メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドラマ『運命の人』(2012)第1~5話

2016-09-04 11:34:32 | ドラマ
ドラマ『運命の人』(2012)
原作:山崎豊子 脚本:橋本裕志

出演:

【毎朝新聞社】
弓成亮太 - 本木雅弘
弓成由里子 - 松たか子

政治部部長・司 修一 松重豊
社会部デスク・荒木 繁 杉本哲太

【読日新聞】
政治部記者・山部一雄 - 大森南朋

【政治家】
内閣総理大臣・佐橋慶作 - 北大路欣也

外務審議官・安西 傑 石橋凌
安西審議官付事務官 三木昭子 - 真木よう子
三木琢也 - 原田泰造

自由党小平派会長・小平 正良 柄本明
大蔵大臣・福出 赳雄 笹野高史

【警察】
警察庁長官・十時 正春 伊武雅刀

【法曹】
中央法律事務所所属。弓成亮太弁護団・大野木 正 柳葉敏郎
三木昭子担当弁護士・坂元 勲 吹越満
東京高等検察庁公判部検事・増見 豊 鶴見辰吾

女性人権活動家。「三木さんを守る会」代表・枝川 清美 ふせえり

弓成 正助 橋爪功
弓成由里子の従兄妹、建築家・鯉沼 玲 長谷川博己

吉田鋼太郎
大和田伸也
泉谷しげる
ほか

9.15までの「U-NEXT」シリーズ。

“原作者・山崎豊子が生前に映像化された最後の作品”(ウィキ参照

NHKスペシャル「作家 山崎豊子~戦争と人間を見つめて~」

「長谷川博己さん出演作まとめ」カテゴリーに追加しました。


次から次へと出てくる豪華な俳優陣もすごい。
でもそれ以上に惹き付けられるのは、やっぱり山崎さんの長きにわたって足で稼いだ取材に基づくドキュメンタリー要素と
脚本、展開でぐいぐい引き込まれていくストーリー

これがいまだに解決されていないんだから、どうしようもない
忘れかけられては、婦女暴行事件などで思い出される沖縄基地問題
いつまでつづくぬかるみぞ


あらすじ(ネタバレ注意

第1話 疑惑の一夜
1978年 沖縄 ボロボロの弓成亮太が過去を回顧し、海に飛び込む


「その日も沖縄の空を米軍機が飛んでいた
 その日も沖縄の海は青く澄んでいた」


1945年、第二次世界大戦末期 沖縄戦では20万人が犠牲になり、米軍による婦女暴行事件に泣き寝入り状態
祖国、日本への返還は悲願だった

1971年 東京 サハシ総理は「ついに来年、核抜き条件で沖縄県になる」と発表
毎朝新聞記者・弓成亮太は“毎朝にユミナリあり”と言われる花形記者
彼のライバルは、同じく基地削減に迫る読日新聞記者・山部



親しい外務省・安西に「ほとんどの基地は残すんじゃないんですか?」とユミナリ
極秘資料を見つけるユミナリ 安西がわざと置いたか

 

社会部は殺人事件で大騒ぎだが、
ユミナリが戻り「1面あけてもらいますよ」

政府内文書の中身は、日本政府がアメリカ政府に提案する米軍基地返還リスト案
リストAは復帰時点で返還を求める基地31箇所
リストBは復帰後数年で返還を求める基地18箇所
リストCは米軍に長期使用を認める基地85箇所



大スクープを祝って派手な打ち上げをし、後輩に記者のなんたるかを説くユミナリ

新聞記者でもっとも大事な原則は情報源を守ることだ
 山部は違う あいつは政界に食い込んで、政治そのものを動かしたいんだ
 スクープの極意は、問題意識を持ってアンテナを張るだけだ
 聞いたことを書くだけなら単なる文屋だとなめられて終わりだ」

ユミナリの妻ユリコはスクープ記事を切り抜いてスクラップしている(豪邸に住んでるなあ
2人の息子に「ごめんな、ずっと野球の相手もしてやれないな」

ユミナリは給料をほとんど同僚や仕事に使ってしまうため、
実家・北九州で青果店を営む父から月々生活費が送られてくる

政治家・田淵から届いた菓子折りの下にワイロ
次期選挙に批判記事を書くなという意味で、送り返す



自由党の小平会長を「おとうちゃん」と呼び親しくしているユミナリ
「せっかくの切り札を安売りしたな 返還リストそのものを載せなかったのが失敗だ
 政府側のリストだという証拠がなければ憶測だと逃げられる サハシならどんな記事ももみ消してくる


「軍用地復元補償費」


アメリカが使用をやめた軍用地(沖縄住民が先祖代々から受け継いだ土地)を返すには
元通りの宅地や農地に復元する費用をアメリカが支払うことになっているが
1961年以降、交渉は一向に進まず、公にもされない 出し渋りではと問題になっている

また安西に「アメリカが払う費用を日本がコッソリ肩代わりするのでは?」と突っ込むユミナリ

安西付きの事務官・三木は外交の極秘文書を見せる
 


販売部長からは「かたい記事を読む客ばかりじゃない」と釘を刺される

上司・司からは「私は安保の時、警察ににらまれて家族まで調べられた」と警告される


「時代も状況も違います」
「甘くみるな」
「それじゃ新聞記者をやってる意味がありません!」


安西に断られた高級レストランに、三木と山本を誘う

「私みたいな事務官は雑用係にしか見てないんです
 夫もそう 病気になってから、プライドばかり高くて」
と意味ありげに愚痴る

「オレの記事で日本の未来だって変えられると思っているんだ」

山本が来られない ストの影響で車が動かない、雨の夜
「社に戻る」というユミナリに、三木は雨の中追う
「もう少し飲みませんか?」

(こんな完璧な奥さんがいても、簡単に浮気?

