■『大島弓子選集14巻 サバの夏が来た』(朝日ソノラマ)
「大島弓子書籍リスト」さんも参照させていただきました/礼
大島弓子(作家別カテゴリー)
これまで読んだものもかぶってくるため、それらは「作家別カテゴリー」を参照のほど。
私には、いちばん好きなものを最後にとっておく習性があるのかもしれない、と最近感じ始めている。
この選集も、図書館にある中で、一応巻数どおりに読んでいって、最後に残したのは大島さんの愛猫サバの話
途中から気づいたが、ウチにある数少ないマンガの生き残り(何度もの引越し・整頓を生き抜いてきた)の中の
『サバの夏が来た』と『サバの秋の夜長』ですでに読んだものだった。
でもやっぱり、サバに敬意を表して、選集シリーズの終わりにじっくり読んだ。
やっぱり何度読んでも面白いv
【収録作品】
以下の作品は既読。
「恋はニュートンのリンゴ」 1990年ASUKA5月号掲載
●サバの夏が来た 1990年ASUKA8月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
ある日、サバの背中に2ヶ所、ボンドでつけたみたいな固まりを見つけた大島さんは、
何気なくハサミで切ったら、2ヶ所のハゲが出来て、それを見たサバは生え揃うまで外出しなかった。
5月5日のサバの誕生日。
毎年〆切の修羅場でおざなりになっていたから、今年は10年分くらいまとめてやろうと決心。
サバが喜ぶこと目白押し。
サシミをあげたり、新聞紙で遊んだり。でもそのたびに尿が濃くなる(大島さんは猫日記をつけている
ついに血尿。かつてストレスで尿路結石になったから病院に連れていこうとバスケットを出すと逃げる準備のサバ。
でも休診と分かり、バスケットをしまうと、血尿は止まった。
1つ仕事を忘れていて催促の貼り紙で思い出す。
大島さんは、サバの血尿の原因は、自分が特別なことをしたせいで修羅場と同じストレスがかかったのでは?と反省する。
●すばらしき昼食 1991年ASUKA6月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
「よく考えてみたら、シャンプーや、耳そうじも、猫にとったら蹂躙以外のなにものでもないかもしれない」
友だちから、来年でいいから10日間の旅行に行こうと誘われる。
「束縛が欲しい」と言っていた彼女は、4年もたてば倦怠期。
猫がいるとどこにも出かけられない。それはサバも私を蹂躙している。おあいこだと喜ぶ大島さん。
“ちなみに私の理想は放浪生活です。
勝手気ままにその土地土地の山菜や川魚をとって、くっちゃ寝をして暮らす生活です”(とっても共感
サバをナンパしにきたかもしれない野良猫にケンカを売るサバ。避妊手術してオス猫気分になってるのか?と想像する。
(私、ずっとこの絵からしてオスだと思ってた!
ゴキや、セミ、ヤモリなどを残酷に殺すサバでも、なぜか大島さんが蚊やハエをたたくと、
戦火で家人を失った人間のように泣くサバ。
大島さんは、公園を歩いていると、突然お茶に誘われ、ナンパだと気づかず逃げる。
人に道を聞かれるのはしょっちゅう。大勢に紛れこんでいても、かきわけて聞きに来る(私も同様/驚
留守番中の大島家に電話がかかってくる。
大島さんは、友だちといた時に一緒にUFOを見たことがある(!
