メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

旧江戸川乱歩邸@「池袋=自由文化都市プロジェクト」(2015.9.19)

2015-09-20 16:02:22 | アート&イベント
旧江戸川乱歩邸@「池袋=自由文化都市プロジェクト」(2015.9.19)

【ブログ内関連記事】
すべては乱歩から始まった ~日本ミステリーの父 没後50年~
江戸川乱歩 少年探偵シリーズ

ずっと前から一度見てみたかった乱歩邸。
こないだ見たテレビの特集をブログにアップする際、久々HPを開けたら、
なんと、このシルバーウィーク中にさまざまな所でイベントを開催するとのことで、
やっと晴れ間が出た19日に行ってきた

「池袋=自由文化都市プロジェクト」



まずは、地下鉄の要町駅から徒歩数分のところにある光文社の1階へ。
ここは、いつもなにかしら催し物をしているけれども、私はミステリーにあまり詳しくないため素通りが多かった。

 

「没後50年―不滅の江戸川乱歩展」@ミステリー文学資料館(光文社ビル1階)


9月1日(火)~10月3日(土)
9時30分~16時30分(入館は16時まで)
9/14~9/22は無休(以降毎週日曜・月曜・祝日は休館)
入館料300円(無料だった。入り口にあるパンフレットをとったから?w
※9/14~9/22の期間中パンフレット提示にて入館無料。

若い頃の写真があって、けっこうハンサムさん。
「八ツ墓村」や「悪魔の手毬唄」の生原稿などもあった。

2002.10/3~12/24には弥生美術館で乱歩展やったんだ/驚
なんだか趣味が合わずにまだ行ったことがないんだけど、またやらないかなあ!


乱歩の展示物もよかったけど、ここのミステリー蔵書がスゴイ
普段から開放しているのかも。
長机が並べてあって、そこで読むことも出来るっぽい(貸し出しはしないんだろうね

私の好きな、ボロボロ、黄色いシミ系(褒め言葉です)のミステリー本が棚にどっさり!
どうやら、出版社の垣根を越えて集めてあるっぽい。こんな貴重な資料触っていいんですか
なんだか、秋の夜長にミステリーをじっくり読みたくなってきた。


通りを渡って、コンビニの合間の道をまっすぐ行けば数分のところに乱歩邸があると聞いて、
この辺は意外と食事処がないから、コンビニでサンドイッチを買って食べながら(行儀悪くてすみません)すぐ着いたv
てっきり、学内を通り抜けなきゃいけないと思い込んでて、ちょっと気持ち的に行く勇気がなかったのに、もっと早く来ればよかった。


「旧江戸川乱歩邸特別公開」@旧江戸川乱歩邸(立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター)
9月14日(月)~22日(火・祝)
10時30分~16時 入館無料
※窓から部屋は覗けるが、蔵書などは見れない
「江戸川乱歩の戦中・戦後」をテーマに展示内容の入れ替えを行います。
「旧江戸川乱歩邸ガイドブック」税込500円 (立教大学セントポールプラザで販売)

 

もう、道路脇に本名の表札があって、緑の小道を歩いて行くと、玄関?に着く。
その一角をちょっとした展示スペースにしてあって、驚いたのは、どこに行っても撮影可能なこと/嬉

 

 
 

 


 

その奥は庭が眺められる書斎。ここは部屋の中には入れないけど、中がすっかり見えるよう壁がとっぱらってある!
「その時 歴史が動いた」のインタビューもここで撮ったんだな。

 

 



 

 




庭の端にデーーンと構えた蔵。これが印象的。
1階は、執筆の際に必要な参考書(犯罪心理学等)、洋書などがズラリと並んでいて圧巻&興奮!
(残念ながら入れない。ガラス窓から覗くだけ

  

 

 

2階も階段の上にチラっと様子が見えるだけなんだけど、
乱歩の蔵書をおさめていて、さすがに中身のほうは大学のほうで保管・管理して、
棚や、整理魔だった乱歩によって几帳面に仕分けされ、自筆で書かれた箱が残されているそう。



裏から見ると、余計その存在感が増す

この時期、一番やっかいなのは
玄関やら至る所に蚊避けの吊るすタイプのがあったけど、あれって全然効果ないんだよね
私は、家から蚊避けスプレーを塗りつけてきたけど、ぎりセーフな感じ(ふぅ・・・


そのまま真っ直ぐ行けば、以下も開催中。今回は、ペース配分を考えて割愛。

「戦中・戦後の立教学院―西池袋の変化とともに―」@立教学院展示館(立教大学内 メーザーライブラリー記念館2階)
9月14日(月)~22日(火・祝)
10時~17時 入館無料


暑かったのと、前から気になってた、ミニストップのベルギーチョコソフト

美味しい~♪ 今度は、ベルギーチョコプリンパフェにも挑戦してみよっとv


次は、こないだ『気づかいルーシー』を観た東京芸術劇場の5Fへ。


「戦後池袋の住人・江戸川乱歩が視た世界」@東京芸術劇場@ギャラリー2(5F)
 
9月14日(月)~22日(火・祝)入場無料 10時~19時(14日のみ13時~)

ここも写真撮影自由/驚
乱歩が撮影した家族のフィルム、乱歩邸内の映像などがゆっくり座って観れた。
一時期は、映画監督も目指していたそう/驚

 

 

 
ほんと記録魔だったんだなあ!
 

