ウィル・スミス:
あなたに驚きに満ちた場所をお話ししましょう
そこは宇宙で最も奇妙な場所です
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溶岩が流れる滝、水晶の洞窟、、、
よく知っているつもりでも、宇宙から見ると驚きでいっぱいです
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●宇宙空間に合計1000日以上滞在した8人の宇宙飛行士たち
宇宙からこの星を見つめた体験を語ります
奇妙な繋がり
運命のいたずら
予期せぬ幸運
そして奇跡の星が生まれました
宇宙で最も不思議な場所
私達の地球です
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●酸素は何から生まれているか?
あまりにも当たり前すぎて考えていないことがひとつあります
それは呼吸です
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クリス・ハドフィールド 宇宙滞在166日間:
宇宙船から出て初めて船外活動を行った時、聞こえたのは自分の呼吸の音だけでした
宇宙船を掴んでいる片手が私の全てを繋ぎ止めていました
自分の人生
連れ添った人達
そして地球で起きるあらゆる出来事
もう片方は宇宙です
そして手を放してみました
その時、青い大気に包まれた地球の尊さを実感しました
地球にはかけがえのないものがあります 生命です
やがて私は宇宙船をつかみミッションに戻りました
しかし作業をしていると突然左目に激痛が走りました
何かが刺さったようで目を開けることができず涙が出てきました
ところが重力がないので涙は落ちません
涙はどんどん溜まっていきます
やがて左目は涙で溢れ、鼻を伝って右目に入りました
管制室に伝えました
“問題発生 目が見えない”
管制室はあらゆる状況を検討しました
“最悪の場合、宇宙服の中が汚染されている可能性がある 汚染物質を出せ”
宇宙服のバルブを開くと、突然音が聞こえました
最も貴重な酸素が宇宙の無の空間へ流れ出してきました
呼吸ほど自然に行っているものはありません
しかしこの地球だけが呼吸を自然に行える場所です
酸素が豊富な唯一の惑星
酸素なしでは生命の姿も異なるでしょう
エチオピア ダロル火山
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宇宙生物学 フェリペ・ゴメス・ゴメス
空気中には有毒なガスが溢れ、地面からは酸性の水が吹き出し、真水は存在しません
鳥も昆虫も生息せず、植物すら育ちません
地表面が薄くなっている
地球とは思えない光景です
しかしゴメスはここで生物を見つけました
それは酸素を使わず、酸性の湖の中で生きています
試験管の中に何千といます
重金属を養分としているバクテリアです
しかしエネルギーの元となる酸素がないと体は大きくなりません
地球に酸素がなければ生物の姿は今とは全く違っていたはずです
酸素がなければどうなるか、想像するのも困難です
酸素は必要不可欠です
呼吸するたび、酸素を含む空気は、食べ物の栄養素と反応してエネルギーを生みます
そして生命の活動は広がっていくのです
地球は多様な生命で溢れています
みんなにとって充分な酸素はどうやって生まれるのか?
砂漠の嵐
雪の結晶
天空の川
そして鍵を握るある生物です
アフリカ東部 ダナキル砂漠
ものすごい砂嵐の中歩くラクダと男
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ジェフ・ホフマン 宇宙滞在50日間:
砂漠の砂嵐は宇宙から見えます 時には巨大です
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アフリカの北部で砂嵐が吹き荒れているのを宇宙船からじっと見ていたことがあります
一帯が厚い茶色の砂で覆われていました
地球を一周した90分後には
アフリカに吹いていた砂嵐が大西洋に移っていました
さらに90分後には南米にありました
ブラジル・アマゾン
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毎年アフリカから飛んでくる砂嵐の砂塵はおよそ2700万トン
アマゾンの熱帯雨林に降り注いでいます
植物には最高の肥料です(芽吹く映像が素晴らしい
植物は光合成の際、二酸化炭素を吸収し、酸素を作ります
一本の木から二人の人間を支える酸素が生まれます
アマゾンの熱帯雨林は面積550万平方キロメートル
地球上の全ての人間が消費する量の20倍の酸素を生み出します
しかしすべてアマゾンで消費されてしまいます
昆虫、爬虫類、鳥…
アマゾンに生息する膨大な数の生物が全ての酸素を使ってしまうのです
熱帯雨林は地球の肺と呼んでもいいでしょう
大量の酸素が作られますが、その場で使われます
熱帯雨林が重要である理由は酸素ではありません
●空を流れる川
私たちは普段地上から世界を見ていますが
国際宇宙ステーションは400キロの上空にあります
宇宙ステーションでの自由時間は窓から写真を撮りました
私は3回の宇宙滞在で45000枚ほどの写真を撮影しました
写真に撮りやすい場所があります
オーストラリア内陸部 よく晴れています
逆の場所もあります アマゾンの下
いい写真がほとんど撮れないんです
だから思ったんです
あの下はどうなっているのか?
