督:三谷幸喜 出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦 ほか
やっぱおもしろい! これも自伝なのかな?
TV、DVDの時代に敢えてくさいラジオドラマにこだわる視点と、
クセのあるキャラ、業界の裏話満載、盛り上がりと、ほのぼのラスト、
エンディング曲まで楽しめる三谷ワールド。

元効果音担当、今はガードマンの手作り音もおもしろい。
トラック運転手(渡辺謙)は大感動。
「妥協、頭を下げてばかりで何になる!」と嘆いた担当者も「次回作どーしよっか」と急に乗り気。
口先三寸、いい加減で根に持たないのが、この業界での処世術かな

他にも桃井かおりなど、今作もゲスト出演多数。
妙に几帳面で冷静なアナウンサーも笑える。


『インタビュー』(1999)

監督:ピョン・ヒョク 出演:シム・ウナ、イ・ジョンジェ ほか
社員さんの好きなシム主演。『八月のクリスマス』の時よりずっと大人になってる。
監督役の男優が色っぽい、男っぽい魅力で参った
フシギな映像のパッチワークで繊細なココロの中の動きまで伝わる。
“愛とは・・・?”答えはそれぞれの中にある体験にあると思う。久々映画観て感動した。

「寝た女は20人。愛なんてそんなもの。運命や結婚なんて信じてる連中の声を聞きたい」
と豪語しつつ、Aも実はパートナーを探し、充足を求めていたのかも。
「本物の愛は神への愛だけ」と言っていた男も、実は恋人との突然の別れに傷ついていただけ。

仮面をつけたダンサーとウナの動きが違うのはご愛嬌か。
愛することは相手の過去のもろもろと、これからのもろもろも背負って関わっていくことだと思う。
でも彼女みたいな守ってあげなきゃってタイプが男は好きそう
影や秘密のあるヒトには、つい好奇心が働くものだし、
冷たくされるとプライドの高い男ほど追いかけてモノにしたくなる心理もあるし。

あと「2人似てるね」ってシーン。
最近、よく思うことの1つに、カップル、好きになる人、長年連れ添った夫婦って顔が似てるのは偶然じゃないと思う!


『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)
監督:シャロン・マグアイア 出演:ヒュー・グラント、レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース ほか
去年気になってて観れなかった話題作の1つ。
今作がヒットした背景には、キャリア志向で結婚という電車に乗り遅れたと焦ってる30代前後の
シングルガールが増えてて、応援するとともに「自分らはこう思ってる!」という主張を
代弁してくれたっていうい共感に支えられたためじゃないか。
結局、今作も冷静に見ると、ダニエルでさえブリジットの胸あきドレスで彼女の魅力に気づいたワケだし、
ブリジットの3高男ゲットでhappy ever after...の話の1つに過ぎないかも知れない。

あんなカッコいい編集長はいないし、あんなハンサムで有能、高級取りな幼なじみがいたら苦労しないよw
それに「30代女性のシングルな訳」を「自立したいから」「キャリア重視」と言えないのも寂しい。
男性社会の歯車の中でもがく女性像、まだまだ誤解と自己嫌悪の荒波を渡ってゆかねばならぬっ


『イル・マーレ』(2000)

監督:イ・ヒョンスン 出演:イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン ほか
シム・ウナシリーズのつもりが、イ・ジョンジェの魅力にハマってしまった
“カリスマ魅力の実力派”らしいけど他にはビデオあるかな?
この手のタイムパラドックス話で、交通事故死は安易だと思うが、
家を引き渡す時も事情を話したのに、結局縁がなかったってこと?

約束した日に会えなかった時点で、私なら彼のこと本気で調べると思うけど、
自分の失恋でそれどころじゃなかったってことか?
終電待ちで会ってるのに、それ以上関わらなかったのもなぜか・・・
そしたら未来からの手紙はこないってことになって・・・あーやっぱ分からん
コーラ(犬)が玄関に捨てられてたってのも食い違うような???

