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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ジュニア世界の文学1 若い日の苦しみ リーゼ・ガスト 学研

2024-10-27 16:43:18 | 
1970年初版 小川超/訳 矢吹申彦/ケース・イラスト

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

思春期のもどかしさ、誰にも理解されない孤独な心情や
初恋の燃え上がるような興奮と、相手の言動にどうしようもなく振り回されて
意味もなく泣きたくなる気持ちなどなど、いちいち共感しながら読んだ

日記という形態だから、いろんな気持ちや事象を衝動にまかせて書き殴った感じで
時に支離滅裂だったり、急に大人びた表現を使っていたりして
意味がうまく読み取れない部分も多かった


【内容抜粋メモ】

登場人物
父 母の再婚相手
アクセル 父の亡き前妻の息子
母 ハイディー
ギーザ ハイディーの娘 18歳
ベルベル 学校の隣りの席の子
セバスチアン
ヒルパート 傷痍軍人
シビレおばさん ハイディーの古い友



事の起こりは、ギーザがアクセルのカバンを借りて、プールに行き
カバンを盗まれたことから始まる

その3日前、プールで感じのいい青年に会い
また会えるかと期待したがそんな偶然はなし

ギーザの母は高校教師で、父とは再婚同士
父の息子アクセルと同居していて、19時半の門限とか
古いルールにウンザリしている

アクセルは新品同様のカバンを買って返せと言い
母に相談しようにも、学校や家事で話し合う時間がない

隣りの席のベルベルに話すと、新聞の求人広告でバイトを見つければいいと教えられ
足が不自由な傷痍軍人ヒルパートさんの家の掃除をするバイトを始める
ヒルパートさんは画家で、しばらく通ううちにギーザを描きたいと言われてモデルになる

ベルベルの家に遊びに行くと、母親は子どもと一緒に話したり、遊んだりして
自分の両親、家庭と真逆で羨ましく思う



大学生から『限界状況下の若い世代』の講演を聞こうと誘われて行くと
プールで見かけた青年セバスチアンがいて、ハスキーな声に惹かれる(分かるな

それからギーザの生活は一変し、セバスチアン中心となる
ヒルパートさんはギーザの変化にいち早く気づく

アクセルに誘われた少年合唱団でもセバスチアンと会い、電話番号を教えた



ギーザ:私、家がイヤでたまらないの

アクセルはバカにしたような古い歌をうたって2人で盛り上がる

セバスチアンから電話がかかり、競馬場で夕食をとるデートに誘われる

ギーザは勉強に身が入らず、歴史の授業でカンニングしたのがバレて落第する

大人なんてなにも分かってない
子どもは黙っていても母親に分かってもらえるはずと無意識に思っていた
母親は察してくれると本に書いてあるが、現実は似ても似つかない

ヒルパート:
大事なのは、力いっぱい打ち込むことだ
人間なにかをやる時は火の玉になって燃え立つことだ(岡本太郎さんみたいだな

セバスチアンの心を勝ちとろう 私の中の熱い炎で
大人になるまで待ちなさい、という決まり文句はもう飽き飽きした



アクセルがガーデンパーティーに誘う
客が余興を披露して、教授が審査して賞をもらうから
2人で例の歌をうたおうということになる

アクセルはギーザに白いドレスまで新調してくれた
2人の歌は大喝采を送られ、ギーザはたくさんの男性と踊った
セバスチアンもギーザの新たな一面に驚いて褒めてくれて有頂天になる



夏休み
父とハイディーは旅行の予約をしていたが、ハイディーが病気になる
ギーザは祖父母の家に行く予定だったが、母の看病を口実に
セバスチアンと会えるのを楽しみにして
母の病気を喜んだことに罪悪感を感じる

なのに、セバスチアンと会えるのは週に1回か2回
次に会う日も決めずに別れるのも不安をかきたてられる
(分かる! 相手の都合に合わせすぎると消耗するよね

ハイディーは亡き実父の生命保険が下りて、ギーザの教育費としてまとまった金額を渡す
貯金通帳をつくり、ギーザを信用して自分で管理するよう言う

ギーザは部屋にカギをかける引き出しもないのを前から不満に思っているが
「18くらいの時は隠しごとはないほうがいい」という父の意見に押されている

ハイディーはギーザに親友のシビレおばさんの所に行ってはどうかとすすめる
セバスチアンは郷里へ帰るのにお金がないと愚痴り
ギーザはハイディーからもらった10マルクを貸す

セバスチアンに絵のモデルをしたと話すと、観たいと言うのでヒルパートさんの家に一緒に行く
絵の中のギーザはアマゾンのように大胆で、勇気にあふれている
セバスチアンは心の底から感心した様子

ヒルパート:人生はとても素晴らしいんだよ 本当なんだ!

