■『アラスカ 極北・生命の地図』星野道夫/著(朝日新聞社)
1989年アメリカ最大の原油流出タンカー事故が起きて、約3000頭のラッコが死んだ。
一方、1988年氷海に閉じ込められた鯨1頭を救おうとする人々とたくさんのマスコミ。
「昔なら、このクジラは自然からの贈り物だ」と言う古老のエスキモー。
「大きな自然の約束がどこかで見えなくなっていた」と道夫さんは書いている。
最後にあるラッコとクジラの写真がショックで忘れられない。
■『イニュニック 生命』星野道夫/著(新潮社)
写真家としてだけでなく、なんて素晴らしい文章を書く人なんだろう。
それは、そのまま自然本来の姿が素晴らしいということにもつながっている。
鉱山の発見によってアラスカは激変した。
若者たちは、自らのルーツと欧米文化の狭間にあってアイデンティティを見失い、自殺、アル中などが激増したという。
失業率が90%て凄いな。。
著者は、第2次世界大戦当時兵士だった日本人とアメリカ人とともに、キスカという孤島を訪れる。
その小さな島には、霧に紛れて命からがら逃げた日本兵と、彼らを追って同士討ちで亡くなった大勢のアメリカ兵らの物語がある。
ひっそりと建てられた墓標のもとに集まって、一体どんな想いがめぐっただろうか。
▼カンジキウサギ
かわいい!
▼セーブルタイガー=氷河期に棲んでいたトラらしい
▼ブッシュパイロット
アラスカを移動するには、空からと川からのアクセスが有効。
それにはまず、優秀なブッシュパイロットを探すことが不可欠だという。
世の中にはいろんな仕事があるんだなあ/驚
▼『マッキンレー山のオオカミ』ミューリー兄弟
▼『アラスカに原始芸術を探る』
上記のリンク先に売れない本て書いてある
▼本書内の抜粋メモ
p.42
自然の終わりは、いつもなにかの始まりである。
p.43
一年に一度、名残惜しく過ぎゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。その回数をかぞえるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれない。
p.60
わずか2ヶ月もすれば、紅葉、そして落葉なのに、木々は再び新しいスタートを切った。誰も見てはいないのに、自然の秩序は凛とそこに存在し続ける。
p.106
「ブルーベリーの枝を折ってはいけないよ、おまえの運が悪くなるから」
やってはならないタブーがあり、その約束を守ることは自分の運をもち続けることなのだ。そして人のもつ運は日々の暮らしの中で変わってゆくものだという。それを左右するものは、その人間の、自分を取りかこむものに対するかかわり方らしい。
p.205
「追い詰められたカリブーが、もう逃げられないとわかった時、まるで死を受容するかのように諦めてしまうことがあるんだ。あいつらは自分の生命がひとつのつなぎに過ぎないことを知っているような気がする」個の死が、淡々として、大げさではないということ。それは生命の軽さとは違うのだろう。きっと、それこそがより大地に根ざした存在の証なのかもしれない。
p.178
「私は、人が生きてゆくということは、その人生の暗いキャンバスに色を塗ってゆくことなのだと思う。それも、どれだけ明るい色を重ねていけるかということなんだ。だがね、黒いキャンバスの上にどんな明るい色を塗っても、その下にある黒はどうしてもかすかに浮き出てくる。だから再びその上に色を重ねてゆく。生きてゆくということは、そんな終わりのない作業のような気がするんだよ」
p.132
人間の生き甲斐とは一体何なのだろう。たった一度のかけがいえのない一生に、私たちが選ぶそれぞれの生きがいとは、何と他愛のないものなのだろう。そして、何と多様性に満ちたものなのか」
p.158
著者が泊まった山小屋に誰のものともわからない詩が彫られていた。その言葉がとても沁みた。
Woodman spare that tree
Touch a not single bough
In youth it sheltered me
And I'll protect it now
森の木こりよ その木だけは残しなさい
一本の枝にも触れてはなりません
子どもだった頃、その木は私を守ってくれた