なにかいつもと違うとピンときたユリコ(女の勘は超能力に近いからねえ


翌朝は自由党のゴルフ接待
山部はワイロを「足りないからもっとよこせと言ったら酒の席に誘われた」と言い、先を越されると焦るユミナリ

「祖父の13回忌は最後の集まりだから必ず来て欲しい」と念を押したのに来ないユミナリ
母「家庭を犠牲にしてる あの人の向こうっ気の強さが心配なのよ」



ロンドンでホテル建築に着手している従兄妹・レイ(長谷川)はユカリを気遣う
父は病気「ほんとは母さんはレイくんに嫁がせたかったんだ」


ユミナリのプロポーズを思い出すユカリ

オレが14歳の時、敗戦になってすべてがひっくり返った
 戦争賛美し、軍と国民を騙し続けていた
 それを信じた多くの国民が戦争で犠牲になったんだ


 国が本当のことを言うとは限らない いつの時代も犠牲になるのは国民だ
 国のまやかしを暴いて真実を伝えることが世の中を変えることだ
 オレは新聞記者が天職だと思ってる 君の支えが必要なんだ そばにいて全うさせてほしい」


食事のお礼だと極秘文書のコピーを渡す三木
「あなたの力になりたいんです」



1971年 パリ会談


アメリカが自発的に払うと見せかけて、日本が肩代わりする一筆が欲しいと要請されるサハシ
それが公になれば世界から叩かれるのは必至

「やむを得ない 沖縄返還のための苦渋の選択だ」
「沖縄返還のために、我々は墓場までもっていく秘密を背負うことになりそうです」

会見では「自発的に払う」と発表
予感通り、返還協定文の草案全文を山部(田淵とコネがある)に先に抜かれた



弓成「しがらみに縛られて筆が鈍ったか」
山部「どっちのやり方が結果を出すか、とことんやってみるか?」


朝刊にショックを受ける三木
妻の動向を逐一チェックしている夫タクヤ
「外務省に入れたのは誰のおかげだと思っているんだ!」

三木から電話があり、妻との久々のランチの約束を破って会う約束をする
妻を見かける三木

春日の事務所で会う2人

不公表書簡? これをオレに渡して大丈夫なのか?」
「私はユミナリさんに負けてほしくないんです」
「君のことは必ず守る」
「この手で未来を変えてください」

 


調印式
 
涙する総理(これも演技か

「戦勝国と敗戦国、もともとそういう関係だ」

山部は小平にも接待する
「日本を強くして、アメリカと対等な関係を築きたい
 それにはそれなりの総理を据えなければなりません」

ユ「我々にはあの涙の裏を暴く使命がある
  やはり日米政府の密約が存在していました ものすごい爆弾を手に入れました」

この文書がそれぞれの運命を変えることになる



第2話 漏れた秘密
密約の電子文をそのまま載せたらネタ元がバレる
「この記事でサハシ政権を必ず追い詰めてみせますよ」

野党のプリンスと呼ばれる横溝議員が会いたいと言ってくる


夫の書類を整理していて、極秘文書を見てしまうユリコ

内閣改造があり、福出を外務大臣に抜擢するサハシ

福出「外交機密は国家機密である」

小平「サハシは福出を次期総理にしたい意向だろう 密約には深く関わらないほうがいい」

三木は、情報統制で焼却文書を処分する前にコピって、また春日事務所でユミナリに渡す
三木「何もなきゃ会うこともできないでしょ?」


横溝と会うユミナリ
これまでの沖縄に関する記事をすべてスクラップしている(このスクラップブックこんな昔からあるんだ/驚

「物証を掴んでいるのでは? 証拠を渡してくれれば国会に出します
 あなたの本当の目的は、日本政府に切り捨てられてきた沖縄の未来を変えることじゃないんですか?」


1971年12月の国会で横溝議員は沖縄問題を追及
「文書はございません」

総理から「横溝に注意してくれ」と頼まれる警察庁長官・十時。見返りは政界入り


ユミナリは、永田町のキャップを任され、山部も同じポストに栄転

妻にxmasプレゼントすると「なにかやましいことでもあるのかと勘ぐっちゃいますよ」
妻には真珠のネックレス「今までありがとう」
三木にはスカーフ(同じ店で買ったの? 愛情が憎しみに変わらない?


1972年 密約は闇に葬られようとしていた
横溝(元弁護士)から何度も電話があり、詳細を把握するためにも、文書が欲しいという
「今が最後のチャンスなんです!」

山部からもサハシ退陣前に自分に預からせてくれという 小平は田淵側に立つ
「オレは政局には乗らない!」


新聞社前に来る三木
「手ぶらでごめんなさい もう私は必要のない人間だから避けているんですよね
 未来は変えられません あなたも私も何も変えられてないじゃないですか」
「君に話しておきたいことがある 君への感謝は忘れない」
「さよなら」


沖縄予算審議は明日で終わる
文書を横溝に渡す決心するユミナリ

横溝は国会で発表「文書はあったんです!」
福出「裏取引はない」

「総理は金で沖縄を買ったのか!」
総理もとぼけて頭に血がのぼった横溝は、文書を公に取り出してしまう

弓成「照合されたら情報源が特定されてしまう」

「そこから様々な歯車が狂い始めていった」



第3話 裏切りの代償
外務省内からの機密漏れと分かる
総理「どんなことをしても流出元を探しあてろ」

文書の写真が新聞各社にも流れる


証拠になる文書の受渡簿を焼く三木(どんだけ焼いてきたんだろ


社内でも三木を守るためにシラを切るユミナリ
ユリコは、以前夫の机上で見た文書だと分かる

安西に火がつく 予算審議は中断


山部「情報源(三木)がお前を悪人に仕立てる可能性もあるぞ」

調査される三木ら
「昨年の受渡簿の5、6月がないのはどういうことだ!」
「山本さんが焼いてしまったのでは」となすりつける三木

横溝に会うユミナリ「総理を退陣に追い込めば大丈夫です」
それを見張る警察官(十時の部下か?

ユミナリは主筆・久留に問い詰められるがあくまでシラを切る
久留「彼をあんな風にしたのは、彼を頼りすぎた君たち上司じゃないのかね?」


三木「外務省は犯人探しで大変なんです 私、焼却したから余計疑われて このままじゃタダじゃ済まない」
ユ「サハシ政権が倒れるまでの辛抱だ」
三木「自分のことは自分で決めます!」

夫に電話を聞かれる
「まさかお前が機密漏えいに関係していたとはな
 お前は記者に騙されて利用された お前の犯した大罪は国家機密の漏洩という大罪なんだぞ!


