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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『かぞくのくに』(2011)

2016-09-17 18:33:57 | 映画
『かぞくのくに』(2011)
監督:ヤン・ヨンヒ
出演:
井浦新 ソンホ
安藤サクラ リエ
ヤン・イクチュン ヤン同志
京野ことみ スニ
大森立嗣 ホンギ
村上淳 ジュノ
省吾 チョリ
諏訪太朗 テジョ
宮崎美子 母(オモニ)
津嘉山正種 父(アボジ) ほか


9.15までの「U-NEXT」シリーズ。
井浦新さん出演作で、以前から気になっていたので観てみた。

「new」と表示されていて、2017年3月8日まで配信
以前、検索した時はなかったから、「見放題」のコンテンツは時々更新されるのか?


あらすじ(ネタバレ注意

“1959年から二十数年にわたり、約9万人以上の在日コリアンが北朝鮮へ移住した
 「帰国者」と呼ばれる彼らが日本へ戻ることは困難を極めている”



1997年 夏
母「今回は必ず帰ってくる オモニには分かる」

ホンギ「大使館から連絡がきて、3日遅れたが空港を発ったと連絡が入った」

病気のソンホは、東京本部副委員長の父が病院の手配をして3ヶ月の滞在を特別許可される
「滞在期間を延長しても治してあげましょう!」



 

病気が治ったらピョンヤンに戻らなければならない
「お困りの際はわが同胞協会が解決のお手伝いをします」

責任者のヤン同志が一緒に家に同行する
ヤンは家族情報を伝えられる
母は喫茶店を経営 妹は日本語学校で教えている
(日本の景色すべてがカルチャーショックだろうなぁ

リエ「今一番何がしたい?」
ソンホ「風呂 頭洗いたい」



ソンホ「止めてください」

バッジを外して、商店街を歩り、実家の店の前で待つ母と涙の再会を果たす

 
(家の中にまで国家主席の写真を飾らなきゃならないのか

ヤンから話がある
「滞在中、許可なしに東京から出られない 非公式だということを忘れないように 公案の見張りもあります」

ヤンはいったん家を出るが、同志と外で車からずっと見張っている


妹「私まで監視されてるみたい」


「地上の楽園に行ったはずが栄養失調になるなんて」と父を恨んでいる
父「ちゃんと治して帰るのがお前の任務だぞ」

叔父が肉の差し入れを持ってきて、ソンホとリエを外に呼び、おこづかいを渡す
「オレは兄貴の思想には反対だけど、お前たちは自分の子どもみたいに可愛いんだよ」

ヤンらは夜も監視している


リエの部屋に泊まるソンホ
「ソンチョにサッカーボールを頼まれたよ」
「明日、同窓会に着ていく服買いに行こうよ」

「オッパ(兄)、おかえり」
「ただいま」



母は息子の写真を見るたびに、ブタの貯金箱に仕送りのお金を入れて貯めている


兄「好きな人くらいいるだろう?」
リエ「日本人はダメとか、朝鮮人はいいけど、韓国人はダメとか、アメリカ人ダメでしょ、注文が多いの」と父を指す


病院に行くが、医師に事情を説明するにも苦労する
「5年前に脳に腫瘍があると診断され、ピョンヤンの医療技術には限界があって
 治療のための許可に5年かかったんです 3ヶ月で戻らなきゃならくて」


3日後に検査の結果が出ると医師に言われる


この検査がもう拷問だよ・・・

病院にもヤンがいる 「ホテルみたいだな 例の話忘れるなよ」


同窓会に行く 店主チョリの店


当時の恋人スミは、ソンホが行く時一緒に行くつもりだったが親に止められた スミの旦那は医者

当時は朝鮮に行けば幸せになれるってみんな思ってたじゃない?(満州みたいな?
 昔と比べたら、在日もゲイも差別は減ったほうよ
 私マイノリティだから分かるのよ オカマ、オカマって言われた時もソンホだけはかばってくれて・・・
 ソンホの暮らしを全部聞きたい」



トイレに逃げるソンホ

「あいつはまた北に帰るんだぞ 言えないことがいろいろあるんだ」

「協会幹部の二代目が言うセリフじゃねえな 帰ったら総括させられるんだよ
 誰と何を話して、どこに行ったとか 内容によっては、家族に危害があるからな
 日本の歌はまさか歌えないし、外からの情報に触れることはできないんだよ」