友だちはあっさり「信じません」とひと言。
サバに避妊手術をした日、大島さんは公園で桜を見ながら待っていた。
“この花と同等の美しいものを、今わたしは猫から剥奪しているのだと感じていた”
●大きな耳と長いしっぽ 1992年ASUKA5月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
1~2年、長い休暇をとろうと思い立った大島さん。それを友人に話すと、
「信じらんない、とか、心配を通り越して、腹立つわ!」と去ってしまった。
サバは手をのせて毎朝起こしにきて、寝室の窓を開けるとそこから出て、
居間の窓を開けるとそこから入る。そして一緒にトイレに駆け込むw
“なんにも考えない生活というのは、時がとても早く過ぎる”
タキコちゃんという人から年賀状がきて、思い出せないで焦る。
「弓ちゃんがマンガを描いてると知りました。昔いっしょにお絵かきしたことを思い出しました。
2人の子どもが絵を描くところを見たいと言っています。紙は何百枚でも用意します。うちにいらっしゃいませんか」
無難に受け流すと、返事が来て、
「隣りの奥さんに話したら、弓ちゃんのマンガ知ってて、その子も一緒に行きたいと言い出しました」と返事が来た。
これも「自分は今、25時間人間で、昼間は遊べません」と受け流す。
うたた寝している間に、「湾岸戦争」が始まったというニュースを聞いて吐いてしまう大島さん。
“戦争は、あらゆるものを傷つけて終結した。私の部屋もボロボロにして”
ずっとTVばかり見ていて太ったことに気づいた大島さん。
サバも手から食べ物を横取りしている間に太ったらしく、マンションの隣りのベランダに行って、
手すりの間をくぐれず、SOSで鳴いていたw
「サバがいないってことは、食事の邪魔が入らない!」
と、いつもは食べられない焼き魚を食べようとした、その時、
サバがお腹を空かしたため、手すりを抜けて魚を横取りしようとするw
久しぶりに仕事の依頼の手紙があって、辞退の返事を書く。
ハナコさん(井の頭自然文化園で飼育されているメスのアジアゾウで現在68歳)までが、
“わたしはこうしているだけでも稼いでいるの!”と言っているように見えた。
タキコちゃんて誰だっけ?と思いながらサバをシャンプーしていたら、全身に毛玉ができてしまうww
仕事の催促の返事も出さなくなって、「悪性の肺炎になった」と返事を書いたら、本当になった(病は気からだね
公園に3羽のニワトリが捨てられた。
修羅場の時、眠気さましに聞いた話を思い出す。
某フライドチキンでバイトしてたコが見た話。
その鶏舎には、腿肉がたくさんとれるようにバイオで足を4本にされてギッシリ詰め込まれているとのこと。
(私、この話を読んだ時、信じたよ。映画でも似たようなのがあったし
台風のあった夜明け、心配していたニワトリ3羽は生きていた。
“通常ブロイラーは40日の命だそうだけど、捨てニワトリは、もう100日以上も生きている!”
元気が出て、タキコちゃんらと会ってみると、友だちだったサホちゃんの親戚だと分かる。
絵を描いてもらえば、あとで高く売れると言われ、“売れねーよ”と思いながらも描いてみると、上手く描けない。
長い間休んでいたせいで描く感覚の脳細胞が死滅していた。
●サバの天国と地獄 1992年ASUKA8月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
昔、自分よりずーーっと多忙な漫画家さんをアシスタントに呼んでしまったことがある大島さん。
第一の修羅場では、目に死相が出る。
「大島さん、死相が出てますよ」「目は生ものなので一番いたみやすいですね」
死相第二段階は「すいませーん、歯が浮いて抜けそうです」「歯茎もそうとう足のはやい生ものですからね」
アシスタントは、時間の空いた時に、原稿の複製をつくって遊んでいることにショック大。
1週間以上続くと、修羅場が終わった時、神経に異常をきたしていることが分かる。
入眠できず、「眠っていいんだ」と何度も自分に言い聞かせてから眠りにつく。
気づくと、野良ニワトリのいた木の周りに柵があって、貼り紙にはこう書かれていた。
「先月末、3羽のうちの1羽が野良猫に殺されてしまいました。この柵を取り外さないでください」
