『アイリス』（2001）

■『アイリス』IRIS（2001）イギリス
監督：リチャード・エアー
出演：ジュディ・デンチ、ジム・ブロードベント、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・ボネヴィル ほか

“イギリスで最も素晴らしい女性”と賞賛された実在の作家アイリス・マードックの物語。
なにかの映画つながりで知って、ずっと探していたら、近所のTSUTAYAでやっと見つけた。
ケイト・ウィンスレットは好きな女優さんの１人で、
自由奔放なエネルギーに満ちている一方でとても知的な面はヒロインとぴったり重なる。
そして、ジュディ・デンチのベテラン演技は言わずもがな。

▼story
オックスフォード大学で講師をしていたジョンは、友人の紹介で知り合ったアイリスの哲学と奔放な性格に一目ぼれする。
アイリスもまたジョンの誠実さ、純朴さに惹かれ、急速に距離を縮めるも、
ほかに男性遍歴も多く、不倫、同性愛もあったのか、ジョンは戸惑う。
２人は結婚し、アイリスは小説を書き、テレビの取材も受けるほど人々の尊敬を集めていたが、
ある日から記憶が曖昧になり、アルツハイマーと診断される。。。


診断を受けてから２年で他界って早いな。
言葉で常に自己表現してきたアイリスにとって、言葉を失う恐怖、
自分が自分でなくなる恐怖とはいかなるものだったか。
そして、彼女をついに自分だけのものにした喜びと引き換えに、
自らも老いてゆく中で、抱えきれない負担との間でもがいた夫ジョン・ベイリーの気持ちも想像を超える。

特典には、ジュディとケイトほか出演者らのインタビューのほかに、
アルツハイマー協会での授賞式の模様が収録されている。
ベイリー役の男優の母？も同じ病気で、その体験を話したスピーチは心を打った。

本編は90分ほどで観やすかったが、現代でリメイクしたら、
内面や、２人の歴史も含めてもっとじっくり掘り下げて描けただろうか？