チョリがギターを弾いて、スンホの好きだった♪白いブランコ を歌う
スンホは歌詞を全部覚えている
(井浦さんの歌声初めて聴いた

 

ソンホにメモを渡すスミ


父「こんな時間までどこほっつき歩いてんだ 治療で来てんだぞ」
(心配してんのか、怒ってんのか分かんないな


翌日、兄妹で街を歩いていて、スーツケースを見るソンホ

 
「お前、それ持っていろんな国行けよ」

値段を見て、高くて諦める


娘の整形手術が決まったと喜ぶ父親が来る
「医者は経過をみるために半年くらいは必要だと」
父「一緒に手配しましょう 病気を治さずに帰すわけにいきませんから」




ソンホはヤンから言われていたことをリエに伝える


「今後、たとえば、指定された誰かに会って報告する仕事に興味あるか?」
リエ「それはスパイっていうか、工作員みたいなこと?」

「そんな大げさじゃない」
「もし断ったら、オッパに迷惑かかる? もし引き受けたら、オッパのお手柄になるの?」

「そういうのは全然どうでもいいんだ」

「まったく興味ない そんな仕事かかわりたくない!
 オッパにそんなこと言わせた上の人にゆっといて
 ムウ?とは相反する思想を持った敵ですってハッキリゆっといて!
 役に立てなくてごめん」


リエとソンホの話を聞いていた父




日本語学校の生徒から「ソウル本社への勤務が決まりました」と報告を受けて祝福するが
生徒「遊びに来てください 美味しいお店とか探しておくので

リエ「私、韓国に行けないの」(家族もいろいろ制限されてるの?


父からソンホに話がある

「リエとの話を聞いた お前、裏の仕事を引き受けたのか? お前の立場は分かってる」
「いや、分からないよ 分かるわけないじゃないかっ!」



「当時多くの人が希望を持って祖国へ渡った
 でも、お前は・・・デジ?はどんな思いであの大金を動かしたか
 病気を治して帰るんだ」

過呼吸になるスンニ
「話はそれだけですか? いつも、いつも、そんなことしか話してくれないんですね」

心配する母と妹(ずうっと家庭の中にこんな緊迫状態が続いているんだな


妹は外で見張るヤンに話す

「一体何なのよ! 何のためにつきまとってんのよ あんたが自分で言えばいいじゃない!
 日本語分かるんでしょ? あなたも、あの国もだいっきらい!!

「あなたが嫌いなあの国で、お兄さんも私も生きているんです 死ぬまで生きるんです」

(これじゃ怒りを向ける矛先も分からない


検査の結果、脳に悪性の疑いの腫瘍があり、リスクを伴う手術が必要

医師「経過を見ながら治療しなければならないため、3ヵ月後に帰る条件で手術を引き受けるのは難しいです」
母「滞在を半年くらいは延ばせるかもしれないんです!」

叔父「ピョンヤンの病院と連絡を取り合うのは?」
医師「個人の力では・・・国同士の政治の問題ですから」



兄「腫瘍が大きくなるとどうなります?」
医師「麻痺や、記憶障害、痴呆の症状が出てきます 最悪の場合は命の危険があります」

兄「あと、どれくらいで?」
医師「今の段階では予測できません」

納得できない家族
なんだかスッキリした表情に見えるソンホ

叔父「オレが何回寄付したと思ってるんだ!
   こうなったら治るまで何回でも日本に来させてもらおうじゃないか
   南でよくて、なんで北じゃダメなんだよ!

