メランコリア

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アガサ・クリスティー探偵名作集 19 白鳥のうた アガサ・クリスティー/著 岩崎書店

2023-10-17 18:06:10 | 
1995年初版 各務三郎/訳 安藤由紀/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください


最近ずっとナンシーやジュディシリーズを読んでいたから
アガサを読むと洗練された文章、構成がかえって物足りない気がした

ドキドキハラハラする前に事件がスッキリ解決しちゃうみたいな
短編集だからか? それとも児童書向けに端折ってるのか?

マザーグースにまつわる作品がまた出てきた
日本人にはあまり馴染みのない童謡だよね
『白鳥のうた』というと、ジャニスのラストアルバムを思い出す



【内容抜粋メモ】

■白鳥のうた

登場人物
ポーラ・ナツォルコフ 有名なオペラ歌手
コーアン マネージャー
ミス・リード 秘書
エリーズ 小間使い
ラストンベリ伯爵夫妻
ブランシュ・アメリー 伯爵の娘
エドアール・ブレオン 引退したフランスのバリトン歌手

ホテルで気難しいポーラ相手にスケジュールを話すマネージャーのコーアン
コヴェント・ガーデンでは、十八番のトスカ、アイーダ
アルバート記念ホールでの特別公演の予定が入っている





ラストンベリ伯爵夫人の屋敷で蝶々夫人を演ってほしいという依頼
名前を聞いて、なにか思い出し、トスカであれば出演すると言うポーラ

ポーラ:
私くらい上手く♪歌に生き、恋に生き を歌える人はいない
代償を支払い、苦しみに堪えて、あらゆる知識をつける
その上で初心に帰る決意がいるのよ
ようやくだわ ずいぶん長くかかったわ・・・

相手役のイタリア人歌手が直前になって急に具合が悪くなり歌えなくなる




ポーラは今は引退した有名なフランスのバリトン歌手エドアール・ブレオンが
近くに住んでいることをを思い出す
伯爵夫人はすぐに手配し呼んで来て、初対面の挨拶をする

ブレオンは、昔、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で
若い女性歌手が♪歌に生き、恋に生き を見事に歌った思い出を話す







彼女は卑しい身分の男と関わり、警察沙汰を起こして
力を貸して欲しいと頼みに来たが助けられず
男は処刑され、女は修道院に入った

伯爵夫人の娘アメリーは、女の勘でどこかウソがあると思う

ポーラ:私たちロシア人はくよくよしたりしませんわ

第一幕ではポーラは演技を抑えていたが
第二幕ではこれまでにない迫真の演技を見せる






私は歌に生き、恋に生き
身をつつしみ
あわれな人たちに手をさしのべてきた

スカルピア(ブレオン):トスカよ、ついに、私のものだ
トスカ(ポーラ):これが、トスカの接吻よ!

トスカはスカルピアを刺して、演目は終わり、カーテンが降りたが
伯爵は医師を呼び、ブレオンが本当に刺されて死んでいた







アメリー:
ポーラの部屋にブレオンが載っている新聞があり
相手役を病気にさせて、ブレオンを代役にした

トスカと同じく、ブレオンはポーラを自分のものにするため
恋人を助けるフリをして力を貸さず、処刑され、その復讐を果たした

ポーラは、小間使いのエリーズにお礼として真珠の首飾りをあげる
ポーラ:私は二度とトスカを歌えないの 喜劇は終わった(『道化師』の最後のセリフ








■男らしいロビンスン君

登場人物
エドワード・ロビンスン
モード 婚約者
ノーリーン・エリオット

エドワードは『恋は王さま気分』という本の主人公ビルに憧れている
逞しい筋肉、ハンサムな男の中の男

誇り高い侯爵夫人ビアンカとのキスシーン
こんな燃えるような恋はないのか?