引き払う際「こんな話信じる?」と2人が会って話すラストシーンが少し救われる。
互いの好きな時間の過ごし方を体験したり、Sの父の死を2年後の本で知ったり、1つ1つのエピソードがイイ。

プラス、海に建つ家、ライトアップした1本の木、料理する男、泥んこになってサッカーしたり、
ゾウキンモップみたいな犬を自然に飼い始めたり、満ち潮になると海に囲まれる
そんなオシャレで落ち着いた、静寂と孤独を楽しむ暮らしと空間、デザインがすごくイイ。


『風花』(2000)

監督:相米慎二 出演:小泉今日子、浅野忠信、麻生久美子、尾美としのり、柄本明、鶴見辰吾 ほか
いい役者が揃ってる。浅野が今までにない役で「今までで一番性格悪い奴」といってるのが面白い。
冬の静かな北海道で自分ではどーしよーもない人生に投げ出されて死に場所を探すことで生きる意味を探す男女が
淡々と描かれ、ラスト救われた2人が安易に結びつかないのが心残りでもあり、ホッとした。

いきさつがパッチワーク状に挿入されるのも飽きない。
ダイヤモンドダストが桜吹雪のようで、踊るようなキョンキョンがキレイ。
実際の自殺はそんなキレイごとじゃないが。
浅野が必死で起こして、山小屋まで泣きながら運ぶシーンは感動。
自然に別れるシーンもイイ。ピンク塗りの車をいったんはバックさせるにせよ。

自分が認められない人、周りとうまく付き合えない人、自分の弱さをさらけ出してもいい時がある。
みんな完璧じゃなくて、期待されすぎたり、まどろっこしくて、投げ出したくなる。
でも幸せそうに見える連中も、実はそうでもないことに気づいて、
誰かを支えることで自分も救われることもあるんだ。
どこまで1人で考えて、どこまで他人に寄りかかれるのかを見極めるのは難しい。
傷ついたり、失敗と成功を重ねて覚えていくしかないのかも。


『しあわせ』(1998)

監督:クロード・ルルーシュ 出演:アレッサンドラ・マルチネス、ピエール・アルディティ、マルク・オローニュ ほか
「偶然」と「必然」/悲しい事があったほど生命力が湧く/人生の4つの幸せ
1.食べること 2.眠ること 3.偶然と必然 4.君との出会い!!

思った通りの素晴らしい作品、と思ったらルルーシュ監督。そっか、これか偶然と必然。
「寂しさを紛らわすおまじない」を探してた私への答えは「いい映画を観ること」だった。
人との出会いも別れも同じく。

「姉は問題が起きると1人で出てしまうが、きっと戻る」
「彼女の人生は死から遠ざかりさらに続く」
「この次惹かれるとしたら全然セクシーじゃない男」

Cがパフォーマンスするスクリーンの中に入ったり、出たりする劇は刺激的でおもしろい。
旅の途中で会う黒人元ボクサーで、今はマルチタレントを発揮する男との出会いもイイ。

「神に紹介してくれた。彼は黒人でNYでバーを経営している」

トルコの荘厳な回るダンスの祈りも美しい。
ヒッチハイクやらも含めて女1人でここまで自由にアメリカ、ヨーロッパを旅できるものかと感心。
ウソはステキ。子どもの成長の証(想像力をかきたてるという意味で)、会話には必ずいくつか混じってる。

「字幕が必要ね」


『ビューティフル・マインド』(2001)
監督:ロン・ハワード 出演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー ほか

「宇宙の広さが無限大だとどうして分かる?」「信じてるからさ」「愛も同じだと思うわ」

とにかく昔の電気ショックとクスリ責めだけの治療にはゾッとする
今の分裂病治療もあまり変わりないんじゃないだろうか?
これだけ夢と現実の区別がつかないのは驚き。人の脳のフシギさ。

「私とあなたは本物。頭じゃなくてハートの問題」というシーンは感動。私なら諦めてるがなあ
久々ジェニファーの演技を観た。ますます色っぽさと円熟味が増していい女優になった。
実話の本人は今でも教鞭をとってるというからまた驚き。


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notes and movies(2002.1~ part3)

2014-01-17 11:15:29 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『深夜特急』('96-'98)
原作:沢木耕太郎 出演:大沢たかお、松嶋菜々子 ほか
主題歌:♪積荷のない船/井上陽水

友だちから永久保存版を2本借りて観た。原作と違う箇所はどっちが真実だろうか?
亡画家のシーンはパスポートをスラれたものに、恋人に送金してもらうと訪ねてきたことに、
サグレスでのシーンや、グランカジノでもカジノ体験をしているし、ドラマ化できないシーンもあり、
原作に書いてないシーンもあるだろう。メイキングもなかなか面白い。
母や友だちのように大沢ファンにはならなかったが

ビジュアル化すると、さらに旅の風景も立体化する。
原作に書かれた当時とは随分変わったかもしれないが。
追体験とはいえ沢木が旅をした年齢と同じ、当時の大沢もまた、いろんな経験をして変わったことだろう。
旅は人を成長させるもっとも劇的な方法の1つじゃないかな?