●気候学者 ロサ・マリア・ドス・サントス
10年にわたりアマゾンの熱帯雨林が地球全体の呼吸にどのように役立っているか解明しようとしています
トラックから大きなスーツケースをおろす
これから観測機器を慎重に運搬し、極めて特別な場所に設置します
森の中にものすごい高い塔が立ってる!
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これは南米で最も高いタワーです
博士はこのタワーに登ろうと2回試みましたが頂上までは行けませんでした
ロープをつけて一段一段梯子を上っていく!
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マリア:
1度目は嵐で雷が鳴り、引き返しました
2度目は私の足がもちませんでした
今度こそ必ず頂上まで行きます
ついに頂上まで着いた
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・樹木の内部では水が地面から吸い上げられている
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水が上ってくんだから凄いよねえ
葉脈まで隅々と渡っていき
葉っぱから雫が落ちる
吸い上げられた水は、やがて太陽と風の力で壮大な川となり空を流れる川となる
すなわち雲です
タワーから見ると雲の流れが見える
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空を流れる川がどれほど大きいか、タワーから観測できます
これがもし地上の川であれば世界最大です
アマゾン川よりも大きいでしょう
この雲は南米大陸を横切り、地上を覆うように流れ
やがて高い壁にぶつかります
●アンデス山脈 標高6000m 全長8000 km
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雲は凝縮して雨となり、山の斜面を下り
川に流れ込み、岩が削られ、ミネラル分が運ばれます
やがて海へ流れ込み、世界中に行き渡ります
クラゲ自体が宇宙船みたい
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●「珪藻」 地球の酸素の鍵を握る存在
栄養分を取り入れるのは、人間の髪の太さの1/4しかない小さな生物 珪藻です
(つぶつぶがいっぱいある
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珪藻は海へ流れ込んだ二酸化ケイ素で殻を作り大増殖します
1日で2倍に増えます
そして光合成を始めます
酸素はこうして生み出されるのです
今吸った酸素の多くをもたらしているのは珪藻だったんです
見た目は人の血管を流れる細胞みたい
地球はまだまだ分からないことがいっぱいあるなあ!
************後編
宇宙から海を見ると、ある部分だけが全く違う色に見えることがあります
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これは微生物の固まりです
珪藻の大軍が光の反射で目立って見えるのです
最も大きいものは幅が900 km もありました
泳いでいるときは珪藻なんて気付きません
しかし宇宙からは命が脈打っているのがわかります
珪藻の青や緑は圧巻です
地球の生命を支えているんだと実感します
●珪藻は死んだ後も役立っている
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宇宙から見ると地球はまさに青い惑星です
至る所に水があり、世界中の海に何兆もの珪藻がいます
しかし全てがアマゾンの雲の恵みで生きるわけではありません
熱帯雨林から遥かに離れた場所でも珪藻は生きています
様々な方法で栄養養分を得ているのです
ノルウェー スバールバル諸島
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氷河に向かっていくボートに乗っている雪氷学者 アイディ・スヴェストル
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氷河の動きは予測困難です
突然崩れ落ちるかもしれません
かすかな変化をとらえるためには、目よりも耳が有効です
(海の中に機械をたらして、ヘッドフォンで音を聞く
氷河は時に通常の300倍の速度で動きます
氷河が谷を下る時、大量の岩が砕ける音が響きます
やがて海に達すると、特有の音を発します
シリアルを食べた時のような音がします
氷が水中で溶ける時、気泡が氷から飛び出す音です
これは警告音です
氷河が崩落しようとしています
無線で注意を呼びかける
氷河の崩落で何千トンもの氷が海に落ちます
氷の中の岩には「珪藻」の栄養分が含まれています
突然崩れ落ちるものすごい巨大な氷河
あんなにすぐ近くに船がいて大丈夫なの?!