夜中に小平のもとへ行き「退陣要求を突きつけてくれ」と頼む
小平「お前は三流の記者だ! 君には失望した」


三木は安西に事実を話し、退職届けを出す
「紙切れ1枚で済むと思っているのか?!
 まさかユミナリくんにこんな目に遭わされるとはな・・・」

福出「これは倒閣運動とみて間違いないでしょう」
十時「場合によっては政府と新聞の全面戦争となりますな」


強行採決で予算案は通過する
山部「三木の退職が決まった」
安西は、次官昇進を目前に更迭された


「ユミナリを重要参考人として出頭させるよう連絡がきた」
三木も出頭

「新聞社へのガサ入れにもつながる」
上司らにようやく白状して、高槻弁護士ら弁護士団をつける準備をする
「私が出頭することで三木さんを守れるなら行きます 事情話してすぐ戻る」


ユミナリを尋問するのにやけに奥まった場所へ連れていく(警察に政治の息がかかってちゃねえ

「文書をどこで入手したんですか?
 強引に頼まれて仕方なく渡してしまったと三木は言っているぞ」

逮捕状を執行されるユミナリ
常識ではあり得ない国家権力による不法逮捕だった





第4話 暴かれた関係
何を言われても黙秘権を行使するユミナリは、名前ではなく144番と呼ばれて拘留される
身体調べるのに服を全部脱がされる「四つんばいで尻の穴まで調べられないだけ有難く思え」
(こんな狭い地下耐えられない・・・

司からユリコに「ご主人が逮捕されました これは政府が仕組んだ不法逮捕です 家宅捜索に備えてください」
沖縄問題に関する資料を妹の焼却炉で燃やしてもらい、
「2人の息子も預かって 子どもにはニュースを見せないで パパは急な出張だといって」と頼む

入れ替わりに警察が来て家宅捜索で台所まで調べる
玄関にはもう記者が集まっている
刑事「あなたのご主人がいつもやっていることじゃないですか」


見せしめの政治逮捕をどう対処するか会議する上司、同僚ら

「アメリカで秘密文書をすっぱ抜いて訴訟を起こされた時、
  国家機密よりも“国民の知る権利のほうが重要だ”と大キャンペーンを展開したのを覚えてるか?
  それがベトナム戦争の実態を知った国民に圧倒的に支持されて連邦裁も却下し、
  国民の知る権利を支持して、新聞人に勇気を与えた
  我々には報道の自由を守る責務があります」


他の新聞社も絶賛してくれた


山部も来て、三木をとりこむしかないと説得するが、夫は坂元弁護士をたてて妻を守るという


48時間調べられた後、東京地検に送られたユミナリ
父からの仕送りも小平とのワイロと疑われる

三木は坂元と会う
「無罪を勝ち取るのはきわめて難しい ユミナリにそそのかされたと説明したほうがいい
 あなたは、加害者でもあり、被害者でもある あなたの敵は警察ではなくユミナリ記者です」
と揺さぶる


福出も叩かれている
田淵「まとまった票が欲しい」と曽根川に働きかけるよう山部に言う


「販売部は部数の心配をしなきゃならない 月300円 売る権利も知らんで何が知る権利だ!」

山部「向こうはなにか隠し玉を握っているのかもしれません」

警察は、三木とユミナリに「ホテルOHZAN」のマッチ箱を見せる


マサキ検事は山部に
「君はイギリスに“クリーンハンドの原則”があるのを知ってるか?
 人を裁く者は自分の手がキレイでなければならないという戒めだ 毎朝新聞の手が汚れていたらどうする?」

突然、早期釈放されるユミナリ これも異例のこと
取材が殺到するだろうからしばらくはユミナリはホテルに泊まるようユカリに言う司
(キチンと化粧し直していくなんて女性らしいというか、愛してるんだな


記者会見では、三木の釈放を求めるが無視され、政治のことばかりが取り沙汰される

「まず、間違えないでいただきたいのは、これは外務省機密漏えい事件ではなく、沖縄返還密約事件だということです
 うやむやにするために政府はすり替えようっとしている」


サハシ「国家機密より国民の知る権利が常に優先されるなら、外交は破綻する」


疲れきって眠る夫に判然としないユカリは車内で泣く

三木はユミナリの釈放を知り、6日後、体調を崩したとして病院に行く
「とにかくユミナリ記者が約束を守ってくれなかったのは残念です」

地検で起訴状が発表され「機密漏えい事件 密かに情を通じ、企てた」
六本木のホテル「王山」が隠し玉だった

“密かに情を通じ”という言葉は、知る権利キャンペーンで盛り上がった世論を一変させた



第5話 引き裂かれた家族


三木もユミナリも情事を認めたため留置所から出られたと分かり、さすがに社長も激怒する
「下劣極まりない表現だ!」


ユリコのもとに週刊誌などから電話が殺到する

ユミナリは休職処分
ユ「沖縄問題のこの時期に、書くことが出来ないのは、厳しすぎる処分です!」
社長「世論と読者を納得させるためにはやむを得ない」
司「今背負っている使命は、国民の知る権利を守る裁判に勝つことだ ここは一緒に耐え忍ぼう」

読者から抗議の電話と、解約の電話が殺到
ユ「たしかに男女関係はあった だがそれで情報を漏らしたわけではない」

家に戻るユミナリ ユリコは子どもとフサコのところに行くという
「しばらくこの家には戻らないかもしれません」


(知る権利からスキャンダルって、国民はスキャンダルのほうが好きなのでは?


枝川清美は「三木の権利を守る」とテレビで発表


山部「マスコミってのはそんなもんだ」
ユ「あれは警察のでっち上げだよ 引き留めたのは彼女のほうだった」
山部「起訴状に書いてあるかぎりは、警察にそそのかされたか、お前に恨みを抱いていたか」

あのストの雨の夜の後か?

三木「あなたは奥様を愛していらっしゃる この先私だけが惨めな思いをするのは嫌」

ユ「文書が2人をつなぐ絆だと考えていたのかもしれない
  突き詰めればオレは彼女の気持ちを利用したのかもしれない」
(敏腕記者なら、そんなこと最初から分かるだろうけど

山部「“私を散々弄んだ後、ホテルに文書をもってこないと、夫に関係をバラすと脅された”と三木は言ったそうだ
   裁判では三木と徹底的に戦うべきだ でないとお前がヤラれる」

三木は夫が病院に行く時間に着替えを取りに来るが、見つかる
「何回寝た?!」(完全にDVだよ

坂元の用意した河合ハイツに住み、当座は坂元の弁護士事務所で働くことになる三木
三木「主人と離れられたことだけが唯一の私の救いですから」
坂元「我々は国家権力を味方につけてるも同然です どんな弁護士がきても負けはありません」



息子まで「週刊潮流」の鳥井に取材される
ヒーローのように助ける長谷川さん(レイ

 

「あの人は“すまない”のひと言だけで何もゆってくれないの」

「結婚に反対した時“何があってもリョウタさんを守る”と言われて、
 悔しいけど、僕は諦めるしかなかった
 あの時の覚悟が本当なら今こそ支える時なのかもしれないよ」


司は高槻の紹介で、表現の自由を掲げている大野木弁護士を紹介され「弁護団に加わって欲しい」と頼む

「その前に毎朝の覚悟を聞かせてください 本気で戦う気がなければ勝てません 私も権力の横暴は許せません」


サハシは、沖縄返還式典を花道に勇退を考えている
山部は田淵と小平のところに曽根川を連れて来る

ユリコは子どものために家に戻る



「沖縄復帰記念式典」で再び涙を拭く総理。その後、サハシは引退表明する

「新聞じゃない、テレビに話したい 偏向的な新聞は大嫌いだ」

記者は全員帰り、1人でテレビ会見する
続く自由党総裁には福出ではなく、田淵が立つ

 

