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命をかけた大移動 シリア難民400万人はどこへ@週刊ニュース深読み
シリアの内戦は泥沼化。
犠牲者は22万人とも言われる。
自国で家を失ってしまった人は2人に1人

内戦の構図

背後には大国の影~アサド政権につくロシアvs反政府勢力につくアメリカ

アメリカのISに対する空爆が増えて、現地民が死亡する事態となっている

空爆に脅えているということは、元凶はアメリカじゃないか。銃や大砲がなくなれば戦うことは出来ない
国連も大国が参加しているため、どうにも動けない状態

隣国に逃れる人々
難民キャンプにいるのは1割程度。
9割は自活し、日雇いで貧困に苦しんでいるため、よりよい生活を求めてヨーロッパを目指す。

3つのパターン:
1.トルコにとどまる
2.ヨーロッパに逃げる
3.どうせ死ぬなら故郷のシリアで死にたいと留まる
「
シリア人は、日本人と同様、政治に受動的。反対運動より逃げるほうを選ぶ。
しかし、周囲の国も絡んでくるため難しい。
シリア人の本当の願いはただ1つ“戦いを止めて欲しい”」
シリアは今、「無政府状態」にある。
EUは国境で検閲がなくなったため、
とりあえず列車や徒歩で隣国に逃れようとする人々が予想をはるかに超える数になっている。

「難民」と「移民」の違い
「難民」政治・宗教の違いなどにより迫害を受けて逃げる。
「移民」より人間らしい豊かな生活を求めて移動する。
どちらも、着いた国で審査を受けて指定される。

ヨルダン、レバノン

これまでも受け入れてきていて、これ以上はもう受け入れられない状況。

トルコ

408万人が殺到。雇用・教育など充分な支援を受けられない状況。

ドイツ
早い段階で避難民を受け入れ、雇用・教育を支援すると申し出たが、
「2万人受け入れる」という条件に対し、1日1万人という数が来て、
とうとう国境で制限する審査を設けることになった。

ハンガリー

これ以上増えると、経済的に負担だと世論が反対。イスラム教徒に反対する人も多い。
有刺鉄線を張り巡らせ、水をかけるなどして入国を拒否。
しかし、それをかいくぐって入る人が後を絶たない。

クロアチア
受け入れるといったが、ここも大勢おしかけてストップをかけた。

地中海を渡った人は、今年だけで約40万人
密航業者に多額の費用(年収の5倍。臓器を売って工面する人もいる)を払わねばならず、
脆いゴムボートに定員オーバーで乗り、沈む船・ボートが多い。
そんな中で起きた最大の悲劇。
トルコからギリシアを目指していた
3歳の男児の溺死死体が砂浜に上がった写真が公開され、
世界中がただごとではないと、連日のようにニュースに取り上げた1週間だった。

列車は大混雑(ブタペスト→ドイツ直行)

オーストリア

トラックの荷台を開けたら、詰め込まれた人々のうち
71が窒息死していた
無事、ドイツにたどり着けた少女

昔から難民を受け入れてきたヨーロッパの国々
各国で分担して受け入れようと決めたが、反対する国が出た。

UNとESCWA

すべては「平和のため」
アサド大統領「平和のために従ってくれ」
反政府勢力「アサド大統領は民意をまったく反映していない」(1枚岩じゃないのが、さらに問題を複雑化させている
ロシア「平和のために、今後も武器を提供し続けます」
国連:
アメリカ、ロシア、中国という大国同士の対立を和解させようとしても、アメリカ&反政府勢力が反対している。

日本の立場~
資金提供は多いが、受け入れが最も少ない先進国
FAX「日本はいつも金銭支援のみ。それでいいのか?」
専門家:
「お金だけじゃなく、現地での難民支援もしている。
日本は言葉の違い、場所の問題など受け入れが難しい。
しかし、今回のアンケートで受け入れ賛成派が21%いることには驚いている」
「労働力としては年に50万人受け入れている。
過去にも“インドシナ難民”を受け入れたことがあるが、
言葉、文化、習慣の違いで、高校中退が多いという統計もあって希望者も少ない。
まず、そこを1から教え、疎外しないという土壌が必要」
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『もう、死なせない! 子どもの生きる権利』(フレーベル館)
『小型武器よさらば 戦いにかり出される児童兵士たち』(小学館)
ほか

私たちができること
アジアでも難民を受け入れること。ミャンマーは受け入れている。
※
紛争を鎮める調停役となる
農業の復興支援

、女性の雇用などを伝えて、紛争自体を終わらせる。
希望を失ったシリア人に希望を与える役目はできる。
日本は、『日米同盟』があるが、立場的にはドイツに近い。
アサド政権、シリアの問題はシリア人自身に任せる。
※
難民は「お荷物」ではないという認識をもつ
シリア人は、勤勉で、優秀。受け入れることで、自国の発展にもつながる。