その野良猫説に納得できず、無実の罪をはらすため、近所に聞き込みをする大島さん。
でも、よく考えると、シャープペンや、国語辞書などが見当たらない時、
「サバ食った?」「こんなところにシャープペンウンコしちゃだめょぉぉ」と自分も言っていたことを反省する。
先月末といえば、自分は家にいたと思い出し、雪が降って、鳴き声がなかったことから凍死では、と推測する。
その旨をメモに書いて、貼り紙にはっていると、公園の野良猫と目が合って、ダイスキな「ぱちくり」をされて身悶えする。
(“私は敵ではないですよ”という合図だって聞いて、私も何度か試してみたけど、なにも変化なかったなぁw
また、仕事の日々がやってきて、ネームづくりに悶々とする。
“ネームの修羅場で電球が切れる時があります。一度に5個ぐらい切れたことがあって、
そうとうイライラの発電をしてるなあと自分でも思います”
眠い地獄、過食地獄、運動不足地獄、筋肉痛地獄、、、、
野良ニワトリとカラスの掛け合いが「ケッコーアホー」になるって/爆
「大島弓子書籍リスト」さんも参照させていただきました/礼
大島弓子(作家別カテゴリー)
これまで読んだものもかぶってくるため、それらは「作家別カテゴリー」を参照のほど。
私には、いちばん好きなものを最後にとっておく習性があるのかもしれない、と最近感じ始めている。
この選集も、図書館にある中で、一応巻数どおりに読んでいって、最後に残したのは大島さんの愛猫サバの話
途中から気づいたが、ウチにある数少ないマンガの生き残り(何度もの引越し・整頓を生き抜いてきた)の中の
『サバの夏が来た』と『サバの秋の夜長』ですでに読んだものだった。
でもやっぱり、サバに敬意を表して、選集シリーズの終わりにじっくり読んだ。
やっぱり何度読んでも面白いv
【収録作品】
以下の作品は既読。
「恋はニュートンのリンゴ」 1990年ASUKA5月号掲載
●サバの夏が来た 1990年ASUKA8月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
ある日、サバの背中に2ヶ所、ボンドでつけたみたいな固まりを見つけた大島さんは、
何気なくハサミで切ったら、2ヶ所のハゲが出来て、それを見たサバは生え揃うまで外出しなかった。
5月5日のサバの誕生日。
毎年〆切の修羅場でおざなりになっていたから、今年は10年分くらいまとめてやろうと決心。
サバが喜ぶこと目白押し。
サシミをあげたり、新聞紙で遊んだり。でもそのたびに尿が濃くなる(大島さんは猫日記をつけている
ついに血尿。かつてストレスで尿路結石になったから病院に連れていこうとバスケットを出すと逃げる準備のサバ。
でも休診と分かり、バスケットをしまうと、血尿は止まった。
1つ仕事を忘れていて催促の貼り紙で思い出す。
大島さんは、サバの血尿の原因は、自分が特別なことをしたせいで修羅場と同じストレスがかかったのでは?と反省する。
●すばらしき昼食 1991年ASUKA6月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
「よく考えてみたら、シャンプーや、耳そうじも、猫にとったら蹂躙以外のなにものでもないかもしれない」
友だちから、来年でいいから10日間の旅行に行こうと誘われる。
「束縛が欲しい」と言っていた彼女は、4年もたてば倦怠期。
猫がいるとどこにも出かけられない。それはサバも私を蹂躙している。おあいこだと喜ぶ大島さん。
“ちなみに私の理想は放浪生活です。
勝手気ままにその土地土地の山菜や川魚をとって、くっちゃ寝をして暮らす生活です”(とっても共感
サバをナンパしにきたかもしれない野良猫にケンカを売るサバ。避妊手術してオス猫気分になってるのか?と想像する。
(私、ずっとこの絵からしてオスだと思ってた!
ゴキや、セミ、ヤモリなどを残酷に殺すサバでも、なぜか大島さんが蚊やハエをたたくと、
戦火で家人を失った人間のように泣くサバ。
大島さんは、公園を歩いていると、突然お茶に誘われ、ナンパだと気づかず逃げる。
人に道を聞かれるのはしょっちゅう。大勢に紛れこんでいても、かきわけて聞きに来る(私も同様/驚
留守番中の大島家に電話がかかってくる。
大島さんは、友だちといた時に一緒にUFOを見たことがある(!