ユカリにあたるユミナリ
「子どもたちもユミナリの姓がついて回るかぎり、人生の節目でその都度詮索されるだろう
 だったら離婚して姓を戻したほうがよほど将来のためだ」


「ケンカしないで 離婚だなんて絶対ヤダ」と泣く子ども


実家に帰ると母親からは
父親が犯罪者じゃ、子どもが学校でイジメられるわよ!
 そもそも総理批判なんてするからいけないのよ。おまけにあんな女性問題まで
 私だって息をひそめて暮らしてきたのよ!」と泣かれる

(一族って・・・一番、娘の味方になってあげなきゃならない親が、結局、自分が傷ついたことが言いたいんだ
 母親って「心配だ」と言いつつ、一番傷つくことを言っちゃうんだよね 感情優先で
 自分の娘より、テレビや週刊誌を信じてるし

ずっと味方だった父も「もう意地を張るのはもう十分だ 子どもを連れてこの家に戻ってきなさい」


大野木「これはあなた一人の問題じゃない 我々弁護団は、国家の欺瞞と戦うために立ち上がったんです
    あなたのこれまでの仕事を拝見し、権力にひるまず書き続ける姿勢はどこから来てるんですか?」

ユ「やはり戦争の影響が大きいのかもしれません 当時の新聞は政府の弾圧を恐れて、軍の発表を鵜呑みにし
  国民は戦争を必死で支持した その一番の犠牲が沖縄です 大野木さんはなぜ弁護士に?」

「私が子どもの頃、大蔵省の銀行課長だった父が贈収賄事件で逮捕された 完全な冤罪でした
 弁護士を目指したのは冤罪の人に尽くしたいから
 ユミナリさんが勝つことが国の未来を変えることにつながり、さらに迷惑をかけた方々への贖罪にもなる」

「たしかに見失っていたのかもしれません 今までも、これからも私が戦う相手は同じなんですよね
 腹が決まりました。胸を張って堂々と知る権利と国家機密という本質論で戦いたい
 しかし三木さんを追い詰めるようなことはしたくない
 ようやく視界が開けた気がします」




坂元「あなたが法廷の同情をひけるかがカギです あなたはか弱き犠牲者です
   ユミナリ記者に勝つには、あなたに女優になってもらう必要があります」


山部は司に
「坂元が警察出身で、十時とも親しく交流していた時期があったそうです
 虚偽の証言を引き出すのに坂元が一役買ったことは否定できません 大変な裁判になりそうですね」

坂元に渡されたセリフを練習する三木

「傍聴席の好奇の目に晒されながら、私たちは被告席に並んで立たされた
 それは、それ以上ない拷問であり、過酷な戦いのはじまりだった」




コメント

ドラマ『運命の人』(2012)第6~第9話

2016-09-04 11:33:32 | ドラマ
ドラマ『運命の人』(2012)
原作:山崎豊子 脚本:橋本裕志

ドラマ『運命の人』(2012)第1~5話はこちら

「長谷川博己さん出演作まとめ」カテゴリーに追加しました。


第6話 “女”の復讐

「戦う相手は国家権力だけではなかった」

まず三木へのお詫びから始めるユミナリ
「情報源を守れなかったことを反省するが、利用する目的で接近してはいない
 そそのかしたことが争点ではなく、裁かれるべきは国民を欺いたサハシ政権であるはずです」

三木は“極度の緊張状態”のため、メモを読み上げることを許可される
「起訴状に記載の事実はその通り間違いありません 世間が私を忘れ去ってくれることを望みます」


男女関係を印象づけられた形となるが、大野木は政治問題から始めて仕切り直す

十時「裁判は我々にお任せください」
サハシ「沖縄返還に一点の曇りも許されない事情ができた」

坂元「これ以上プライバシーの侵害に女性として耐えられないため、
   有罪・無罪に関わらず本件から解放されることを願っております」

三木は、第二回以降の不出頭の許可を願い出て認められ、裁判は坂元らに託される

ワイドショーでは、すっかり三木に同情報道

タクヤに鳥井が近づく「タクヤさんから世に問いませんか?」


(泰三さんの怪演、いい仕事してるなあ

 

坂元の妻・チエコは三木に
「好きになった男に利用されて、その復讐のために戦ってるんですものねえ あなたはユミナリ記者が好きなのよ」

公判2回目。
坂元「散々酔わせて、“今日は生理だから帰りたい”と懇願したが、“そんなことはどうでもいい”と、被告ユミナリに思いを遂げられた」

大野木は、刑事事件では極めて異例の冒頭陳述を行う
改めて男女問題じゃなく、国家機密の問題に戻し、
「このままでは言論の自由は失われ、民主政治が成立しない」と説く


次回はついに政治家・吉田が登壇する

安西が酒浸りと知り、謝罪に行くユミナリ
「今回のことは本当に沖縄の人を思ってやったのか?」
「私は日本の未来のために選択して、安西さんとの長年の友情を汚すことは一切しておりません!」
「帰ってくれんね」


山部「鳥井は坂元とつるんでる噂がある サハシ前総理のシッポを掴んでやるよ
   オレはあの女は念入りに仕込まれた芝居のような気がしてならない」

ユ「たとえそうだとしても、それで彼女が楽になれるなら仕方ない
  彼女と出会っていなかったら密約を明らかには出来なかった
  記者としてはむしろ彼女に感謝してるんだ」
(そういうことを奥さんにも言えばいいのに


学校で父を冒涜して怪我した子どもは「ハレンチ記者!」と叫ぶ(子は親を見て育つってね


三木はユミナリとの夜を思い出す



週刊潮流の松中は「真相を三木さんから直接聞きたい」と事務所を訪ねてくる


三木「松中さんは他の記者とは違いますね」と電話のメモを渡す


実家の父に会いに行くユミナリ(リョウタの両親は理解が深いなあ

ユリコ「あの人は逃げたんです 私たちからも、裁判からも」

大野木
「裁判から逃げれば新聞記者に戻ることはできない
 恐らくご主人は事件に巻き込んでしまった方々への罪悪感で身を切られる思いなんでしょう
 記者として何も出来ないはがゆさにも苦しんでいる
 夫婦としてこれ以上ムリというなら、同志として支えることは出来ませんか?」