エドワードはモードと婚約して、クリスマスには結婚したいが
とても常識的で、しっかり者のモードはもっと給料が上がってからと言う
もっとモードに欠点があればいいのに

明日はクリスマスイヴ
家族とクリスマスを過ごさないかというモードの誘いを
ウソで断り、前から気になっていたスポーツカーを
懸賞で当てた500ポンドで買う









おぼつかない運転で雪が積もる崖の上にクルマを停めて
しばらく歩いて戻ると、ダッシュボードに入れたマフラーの代わりに
ダイヤの首飾りが入っている







運転しているのが、自分の新車に似た別のクルマだと気づいて慌てて戻る
警察に話そうにも、自分のクルマのナンバーも思い出せない

さっきは気づかなかったクルマを見つけて、メモを読む
“グリーン村 10時に”

そこに行くと、グラマラスで魅力的な女性ノーリーンが呼ぶ





ノーリーンが運転を代わり、エドワードをジェラルド兄弟と間違えたまま喋り続ける
婚約者のジミーは女装して、ラリラという富豪の屋敷に入り、ダイヤの首飾りを盗んだが
その後、足首をくじいた

2人は有名な高級ナイトクラブに行く
エドワードはダンスが得意で、ダイヤの首飾りをつけたノーリーンと踊る







ノーリーンは“輝ける若者たち”というグループのリーダーだが
毎日、同じことの繰り返しに飽き、泥棒ごっこをして
成功したら賭け金をもらうゲームをしている

そこにグループのジェラルドが来て
本物のエドワードはスコットランドにいると明かす
エドワード:今夜は実に楽しい夜でした

自分のクルマに乗り、首飾りを返し、ノーリーンとキスをする

ロマンスと冒険に満足して、モードに断った理由は新車を買ったからと話す
今、この時が現実、モードが僕の恋人なんだ

エドワード:
僕は将来、出世するつもりだから、来月、君と結婚する
僕を愛しているかい?

モード:あなたってステキよ





(なんだか古臭い男性優位社会のまんまだけど
 あえてそこを狙って書いたのか?



■六ペンスのうた

登場人物
エドワード・バリサー卿 有名な法廷弁護士
マグダリン・ヴォーン 依頼人
マシュー マグダリンの双子の兄
リリー 大叔母
ウィリアム 叔父
エミリー ウィリアムの妻
マーサ メイド

王室顧問弁護士のエドワードは、犯罪の本をコレクションして静かに暮らしている
そこに30歳くらいの女性が訪れる







マグダリンは、少女の頃、同じ船の上で出会い
とても愛らしかったが、その頃の面影はもうない

別れる時に「助けが必要なら、いつでも」と社交辞令で言ったのを覚えていて
大叔母リリーが頭を殴られて殺された事件の犯人を見つけてくれと頼む

マグダリン:
密室事件で、一緒に住む家族4人のうちの誰かが犯人ではないかと思うと怖くて耐えられない
遺産は4等分されて大きな額







事件の話を聞いて興味を持ち、調べることにしたエドワードは屋敷を訪ねる

リリーは節約家で、1回300ポンドを年に4回馬車で運び
生活費は3か月で300ポンド以下でやりくりしていた







リリーは口やかましく、家族と口論はよくあった
エミリー叔母は事件当夜も口論し、頭痛で2階で寝ていた

マグダリンの兄マシューは借金があるが、友だちを訪ねると言って家を出る
クラブトリーは切手収集が趣味で2階にいた
妻エミリーは寝ていて、マーサの悲鳴で目が覚めた







メイドのマーサに聞くと、階段はきしむから、誰かが歩くとすぐ分かる
マシューは1階でずっとタイプを打っていた
外から客が来れば、台所のベルが鳴るから分かる

部屋の窓は街路に面しているから、窓越しに知り合いを見つけて
リリーが自分で招き入れた可能性もある

マーサ:
“お釣りの中に6ペンス銀貨が1枚あったけど、ロクなものじゃない”と
新しく発行されたデザインの話をしていた

リリーのバッグを見ると、銀貨数枚、ビスケットなどが入っていた







エドワードは屋敷を出ると、マシューが声をかけたため
「24羽のクロウタドリ」というレストランが目に入り
マザーグースの詩を思い出す







6ペンスの歌をうたおう
ポケットには、ライ麦がいっぱい

エドワードは屋敷に戻り、リリーのバッグの中に彼女が話していた
新しい6ペンス銀貨がないことに気づく

エドワード:
事件当夜、何者かがこの家に来て、その銀貨をあげた
マーサ、ゲームは終わりだ 打ち明けたほうがいい

マーサ:
自分が行った時、男が殴り倒したところだった
息子が私に会いに来て、リリー様が出て、6ペンスあげて、中に入るよう言い
机の上のお札をとろうとして、悪魔に魅入られた
息子を逃がして、台所に戻った
あれは国外に逃げて、どこに行ったか分かりません