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珪藻のディナータイムです
氷河が一気に崩れ落ち、大量の栄養分を海に投げ込みます
珪藻は爆発的に数を増やします
しかし始まりと同じように終わりも突然です
氷河の動きが止まり、時には何十年も動かなくなります
(海から珪藻の色が消えていく
栄養分が尽きると珪藻の大増殖は終わり、大半が死にます
やがて厚さ1kmほどの層となります
雪の結晶が降るように見えるので「マリンスノウ」と呼ばれています
しかし雪の結晶と違い、珪藻は溶けません
数百万年の間に海底が隆起し、海面が下がった結果、海底は砂漠となりました
●アフリカの砂漠もかつては海底にあった
アフリカから南米のアマゾンへ飛んで行く砂嵐に含まれているのは珪藻の殻です
地球全体が驚くほど繋がっているんです
ニコール・ストット 宇宙滞在104日間:
同じ地球にいて、こちらと向こうはまったく無関係ということなどはありえません
メイ・ジェミソン 宇宙滞在4日間:
生命が呼吸するために、地球上のあらゆるシステムが協力し合っています
地球は偉大です
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●酸素の量がほんの少し変わるだけで事態は一変する
♪Space Oddity/David Bowie が流れる
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●大気圏はとても薄い層
地球の青い空が好きです
空には様々な要素があります
色の濃度や変化 大気 つまり全てです
呼吸も空のおかげです
つい錯覚してしまいます
空は奥が深く、どこまでも続いていると
しかし宇宙船から地球を見ても大気そのものは見えません
地平線を見ると大気圏がいかに薄いかが分かります
それはごく薄い青い層です
地球の重力が空気の分子を地面近くまで引っ張っているから大気が存在するのです
しかし高度が上がると薄くなります
変化は急速に起こります
大気の層が非常に薄いので、酸素が薄くなるところまで近づくとことができます
ペルー ラ・リンコナダ
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南米アンデス山脈の山間に広がる町
(町というよりトタンで作られたバラックの集まりみたい
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標高5000mを越えるこの場所で
一人の医師が25000人の患者を受け持っています
医師 ネルソン・ガデアは、咳こむ母親を診察
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ネルソン:
多くの住民が肺を患っています
酸素が平地の半分しかないからです
初めてこの地に移り住んだ入植者たちは
酸素不足のため大勢の子どもを失いました
(たくさんの墓場!涙×5000
それでも人々は住み続け、働き続けています
山で産出する宝物に惹きつけられているのです
ハアハア言いながら石を叩いている男性
金です
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ここは人間の住める限界点です
これ以上高いところで働くことはできません
(ヒトの欲深さは、無限大だな
これだけ働いても、彼らの暮らし自体はちっともよくならない
●酸素不足が引き起こす異常
酸素が不足すると内臓の動きが鈍くなり、変化は急速に起こります
宇宙飛行士は酸素不足の兆候が出ていないか自分で認識する訓練を受けます
私の場合は軽いめまいがしました
視界が徐々に狭まり、見えている色が普段と違ってきました
ちょうど原色だけで描いた絵のような感じでしょうか
音の聞こえ方も変化します
ちょっと途切れ途切れになり、周囲の全てが弾けるように聞こえ始めました
そして気付いたんです 酸素不足だ
“管制室へ 両目が見えない 貴重な酸素を排出する”
どうなるのか分かりませんでした
しかし酸素が宇宙服のバルブから出て行くと
両眼に溜まっていた涙がゆっくり蒸発し始めました
眼は少しずつ見えるようになりました
痛みの原因は単純でした
ヘルメットの曇り止めの成分が
宇宙服内で浮遊している水と混ざり目に入ったのです
私は落ち着いて宇宙服のバルブを閉め
貴重な酸素がこれ以上宇宙空間に出て行くのを防ぎました
●バランスの重要性
酸素は十分なければなりません
しかし酸素が多すぎても危険です
焚き火に息を吹きかけるとどうなるでしょう?