またレイが来る
「僕は後悔してるんだ 半年前に“こんな時こそ夫を支えるべきだ”と言ったこと
 これからは自分が幸せになる道を探してもバチは当たらないと思うよ」


事務所を抜けて松中と会う三木
ヤバイ、ジャニスの♪Summertime が流れてる

競馬でヒマを潰すユミナリのもとに、ユリコが来て、山部の伝言を伝える

「安西さんは、小平のお陰でアメリカ大使に復活した
 外務省の人間は守られるが、あなたは自らの力で自分を守るしかない、とも言われた
 東京へ戻りましょう 私はあなたに新聞記者であってほしい 子どももそう信じている」





第7話 衝撃の判決 明暗を分けた結末!!
国会で虚偽答弁を続けた吉田が裁判に立つ
ここでも極秘文書を出すと、「途中経過だった」と言い逃れるが、パリ会談の文章にも途中経過が書いてあることを指摘される
「私の能力上の問題です」(ウソバレバレ

タクヤ「アキコともう一度やり直したい」
坂元「引き裂かれた夫婦でいたほうが世論の同情も得やすいですから」

松中「私はあなたの味方です」

(アキコはイケメン記者に弱いのか?


1973年
ユリコの両親に謝罪に行くユミナリだが、義母はレイ推し レイはユリコが心配だから東京で仕事している
母はユリコに「リョウタさんに裏切られたことは、裁判に勝ったとしてもずっとあなたの中でくすぶり続けるのよ」

証人尋問に出る山部

「日中の国交交渉の賠償額を記事にして起訴はされなかった
 新聞記者は正しい情報を得るために常に相手をそそのかしており、そそのかしなしに取材など成立しません
 これが罪になるなら、あらゆる報道関係者が刑務所に入らねばなりません
 そして政府は、悪事すらも機密として隠蔽して構わないことになり、民主政治は崩壊します」


サハシにノーベル平和賞が与えられると聞いてショックを受けるユミナリ
山部「これはお前が追うべきネタだ あの女に勝たなきゃ不利になる」

坂元「そそのかし罪を成立させるためには、“どちらが先にパンツを脱いだのか”ということが重要なんです
   シャワーを先に浴びたのはどちらですか?」
(バカみたい・・・

三木はまた松中と会う
松中「19歳で歳の離れたタクヤさんに嫁いだあなたにとって、
   本当に好きになったのはユミナリさんが初めてだったのでは? あなたはまだ若い この先まだやり直せます」
「松中さんは裏切りませんよね?」


被告人の最終質疑に立ち会いたいと言うユカリ
「弓成は、負ければ記者をやめるつもりです それは私にとっても敗北」


<被告人最終質問>
機密文書を受け取った経緯を話すユミナリ
三木の意思で文書を渡したという証言にタカシが激怒する

早速“そそのかし”の質問が始まる
脅したことはないが、提示できる証拠もなく、あくまで三木をかばう

休廷となり、沈むユリコに抜群のタイミングで声をかけるレイ


ユリコからネクタイを渡される大野木
一方的ではなかったと証明できる物証になる

「シャワーをどちらが先に浴びたか」(出た
「先にユミナリ記者が浴び、その後強要された」

「なぜ食事を避けなかったのか、バーに立ち寄ったのはなぜか」
「ストを待つため仕方なく」

「シャワーの間に逃げることもできた 合意ではなかったか?」
「主人に言うと脅されたから」

「好意を表現したことはない 贈り物は?」
「ない 私は怖かった」

物証を出すなとサインを送るユミナリ
ネクタイはユリコに返す ユリコの首には真珠のネックレス



ユリコ「私、あの女に負けたくないの」
レイ「ズルいよな ユリちゃんをこんなに苦しませて でも、こんなに想われてる」

三木「裁判て結局、罪のなすり合いなんですね この裁判ですべて決着させたい」

小野木「密約については100%勝てるが、政府の威信がかかってるから、控訴されるだろう」
社長「一審の判決でユミナリの進退を考える」
ユ「無罪なら、記者であり続けたい なによりユリコに申し訳が立ちません!」


判決の日。
三木 懲役6ヶ月 執行猶予1年間
ユミナリは、無罪

「判決は2人の明暗を分け、新たな引き金となった」



第8話 逆転判決!? 暴走する女の執念
ユ「春休みに新婚旅行で行った日光に家族で行かないか 家族の新しい門出にしたい」

週刊潮流に三木の憎悪に満ちた手記が載る

(愛情と憎しみは裏表だな

また毎朝には苦情の電話が殺到

検察は控訴を申し立てる


社長「部数は落ちる一方だ ユミナリが次の控訴審で無罪を勝ち得たら記者に戻すのがギリギリの決断だ」
山部「新聞に出せないなら、本を書く手もあるぞ 密約隠しは続いている」


1974年
ユリコは父の看病で実家通いとなる
「大学に行きたいと言った時も、働きたいと言った時も、“女は家にいるべきだ”と言ったのも後悔しているよ」

三木はテレビのワイドショーにも出る

長男「僕らは大体のことは分かっているから平気だよ」
次男「あの女は嘘つきだから有罪になって、パパは正しいから無罪になったんだよね」

ユミナリが義父の見舞いにいくと「ユリコと早く別れてやってください!」と泣く母親

レイはユミナリに
「ユリちゃんは、あの週刊誌以来、眠れず睡眠薬を処方してもらっている 長男もイジメられて野球部をやめた
 あなたがユリちゃんと向き合うことを避けてきたからじゃないですか? 家族を救うのに何の決心がいりますか?」
ユ「君は正直な男だな」

「しばらく一人で考えたい」と実家に帰るユミナリ(親が一番の味方なんだな
「ユリコとはもういけんかもしれん」


半年後。
ユミナリは本の執筆に没頭する
控訴審の打ち合わせの日に自宅に戻るとレイがいる

母「お父さんは肝臓が悪くて、長くない 青果を継いでほしいと思ってる」
ユ「それはムリっちゃ オレは記者やけん」

ユリコは就活をするが「38歳ですか 勤務経験もない」と面接で厳しく言われる

リョウタ「子どもたちのためにも俺たちは別れたほうがいい 君も今なら別の生き方が見つかるだろう」

ユリコ「私がずっと飲み込んできた言葉をあなたが言い出すんですか?
    今さら別の生き方って、私の2年間は何だったんですか?
    別れる、別れないの権利ぐらい私にあっていいんじゃないでしょうか?!」

