メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

角川映画の40年@東京国立近代美術館フィルムセンター(2016.9.17)

2016-09-18 12:25:05 | 映画
デ杯のほうも気になったけど、数日前、またウチのすぐ近所のガス管工事のつづきを今日やるってことで
騒音に耐えられないのは分かっているから、出かけることにした

工事の予定は9時~18時と書いてあったけど、実際始まったのは、私が家を出る11時頃から
なんだかんだで帰ったのは19時頃だったから、ちょうどよかったv

てか、ガス管はずーーーーーーーーっとどこまでもつながっていて、
各家庭に引いてあるから、それを全部掘り返しすって、気の遠くなるような作業じゃない?
その耐久性は何年くらい?
また似たような素材で造ったら、サビやらでまた換えなきゃならないのは非効率的すぎ




今日も予報は「曇りのち雨」だったけど、晴れ間も見えて、けっこう暑かった
連休の銀座も、みんないろんな場所に散ったのか、フィルムセンターは全然混んでいなかったしv

入り口の宣伝からすでに気になる


角川の展示は4Fで、入り口からすでに予告編の音が漏れていたけど、角川コーナーは後半からで、前半は常設展。
すっかり忘れて夢中で観てメモってたけど、あれ、これって以前見たかも・・・と途中で気づいた
まあ、何回見ても、映画の歩みの歴史は面白い

前回のメモの補足を追加します

日本映画スチル写真の美学@東京国立近代美術館フィルムセンター
スチル写真でみる日本の映画女優

●歴史
1912年に記録フィルムとして撮った「日本南極探検」で、
探検隊がペンギンを蹴ったり、アザラシを棒で打ってる映像は酷い/涙

「愛活家」
「傾向映画」次第に国の検閲を受けるようになる

小山内薫
栗原トーマス

「活弁」が日本サイレント映画の特徴
「笑の王国」古川緑波
「プロレタリア映画」

1930 サイレントからトーキーへ
「小唄映画」
「小市民映画」
「フォノフィルム」歌っている男性の口から白い息!どんだけ寒いところで歌ってたの?
「ミナ・トーキー」

「竹田人形座」この老人の操り人形は精巧にできてるなあ!
内田吐夢(宮崎吐夢さんの芸名の由来?!て思ったけど違うのね

「日本映画監督協会」設立 ロゴマークは小津さんが描いた


戦争と映画
戦時中はプロパガンダ
「映画法」が作られ、国策に利用された。歴史上の人物に似た名前を変えさせられた俳優もいる

『勝利の時まで』:「映画は文明思想戦の武器、弾丸である」
占領地でも「中華電影」など次々と映画会社を設立
李香蘭は、流暢な中国語を話し、日本人ということを隠して満州などで大人気となった

敗戦後は、娯楽となる
黒澤明の『羅生門』ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞は、戦後の人々の誇りとなった(レプリカが展示

「コニカラーシステム」
視聴覚教育にも取り入れられた

「東宝争議」
「レッドパージ」(赤狩り)

独立プロ映画運動につながる


●製作会社
向島
帝国キネマ
新興キネマ
河合映画
大都映画
松竹(蒲田)
太秦
日活

大手6社の時代の黄金時代に:松竹、東宝、大映、東映、日活、新東宝


●映画作品名
『狂った一頁』(1926)衣笠貞之助監督
『丹下左膳』
などなど


●監督
小津安二郎:若い頃の写真カッコいい!
『東京物語』の笠智衆さんの台本の書き込みも見れた!
飲み屋さんで同僚と子どもの話をしているシーン
「いやァ(と、にごして受ける)あんたんとこはいいですよ~」(あのセリフも良かったなあ!じぃ~んとする

成瀬巳喜男:セットの絵は画家だな/驚
木下惠介
円谷英二:特殊撮影『ゴジラ』のポスターあり


●人気俳優
栗原すみ子:女形から女優の起用にかわり大人気を得た
嵐寛寿郎:アラカンと呼ばれた
田中絹代 ほか


アニメーション映画
「漫画映画」と言われていた
『なまくら刀』(1917)