限りなくノンフィクションに近いフィクション、というこのスタイルが斬新で、
TVでオンエアされたのを見かけた時はフシギな感じがしたのを覚えている。
メル友のオススメで読んだ本作。これも何かの縁とすると、
自分にも何ヶ月、何年かあとに本作の影響が出ることなども起こり得るかもしれない。


『魚と寝る女』(2000)
監督:キム・キドク 出演:ソ・ジョン、キム・ヨソク、バク・ソンヒ ほか
なんだか脅かすような宣伝文句につられて観ちゃったけど、胃が痛くなるくらい陰湿な映画
こんな愛いらないから、どーぞ2人だけで勝手にやっててくれ。てゆーかこんな事する人いないっしょ

かぎ裂きになった傷が扇いで治るなら医者いらず・・・
ヤベーと女がとった行動がまた摩訶不思議。小屋にモーター付けてどこへ?
しかもとってつけたラストシーンは、まっぱの沈んだ女と茂みをかき分け入る。
彼女の中に入っていくって比喩なのか? ワケ分からん。

オヤジが糞をするシーンも要らないと思うが、それより犬を殴るシーンも、
魚を半身にして泳がせたり、めった切りするシーンも動物虐待でしょうが、許せん
病んでるなぁ・・・これは現代の病んだ人間のフィクションだけど、世の中そんな落ち込まずともいいじゃない。
自滅したい奴は勝手にしてくれ。悪夢の後みたいな気分―――

(いまだに思い出すと寒気がする。『ベイビー・オブ・マコン』同様、観たことを激しく後悔した映画の1つ。


『王は踊る』(2000)
監督:ジェラール・コルビオ 出演:ボリス・テラル、ブノワ・マジメル ほか
あれ?説明すると短い、とゆーかなんだか分かったよーで分からん。史実を基にしている作品は説明が苦手だ。
とにかく芸術を国の尊厳とし、政治に利用し、権力欲を争ってた中世の話。
何が怖いって麻酔もなしに切開手術なんかしたら死ぬに決まってるじゃん!
しかも、治すのにヒルに血を吸わせてたんだから無知って恐ろしい・・・
現代の切ったり貼ったり、機械を埋めたりってゆう医学もまだまだ野蛮だ



【読書感想メモ】
「マンガ ギリシア神話1 神々と世界の誕生」里中満智子著
「マンガ ギリシア神話2 至高神ゼウス」
「マンガ ギリシア神話3 冥界の王ハデス」
「マンガ ギリシア神話4 オイディプスの悲劇」
「マンガ ギリシア神話5 英雄ヘラクレス伝説」
「マンガ ギリシア神話6 王女メディアの激情」
「マンガ ギリシア神話7 トロイの木馬」
「マンガ ギリシア神話8 オデュッセウスの冒険」

「あなたがそこにいるから」原田美枝子
「スーパー英文手紙」向井京子著
「わが家の仏教なるほど事典」実業之日本社
「続・映画の昭和雑貨店」川本三郎著
「自分に出会う本」ルネ・ヴァンダール・ワタナベ著

「これを英語で言えますか?」講談社パワー・イングリッシュ
「太陽宮と月の宮 愛の星座占い 双子座」ジュリア&デレク・パーカー著
「最高にうまくいく“恋愛心理”の法則」
「なぜ男はギャンブルに走り、女は占いにハマるのか」和田秀樹著
「図説 ギリシア神話 神々の世界編」松島道也著