ギーザはヒルパートさんといる時のほうが素の自分でいられて楽しかった
クラスの友だちも、母の前ですら“いい子に見せたい”と思って肩ひじ張って疲れてしまう
初めて踏み込んだ質問をして、一度結婚して、男の子がいると分かる



シビレおばさんは美人じゃないが、とても魅力的
バルテルス夫人も気に入る
診察室はいつも満杯で、シビレおばさんの婚約者“たわしさん”もいる

バルテルス夫人:
祈りには2種類しかない
1つは賞賛と感謝、もう1つは力をお願いするお祈り
「主なる神よ 汝が課したもうものに耐える力をお与えください」

シビレおばさん:私の宗教は人のために働くこと

ギーザは結婚して、男の子を持ちたいと思う

シビレおばさん:
自分の器量が悪いのをハンディキャップだと思っていた
でも、人間の価値は別のところにあると分かった

あっという間に滞在の10日間が過ぎる
恋がなくても幸福は存在するのだ 恋をしているとそれが分からない



ギーザはみんなが知らない間に体力章をとろうと頑張る

セバスチアンと喫茶店で会い、父とけんかしたと話す
ギーザ:ここを出る?
セバスチアン:そうだ 飛び出そう ましなことをやろう!



セバスチアンが2、300ほど金を貸して欲しいと言う
ギーザは迷いつつ、セバスチアンの力になりたいと思い、貯金通帳から下ろして渡す
(だから、相手が友だちでも恋人でもお金の貸し借りはトラブルにしかならんて/汗

全的な人がうらやましい
100%善良、100%不良になれる人が
私はなんでも中途半端だ

(これもよく感じるけど、自分以外になろうとすること自体違うんだよね

ハイディーの引き出しに睡眠薬を見つけて、ポケットにしまう

セバスチアンからなにも連絡がなく、不安な日々が過ぎる
誰にも相談できず、泣き暮らすギーザ
幼児か、生まれる前に戻りたいと考える

手紙を書いて問いただすと、長い返事が返ってきた

セバスチアンは28歳で、4年前に婚約した
婚約者の父のなさけで大学で勉強することになったが、法科は合わない

追い込まれていた時にギーザに会い、勇気、実行力、自由に生きる姿に感銘を受けた
友人がスペインに行こうと誘ってくれて、借りたお金で旅をしている

写真を送るから、新聞社に売って、半々にしよう
婚約は解消するつもりだ
(売れるかどうかも分からん写真をGFに売ってもらうってズルすぎる

ヒルパート氏は君を愛しているが、君には歳をとりすぎている


セバスチアンは一度も自分を愛してくれたことなどないと分かり
婚約者がいるのにキスしたりデートに誘ったのはどうしてだ!?と頭が混乱し
ギーザはヒルパートさんを訪ねる

ベッドを借りて寝て起きると、シビレおばさんが来ている
2人はギーザの日記を読んで事情を知る

シビレおばさん:
あなたは本物の恋をした 全的に
これは素晴らしい体験だ
大事なのは、あなたが彼を愛したということ
とにかく、力いっぱい生きること

相手は自分の都合だけで勝手に縁組を破棄するような男
仕事についてもすぐ辞めてしまうし
自分を「要求ばかりで行動のエネルギーを持たない」と言って
それを不敵と思って得意がってる

どんなに愛情や理解があっても、母親と話し合えるのは娘自身も子どもを持ってから
その自然法則は認めるより仕方ない

あなたのような体験をした人は、自分の子どもに今何が起きているか
いち早く気づくと思う

“明日の母親”は、夫と並んで、子どもたちの後ろに壁のように立ち
人生に飛び立とうとする時、背後を守ってあげられるでしょう

私の貯金からハイディーに返すから
診察室の助手になって、月賦で払って

アクセルはあなたが好き
ヒルパートさんの足は思ってるより悪いから医師に見せること
正式にお世話すること

両親とかけあって、ギーザの部屋にカギをかけられるよう交渉した
お父さんは「子どもらが30分早く起きてくれれば家族で話ができるのに」と言っていた



あとがき

リーゼ・ガスト
西ドイツの家庭小説・少女小説の作家として知られる
夫は戦死、8人の子どもを育てながら小説を書いた

『若い母ランディー』
『海辺のポニー』
『ポニーとわたしたち』
『山の家の少女』
など

「犬と子どものしつけは世界一」と言われるドイツの家庭で
当人は深刻に苦しんでいるのに、大人たちには鼻であしらわれる孤独感などが描かれる

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映画『安宅家の人々』(1952)