映写機
「アイモ撮影機」従軍カメラマンが使用したコンパクトなもの
「パテベビー」小型映画が流行した
国産映写機第1号は、1918
ナトコ映写機



角川映画の40年@東京国立近代美術館フィルムセンター
会期:2016年7月26日(火)―10月30日(日)
開館時間:11:00am-6:30pm(入室は6:00pmまで)

「角川映画40年記念企画 角川映画祭」
2016年7月30日(土)~9月2日(金)一挙上映!! (12月にもありv

【ブログ内関連記事】
『探偵物語』~「角川映画40年記念企画 角川映画祭」@角川シネマ新宿(2016.8.15)
映画『セーラー服と機関銃』(1981)@角川シネマ新宿


『本陣殺人事件』から始まった角川映画
書店から、初めて映画を手がけたのは「ATG」の『本陣殺人事件』
1970年、文庫といえば岩波、新潮、角川の3つが主流
半ば時代から忘れ去られていた横溝正史氏の作品を選び、自宅にうかがうと本人が出てきて驚いたそう
映画の撮影現場に横溝さんも訪れている

角川映画というと『犬神家の一族』から始まったイメージが強いが、まずは『本陣殺人事件』という布石があった


『犬神家の一族』


スケキヨが監督とフツーに打ち合わせしてる写真がある!
映画で金田一耕助が持ち歩いているトランクは、当時、石坂浩二の私物で、その後も映画使われている
展示されていて、外国に行ったようなステッカーが何枚も貼られていた

『人間の証明』
シナリオをプロ・アマ問わず公募するという画期的な手法をとった
西條八十の詩を聞くだけで、映画のシーンがブワァ~っと浮かんで、胸がいっぱいになる/涙

『白昼の死角』など、まだまだ観てない作品も多々あって、これからまた観ていきたい


大作志向からアイドル路線へ


『野性の証明』でデビューした薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子とともに「角川三人娘」と呼ばれる。
展示されていた当時のしおり?がウチにもあった!


『セーラー服と機関銃』
原田知世は当時14歳で、ラブシーンの撮影はムリだったため、ドラマデビューとなった


●展示品
映画、「角川三人娘」のポスター、クランクアップ写真、パンフレット、台本などなど

興味深かったのは、「原田知世のパブリシティ展開の基本的考え方」と題したプリント
『時をかける少女』で“清純”なイメージでデビューした彼女を、
将来的にどんなイメージで売り込んでいくか、大人の女性のイメージに変えていく戦略が書かれていて、
こうして俳優って作られていくんだなあとしみじみ

“薬師丸ひろ子は、『Wの悲劇』で本物の女優へとグレードアップした”から、
原田知世にも、そういった作品が必要だ、みたいなことが書かれていた

『Wの悲劇』の劇中劇の演出は、蜷川幸雄さんが手がけていて、そういえば、舞台劇が初めてと思われるひろ子ちゃんに
「もっと腹から声出して それじゃお客さんに聞こえないよ」てものすごい怒鳴ってた映像をどこかで見たことがあった

『探偵物語』の台本
たくさんト書きが書いてあるのを全部縦線で消してある
なんと、あの空港の長いキスシーンは、当初、台本にはなかった!

『愛情物語』の台本
ついに母親と再会するシーン ここはシュールで切なかったな

雑誌『バラエティ』

3人娘は、その後独立


1980 日本映画はアイドル映画+アニメ映画に偏る
『幻魔大戦』:りん・たろうさんの映画はどれも秀逸

1993 角川歴彦社長のもとに復活

1990~の「Jホラー」ブーム
『リング』『らせん』は、友だちと震えながら観に行ったけど、宣伝ほどではなかった記憶が・・・

『死国』は観てないけど栗山千明ちゃんが出てるなら気になる
ほかにも、京極夏彦原作の『嗤う伊右衛門』、『日輪の遺産』(マッカーサー役でジョン・サヴェージが出てる!!)、
『金融腐蝕列島〔呪縛〕』などなど


予告編映像
『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』『人間の証明』『幻魔大戦』
『汚れた英雄』(草刈正雄さんて、こんなにワイルド系だったの?!