友だちはあっさり「信じません」とひと言。
サバに避妊手術をした日、大島さんは公園で桜を見ながら待っていた。
“この花と同等の美しいものを、今わたしは猫から剥奪しているのだと感じていた”
●大きな耳と長いしっぽ 1992年ASUKA5月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
1~2年、長い休暇をとろうと思い立った大島さん。それを友人に話すと、
「信じらんない、とか、心配を通り越して、腹立つわ!」と去ってしまった。
サバは手をのせて毎朝起こしにきて、寝室の窓を開けるとそこから出て、
居間の窓を開けるとそこから入る。そして一緒にトイレに駆け込むw
“なんにも考えない生活というのは、時がとても早く過ぎる”
タキコちゃんという人から年賀状がきて、思い出せないで焦る。
「弓ちゃんがマンガを描いてると知りました。昔いっしょにお絵かきしたことを思い出しました。
2人の子どもが絵を描くところを見たいと言っています。紙は何百枚でも用意します。うちにいらっしゃいませんか」
無難に受け流すと、返事が来て、
「隣りの奥さんに話したら、弓ちゃんのマンガ知ってて、その子も一緒に行きたいと言い出しました」と返事が来た。
これも「自分は今、25時間人間で、昼間は遊べません」と受け流す。
うたた寝している間に、「湾岸戦争」が始まったというニュースを聞いて吐いてしまう大島さん。
“戦争は、あらゆるものを傷つけて終結した。私の部屋もボロボロにして”
ずっとTVばかり見ていて太ったことに気づいた大島さん。
サバも手から食べ物を横取りしている間に太ったらしく、マンションの隣りのベランダに行って、
手すりの間をくぐれず、SOSで鳴いていたw
「サバがいないってことは、食事の邪魔が入らない!」
と、いつもは食べられない焼き魚を食べようとした、その時、
サバがお腹を空かしたため、手すりを抜けて魚を横取りしようとするw
久しぶりに仕事の依頼の手紙があって、辞退の返事を書く。
ハナコさん(井の頭自然文化園で飼育されているメスのアジアゾウで現在68歳)までが、
“わたしはこうしているだけでも稼いでいるの!”と言っているように見えた。
タキコちゃんて誰だっけ?と思いながらサバをシャンプーしていたら、全身に毛玉ができてしまうww
仕事の催促の返事も出さなくなって、「悪性の肺炎になった」と返事を書いたら、本当になった(病は気からだね
公園に3羽のニワトリが捨てられた。
修羅場の時、眠気さましに聞いた話を思い出す。
某フライドチキンでバイトしてたコが見た話。
その鶏舎には、腿肉がたくさんとれるようにバイオで足を4本にされてギッシリ詰め込まれているとのこと。
(私、この話を読んだ時、信じたよ。映画でも似たようなのがあったし
台風のあった夜明け、心配していたニワトリ3羽は生きていた。
“通常ブロイラーは40日の命だそうだけど、捨てニワトリは、もう100日以上も生きている!”
元気が出て、タキコちゃんらと会ってみると、友だちだったサホちゃんの親戚だと分かる。
絵を描いてもらえば、あとで高く売れると言われ、“売れねーよ”と思いながらも描いてみると、上手く描けない。
長い間休んでいたせいで描く感覚の脳細胞が死滅していた。
●サバの天国と地獄 1992年ASUKA8月号掲載
[あらすじ(ネタバレ注意)]
昔、自分よりずーーっと多忙な漫画家さんをアシスタントに呼んでしまったことがある大島さん。
第一の修羅場では、目に死相が出る。
「大島さん、死相が出てますよ」「目は生ものなので一番いたみやすいですね」
死相第二段階は「すいませーん、歯が浮いて抜けそうです」「歯茎もそうとう足のはやい生ものですからね」
アシスタントは、時間の空いた時に、原稿の複製をつくって遊んでいることにショック大。
1週間以上続くと、修羅場が終わった時、神経に異常をきたしていることが分かる。
入眠できず、「眠っていいんだ」と何度も自分に言い聞かせてから眠りにつく。
気づくと、野良ニワトリのいた木の周りに柵があって、貼り紙にはこう書かれていた。
「先月末、3羽のうちの1羽が野良猫に殺されてしまいました。この柵を取り外さないでください」
その野良猫説に納得できず、無実の罪をはらすため、近所に聞き込みをする大島さん。
でも、よく考えると、シャープペンや、国語辞書などが見当たらない時、
「サバ食った?」「こんなところにシャープペンウンコしちゃだめょぉぉ」と自分も言っていたことを反省する。
先月末といえば、自分は家にいたと思い出し、雪が降って、鳴き声がなかったことから凍死では、と推測する。
その旨をメモに書いて、貼り紙にはっていると、公園の野良猫と目が合って、ダイスキな「ぱちくり」をされて身悶えする。
(“私は敵ではないですよ”という合図だって聞いて、私も何度か試してみたけど、なにも変化なかったなぁw
また、仕事の日々がやってきて、ネームづくりに悶々とする。
“ネームの修羅場で電球が切れる時があります。一度に5個ぐらい切れたことがあって、
そうとうイライラの発電をしてるなあと自分でも思います”
眠い地獄、過食地獄、運動不足地獄、筋肉痛地獄、、、、
野良ニワトリとカラスの掛け合いが「ケッコーアホー」になるって/爆