2024-10-26 21:18:52 | 映画
監督:久松静児 原作:吉屋信子

出演
安宅宗一:船越英二 長男
安宅國子:田中絹代 妻
安宅譲二:三橋達也 次男
安宅雅子:乙羽信子 妻
宗一の従兄弟:小沢栄
宇田川次枝:三條美紀
玉木雄二郎:山村聡
高橋:大泉滉
田邊:多々良純
おとく:本間文子
勇吉:菅邦彦
幸造:飛田喜佐夫
健作:宮嶋健之
獣医:見明凡太朗
ほか



「百萬弗のゑくぼ」というキャッチフレーズで呼ばれていたという乙羽信子さんの可憐さと
田中絹代さんの対象的な演技が見どころ


【内容抜粋メモ】
十字架をバックにテロップが流れる

安宅養豚場
安宅譲二:6万3000坪 ここに住むんだ と妻・雅子に話す

兄・宗一は知的障害があるため、妻・クニコが自ら働いて切り盛りしている

國子:お互いの生活を侵さないルールが必要

マサコ:お兄様はまるで神さまみたいな方ですわ







クニコ:
主人は気の毒な人です
私の父は娘を犠牲に捧げる人だった
人には金が目当てとそしられた

ソウイチはちゅうちゅうたこかいなと豆を数えている
マサコは鳩時計をプレゼントする
ソウイチ:他人が入るから笑われないようにってクニコに言われた
マサコ:私は他人じゃないわ

鳩が出てくるのを待つソウイチ
シンデレラなどの児童書、キリストの像などが飾られている

美しい母の写真もある
クニコの妹・宇田川次枝が金の無心に来てお金を渡す

栗拾いに行く途中でマサコを訪ねるソウイチ
マサコは小説『坊ちゃん』を貸して栗拾いを手伝う

ソウイチ:毎日、勉強でつまらない

テニスするソウイチとマサコ

みんなで法事のために東京へ行く
電車に乗り、歌うソウイチとマサコ
皇居前を歩くシーンもある

大勢の親類が集まる
親類:ああしてるとバカには見えないな

マサコの父・玉木雄二郎が挨拶する

ソウイチの挨拶
「祖父の33回忌に際し、、、」覚えたセリフをカンペキに言って
席に戻り「どうクニコ、間違えなかったでしょ?」と言って笑われる
クニコは恥ずかしさに席を立つ

マサコ:体面にばかりこだわりすぎる お兄様のことは恥じることじゃない



京都を観光して宿に泊まる
クニコとマサコは一緒にお風呂に入る

クニコ:
お子さんができたら、1人くださいね(え!?
私は修道院に入ってるのと同じ あの人には欲望などない

部屋に戻るとソウイチがいない
ジョウジが酒席に呼び花魁を呼ぶ

クニコ:一緒に来なければよかった

ジョウジとケンカして泣くマサコ









翌朝もジョウジは荒れて、けんかはよそうとなだめるソウイチ







ソウイチにピアノを弾いてあげるマサコ
ソウイチにもピアノを教える








まだツギエが来る
クニコ:アダカに迷惑かけたら絶対許さない
ツギエ:冷血漢!

ツギエからジョウジ宛ての手紙を見つける
ジョウジ:見習いに来た頃は可憐だったね

ソウイチはマサコの優しい言葉を思い出してぼんやりする
クニコに急に抱きついて泣き出す

牧師が経営する知的障害の子どもたちの学校を訪ねるマサコ

男:
ジョウジさんの貸した資金50万円のことについて来た
返済期日が過ぎても連絡がない
本家のお兄様のお顔にも・・・

ツギエ:
亡くなったお母さまに会いたくない?
霊媒師の名人だからちゃんと分かる

怪しい霊媒師が祈りを唱える

クニコ:霊媒師が来て、私が主人に冷淡だと言われた
ソウイチ:ジョウジを助けてあげてって聞いたんだ

クニコ:
ジョウジさんの債務は本家で引き受ける
その代わり事務所を閉鎖してもらう

お風呂でソウイチの体を洗うクニコ
ソウイチが勉強してるかクイズを出す

クニコ:春が来て、美しいもの ほんとにカワイイ ソウイチの好きなもの
ソウイチ:マサコさんだ!
クニコ:スミレです クニコはショックを受け、鏡に映る自分を見る



クニコ:
明日からピアノのお稽古を休んではどうか
同じ邸内に住むと、他人より面倒なことになるから限度を守るといいました
ジョウジさんはここで働くほかないが
生活と仕事、公私を区別してほしい