延々とリピートされてて、2回も観てしまった。他にもいろいろ流せばいいのに


追。
ロビーに貼られたポスターの中にこんなの発見。ヤヴァイです・・・


弥生美術館は、有名だけどまだ行ってない。
けっこうチェックはしてるけど、夢二さんはそれほど好みではないし、
弥生美術館の企画展もイマイチ、ピンと来るものがなくて行くタイミングがなかったけど、これはイイ!

山岸凉子展 「光 -てらす-」 ―メタモルフォーゼの世界―
会期:2016年9月30日(金)~12月25日(日)
開館時間:午前10時~午後5時 (入館は4時30分までにお願いします)
休館日:月曜日 ※ただし10/10(祝月)開館、翌10/11(火)休館
料金:一般900円/大・高生800円/中・小生400円(竹久夢二美術館もご覧いただけます)




ついでの用事があって、有楽町駅まで歩いて行く途中、沖縄のアンテナショップがあって、つい入り、
黒糖菓子や、サーターアンダギー(黒糖、プレーン、紅茶味)などを買ったv

 



その後、ルミネ内の成城石井でもお買い物




今日もいっぱい歩きました



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『ふくろうの本 図説 チベット歴史紀行』(河出書房新社)

2016-09-18 12:24:05 | 
『ふくろうの本 図説 チベット歴史紀行』(河出書房新社)
石濱裕美子/著 永橋和雄/写真 初版1999年 1800円

※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

私がパステルで何気に描いたポールのようなものは、仏教徒のシンボルの「タルポチェ」ってやつだろうか?

チベットの年代記と『王統明示鏡』は、日本の神話に近いが、それなりに歴史的事実も含まれていて面白い。

統治者がいなかったため、中国、イギリス、インドなどの支配、影響は今も続いているが、
複雑な国情にあっても、チベット仏教の厚い信仰者である
民衆の団結力、文化の高度な質と美しさは誰も冒せなかった

数多い興味深い逸話も、読んだ日が経ってしまって記憶が薄いのが残念


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『世界の子どもたち 24 タイ マナと緑の大地』(偕成社)

2016-09-18 12:23:05 | 
『世界の子どもたち 24 タイ マナと緑の大地』(偕成社)
折原恵/写真・文 初版1988年 1442円

※2001.8~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

気候:6~10月は雨季 11~12月は乾季
平均気温:27度 4月が最も暑く40度!
言語:タイ語
タイ人:90%
宗教:小乗仏教
通貨:1バーツ=約6円
経済:中国の華僑が中心 貧富の差が大きい
輸出入の相手:主に日本 企業も多く入っている
農業:7割

歴史:
1C 中国のタイ族が南下
1238 スコータイ王朝を統一
17C ラマ1世が首都をバンコクにして、現在のチャクリ王朝を成立
1896 独立宣言
1932 王族専制政治→新政府タイになる



本書の主人公のマナは、小さな村にいながらきちんとした義務教育を受け、
母なるメナム川ほか多くの大自然の中で、自分たちで遊び道具を作って遊んだり、
早起きして家の手伝いをしたりして偉い!

着ているTシャツはボロボロだけど、自分で繕いも出来るし

母は、朝早く市場に果物を売りに行き、父は畑仕事 食事は両親で作っている

高床式住居で、洗い物の水を直接下に落としても、台所洗剤や漂白剤なんて使っていないから全然平気なんだ


こうしたアジアの国々を見ていると“豊かさ”について本当に考えさせられる

「ウチに余っている衣類を送ってあげたい」と思う一方で
「シャツなんかどうでも、私たちよりずっと幸せで、満足しているのかも」という複雑な心境になる

友だちが暮らす首都バンコクは、また全然違うんだろうな。


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『五番目のサリー』(早川書房)

2016-09-18 12:22:05 | 
『五番目のサリー』(早川書房)
原題The Fifth Sally by Daniel Keyes
ダニエル・キース/著 小尾芙佐/訳