ほんの少し酸素が増えるだけで、小さな火が大きな炎に変わります
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地球全体についても同じです
酸素の増加は生命の危機です
3億年前
大気中にはもっと多くの酸素があり、地球はひたすら燃えていました
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酸素が多過ぎれば燃え尽きます
足りなければ窒息します
私たちは危険な綱渡りをしているのです
助かるためにただ一つ有効なのはバランスです
バランスは極めて重要です
地球の大気のため、そして生命のため
地球はどうやってバランスを取っているのか分かっていません
珪藻の活動は氷河に左右され
南米のアマゾンはアフリカの砂が頼りです
人類の数は一貫して増え続けています
にもかかわらず大気中の酸素の割合は一定なのです
もう何百万年も大気中の酸素の割合は20.95%です 厳密に
なぜかすべてが調和し、絶妙にバランスを保っています
タイ パトゥムターニー
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僧侶 :
すべては関わり合い、無関係な存在などありません
一つ一つが他の人すべてのためにあるのです
これは調和とバランスの祭りです
10万人の仏教徒が集まっています
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一人一人がろうそくに火を灯します
ともしびをかかげ100万体とも言われる仏像が並ぶ寺で祝います
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UFO! 一つ一つ仏像なんだ!
最新式のモニターまである ものすごい光景!!
私たちは平穏を求めます
地球も同じだと思います
大事なことは全てに調和とバランスを保つことでしょう
私たちの呼吸は1分間に26回
1日に23000回 空気を吸って吐き出す
かけがえのない酸素は、大地と、風と、水と、火の賜物です
地球全体が機能して大気の層が作られます
それは生命の証
他の星では見つかっていません
宇宙飛行士と同じ体験を誰もができたらと思います
宇宙で見る地球の脅威と不思議に釘付けになるでしょう
そして確かな実感を得て帰還します
全ての生命が共存する場所だと
(まず戦争を仕掛けてる人たちが
先に外から地球を眺めてみたら意識が変わるだろうか?
●地球はひとつの場所
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私たちは仲間なのです
生命は特別なだけではなく唯一無二の存在です
だからこそ地球は奇跡の星なのです
次回は巨大な衝突
宇宙に吹き荒れる激しい嵐と衝突
それは時に生命を脅かし、時に恵みをもたらしました
(こちらは録画しなかった すればよかったな
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あなたに驚きに満ちた場所をお話ししましょう
そこは宇宙で最も奇妙な場所です
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溶岩が流れる滝、水晶の洞窟、、、
よく知っているつもりでも、宇宙から見ると驚きでいっぱいです
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●宇宙空間に合計1000日以上滞在した8人の宇宙飛行士たち
宇宙からこの星を見つめた体験を語ります
奇妙な繋がり
運命のいたずら
予期せぬ幸運
そして奇跡の星が生まれました
宇宙で最も不思議な場所
私達の地球です
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●酸素は何から生まれているか?
あまりにも当たり前すぎて考えていないことがひとつあります
それは呼吸です
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クリス・ハドフィールド 宇宙滞在166日間:
宇宙船から出て初めて船外活動を行った時、聞こえたのは自分の呼吸の音だけでした
宇宙船を掴んでいる片手が私の全てを繋ぎ止めていました
自分の人生
連れ添った人達
そして地球で起きるあらゆる出来事
もう片方は宇宙です
そして手を放してみました
その時、青い大気に包まれた地球の尊さを実感しました
地球にはかけがえのないものがあります 生命です
やがて私は宇宙船をつかみミッションに戻りました
しかし作業をしていると突然左目に激痛が走りました
何かが刺さったようで目を開けることができず涙が出てきました
ところが重力がないので涙は落ちません
涙はどんどん溜まっていきます
やがて左目は涙で溢れ、鼻を伝って右目に入りました
管制室に伝えました
“問題発生 目が見えない”
管制室はあらゆる状況を検討しました
“最悪の場合、宇宙服の中が汚染されている可能性がある 汚染物質を出せ”
宇宙服のバルブを開くと、突然音が聞こえました
最も貴重な酸素が宇宙の無の空間へ流れ出してきました
呼吸ほど自然に行っているものはありません
しかしこの地球だけが呼吸を自然に行える場所です
酸素が豊富な唯一の惑星
酸素なしでは生命の姿も異なるでしょう
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宇宙生物学 フェリペ・ゴメス・ゴメス
空気中には有毒なガスが溢れ、地面からは酸性の水が吹き出し、真水は存在しません
鳥も昆虫も生息せず、植物すら育ちません
地表面が薄くなっている
地球とは思えない光景です
しかしゴメスはここで生物を見つけました
それは酸素を使わず、酸性の湖の中で生きています
試験管の中に何千といます
重金属を養分としているバクテリアです
しかしエネルギーの元となる酸素がないと体は大きくなりません
地球に酸素がなければ生物の姿は今とは全く違っていたはずです
酸素がなければどうなるか、想像するのも困難です
酸素は必要不可欠です
呼吸するたび、酸素を含む空気は、食べ物の栄養素と反応してエネルギーを生みます
そして生命の活動は広がっていくのです
地球は多様な生命で溢れています
みんなにとって充分な酸素はどうやって生まれるのか?