だから今、私が守らなければならない
1989年アメリカ最大の原油流出タンカー事故が起きて、約3000頭のラッコが死んだ。
一方、1988年氷海に閉じ込められた鯨1頭を救おうとする人々とたくさんのマスコミ。
「昔なら、このクジラは自然からの贈り物だ」と言う古老のエスキモー。
「大きな自然の約束がどこかで見えなくなっていた」と道夫さんは書いている。
最後にあるラッコとクジラの写真がショックで忘れられない。
■『イニュニック 生命』星野道夫/著(新潮社)
写真家としてだけでなく、なんて素晴らしい文章を書く人なんだろう。
それは、そのまま自然本来の姿が素晴らしいということにもつながっている。
鉱山の発見によってアラスカは激変した。
若者たちは、自らのルーツと欧米文化の狭間にあってアイデンティティを見失い、自殺、アル中などが激増したという。
失業率が90%て凄いな。。
著者は、第2次世界大戦当時兵士だった日本人とアメリカ人とともに、キスカという孤島を訪れる。
その小さな島には、霧に紛れて命からがら逃げた日本兵と、彼らを追って同士討ちで亡くなった大勢のアメリカ兵らの物語がある。
ひっそりと建てられた墓標のもとに集まって、一体どんな想いがめぐっただろうか。
▼カンジキウサギ
かわいい!
▼セーブルタイガー=氷河期に棲んでいたトラらしい
▼ブッシュパイロット
アラスカを移動するには、空からと川からのアクセスが有効。
それにはまず、優秀なブッシュパイロットを探すことが不可欠だという。
世の中にはいろんな仕事があるんだなあ/驚
▼『マッキンレー山のオオカミ』ミューリー兄弟
▼『アラスカに原始芸術を探る』
上記のリンク先に売れない本て書いてある
▼本書内の抜粋メモ
p.42
自然の終わりは、いつもなにかの始まりである。
p.43
一年に一度、名残惜しく過ぎゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。その回数をかぞえるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれない。
p.60
わずか2ヶ月もすれば、紅葉、そして落葉なのに、木々は再び新しいスタートを切った。誰も見てはいないのに、自然の秩序は凛とそこに存在し続ける。
p.106
「ブルーベリーの枝を折ってはいけないよ、おまえの運が悪くなるから」
やってはならないタブーがあり、その約束を守ることは自分の運をもち続けることなのだ。そして人のもつ運は日々の暮らしの中で変わってゆくものだという。それを左右するものは、その人間の、自分を取りかこむものに対するかかわり方らしい。
p.205
「追い詰められたカリブーが、もう逃げられないとわかった時、まるで死を受容するかのように諦めてしまうことがあるんだ。あいつらは自分の生命がひとつのつなぎに過ぎないことを知っているような気がする」個の死が、淡々として、大げさではないということ。それは生命の軽さとは違うのだろう。きっと、それこそがより大地に根ざした存在の証なのかもしれない。
p.178
「私は、人が生きてゆくということは、その人生の暗いキャンバスに色を塗ってゆくことなのだと思う。それも、どれだけ明るい色を重ねていけるかということなんだ。だがね、黒いキャンバスの上にどんな明るい色を塗っても、その下にある黒はどうしてもかすかに浮き出てくる。だから再びその上に色を重ねてゆく。生きてゆくということは、そんな終わりのない作業のような気がするんだよ」
p.132
人間の生き甲斐とは一体何なのだろう。たった一度のかけがいえのない一生に、私たちが選ぶそれぞれの生きがいとは、何と他愛のないものなのだろう。そして、何と多様性に満ちたものなのか」
p.158
著者が泊まった山小屋に誰のものともわからない詩が彫られていた。その言葉がとても沁みた。
Woodman spare that tree
Touch a not single bough
In youth it sheltered me
And I'll protect it now
森の木こりよ その木だけは残しなさい
一本の枝にも触れてはなりません
子どもだった頃、その木は私を守ってくれた
だから今、私が守らなければならない