三木は、夫と一緒にテレビ出演て・・・

坂元「奥さんは離婚を望んでいます ここ数年あなたから逃げることばかり考えていたそうです」
離婚届けを突きつける「あちら(弓成夫婦)もそう長くはないと思いますよ」



早速金絡みで失脚か

1975年 サハシはノーベル賞受賞


ユ「ノーベル賞を金で買ったという声もある 密約の免罪符ではない!」
サハシ「君が何を書こうが勝負はもうついた」

三木「検事さんは私を利用したいだけでしょ? 私の唯一の望みは、ユミナリさんに私とおんなじ絶望を味わせることです
   必ず有罪にしてください」


山部からサハシが急死したと電話が入る

ユ「じゃあ、オレの原稿はどうなるんだ!!」

最大の敵を失ったショックを胸に控訴に向かう
三木の朗読調書を読む 離婚協議中で事務職に就いている、とまた男女関係のそそのかしに戻る



控訴審は結審
山部「司法の良識を信じよう」


1976年 控訴審の判決
ユミナリは、懲役4ヶ月 1年間の猶予

「予期せぬ逆転判決だった」



第9話 終幕へ-下される最後の審判


「最高裁で勝つまで待てない」という社長
大野木「私が全力を尽くします」

ユリコはピアノ教室をはじめる

タクヤもユミナリを提訴するつもりだという
三木「今更何をつなぎ止めようとされてるんですか?」

次男が記者になりたいというと、長男は「1年以上家を空ける人を家族とは思ってないよ!」


リョウタの父が危篤 青果業は、土地もすべて売り払って苦しい経営を強いられていた
「裁判は無罪だった」とウソをつくと
「お前は日本一の新聞記者だ ユリコさんのお陰だ 大切にしろよ」といって父は亡くなる

「おやじに無罪って言ったのを本当にしないとな
 弓成青果を再建し、最高裁で勝って、記者に戻りたい
 君が他の道を歩みたいなら尊重したいつもりでいる」

しかし、リョウタは事件のことで周囲の信用を得られない
再建は進まず、長男は高校をやめたいと言い出し、レイは一緒にボストンに行くよう薦める
「一緒に来ないか? もう君だけの人生を考える時なんじゃないか? 僕はユリちゃんを幸せにする自信がある」



ミカンづくりを手伝うリョウタ 田淵はロッキード事件で起訴される
ユ「なんしとるんやろなオレは こんな時、ミカンやカボチャの心配って・・・」
「その程度の気持ちなら辞めてもらっていいですよ お父さんは体張ってた みんな若さんのこと頼りにしてるんですよ」

「ウチのミカンはあんたに頼む」とやっと説き伏せるユミナリ

山部は三木に

「真実は機密文書を使ってユミナリをつなぎとめようとした
 君は坂元弁護士らの筋書きに乗せられたんだ
 真実はいつか掘り返されるものだ
 自分から明かすことが自分を救う 何が救いなのか真剣に考えたほうがいい」


大野木弁護士に会いに自宅に戻るリョウタは、レイと会い、長男のボストン留学の件を聞く
長男「逃げ出すわけじゃないよ 僕、建築家になって海外で活躍したい」
ユ「お前はお前が信じる道を行けばいい オレも信念を貫く」

タクヤが会社に来て三木だとバレる
「お願いです別れてください あなたを好きだったことなど一瞬たりともなかったわ」


最高裁に向けて、無罪キャンペーンをする毎朝新聞
山部「彼女の証言こそがすべてひっくり返せる」

ユリコに返事を求めるレイ「僕はずっと君が好きだった」
「あの人はまだ頑張り続けていて、最高裁の判決に期待してしまうんです」

ユミナリ家に来ている三木に声をかけるユリコ

三木「証言を山部に頼まれてる」
ユリコ「私からも協力をお願いします」

「私は日本中のマスコミに叩かれる あんまりに不公平ですよね」

「私は夫と別れてもいいと思っています 
 あの人が記者でいられるなら、私が妻でいられることなどどうでもいいことなんです

「私も心が決まりました やはり証言は翻しません」

三木を偶然見かけ、ありのままの気持ちを手紙に書くリョウタ

九州の暴風雨でミカン、スイカも壊滅状態となり、土地を手放し、母も親戚のもとに移る

大野木「最高裁から通知が届いた 上告棄却」

会見

大野木「これは明らかな冤罪です」

「改めて、この国で真実を追うことの難しさを痛感しました
  最高裁も密約にフタをして国家の体面を優先したのです
  私は毎朝を退職しますが、新聞の責任を考えてほしい」



司も閑職に追われたが「君は権力を恐れず戦いぬいた 私は尊敬する」

三木はまたテレビ出演
「私が受けた傷は何をもってしても償えるものではありません もう私の未来は変えられません」

ユリコに謝り、「今のオレにしてやれることはこれしかない」と離婚届けを渡す
「もうこれ以上君を犯罪者の妻として縛っておきたくはない」

毎朝は500人をクビにし、販売部長、司も一緒
「我々は国家権力に負けた 我々にも責任がある」

ユミナリは荒れ、「スケベ記者」と言われ、暴力を受ける

タクヤは三木の部屋にまで来るが部屋は空っぽ

1ヶ月後
ユリコ「あの人とはもう一生会えない気がします」


1978年
ここで冒頭の場面となる
リョウタが飛び降りるのを見ていたミチ


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ドラマ『運命の人』(2012)最終話

2016-09-04 11:32:32 | ドラマ
ドラマ『運命の人』(2012)
原作:山崎豊子 脚本:橋本裕志

ドラマ『運命の人』(2012)第1~5話はこちら
ドラマ『運命の人』(2012)第6~第9話はこちら

「長谷川博己さん出演作まとめ」カテゴリーに追加しました。


最終話 栄光と挫折~再生の物語が沖縄で遂に完結!! 40年前の真相と奇跡が招く衝撃の結末 -運命に翻弄された3人の未来とは
ユミナリが飛び降りるのを見ていたミチは泳いで助ける


5年後。
ユミナリは、ミチと同居する叔父・叔母の家に世話になり、離れで暮らす


琉球ガラス工場で働くミチ(ガラスきれい


テルヤ


「米軍がもってくるビール瓶などの空き瓶を再利用している
 アメリカ文化を琉球文化に作りかえる、ささやかな抵抗ですかね」



琉球新聞社会部記者・アキラは、米兵による強盗事件に駆けつけるが
「どうせ基地に逃げ込んで、本国送りで、被害者はまた泣き寝入りですよ!」
 

そこにユミナリがいるのを見て、「元毎朝のユミナリさんでは? ウチの新聞で書いてくれませんか?」と熱く説得する
叔父は知ってた 5年前ポケットに入ってた名詞を返し、沖縄戦のガマの写真を見せる/涙


ガマに逃げ込んだ140人中84人が死んだ 集団自決
 あまりに悲惨だったから、生き残った人間は過去にずーっとフタをしてきた 今年、東京の人がこれを撮った
 私は生き残ってしまったが、両親も自決してしまった
 私が生き残ったのは後世に伝えるのが使命なのでは
 私はあなたが書いてくれたら、ミチも過去を乗り越えてくれるような気がしてね
 あんたには知っててほしい 沖縄の本当の姿を」