   だからソンホを送り出す時、オレは反対したんだよ
   16歳の子どもを行ったこともない国に それも片道切符で・・・
   帰国船に乗る前、新潟の赤十字センターでソンホが何て言ったと思う?
   “サムチョン、ボクが行くのやめたらアボジに迷惑かかるかな”って 連れ戻せばよかった」

父「病気ひとつ治してやれず」
リエ「私は許さないから 理想だかなんだか知らないけど 絶対に許さない!」


スミに電話するリエ 「ご主人の助けを借りたいんです」

ヤンに電話があり、「明日、全員帰国させなさい」「そんなに急に?」
「疑問があるのか?」「いいえ!」
(軍隊か、奴隷だな


ソンホにも同じ連絡がいき、病院を必死で調べているリエと母に言う

 

「明日戻ることになったよ」
「は?」

「こういうの、ほんとよくあるんだよ」
「は?」

「オレ仕度してくるから サッカーシューズ買ってくる」

泣きながらブタの貯金箱からお金を全部出す母




スミと会うソンホ
スミ「主人に相談したら別の病院を紹介してくれるって」

「もしあの時ソンホが行かなかったら・・・」
「もしは考えない」

「ソンホ、無口になったね せめて私といる時くらいは何でも言ってほしい」
「戻ることになったよ 明日、急に」

スミ「病気治しに帰ってきたんでしょ? なのになんで・・・ このまま2人で消えちゃおっか?」
「スミにはずっと笑っててほしい」

泣いて帰るスミ



ヤン「親の心情はお察しします 私にも子どもがいます 決定は絶対です お分かりのはずです」
顔に傷のある娘の父「お前に何が分かる! 娘の手術が決まったというのに!」


リエ「やっぱり全然意味わかんないよ」



「いつものことなんだ あの国では理由なんて全く意味を持たないんだよ
  考えずにただ、ただ従うだけだ 考えるとな、頭おかしくなるんだよ
  考えるとしたら、どう生き抜いていくか、それだけだ ラクだぞ、思考停止
  オレはもうこう生きるしかないんだ いいんだ

  でもな、泣くな お前には考えてほしい たくさん考えろ
  どう生きるか考えて、納得しながら生きろ
  お前の人生だろ 誰にも指図されないで お前の好きなところへ行って、毎日感動してさ
  ワガママに生きればいいんだよ」



翌日、母はヤンにも新しいスーツを用意したという
「ヤンさんにも着替えてもらって これからもお世話になる人なんでしょ?」

「母が用意しました」

(憎しみ合いじゃなくて、慈しみ合うことなんだ そこからなにかが少しずつ変わるはず

オモニからの手紙を読むヤン

「下手な朝鮮語でこの手紙を書きます
 遠く離れ、日本にいる母親は、病を持つ息子に何もしてやれません
 出来るのは、祖国を信じることだけです
 ソンホをよろしくお願い致します
 子どもが3人いらっしゃると聞きました
 少ないですが、ご家族のためにお役立て下さい」とお金も渡す

ソンホにも妻子がいるの?


またバッジをつけるソンホ


叔父「生きてればなんとかなるからな」

母「気持ちをしっかりね オモニが必ず会いに行くから」

戻って父に深く一礼するソンホ




ふたたびクルマで空港へ向かい、車内で♪白いブランコ を口ずさむ


店で兄と見た高いスーツケースを買って出て行こうとする妹



1人1人、それも国民全員を見張ったり、監視したりすることにいちいちかける莫大な時間、人材、お金を他に使えないものか

誘拐されて北に拘束されている人たちは、報道でなんとなく知っているけれども、
なにがどうなって、この家族の立場がどうなっているのか、よく分からないのが事実
きっと知らない日本人のほうが多いのでは?
いろんな疑問が残る この答えは、いつ出るのか




ほかにオススメされた映画:

『RIVER』
『ペロスの母に会いに行く』
『息もできない』


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『アジア楽園マニュアル 好きになっちゃったインド』(双葉社)

2016-09-17 18:32:57 | 
『アジア楽園マニュアル 好きになっちゃったインド』(双葉社)
下川裕治、ゼネラルプレス/編・著 初版1997年 1500円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

インド共和国
首都:ニューデリー
気候:雨季(6~9月)と乾季がある ベストシーズンは11~2月
通貨:1ルピー=100パイサ=約3.79円
宗教:ヒンドゥー教83% イスラム教11%