「新装版 賢治に一番近い 銀河鉄道の夜 初期形 ブルカニロ博士篇」ますむらひろし著
「愛の魔法」ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベ著
「複合開運シリーズ 天文心理 星占い ホロスコープの良い人・悪い人」ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベ著
「旅王国30 大阪」キューロック執筆
「女でよかった、男でよかった」ジョヴァンニ・カッラーダ、エマヌエーレ・A・ジャンニーニ著

「ホントの“私”が見つかる本」祥伝社
「ママ・エレーヌの本当の自分がわかる本」ワニブックス
「grapefruit juice」YOKO ONO
「パートナーと気持ちが100%通う10の法則」ウィラード・ハーリ著
「HAPPY BOOKS Women & The Blues ブルーにこんがらがって」ジェニファ・ジェイムズ著
「気持ちいいコミュニケーション20の方法 どうしてわかってくれないの」石原加受子著
「ベストパートナーになるために」ジョン・グレイ著

「スヌーピーたちのやさしい関係 1 うまくいったり、いかなかったり」C.シュルツ著 谷川俊太郎訳

「深夜特急1 香港・マカオ」沢木耕太郎著
「深夜特急2 マレー半島・シンガポール」
「深夜特急3 インド・ネパール」
「深夜特急4 シルクロード」
「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」
「深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン」

「陰陽師1」夢枕獏/原作 岡野玲子/著

「手塚治虫の旧約聖書物語」集英社文庫 1.天地創造 2.イエスの誕生
「The best 10 stories by Osamu Tezuka ザ・クレーター1」手塚治虫著

「大島弓子選集11 ロングロングケーキ」
「大島弓子選集12 夏の夜の獏」



【歌詞をメモした曲】
♪美しく燃える森/東京スカパラダイスオーケストラ


【イベントメモ】
「二月大歌舞伎 菅原伝授手習鑑」@歌舞伎座
氷川丸、中華街、マリンタワー、ブリキのおもちゃ館@横浜
フリマ@明治公園

大阪バスツアー 2002.4.27-30
天保山マーケットプレイス、道頓堀、アメリカ村、海遊館、大阪城、
四天王寺、五重塔、聖霊院、宝物館、新世界、通天閣、づぼらや、新梅田シティビル・空中庭園

更埴チューリップフェスティバル@長野
あんずの里アグリパーク@長野



photo1:大きなオズの1シーンが貼ってある。
photo2:ラストもスカパラ。ネットがなかったから、調べてアルバム、シングルがメモってある。
photo3:私の大好きな映画「恋人たち」の1シーン。

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notes and movies(2001.8~ part1)

2014-01-12 09:04:18 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はみかん色のルーズリーフからご紹介。

  

photo1:毎回、派遣先の契約が終わるたびに一緒に働いていた人たちの似顔絵をメモしてる
photo2:家族でネパールに行ったのが海外旅行のラスト。
photo3:FAX付き電話機を知人から譲ってもらい、面白くてやたらとやりとりしてたw これは友だちの子どもが描いてくれた絵

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『オータム・イン・ニューヨーク』(2000)
監督:ジョアン・チェン 出演:リチャード・ギア、ウィノナ・ライダー ほか
最初のセントラルパークの紅葉からもう満足。どんな物語もドラマになること確実!
ラスト、男からカメラが引いて、これが無数のビルの1つの窓に過ぎず、
他のビル街に飲み込まれてしまうズームアウトもいい。

“不治の病の美女と純粋な恋”ってテーマは使い古されたものだけど、
髪がグレーになってもなおセクシーなプレイボーイ役を地でいけるギアと、
髪をどんなに短くクシャクシャにしてもキュートで奥深い魅力をもつウィノナによって
再び新たな感動を呼び起こしていく。

美しく病み、美しいタイミングで、美しく死ぬ。
短くても彼女はその有効な使い道を最大限知っていたとでも言おうか。

部屋に戻ってSのプレゼントをあけたらなんと「これを持ってたことを忘れたら返す」
と言ってた時計だってのが粋。思わずWが号泣するのも分かる。
ここで終わってもいーけどオマケ付き。

男の性とはいえ、家庭にすっぽりおさまる人もいるのに40越えるまで遊び続けるって何が原因なんだろ?
捨てられる前に捨てる術ってかんじ? そんな順風満帆な恋愛なんて存在しないのに。

(これ1回観てたんだ。数年後に友だちにススメられてまた観たよな


『バトルロワイアル』(2000)
監督:深作欣二 脚本:深作健太 出演:藤原竜也、前田亜季、栗山千明、柴咲コウ、ビートたけし ほか
「作品紹介」でも分かるけど、予算低い邦画ってホラー&極道ものがシェアの9割じゃなかろーか?
似たよーなのばっか作ってちゃんと興行成り立ってるのな?

