■『素敵な歌と舟はゆく』(Adieu, plancer des vaches!)(1999)フランス=スイス=イタリア合作
監督・脚本:オタール・イオセリアーニ
出演:ニコ・タリエラシュヴィリ(声の吹替: マチュー・ドゥミ)、リリー・ラヴィーナ、フィリップ・バ、ステファニー・アンク、ミラベル・カークランド、アミラン・アミラナシュヴィリ、ジョアサン・サランジェ、マニュ・ド・ショヴィニ、オタール・イオセリアーニ、ナルダ・ブランシェ、ヤニック・カルパンティエ、アルべール・マンディ、アリックス・ド・モンテギュ ほか
「よそは 常にここよりいい」
新しい32型テレビが届いて、せっかくだから最初はよさげな映画を1本観ようと思って借りてみた。
TSUTAYAのカードが更新時期を迎えて、更新料400円かかったかわりに、旧作が1本タダになったしねv
ゆったりした時間が流れてる話がいいなって思ってたら、まさにその通りな1本だった(これは特技かも?!
いい映画ってのは、ジャケやカンタンなストーリーを見れば分かる。
美味しいコーヒーのように香ってくるもんなんだよね
『ぼくの伯父さん』にも通じるのんびり、豊かな時間が流れる1本だった。
予告編のキャッチコピー「ノンシャラン」て書いてあって、
何だろうと思って調べてみたら、ちゃんとしたフランス語なんだね/驚
nonchalant=無頓着でのんきなさま。なげやりなさま。だって。
▼story
お金持ちの息子ニコラは、毎日ボートに乗って、スーツからカジュアルに着替え、
町で皿洗いや、窓拭きなどのバイトをして、浮浪者のヒゲのおじさん、物乞いの青年らと付き合っている。
一方、鉄道清掃員の青年は、ウサギ小屋みたいな場所に住んでいて、
アフターファイブは一張羅のスーツでキメて、バイクを借り、女の子とデート
ニコラの母はやり手の商売人で、ヘリを飛ばしていろいろ売りまくり、好色な実業家と浮気もしてる。
年老いた父は、金髪のメイドにちょっかいを出しながら、鉄道模型をいつもガミガミ妻に怒られ、
妻の留守中に禁止されてる酒と煙草をやりながら、好きなハンティングを楽しんでいる。
ニコラは、カフェの娘ポーレットに一目惚れするが、鉄道清掃員の青年に先にデートされてしまい。。。
キャストを見たら、監督の知り合いとか、カフェで見かけた店員とか、監督自身も出てるし、
時に押し付けがましいほど演技バリバリのハリウッドスター映画に慣れてしまってるけど、
たまにはこんな生のニンゲンが出て、生の生活を撮った映画も観たいもんだ。
貧しい青年の住んでる激狭な部屋は、本当にあるのかしら???
ゆってみれば、町全体が彼の部屋みたいなものなのかもしれないけど。
ハシビロコウさんみたいなフシギな鳥がポイント。
哲学者みたいな顔をして、まるで主人公のように振る舞ってる。
ほかにも、ラブ、狩りの犬、馬など動物がたくさん出てくるのもポイント高し
原題の意味は、「息苦しい地上にお別れだ!」。
オフィにある監督インタビューによれば、「昔の船乗りの言い回し」なんだとか(このインタビュー記事はとっても素晴らしい
長いこと過ごした海にうんざりして陸に上がるけど、陸は陸で問題が山積み。
そんな矛盾を抱えつつ、自分の本当の居場所は別にあるんじゃないか、
適職、適性はもっと他にあるんじゃないか、なんて堂々巡りしながら、
とりあえず生まれ育った環境、日々の暮らしに甘んじている。
そんなわたしたちの世界を代弁しているようだ。
檻に入れられた鳥が、最後は開いた扉から出てきてしまうシーンも象徴してるのかも?