民間航空も入り乱れて変わりつつあるインド
浄・不浄、カースト制度などが残る一方、近代化も著しい

なんでもありのインドが今面白い

何千年もの歴史をもつ医学「ヴェーダ」から、美容がウケた「アーユルヴェーダエステ(オイルマッサージ)」

カレーはない!
その正体は、多様なスパイスの組み合わせの「マサラ味」
一通りお皿に盛られて、満腹&激安の定食「ターリー」

お酒はなぜか暗~い部屋でコソコソと飲む

観光客相手専門の物乞いもいる 恵むのは「バクシーシ」

旅人と市民の足は「オートリキシャ」 観光地ではボラれる覚悟で

宿泊は激安 マハラジャ体験まで

1995年に製作された国内製作映画の数、795本は世界ダントツ! 音楽もサントラが中心

飢えの苦痛を味わい、貧しい者に施しをする1ヶ月の「ラマダン」中は
日の出から日没まで、一切の食べ物、タバコを口にしない

聖なる川「ガンガー」と、シヴァ神の聖地「ベナレス」

多種多様な人々が行き交う雑多な街
インドは知れば知るほど面白い


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『アジアと遊ぶ マカ不思議 インド人』(双葉社)

2016-09-17 18:31:57 | 
『アジアと遊ぶ マカ不思議 インド人』(双葉社)
築地正登/著 初版1999年 1400円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

建築系の仕事で3年間インドで暮らした中での体験談

前に読んだ宗教的観点から書いたインド本とうってかわって酷評つづきなのは
著者がはじめから嫌いなイメージを持っていたからか?

それとも、完璧主義、時間厳守の日本人気質ビジネスを、そのまま押しつけようとした摩擦の連続のせいか

結局、彼は、仕事終了後は、万歳三唱もので帰国
最初の印象はいくらかやわらいだ程度にとどまった

人だけならず、犬までも、のんびりモードのインド
聞くほどにB型社会だって話が思い出されて笑える

「1人ではインドが優れ、グループでは日本が賢い」

「とにかく議論好き」

レストランンのアイスに入っていたネジを見て、呼ばれたマネージャーが
「探してたんです、どこにありました?」って言うのは笑える

この意外性

いまだカーストによる横のつながり、コネが根強く、離婚したバツイチ女性に冷たいとか、
道路わきで用を足すため、雨季に流され、川、海は下水状態で、
せっかく美味しいエビも、この時期は食中毒などの元凶だとか

とにかく交渉のインドでの買い物は、5円とかの違いに熱くなる著者
仕事はキッチリ分けられたタテ社会

口ぐせは「No Problem!」(問題ない)

韓国人との妙な共通点、
名前だけで、家系、職業までさかのぼれる、などなど



あれ? 途中でちぎれたようにメモが終わってるw
これもインドの影響? いやいやw


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『身体にやさしいインド』(講談社)

2016-09-17 18:30:57 | 
『身体にやさしいインド』(講談社)
伊藤武/著 初版1994年 1500円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

以前読んだインド本の前作にあたると思われる

著者が実際に頭を剃って、行者(サドゥ)に間違われながら道場に入門して武芸を学んだり、
サドゥに弟子入り(?)して、ヨーガや哲学を学んだり、
インド食材でインド料理を作る

すっかり同化している体験談から浮かび上がる、インドの多様性は面白く、
その歴史の重み、深みにはビックリする

カレーだけじゃなくて、相撲やらのルーツもインドだって考えにも信憑性があって、これまたビックリ

「健康な体は、まず食べ物から」に納得

様々なスパイスは薬でもある

体を作る血肉のほかに風(気=プラーナ)の通り道も重要だとか


アーユルヴェーダの本質「何を、いかに食べるか」
(ピッタ、血の気)、風(ヴァーダ、神経)、水(カパ)

下痢は急激な浄化作用 毒になるのは死んだ食べ物


ベナレス
ベナレスで死に、焼かれ、聖河に投じられた者の魂は、天国での再生を約束される

インドは中国に次ぐ世界第2位の米生産国

「植物にも心(マナス)がある」と説くサドゥ


●健康
深い呼吸、旬の野菜、魚介類、麦飯、キクラゲやシイタケなどのキノコ類、海藻やコンニャク、
ゴボウ、大豆製品等の日本食(伝統食)を積極的にとること!

イラストも著者が描いたもの
怪しげなタッチが本の装幀とあいまって、インドっぽい魅力をさらにかもし出しているw


(リンク先の表紙は、それほど怪しげではないから、別のインド本と勘違い?



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