 


カラーで家族への愛情たっぷりな映像に思わずほっこりした

 

 

少年探偵団シリーズは、講談社→光文社→ポプラ社と出版社が移るたび、表紙画も変わっていったんだな。
「灰色の巨人」はマンガもあった/驚 あと、なぜか「ゴジラとアンギラス」のポスターとか、
探偵手帳は全8冊。昭和28年当時は130円也。

引越し魔だった乱歩さん(なんかだんだん親近感わいてきたw
46番目に引っ越したのが池袋(1934)で、終の棲家となった(全転居先の間とり図まで詳細に書くって!
ちなみに土蔵付きで、家賃が当時90円wの借家。

この頃はまだ原っぱで、それが気に入って転居したのに、
「どんどん騒がしくなって住みにくくなった。小浅草の観がある」と『わが町を知らず』に書き残している。
第二次世界大戦の際、池袋も7割が焼け野原になったのに、大学と乱歩邸だけは残ったって奇跡/驚


「戦後池袋―ヤミ市から自由文化都市へ―」@東京芸術劇場@ギャラリー1(5F)

9月14日(月)~22日(火・祝)入場無料 10時~19時(14日のみ13時~)

今回は、乱歩とともに「ヤミ市」に関する展示が主なのね。
ちょうど、横で若い女性がスピーチをするところで、聴いてきた。

『大学生が考察した「池袋とヤミ市」論』14:00~(30分ほど)
古田土紗季(2013年度早稲田大学文化構想学部卒業)
聞き手:山田智稔

2013年の卒業論文のテーマに池袋を選んだのは、小さい頃から住んでいて興味を持ったこと。
調べると、発展のきっかけは上野に鉄道が出来て、そこまで行く途中の駅が必要だということで、田畑ばかりの池袋が適当と選ばれた。
大学が増えて、学生街として発展。西側はまだ「ヤミ市」として人が多かった。

区画整理のため、「ヤミ市」の撤去は、東が早くて昭和24年、西側が昭和30年。
その後は、「デパート戦争」に突入。
鉄道会社は保安にお金を使ったため、企業などが出資した「民衆駅」だった。

「駅袋」と言われるほど、駅中の店が多く、駅だけで完結しがちなため、その他のポイントが必要になった。
「サンシャイン通り」「ジュンク堂」など、人を呼ぶスポットを増やして、
最近は、「乙女ロード」「アニメイト」が移転するなどサブカルの町としても人気。

町は変わりつづけ、それはそこに住む人々によって見守られていくことが大切と結んでいた。


パネル展示
 
太郎さんのオブジェがぶくろにもあった?!

  

 

「トキワ荘」の場所としても有名


戦時中
 
焼け跡で奮闘したスコップ/チョコレートを投げるGI


※上記の2つのギャラリーは、資料代として100円の寄付金箱の設置あり



 

このギャラリーの前で地味に並べていた古書もステキだった! とくに「紙芝居」/驚×5000

昭和12年から55年!までのが、しっかりとカラフルに残ってるってスゴイ!
「日本教育画劇」さんの製作が多いな。

話を聞いたら、紙芝居専門の画家さんがいたとか、1つの紙芝居が地方から地方へと貸し出されたため、
九州でたくさん見つかることが多いとか(戻ってはこないの?w)、

紙が貴重な時代にも関わらず、厚紙のようにしっかりしていて、
何度もめくっただろうに、これだけ残っているのにただただビックリした。
乱歩の本にも使われた「仙花紙」っていう粗悪な紙があったそう。

今でも、学校で披露したりするイベントがあるらしい。

スマホでゲームやるより、学校の勉強より、こういうお話の読み聞かせが
どれだけ子どもたちのココロを豊かにするか分からない。
もっと広まるといい活動だな。

このイベントをしていた「文生書院」さんは、店舗を持たずにネット販売をしているそう。
他にも『性文化』(畝傍書房)、『りべらる』(太虚堂書房)などなど、
古くて妖しい雑誌、『宝石』などの探偵雑誌も置いていた。



その他。

「雑誌『婦人之友』に見る市民生活」@婦人之友社・自由学園明日館
9月15日(火)~22日(火・祝)

