メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ああ特攻 歴史コミック 知覧・鹿屋に咲いた若桜』

2011-10-24 22:52:14 | マンガ&アニメ
ああ特攻 歴史コミック 知覧・鹿屋に咲いた若桜
戦史コミック制作委員会/編
小池 一夫、古城 武司、立原 あゆみ、バロン吉元、中島 徳博、新谷 かおる、かわぐち かいじ、水木 しげる、小川 保雄/作

さまざまなタイプの画風を持つ漫画家たちが、それぞれの戦争、特攻隊員を描いた1冊。
水木サンだけだろうか、実際戦地で戦った経験をした世代は。
ほかの画家が大なり小なり登場人物や戦艦などをヒーロー風、
派手なアクションで描き、華やかな死に際、感動で締めくくっているのに対し、
水木サンは淡々と兄妹の姿を追い、死に際もあっけない。無駄死に。


「白地に黒く死の丸染めて」小池 一夫、古城 武司
意気揚々と空軍に入隊した堀口一飛曹は、死ぬよりも辛いと言われる任務を命令される。
特攻隊として飛ぶ兵士の名前が書かれた出撃指令書を運ぶ役目だった。

「銀翼~一歩」立原 あゆみ
強制ではなく志願させられた特攻隊員たちは、みな一歩踏み出したその胸中は複雑だった。

「予科練博徒」バロン吉元
特攻帰りの浩吉は、女房子どもとも再会できたが、治安の乱れた町でヤクザの抗争に巻き込まれて命を落とす。

「ゼロ戦岬」中島 徳博
片腕のない灯台守の兄は、兵隊のタンパク源となる魚を獲るために命がけで暗い海と闘う漁師のために、灯火管制のルールを破って2度も灯りをつけて憲兵に死ぬほど殴られる。
そんな兄が大事に育て上げた弟は、その燈台を守るために命を捨てる。

「出戻り安兵衛」新谷 かおる
特攻隊員である安兵衛は、毎回出撃して敵機や空母を破壊させて戻るが、
「なぜ死んでこない!」と上官から殴られる毎日。
実家は大阪の菓子屋で隊員においしい饅頭などを作って食べさせるのが楽しみだった。

「黒い太陽」かわぐち かいじ
特攻出撃命令を受けた少尉が恐れから1機しかない機体の燃料に砂糖を混ぜたため、
それで訓練した二飛曹の船場が墜落し酷い死に方をする。

「沖縄に散る~ひめゆり部隊哀歌」水木 しげる
父は戦死、母も病死し、兄が入隊した際、妹もひめゆり部隊に入る。
兄が不時着した地に偶然居合わせた妹と奇跡的な再会を果たすも、あっけなく銃弾に倒れる2人。

「ぼくの複葉機」小川 保雄
旧式の赤とんぼで突撃する若者と、必ず死ぬと分かっていても万全に整備する老整備士。


合間、合間に当時の隊員や三角兵舎らの写真、知覧飛行場や飛行機の写真も載っている。

知覧特攻平和会館

コメント