事件を解決したエドワードにお礼を言うマグダリン
17歳の魅力ははかなく消え、犯罪学の書斎の魅力のほうが勝る

(やけに歳食った感想が目立って、失礼だな



アガサ・クリスティー 作品と解説





1930年代前期は、クリスティーの作家としての地位が固まった頃
『白鳥のうた』は、16歳の時、パリでオペラ歌手になる勉強をした(!)クリスティーにふさわしい本編

クリスティーにはマザーグースがテーマの長編、短編がたくさんある


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topics~チャットでカウンセリング@「こころのほっとチャット」(10.14 ほか

2023-10-17 17:41:31 | 日記
チャットでカウンセリング@「こころのほっとチャット」(10.14
前回も土曜じゃなかったか?

雨の前の低気圧のせいか、久々偏頭痛がして
酷くなると、あの恐ろしい“吐き気”になるから
その前にロキ、そのついでにメイラックス1+ソラナックス1投下
クスリを飲むたびに違和感と戦う自分とも戦う/汗

また兄に電話するのも迷惑かと思い
スマホで調べまくって、チャットで相談できるところに登録してみた







もう20時ちょい過ぎてたけど、20:50までならOKということで、しばらく待ってから開始
“傾聴”だから、基本、私が言ったことに対してオウム返しみたいなものだけで
物足りない気もしたけど、コレが正解なのか?

例:
私:ツライです
カウンセラー:ツライんですね

そのうちクスリが効いてきて終了
40分間ほどだったか? あっという間
「こころのほっとチャット」は、原則、毎回、担当者が変わるそう

他に似たサービスがないか教えてもらった





「まもろうよこころ」




「都道府県・市区町村の男女共同参画・女性のための総合的な施設」



電話もあるけど、混雑してかからなかったり
土曜はなかったり、時間指定外だったりすると
どうしようもなくなるんだよね
元気のある時に調べておけばいいんだけど


「よりそいホットライン」




「東京メンタルヘルス・スクエア」


以前も調べたよな
毎回、忘れて、調べ直してる
メンタル落ちてると、集中力も落ちるし


奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業
LINEオプチャのスピメンバーが教えてくれた
本もあるらしいけど、マンガのほうがスっと入る






“自分でコントロールできることはベストを尽くして
 コントロールできないことは手放す”

て、よくなつみさんが言ってる言葉だ/驚


中山うり ニューアルバム『tempura』
今のうりちゃんをそのまま写したシンプルなジャケだなv
天ぷら? ライヴで聴いた曲もけっこうある


 






朗読 小川未明 ほか
寝落ち用に聴いてる朗読
ひと晩に何本も聴くから、小川未明、宮沢賢治の短編はもうあらかた聴いてしまった感じ
ちょっと眠っては起きる繰り返しで朝が来る

【朗読睡眠】眠くなるアナウンサー読み聞かせ宮沢賢治「ありときのこ」【元NHKフリーアナウンサーしまえりこ】

【睡眠導入】宮沢賢治の美しい日本語をアナウンサー朗読「マリヴロンと少女」【元NHK フリーアナウンサー島 永吏子】




【睡眠導入】眠る前にアナウンサー朗読~宮沢賢治「龍と詩人」【元NHK フリーアナウンサー島 永吏子】




“誰が許して、誰が許されるのであらう
 われらがひとしく風で、また雲で、水であるといふのに”




【眠くなる声】ぐっすり眠れる朗読 秋に聴きたい童話 宮沢賢治/小川未明/新美南吉 【睡眠 絵本 読み聞かせ 童話 大人向け】@あーる【おやすみ朗読】




1:14 少年と秋の日 小川未明
16:55 深山の秋 小川未明
43:46 赤とんぼ 新美南吉
1:03:54 いちょうの実 宮沢賢治
1:19:34 ごんぎつね 新美南吉

他では紹介していない短編が聴けるのは嬉しい
個人的には男性より女性の声のほうが落ち着くなあ

「いちょうの実」の純真さは、何度聴いても感動
「ごんぎつね」は悲しい話では?と思ってスキップ


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