※1993.6~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。

(この頃は、多重人格ものにハマってた。
 今作は5人だが、20人以上、100人を超えている作品もあったな

 実際に、多重人格者は、本人の知らない言語を話したり、空白の時間に別人格が動き回っていたりするという話を聞くと
 つくづくヒトの脳はフシギだと思い、深層心理なども興味が尽きない 2016


あらすじ(ネタバレ注意

まったく現実にこんなことが起こり得るのかと驚きの連続で
読み終わってからフィクションだったと気がついた

どうりで所々セリフにせよ、成りゆきにせよ、なんだかフィクションぽい雰囲気が漂っていたし、
だからこそ実話で、さらに現在進行形のビリー・ミリガンのとは基本的に違った
シンプルで分かりやすい流れがあって、感動したことにはかわりはない

そして、実際、多重人格のケースは加速して発見され続け、
その大きな原因のひとつが、サリーと同じ幼児期の悲惨にして、信じ難い親、大人たちにあることも事実

それぞれの人格、そして精神科医ロジャーらに言わせているキイスのセリフには、
一度読んで本を閉じるには重すぎる数々の重要なカギ
人々の心を開き、謎のいっぱい詰まって、こんがらがった知恵の輪のような脳
精神の秘密を解くカギが隠されている

それぞれの人格が、幼い頃のサリーの心から分離して、生まれるキッカケとなるエピソードは
開いた口がふさがらないほどショッキングなものばかり


デリーは、父に騙されて、自分が一番可愛がっていた猫のシンデレラを、自分の手で絞め殺してしまったことから生まれた人格
ジンクスは、よりおぞましく、死期の迫った祖父にレイプされた恐怖と憤怒から生まれた人格、
勉強ができないコンプレックスから救ってくれた聡明なノラ、
学芸会で舞台に立ったら、人前に出てくれるベラ。


それら完全に個々のパーソナリティと、意識を持つ人格を1つ1つ融合させてゆく
それぞれに合った形で、納得させながら、核となるサリーと溶け合わせてゆく
ロジャーとのやりとりのシーンは、さらに魅力的


最初に性格的に近いノラ、次にベラには、サリーという最高の役を与えて、
もっとも好感のもてるデリーは、夢にまで見た『虹のかなた』へ
12時の鐘の音とともに走ってゆくシンデレラのイメージを与え、
彼女が本気で恋していた医師、prince charmingのキスで眠り姫は長い長い夢から覚める
新しい第3のサリーとなって

ジンクスのケースがハイライト
彼女の原始までさかのぼり、意識の始まりの話にはビックリしたけれども
苦しみや痛みを受けるパートを背負い、たった独りで荒野をさまよっていた彼女が
ラスト、サリーを許し、受け入れてゆく


主人公サリーが美人で、最初で最後の医師ロジャーがやもめのハンサムで
2人が立場を越えて親密な感情を持つようになるのはフィクションでしか成り立たないような
ビリーのケースには考えれない展開だが、それがとても自然に描かれていて、
つくづく女の心理をここまで掘り下げて書いているキイスの筆才の素晴らしさを感じる


ビリーはいまだに教師と分離した人格の間の微妙な位置にいるというところで辛うじて終わっているが、
今作では、医師と患者の努力の甲斐あって、すんなりとどの人格も1つに統合され、
「一人の人間で生活することの幸福」をかみしめ、新たな出発を前に希望をふくらませる主人公の
とても明るいエンディングになっている

実際は、もっと心の動きははかり知れないほど微妙で、いったんバランスを崩したハンプティダンプティを
他者が元通りに組み立て直すのは、もっと難しいことに違いない


過去に決定的な事件がなくても、変身願望的な幻は、誰の中にもある
「ああだったら」「こうだったらいいのに」
私たちの中には誰にでも別の人格が必ず潜んでいる

それらに、日々の生活を脅かされながら、時に不安定にもなるが、
崖っぷちでなんとなく安定した状態に抑圧し、コントロールされているだけなのだとすると、
なんだかとても不思議な感傷を覚える。


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