白い帆を張ったヨットが、紺碧の静かな海をのんびりと流れてゆく様子を
ずぅ~っと引いて映してゆくカメラワークのエンディングもステキだった。
監督・脚本:オタール・イオセリアーニ
出演:ニコ・タリエラシュヴィリ(声の吹替: マチュー・ドゥミ)、リリー・ラヴィーナ、フィリップ・バ、ステファニー・アンク、ミラベル・カークランド、アミラン・アミラナシュヴィリ、ジョアサン・サランジェ、マニュ・ド・ショヴィニ、オタール・イオセリアーニ、ナルダ・ブランシェ、ヤニック・カルパンティエ、アルべール・マンディ、アリックス・ド・モンテギュ ほか
「よそは 常にここよりいい」
新しい32型テレビが届いて、せっかくだから最初はよさげな映画を1本観ようと思って借りてみた。
TSUTAYAのカードが更新時期を迎えて、更新料400円かかったかわりに、旧作が1本タダになったしねv
ゆったりした時間が流れてる話がいいなって思ってたら、まさにその通りな1本だった(これは特技かも?!
いい映画ってのは、ジャケやカンタンなストーリーを見れば分かる。
美味しいコーヒーのように香ってくるもんなんだよね
『ぼくの伯父さん』にも通じるのんびり、豊かな時間が流れる1本だった。
予告編のキャッチコピー「ノンシャラン」て書いてあって、
何だろうと思って調べてみたら、ちゃんとしたフランス語なんだね/驚
nonchalant=無頓着でのんきなさま。なげやりなさま。だって。
▼story
お金持ちの息子ニコラは、毎日ボートに乗って、スーツからカジュアルに着替え、
町で皿洗いや、窓拭きなどのバイトをして、浮浪者のヒゲのおじさん、物乞いの青年らと付き合っている。
一方、鉄道清掃員の青年は、ウサギ小屋みたいな場所に住んでいて、
アフターファイブは一張羅のスーツでキメて、バイクを借り、女の子とデート
ニコラの母はやり手の商売人で、ヘリを飛ばしていろいろ売りまくり、好色な実業家と浮気もしてる。
年老いた父は、金髪のメイドにちょっかいを出しながら、鉄道模型をいつもガミガミ妻に怒られ、
妻の留守中に禁止されてる酒と煙草をやりながら、好きなハンティングを楽しんでいる。
ニコラは、カフェの娘ポーレットに一目惚れするが、鉄道清掃員の青年に先にデートされてしまい。。。
キャストを見たら、監督の知り合いとか、カフェで見かけた店員とか、監督自身も出てるし、
時に押し付けがましいほど演技バリバリのハリウッドスター映画に慣れてしまってるけど、
たまにはこんな生のニンゲンが出て、生の生活を撮った映画も観たいもんだ。
貧しい青年の住んでる激狭な部屋は、本当にあるのかしら???
ゆってみれば、町全体が彼の部屋みたいなものなのかもしれないけど。
ハシビロコウさんみたいなフシギな鳥がポイント。
哲学者みたいな顔をして、まるで主人公のように振る舞ってる。
ほかにも、ラブ、狩りの犬、馬など動物がたくさん出てくるのもポイント高し
原題の意味は、「息苦しい地上にお別れだ!」。
オフィにある監督インタビューによれば、「昔の船乗りの言い回し」なんだとか(このインタビュー記事はとっても素晴らしい
長いこと過ごした海にうんざりして陸に上がるけど、陸は陸で問題が山積み。
そんな矛盾を抱えつつ、自分の本当の居場所は別にあるんじゃないか、
適職、適性はもっと他にあるんじゃないか、なんて堂々巡りしながら、
とりあえず生まれ育った環境、日々の暮らしに甘んじている。
そんなわたしたちの世界を代弁しているようだ。
檻に入れられた鳥が、最後は開いた扉から出てきてしまうシーンも象徴してるのかも?
白い帆を張ったヨットが、紺碧の静かな海をのんびりと流れてゆく様子を
ずぅ~っと引いて映してゆくカメラワークのエンディングもステキだった。