砂漠の嵐
雪の結晶
天空の川
そして鍵を握るある生物です
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ものすごい砂嵐の中歩くラクダと男
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ジェフ・ホフマン 宇宙滞在50日間:
砂漠の砂嵐は宇宙から見えます 時には巨大です
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アフリカの北部で砂嵐が吹き荒れているのを宇宙船からじっと見ていたことがあります
一帯が厚い茶色の砂で覆われていました
地球を一周した90分後には
アフリカに吹いていた砂嵐が大西洋に移っていました
さらに90分後には南米にありました
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毎年アフリカから飛んでくる砂嵐の砂塵はおよそ2700万トン
アマゾンの熱帯雨林に降り注いでいます
植物には最高の肥料です(芽吹く映像が素晴らしい
植物は光合成の際、二酸化炭素を吸収し、酸素を作ります
一本の木から二人の人間を支える酸素が生まれます
アマゾンの熱帯雨林は面積550万平方キロメートル
地球上の全ての人間が消費する量の20倍の酸素を生み出します
しかしすべてアマゾンで消費されてしまいます
昆虫、爬虫類、鳥…
アマゾンに生息する膨大な数の生物が全ての酸素を使ってしまうのです
熱帯雨林は地球の肺と呼んでもいいでしょう
大量の酸素が作られますが、その場で使われます
熱帯雨林が重要である理由は酸素ではありません
●空を流れる川
私たちは普段地上から世界を見ていますが
国際宇宙ステーションは400キロの上空にあります
宇宙ステーションでの自由時間は窓から写真を撮りました
私は3回の宇宙滞在で45000枚ほどの写真を撮影しました
写真に撮りやすい場所があります
オーストラリア内陸部 よく晴れています
逆の場所もあります アマゾンの下
いい写真がほとんど撮れないんです
だから思ったんです
あの下はどうなっているのか?
●気候学者 ロサ・マリア・ドス・サントス
10年にわたりアマゾンの熱帯雨林が地球全体の呼吸にどのように役立っているか解明しようとしています
トラックから大きなスーツケースをおろす
これから観測機器を慎重に運搬し、極めて特別な場所に設置します
森の中にものすごい高い塔が立ってる!
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これは南米で最も高いタワーです
博士はこのタワーに登ろうと2回試みましたが頂上までは行けませんでした
ロープをつけて一段一段梯子を上っていく!
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マリア:
1度目は嵐で雷が鳴り、引き返しました
2度目は私の足がもちませんでした
今度こそ必ず頂上まで行きます
ついに頂上まで着いた
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・樹木の内部では水が地面から吸い上げられている
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水が上ってくんだから凄いよねえ
葉脈まで隅々と渡っていき
葉っぱから雫が落ちる
吸い上げられた水は、やがて太陽と風の力で壮大な川となり空を流れる川となる
すなわち雲です
タワーから見ると雲の流れが見える
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空を流れる川がどれほど大きいか、タワーから観測できます
これがもし地上の川であれば世界最大です
アマゾン川よりも大きいでしょう
この雲は南米大陸を横切り、地上を覆うように流れ
やがて高い壁にぶつかります
●アンデス山脈 標高6000m 全長8000 km
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雲は凝縮して雨となり、山の斜面を下り
川に流れ込み、岩が削られ、ミネラル分が運ばれます
やがて海へ流れ込み、世界中に行き渡ります
クラゲ自体が宇宙船みたい
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●「珪藻」 地球の酸素の鍵を握る存在
栄養分を取り入れるのは、人間の髪の太さの1/4しかない小さな生物 珪藻です
(つぶつぶがいっぱいある
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珪藻は海へ流れ込んだ二酸化ケイ素で殻を作り大増殖します
1日で2倍に増えます
そして光合成を始めます
酸素はこうして生み出されるのです
今吸った酸素の多くをもたらしているのは珪藻だったんです
見た目は人の血管を流れる細胞みたい
地球はまだまだ分からないことがいっぱいあるなあ!