過激な内容ゆえに“R指定”(中学生以下禁止。中学生がメインの話なのに)や上映禁止を食らうことになった
前評判に劣らない心臓バクバクもので「自分ならどーする?」的リアルさ(私ならとっくに自殺してる
社会に食い込むテーマ+それなり納得のラストで一応ホッとできる見応え充分の1本。
支えているのは実名でマンマな迫力出してるたけしさんのキャラだろーなあw
同僚曰く「原作のほうが面白い」

コンピュータをハックして学校を爆破しようとした組もAチームみたいでイイ線いってた。
たけしさん自作の絵がまたまた登場。
「迷っても全力で走れ!」
どんな生き方をするつもりなのか? ま、若者はみんな日々闘っているんだよね、大人と同様に。


『ザ・セル』(2000)
監督:ターセム・シン 出演:ジェニファー・ロペス ほか
デレク・ジャーマン系な濃い~~~~映像+今旬な歌手、女優もやっちゃう
フェロモンでまくりのロペスのアイドル映画的部分もあり。
意味もなく肌もあらわな格好でポーズをとるロペス。
様々な衣装とメイクで現れるロペス、またロペス。
世の男はこのキスシーンも含めて、共演男優をうらやましがっていることだろう

幼児虐待→猟奇殺人ってパターンに終わりはないのかな。
たしかに虐待はひどいけど、被害者とその家族にしてみれば同情の余地などない。
でも自分でコントロールの効かない分裂症だってゆーからどーしよーもない。
日本も虐待と性的異常犯罪が増えてきている。本編のように1人で自分の車にたどりつくまでに
防犯グッズを握りしめて日々怯えながら暮らすようになるかもしれないと思うとゾッとする。
よく考えてみれば心に傷や秘密ひとつなく育つ人なんていないだろう。
それぞれの原体験の世界は覗かずソッとしといたほうがいいのかも。


『ダイナソー』(2000)
監督:エリック・レイトン、ラルフ・ゾンダグ 声出演:D・B・スウィーニー ほか
アニメーションの傑作『白雪姫』から数十年――――全CGで実写と寸分たがわぬ
リアルで迫力ある映像エンタテイメントを見せたディズニー。
ストーリーは『ライオンキング』とあんまし変わんないんだけど、
太古の恐竜の世界のロマンをここまで再現してくれたのが嬉しい。

自然そのままの姿の地球にあんな生物が闊歩して生きていたと思うと不思議でワクワクする。
絶滅理由を隕石落下説に想定して、“約束の地”めざして多種が協力していたってイメージも楽しい。
が、その後訪れたと言われる氷河期はどうしたのか?! それは2でも作ってもらうか。
恐竜の皮膚のかんじ、水、砂けむり、すべてがリアル。劇場の大画面で見たらもっとすごかったろう!


『ホワット・ライズ・ビニース』(2000)
監督:ロバート・ゼメキス 出演:ハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー ほか
ヒッチコックへのオマージュだけにシャワールームから何か出てくる、出てくるってゆー恐さが楽しめる
いろんな謎が絡んでじわじわとくる恐さ。
床に倒れる夫の携帯をとろうとするって、ホラー映画でやっちゃいけないルールの1つだよ
ドアが勝手に開いたり、バスタブの水が入ってる時点で家を出るべきだと思うんだけどね、とりあえずw
ま、逃げたら根本解決にゃならないし、映画にもならないけど。


『アンブレイカブル』(2000)
監督:M・ナイト・シャマラン 出演:ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン ほか
『シックス・センス』で衝撃の波紋を生んだ同監督が再びウィリスと組んで撮った同傾向の作品。
フシギな緊張感は似たものがある。途中でまた「あの事故で実は死んでたのか?」なんて思っちゃうw
けど、それはなし。ラストのどんでん返しは、『シックス・センス』ほどじゃない。
双方に通じる異様なくらい冷たい家庭の雰囲気は、一体何なんだろ?!

