■『むしのほん』(河出書房新社)
エドワード・ゴーリー/著 柴田元幸/訳
発売日:2014.12.03
最近はずっと、気になる作家や作品をネットで検索して、図書館に予約して読んでいたけれども、
先日は、時間があったので、久々、近所の図書館内をくまなく見てみたら、なんと
ゴーリーの新作発見/驚×∞
去年出てたのかあ、知らなかった。。。でも、どんどん新刊が出されていくのは嬉しい
柴田さん、河出書房新社ありがとうございます/礼
こないだ「あさイチ」のエンタメ紹介でも、大人向けの絵本として『うろんな客』が紹介されていたしv
【訳者あとがき抜粋メモ】
本書は1959年に刊行。ゴーリーの5冊目。
100冊を超える著書を遺した中では初期に属す1冊。
1953年。ゴーリーは、良質の文芸書を多数揃えていた「アンカー・ブックス」のデザイナーをしていたが、
本書の刊行と前後してそこを去り、古典的児童書の復刊を目的として創立された「ルッキング・グラス・ライブラリ」に移籍。
本書は、そこからxmasギフト本として作られた(!)
『蟲の神』(河出書房新社)とはいろんな意味で対照的。
「蟲」はinsect(昆虫)だが、本書の「むし」はbug(虫、主に甲虫系)。
本書は線もごくシンプルで、しかも珍しいことに色がついている(とってもカラフルな蟻?
ストーリーは、色の虫たちが団結して黒い虫を退治して共同体の平和を取り戻す。
本国アメリカでは「だれとも親戚でない」悪者が「黒い虫」という点が人種差別として問題視され、
ゴーリーとしては不本意な批判を浴びたりした。
ヴァニラ画廊の講演で朗読したところ、
“『蟲の神』も怖いけれども、みんなで1匹の虫を排除する本書も別の意味で怖い”という感想を頂戴した。同感である。
カラフルな虫たちをゴーリーが肯定・是認した根拠もまったくない。むろん、否定・批難している根拠もないが。
【ブログ内関連記事】
濱中利信コレクション ~エドワードゴーリーの世界2@銀座ヴァニラ画廊
登場人物の価値観=作者の価値観ではない、という当然ながら、しばしば見逃される点を感じ取って頂けて、
訳者として大変心強かった。
ゴーリーは、その後、これと同じようなタッチの本を1冊も作っていない。
「作家別カテゴリー」に追加しました。
▼あらすじ(ネタバレ注意
昔、青い虫が2匹いて、ふちの欠けたカップに住んでいた。
青い虫といとこの赤い虫も3匹、近所の青い瓶に住んでいて、中にいると、味わい深いすみれ色に見えた。
青い虫と赤い虫といとこの黄色い虫は、少し離れた草の上に住んでいた。
みんな仲良しで、よく一緒に出かけていた。
そこに、誰とも親戚ではない黒い虫が現れ、一応仲良くしようとしたが無理だった。
黒い虫はパーティを邪魔したりするので交流が絶たれ、虫たちは秘密の会合を開いた。
崖にのぼり、大きな石を、下で罵詈雑言を浴びせている黒い虫に向かって落とすと、下から恐ろしい音がした。
見てみると、黒い虫はぺしゃんこに潰れていた。
虫たちは死体を封筒に入れて、石にたてかけた(驚
その後、パーティを開いて、楽しい時を過ごしたのでした。
エドワード・ゴーリー/著 柴田元幸/訳
発売日:2014.12.03
最近はずっと、気になる作家や作品をネットで検索して、図書館に予約して読んでいたけれども、
先日は、時間があったので、久々、近所の図書館内をくまなく見てみたら、なんと
ゴーリーの新作発見/驚×∞
去年出てたのかあ、知らなかった。。。でも、どんどん新刊が出されていくのは嬉しい
柴田さん、河出書房新社ありがとうございます/礼
こないだ「あさイチ」のエンタメ紹介でも、大人向けの絵本として『うろんな客』が紹介されていたしv
【訳者あとがき抜粋メモ】
本書は1959年に刊行。ゴーリーの5冊目。
100冊を超える著書を遺した中では初期に属す1冊。
1953年。ゴーリーは、良質の文芸書を多数揃えていた「アンカー・ブックス」のデザイナーをしていたが、
本書の刊行と前後してそこを去り、古典的児童書の復刊を目的として創立された「ルッキング・グラス・ライブラリ」に移籍。
本書は、そこからxmasギフト本として作られた(!)
『蟲の神』(河出書房新社)とはいろんな意味で対照的。
「蟲」はinsect(昆虫)だが、本書の「むし」はbug(虫、主に甲虫系)。
本書は線もごくシンプルで、しかも珍しいことに色がついている(とってもカラフルな蟻?
ストーリーは、色の虫たちが団結して黒い虫を退治して共同体の平和を取り戻す。
本国アメリカでは「だれとも親戚でない」悪者が「黒い虫」という点が人種差別として問題視され、
ゴーリーとしては不本意な批判を浴びたりした。
ヴァニラ画廊の講演で朗読したところ、
“『蟲の神』も怖いけれども、みんなで1匹の虫を排除する本書も別の意味で怖い”という感想を頂戴した。同感である。
カラフルな虫たちをゴーリーが肯定・是認した根拠もまったくない。むろん、否定・批難している根拠もないが。
【ブログ内関連記事】
濱中利信コレクション ~エドワードゴーリーの世界2@銀座ヴァニラ画廊
登場人物の価値観=作者の価値観ではない、という当然ながら、しばしば見逃される点を感じ取って頂けて、
訳者として大変心強かった。
ゴーリーは、その後、これと同じようなタッチの本を1冊も作っていない。
「作家別カテゴリー」に追加しました。
▼あらすじ(ネタバレ注意
昔、青い虫が2匹いて、ふちの欠けたカップに住んでいた。
青い虫といとこの赤い虫も3匹、近所の青い瓶に住んでいて、中にいると、味わい深いすみれ色に見えた。
青い虫と赤い虫といとこの黄色い虫は、少し離れた草の上に住んでいた。
みんな仲良しで、よく一緒に出かけていた。
そこに、誰とも親戚ではない黒い虫が現れ、一応仲良くしようとしたが無理だった。
黒い虫はパーティを邪魔したりするので交流が絶たれ、虫たちは秘密の会合を開いた。
崖にのぼり、大きな石を、下で罵詈雑言を浴びせている黒い虫に向かって落とすと、下から恐ろしい音がした。
見てみると、黒い虫はぺしゃんこに潰れていた。
虫たちは死体を封筒に入れて、石にたてかけた(驚
その後、パーティを開いて、楽しい時を過ごしたのでした。