 

叔父:
昭和20年4月1日 アメリカ艦隊が埋め尽くして海が黒く染まった
だが日本軍は沖縄の人間を守ろうとはしなかった 戦いを長引かせて米軍の本土上陸を1日でも遅らせる作戦に出た
沖縄住民は本土を守るための捨て石にされたのさ
私たちは死に物狂いでこのウージ(さとうきび)の中を逃げたさ

当時中学生だった叔父は、自分たちが逃げ込んだガマにユミナリを案内する




ある日、米兵に見つかり、竹やりで向かった男が機関銃で撃たれた
日本兵が「自分は中国で散々酷いことをしてきた そうなる前にみんなで死のう」と言い出した
「注射器と毒薬がある人は早く死ねていいねえ」って心底羨ましがったさ

娘に「米兵に犯されて殺されるぐらいなら、おかあの手で殺してください」と言われ、
その母親は気がふれて一族を殺そうと包丁を振り回した
それから誰かが積み上げた布団に火をつけた
「バンザーイ!」

生きたい人間は出口に殺到した
毒が入っていると言われた米軍のお菓子を食べて「アメリカは殺さないぞー!」と叫んだがガマは火の海
なぜ自分だけ生き残ったか罪悪感を感じてた みんなそうさ なんで助けてやれなかったか


ユ“私は本当の痛みを知らずにいた自分を恥じた”
闇に埋もれた歴史を自分なりに記録しようと思う

松中が久々ユリコを訪ねる 「あなた方には、三木さんを追い詰めた責任がある」
 

「彼女を本当に追い詰めたのは、この国とあなたたちじゃないですか?
 あの手記を真実だと思っているんですか? 彼女のこともそっとしておいてください」

タクヤはアキコを訪ねる
「警官と週刊誌にも利用され、私たちだけがバカをみたんだ 私のところに戻ってこないか 冗談だよ」
やっと離婚届けを渡すタクヤ

三木の母が長くないから戻ってほしいと言っていると伝えると
「故郷はとっくに捨てたんです」
タクヤは大金を渡し「家を売った一部だ 最後ぐらいカッコつけさせろ」


ユミナリは毎日、沖縄戦の話を聞くが、“ヤマトの人間だ”と避けられる
「みんな思い出すのが嫌なのさ 家族が死に、生きてる自分が後ろめたいわけさ
 ヤマトンチュウ(沖縄方言で、本土の人)はみんな知らぬふり」

ミチの事件を話す女性
ミチは、中学生の時、米兵に乱暴されて、新聞に書かれ、学校に行けなくなり、父は島を去り、母は亡くなった

「体力のいるガラス仕事で弱音を吐いたことがない
 ミチのつくるガラスは闇を光に変える力がある」

何度も通ううち、話しだす沖縄の人々

「アメリカの兵隊は怖かったが、日本の兵隊はもっと怖かったさ
 自分の居場所を確保しようとして追い出されて、叔父は殺された」


「オレの叔父はスパイと疑われ、射殺された」

「1歳の赤ん坊を抱えて壕に逃げ込んだが、泣くからと絞め殺された」

サンシンを弾いて踊りだす人々
「私は自分の過去ともう一度向き合おうと思った」と、ユリコに初めて手紙を書くリョウタ
ユリコは手紙を山部に見せる

「君は君の道を幸せに歩いてほしいと願っている
 私はずっと沖縄で暮らすことになるだろう 別れた亭主のことなど忘れて君は自由に生きてほしい」と書いてあるが

ユリコ「私は他の言葉が欲しかった」


反戦地主・島袋


貸し倉庫も滑走路も全部、先祖代々から受け継いだ大切な田んぼや畑だった
戦後、米軍が農民を追い出して、地主に払った金ははした金さ
返還後は日本政府が借地料をどんどん吊り上げて、わしらはのけ者だよ
基地が沖縄の経済を支えているという人間もいるが、基地は戦争のためのもんだ

軍用地主会・アニヤも昔は基地反対運動をしていたが、今は逆の立場
「沖縄が何を言ってもムダと政府が教えてくれた
 だったら金もらって子どもや孫にいい思いをさせたい
 私を裏切り者と言う人もいるが、私もずっと国に裏切られてきた
 国とケンカしてどうなるか一番知ってるのは君じゃないのか?」


山部が訪ねてくる
「ひどい音だ」
「操縦士が見える至近距離だ 騒音で何度も学校の授業が中断するらしい」
「だが軍隊を持てない日本は、アメリカにもってもらう必要がある」
「それを沖縄だけに押し付けていいのかって話さ」

「三木さんは今どうしてる?」(奥さんより、そっち?!)「ユリコは元気でいてくれてればいい」
離婚届けを出していないと聞くが「今更合わせる顔もない」
山部「時間はあっという間に流れるぞ」

ユミナリに妻子がいると知るミチ


ガラク教授と会う


「実際払われたのは140万ドルだけ 残りの金の行方はいまだに分からない
 私は諦めてない アメリカでなら可能性がある
 アメリカには一定期間過ぎた機密を公開する仕組みがある 取材の自由もはるかに大きい
ワシントンの大学に赴任するから、いつか朗報を届けたいという


「ガラスの個展開いてみないか」と言われたミチ
そこに煙をあげたヘリが建物に当たって爆発する
ヘリは大破し、米軍が立ち入りを禁止する

 

沖縄では一面記事でも、本土では小さい扱い
 

アキラ
現場検証もさせてもらえない なにかあると簡単に自治権を犯される、それが沖縄です
 休校の日だからよかったが、一歩間違えれば200人の死傷者が出た1985年の事故の再現でしたよ
 当時の新聞は小さい記事にしかならなかった いつでも本土では他人事です」

再びユミナリに書いてほしいと頼むアキラ
「書く資格はありません」

その後すぐ、海岸でまた米兵3人が婦女暴行事件をおこしたというニュースが飛び込んでくる
しかも被害者は小学6年生の少女


「もうガマンできない この現状を全国に訴えるべきです!」という同僚をとめるアキラ
「その子の生涯がとりかえしのつかないことになる スクープより少女を守ることが先決だ」

地元新聞は、少女に配慮し、記事は小さく書かれただけだったが、
本土のマスコミはスキャンダラスな事件を食い物にした

 



県民は各地で抗議集会を行った(今と全然変わらないんだな


読谷村の軍用地主会でも対立となる
「沖縄の経済はどうなる 基地がなくなったら住民が困る」
「金さえあれば幸せなのか!?」
(内部対立もあるのか・・・

鳥井がミチを訪ねてきて、ユミナリに気づく

ミチは中学の時、複数の米兵に暴行されたフラッシュバックに襲われ火傷を負う


ミチは自分の過去を恥だと考えて、恋愛もせず、結婚も諦めている
テルヤ「僕は本当に悔しいです あいつについててやってください 僕ではダメなんです」

ミチ:
ユミナリさんに知られたくなかった でもユミナリさんならどんな過去でも受け入れてくれると思った
あの朝、お母さんとケンカした 部活が中止になって お詫びに花あげようと思っていつもと違う道を一人で帰った
強い雨が降り出して 廃屋で雨宿りしてたら、目の前に車が停まって、とりかえしのつかないことに・・・
いつも思ってしまう あの朝ケンカしなかったら! もし部活が中止にならなかったら! もし雨が降らなかったら!