************後編
宇宙から海を見ると、ある部分だけが全く違う色に見えることがあります
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これは微生物の固まりです
珪藻の大軍が光の反射で目立って見えるのです
最も大きいものは幅が900 km もありました
泳いでいるときは珪藻なんて気付きません
しかし宇宙からは命が脈打っているのがわかります
珪藻の青や緑は圧巻です
地球の生命を支えているんだと実感します
●珪藻は死んだ後も役立っている
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宇宙から見ると地球はまさに青い惑星です
至る所に水があり、世界中の海に何兆もの珪藻がいます
しかし全てがアマゾンの雲の恵みで生きるわけではありません
熱帯雨林から遥かに離れた場所でも珪藻は生きています
様々な方法で栄養養分を得ているのです
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氷河に向かっていくボートに乗っている雪氷学者 アイディ・スヴェストル
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氷河の動きは予測困難です
突然崩れ落ちるかもしれません
かすかな変化をとらえるためには、目よりも耳が有効です
(海の中に機械をたらして、ヘッドフォンで音を聞く
氷河は時に通常の300倍の速度で動きます
氷河が谷を下る時、大量の岩が砕ける音が響きます
やがて海に達すると、特有の音を発します
シリアルを食べた時のような音がします
氷が水中で溶ける時、気泡が氷から飛び出す音です
これは警告音です
氷河が崩落しようとしています
無線で注意を呼びかける
氷河の崩落で何千トンもの氷が海に落ちます
氷の中の岩には「珪藻」の栄養分が含まれています
突然崩れ落ちるものすごい巨大な氷河
あんなにすぐ近くに船がいて大丈夫なの?!
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珪藻のディナータイムです
氷河が一気に崩れ落ち、大量の栄養分を海に投げ込みます
珪藻は爆発的に数を増やします
しかし始まりと同じように終わりも突然です
氷河の動きが止まり、時には何十年も動かなくなります
(海から珪藻の色が消えていく
栄養分が尽きると珪藻の大増殖は終わり、大半が死にます
やがて厚さ1kmほどの層となります
雪の結晶が降るように見えるので「マリンスノウ」と呼ばれています
しかし雪の結晶と違い、珪藻は溶けません
数百万年の間に海底が隆起し、海面が下がった結果、海底は砂漠となりました
●アフリカの砂漠もかつては海底にあった
アフリカから南米のアマゾンへ飛んで行く砂嵐に含まれているのは珪藻の殻です
地球全体が驚くほど繋がっているんです
ニコール・ストット 宇宙滞在104日間:
同じ地球にいて、こちらと向こうはまったく無関係ということなどはありえません
メイ・ジェミソン 宇宙滞在4日間:
生命が呼吸するために、地球上のあらゆるシステムが協力し合っています
地球は偉大です
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●酸素の量がほんの少し変わるだけで事態は一変する
♪Space Oddity/David Bowie が流れる
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●大気圏はとても薄い層
地球の青い空が好きです
空には様々な要素があります
色の濃度や変化 大気 つまり全てです
呼吸も空のおかげです
つい錯覚してしまいます
空は奥が深く、どこまでも続いていると
しかし宇宙船から地球を見ても大気そのものは見えません
地平線を見ると大気圏がいかに薄いかが分かります
それはごく薄い青い層です
地球の重力が空気の分子を地面近くまで引っ張っているから大気が存在するのです
しかし高度が上がると薄くなります
変化は急速に起こります
大気の層が非常に薄いので、酸素が薄くなるところまで近づくとことができます
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南米アンデス山脈の山間に広がる町
(町というよりトタンで作られたバラックの集まりみたい
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標高5000mを越えるこの場所で
一人の医師が25000人の患者を受け持っています
医師 ネルソン・ガデアは、咳こむ母親を診察
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ネルソン:
多くの住民が肺を患っています
酸素が平地の半分しかないからです
初めてこの地に移り住んだ入植者たちは
酸素不足のため大勢の子どもを失いました
(たくさんの墓場!涙×5000
それでも人々は住み続け、働き続けています
山で産出する宝物に惹きつけられているのです
ハアハア言いながら石を叩いている男性
金です
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ここは人間の住める限界点です
これ以上高いところで働くことはできません
(ヒトの欲深さは、無限大だな
これだけ働いても、彼らの暮らし自体はちっともよくならない
●酸素不足が引き起こす異常
酸素が不足すると内臓の動きが鈍くなり、変化は急速に起こります
宇宙飛行士は酸素不足の兆候が出ていないか自分で認識する訓練を受けます
私の場合は軽いめまいがしました
視界が徐々に狭まり、見えている色が普段と違ってきました
ちょうど原色だけで描いた絵のような感じでしょうか
音の聞こえ方も変化します
ちょっと途切れ途切れになり、周囲の全てが弾けるように聞こえ始めました
そして気付いたんです 酸素不足だ
“管制室へ 両目が見えない 貴重な酸素を排出する”
どうなるのか分かりませんでした
しかし酸素が宇宙服のバルブから出て行くと
両眼に溜まっていた涙がゆっくり蒸発し始めました
眼は少しずつ見えるようになりました
痛みの原因は単純でした
ヘルメットの曇り止めの成分が
宇宙服内で浮遊している水と混ざり目に入ったのです
私は落ち着いて宇宙服のバルブを閉め
貴重な酸素がこれ以上宇宙空間に出て行くのを防ぎました
●バランスの重要性
酸素は十分なければなりません
しかし酸素が多すぎても危険です
焚き火に息を吹きかけるとどうなるでしょう?
ほんの少し酸素が増えるだけで、小さな火が大きな炎に変わります
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地球全体についても同じです
酸素の増加は生命の危機です
3億年前
大気中にはもっと多くの酸素があり、地球はひたすら燃えていました
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酸素が多過ぎれば燃え尽きます
足りなければ窒息します
私たちは危険な綱渡りをしているのです
助かるためにただ一つ有効なのはバランスです
バランスは極めて重要です
地球の大気のため、そして生命のため
地球はどうやってバランスを取っているのか分かっていません
珪藻の活動は氷河に左右され
南米のアマゾンはアフリカの砂が頼りです
人類の数は一貫して増え続けています
にもかかわらず大気中の酸素の割合は一定なのです
もう何百万年も大気中の酸素の割合は20.95%です 厳密に
なぜかすべてが調和し、絶妙にバランスを保っています
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僧侶 :
すべては関わり合い、無関係な存在などありません
一つ一つが他の人すべてのためにあるのです
これは調和とバランスの祭りです
10万人の仏教徒が集まっています
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一人一人がろうそくに火を灯します
ともしびをかかげ100万体とも言われる仏像が並ぶ寺で祝います
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UFO! 一つ一つ仏像なんだ!
最新式のモニターまである ものすごい光景!!
私たちは平穏を求めます
地球も同じだと思います
大事なことは全てに調和とバランスを保つことでしょう
私たちの呼吸は1分間に26回
1日に23000回 空気を吸って吐き出す
かけがえのない酸素は、大地と、風と、水と、火の賜物です
地球全体が機能して大気の層が作られます
それは生命の証
他の星では見つかっていません
宇宙飛行士と同じ体験を誰もができたらと思います
宇宙で見る地球の脅威と不思議に釘付けになるでしょう
そして確かな実感を得て帰還します
全ての生命が共存する場所だと
(まず戦争を仕掛けてる人たちが
先に外から地球を眺めてみたら意識が変わるだろうか?
●地球はひとつの場所
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私たちは仲間なのです
生命は特別なだけではなく唯一無二の存在です
だからこそ地球は奇跡の星なのです
次回は巨大な衝突
宇宙に吹き荒れる激しい嵐と衝突
それは時に生命を脅かし、時に恵みをもたらしました
(こちらは録画しなかった すればよかったな
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