どうしてここまで冷え切った家庭になったのか。自分の才能を生かしてない生活による自信喪失か?
今作の突飛なストーリーはともかく、テーマはとても身近で深刻で現代人はだれもがみにつまされる。
それは“アイデンティティ”。「どうして自分は存在しているのか?」
その理由を見失って、ただ日々を生きて過ぎ去る時間を眺めるばかりの人生が
どれほど何にも増して人の心と体を蝕む悲しいものか!
イッちゃってるキャラのジャクソンがハマってる。


『ANA+OTTO』(1998)
監督・脚本:フリオ・メデム
出演:サラ・バリエンテ、クリステル・ディエス、ナイワ・ニムリ、ペルー・メデム、ビクトル・ウゴ・オリベイラ ほか
人を感動させるドラマには、そんなに交通事故死が必要かな?
フィンランドを舞台にした“運命”と“偶然”の物語。
(引越し先の)今度のレンタルショップは小さいけど、他で見ない作品があるようだ。

縁の深い人はいるだろうけど、自分勝手に引き寄せようとしたからいけなかったのかな?
それにしてもパイロットってそんなにすぐになれるものなのか?
しかも1機壊したってバレたら後の弁償のほうがわたしは気になる
結婚しても次々と恋人を変えちゃう母や父。
写真の家族の肖像のようにカンタンに愛情を引きとめておくことはできないものか。
アンナ側、オットー側から同じ出来事を交互に描いてゆくフシギな浮遊感漂う作品。


『スカートの翼ひろげて』(1997)
監督:デイヴィッド・リーランド 出演:キャサリン・マッコーマック、レイチェル・ワイズ ほか
戦時中の恋はどれもドラマになるね。ま、いつでもどんな小さな恋もドラマになりうるけど。
でも恋と結婚はやっぱ違うのかな?
恋愛の末の結婚後に幸せになれるとも限らないし、結婚後に恋を楽しむ人もいるからどうとも言えないか。
言えるのは、どうであれ、恋する、誰かを愛するっていいことだなってこと。

互いに別の家庭をもって「犬と愛する人と庭で寛ぐ」夢は遠くなる。
でもそうそう不幸なことでもないのも確か。
たくさんの青春の思い出、恋の思い出があるほうが、何もないよりずっと幸せだ。
永遠の恋にならなかったとしても。


『NICO ICON』(1995)
監督:スザンネ・オフテリンガー 出演:ニコ、ジャクソン・ブラウン、ジョン・ケイル ほか
珍しい1本を見つけた。'70の香りプンプン、出てくる名前も、ディラン、ヴェルヴェッツ、
アラン・ドロン、ウォーホル、ジム・モリスンと錚々たる面子。
インタビューに出てくるのはマネージャー、女優、ファクトリーのメンバ(ビリー・ネーム、ヴィヴァ?)、
祖母、ラストが息子、ドロンに似てるのは隠せない!

父はゲシュタポに撃ち殺され、モデルでヴォーグに載ったのが10代後半。
映画出演、歌手デビュー、そのうちモデル業に嫌気がさして、ウォーホルメンバになってからだんだん怪しい方向へ
黒ずくめで、ジャンキー、低い声でドイツ訛りもそのまま、作詞作曲もして旅回り。
息子カリは祖母(ドロンの母)に預けられた。息子に麻薬教えたのが本当ならそうとうイカれてる!
孤独な死。それが通ってた'70年代。
♪I'll be your mirror 他歌と映像でとにかくニコを偶像崇拝している1本。


『バーティカル・リミット』(2000)

監督・出演:マーティン・キャンベル 出演:ロバート・キング、マーシャ・ナサティア ほか
予告を観て期待した通りの手に汗握る作品。
生と死隣り合わせの厳しい世界でここまで山登りに魅せられる気持ちとは何か?
こんな目に遭ってもやっぱ山に戻ってこようと思うのかな?
死んだ者の血で目印にするのもスゴイ・・・山に挑戦する2人の命に責任をもつ1人1人が
サヴァイヴァルの充分な知識と体力の限界まで鍛えベストを尽くすって世界。女も男もない。

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