ユ「そこから時が流れて、君はこんなステキな女性になって、あんなにステキなガラス作品を作り続けていることを誇りをもつべきだ
  君がいたから今のオレがいる でも、もっと前から君を受け入れて見守っていた人もいる
  ずっとそばで見守るには、オレにはまぶしすぎるよ」

今度はミチとの抱擁場面を鳥井に撮られる


昔のことを蒸し返されるのを恐れて個展を中止にしたいというミチに

ユ「個展はやるべき 今、事件の少女を勇気づけられるのは君だけかもしれない
  同じ痛みをもつ君が立派に歩みだしている姿を見せればきっとその子の救いになる
  そして君もその子と一緒に過去を乗り越えるんだ」

「あなたは何も分かってない “汚された”“悲惨な”私の耳には事件の後に言われた言葉がまだ残ってる
 あなただってずっと過去から逃げたままじゃないですか!」

叔父:
あの日死にかけた命を救われたんだから、そろそろ腹をくくったほうがいいんじゃないか
“命(ぬち)どぅ宝”だから
命を大切にすれば、いつかチャンスが巡ってくるという意味
あんたはミチのためにも書くべきだ


ユミナリは、ついに記事を書き始める


「生き恥を晒してでも、現状を伝えたい
 沖縄は、過去も現在も悲劇であふれている
 深い悲しみの闇が果てしなく広がっている
 この痛みを沖縄だけに押し付けてはならない
 すべての日本人が沖縄の空に曇りなき日本の姿を思い重ねてほしい
 未来は私たちの手の中にある
 私なりの方法でその使命を果していきたい」


ミチは被害者少女のためにガラス器をつくり、アキラは少女を連れてきて、ミチに会わせる


「私もあなたと同じ体験をしました
 今はたくさんの仲間たちと琉球ガラスを作っています
 ガラスかごをあなたのために作ったのでもらってくれますか?」

「キレイ あなたのような大人に私もなれますか?」
「私なんかよりもっと素晴らしい人生が待っているよ」



総決起大会には、8万5千人が集まり、沖縄県知事が挨拶した

「もう基地に依存する沖縄ではいけない!」

曽根川総理に山部は「次の世代のために何をすべきか考えるのが我々の使命ではないですか?」

集会は中央各紙も大きく取り上げた


テレビに映るユミナリを見つけるユリコとアキコ
大野木も見た 琉球の記事のこともユカリに伝える

三木から山部に電話があり、「君になにかあったら力になってくれ」とリョウタのことづけを伝える

米軍のジープに轢かれそうになった少年を助けたユミナリは床に伏せる(こういう事件も多いみたいね。そして罪には問われないまま
ミチはユリコからの手紙を渡し、ユリコに電話する

三木「あの人は未来を変えると言ったんです 私にはまぶしかった 私が勝手にあの人に救いを求めただけなのに
   機密文書を渡したのもそんな勝手な思いからかもしれません
   もうないものねだりは止めます 一度北海道に帰ります
   結局人は自分の運命を引き受けて生きていくしかないのかもしれません

山部「もし運命なんてのがあるなら、君と出会って傷ついたからこそ、ユミナリは沖縄の本当の姿に向き合うことができたってことだ」


ユリコは那覇に向かう 空港で北海道に向かう三木とすれ違う(まったく逆方向だな

ユカリに岬を見せ、リョウタが身を投げたことを話すミチ

「私は怖くて飛び込めなかった それを思い出して夢中で助けた
 淡い想いももった 私と同じ傷をもつ人間だって分かっていたから
 でも、ユミナリさんの中にはいつもユリコさんがいました
 ずっと前に運命の人に巡り合えたんですね
 でも、ユミナリさんのお陰で人を愛する喜びを知りました
 私もいつか結婚して子どもを産みたいと思って 私にとっても運命の人だと思ってもいいですか?」

ユリコはミチの家に挨拶に行き、寝ている夫と再会
机上には変わらず、沖縄証言や東西冷戦などの資料が山積み

「あなたは今も新聞記者なんですね それを私はどうしてここまで放っておいてしまったんでしょうね
 あなたは弓成亮太のままでいる 私はそれですべて救われます」

息子にもしらせて「いつか一緒にお酒が飲みたい」と手紙をくれた
「今は東京に戻れない これからは沖縄の現実を本土に伝えて 今度こそこの国の未来を変えたいと思っている
 すべてはここにつながってたんじゃないかと思ってる」

「私もここに住んでみたくなりました」

「この空と海のまぶしさの裏に暗い過去が潜んでいる
 だがそれに抗うように沖縄の人は、明るく強く生きている それがなにより素晴らしく尊いと思う
 君に聴かせたい歌がある 人の気高さを教えてくれた沖縄の歌だ」


サンシンを弾いて歌うリョウタ

夏冬かわらん
 子ぬ方星がまよ(北極星のように
 ンザヌカワルガー(どこがかわるか
 曇りゃみーん(曇ることのない
 光ぬ星がまよ(光の星よ


 

教授がアメリカで密約を裏付ける文書を発見したことが新聞に載る


ユ「こんな日が来るなんてまだ信じられなくて」
ユリコ「きっとあなたが運命を引き寄せたんですね」

しかし、政府は密約を否定し続けた
かつての政治家が認めてもなお、外務省は「密約文書は存在しない」と公開を拒否



2011年 公開を求めた東京高等裁判所の裁判では、隠蔽のため処分したことは認定されるが
誰の命令かは明かされず、司法はまた外務省を守った



ユミナリ:
日本の0.6%の沖縄に今もなお、国内の米軍基地の74%を押し付けられたまま
沖縄を知れば知るほど、この国のひずみが見えてくる
沖縄の空には今日も米軍機が飛び交っている






平成28年 沖縄全戦没者追悼式@平和祈念公園


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