10時~16時(入館は15時30分まで)
入館料400円


「池袋ヤミ市と戦後の復興《秋の収蔵資料展》」@豊島区立郷土資料館(豊島区立勤労福祉会館7階)

9月14日(月)~11月29日(日)
9時~16時30分 9/14~9/22は無休
(以降毎週月曜・第3日曜・祝日・10/13・11/24は休館)

蕨市立歴史民俗資料館×豊島区立郷土資料館


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少年探偵シリーズ17『悪魔人形』(ポプラ社)

2015-09-20 16:01:00 | 
■少年探偵シリーズ17『悪魔人形』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作
※notes and movies(1998.4~)からの転記。

再読。表紙の怖さもイイ。
すごいトリック、難しい本っていう小学校の時のイメージは、
今となっては子ども騙しなんだけど、懐かしさ、話の面白さはそのまま。

あらすじ(ネタバレ注意
女の子が誘拐された。
小林少年が女の子に化けて、人形じいさんの家に入り、箱に閉じ込められてしまう。

人形好きの女の子が買ったユリ子人形が宝冠を盗み、逃亡先は人形のカラクリ屋敷。
チンピラ隊や、マユミさんの活躍で、怪人二十面相を捕らえる。


人間を人形にしちゃうってところが気味悪いけど、
すり替えの単純なトリックなんだよね。

いろんな場面の断片的な記憶が混ざって、おどろおどろしいイメージが残っているのを1つ1つ解体してみたい。
他にも『恐怖新聞』やらのホラーコミック系とかも。

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少年探偵シリーズ39『死の十字路』(ポプラ社)

2015-09-20 16:00:00 | 
少年探偵シリーズ39『死の十字路』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作 1972年初版 1979年第17刷 480円
※notes and movies(1998.4~)からの転記。

再読。

あらすじ(ネタバレ注意
若社長の伊勢と恋人の晴美のもとに、大学時代、過激派だった友子がのりこみ、殺されかけて、逆に首を絞めて殺してしまう。
もうすぐ水の入るダム予定地の古井戸に埋めるため、クルマを走らせて、十字路で他のクルマと衝突。

商業画家・幸彦は、恋人・芳江との結婚を控えて、彼女の兄で売れない天才画家・良介に相談して断られ、
ケンカのはずみで頭を打った良介は、タクシーと間違えて、死体を捨てに行く途中の伊勢のクルマに乗って死亡。

2つの死体をダムに埋めて、完全犯罪とはいえ、不安におののく毎日。
人の悪い元刑事&探偵・南と明智が、次々と手がかりを追って、早速、伊勢に絞るが、
南はゆすって殺され、明智の謎解きによって、伊勢はピストル自殺、晴美は後を追って投身自殺で幕を閉じる。


殺人事件ながら、事故に近く、前途有望な若者の運命が、こうも簡単に崩れ、
追う側も、同情の念が残るというシリーズ中、異色のミステリーで、
随分惹きこまれ、読者もつい犯人に同情してしまう。

今すぐにでもドラマ化や、映画化できそう(もしかしたらすでにあるかも←あります)な、見事なプロット。
ちょっと大人向けのストーリー。

量的にもちょうど読みきりサイズだから、時間つぶしに最適。


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少年探偵シリーズ45『時計塔の秘密』(ポプラ社)

2015-09-20 15:59:00 | 
少年探偵シリーズ45『時計塔の秘密』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作
※notes and movies(1998.4~)からの転記。

再読。

あらすじ(ネタバレ注意
光雄少年の叔父・児玉氏が買い取った時計塔に住むことになる。

江戸時代、金持ちの持ち主が宝物を隠して、自ら作った迷路にハマって死に、
6年前には、そこを買い取ったおばあさんが殺され、
犯人の和田ぎん子は刑務所内で死亡といういわくつき。

光雄少年は、美女Aと会う。
ヤキモチ焼きの友だち・栄子は、Aを疑って恥をかいて失踪。
後に首なし死体で発見されるが、本人ではないと明智青年が暴く。

児玉が襲われ、疑われたAも姿を消す。

明智は捕われて、殺されかけながらも、Aは濡れ衣を晴らすために整形したぎん子で、
結婚を迫る黒川弁護士や、宝を狙う夏子、養子・正造に脅かされていることを調べる。

Aの後を追って、光雄少年と12時に開く時計塔に入り、ドキドキする宝探しをする。
金貨を見つけ、真犯人の正造(猿と戦ってショック死!?)、
正造と結婚までして、結局、Aが犯人でないと分かった栄子。
事件は解決し、児玉は、Aを養女に迎える。


イギリスのミステリー小説『幽霊塔』を、日本の小説家が翻訳してヒットしたものを
乱歩が明智の青年時代の話として再出版したという。

からくり仕掛けや、年月をかけた女の宿命など、見事なプロットで素晴らしい人間ドラマ。

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