クニコは1人泣き崩れる



ジョウジは労働者をたきつける

ジョウジ:
ボクはここを近代的にしてハムなどを作りたい
みんなで組合を作ろう クニコのガリガリ頭を教育して

ジョウジ:明日、飼料倉庫へいらっしゃい ボクがマサコを呼びますから

組合の要求をクニコに持って来る労働者
クニコ:私はあなた方以上に働いてます

ジョウジはクニコに内緒でニワトリを殺して持って来る(!
労働者がストライキを起こし、ブタがそこらじゅうにいる

ばあや:みんな飼料倉庫に立てこもっている
クニコ:私はけして負けません!

ソウイチも飼料倉庫にいたのを怒って、書斎に閉じこめる

マサコ:
親子で争わなくても話しあえば分かること
あなた方の希望はお姉さまに頼んで直していただきます
その代わりあたなたたちも自分の責任を果たしてください
お姉さまが白い手でいたことがありましたか?
みなさんに直接相談してほしかった

クニコ:これ以上、ジョウジさんがいることは固く断ります

ジョウジとマサコは汽車に乗るが、ジョウジはまた途中で降りる

マサコは実家に来る
マサコ:あの人とはもうやっていけない気がする
父:結論を急ぐ必要はない

ソウイチはマサコの代わりにボールを犬に拾ってこさせる
マサコの声「ボールがないわ!」と聞こえて崖から転落死する



ソウイチの葬儀
牧師がなにやら読み上げる
ジョウジ:兄貴はなんで死んだんです! とクニコを責める

クニコ:
マサコさん あなただけを待っていました
主人はあなたを愛していたんです
私がかけつけたのも分からず、主人はあなたの名前を呼びました
私は機械のように働いて、いつも犠牲になっているつもりでしたが思い上がりでした
妻として、女としてなんの資格もなかった
なぜもっと優しくしてあげなかったでしょう

マサコ:お姉さまはけして間違っていない



ツギエ:
あの人たち養豚場を狙ってる!
これから私がお手伝いさせてもらう

いとこ:
ソウイチくんはただ服従を強いられていた
ジョウジくんが生活改善を意見したが追い出した

ツギエ:
今度は黙ってないわよ!
今日までここを支えてきたのは誰だと思ってるの!

マサコ:よってたかってお姉さまを辱めてあんまりです

いとこ:ジョウジくんと共同経営にしたらどう?

クニコ:
私はもう経営する気力がない
この養豚場、家も小桜学園(特殊教育)に寄贈いたします
私は分校の保母になります
ここの半分の土地はジョウジさんとマサコさんに送る

マサコ:
私もお姉さまのそばで保母にさせてください
私、玉木雅子にかえります

森からソウイチの愛犬が来て、ボールを渡す



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ジュニア・ベスト・ノベルズ 12 恐怖の地すべり ベロニク・デイ/作 岩崎書店

2024-10-26 21:00:22 | 
1973年初版 1975年 第3刷 三橋宣子/訳 織茂恭子/画

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

タイトルからして私のニガテな状況で後回しにしていたけれども
ストーリーに引き込まれて一気読みした

地すべりの土砂に埋もれて、電気も通わない真っ暗な部屋で過ごすって息苦しすぎる↓↓↓
5人の子どもたちが、励まし合いながら生き抜く姿が逞しい

そして、ヒトの便利な暮らしのために丸裸になった山が
雨風にさらされると災害が起きやすいという自然保護の観点も重要だ


【内容抜粋メモ】

登場人物
コルソン家
ローラン 14歳
ベルティーユ 妹
ダニエル 弟 6歳

ベロニク 友 14歳
アレクシス ベロニクの弟 6歳
ノーティエ 兄妹 発明家



父は部屋で過ごすのが好きなローランを食べる時しか顔を出さないカタツムリに例えて
子どもたちだけでグンターさんのホテルで冬休みを過ごして
弟や妹たちの面倒をみる責任者となるよう言い聞かせる

グンターさんのホテルにいたのはたったの2日
ベルティーユはローランとケンカして、家に帰ると言ったため駅まで来たが
仲直りして、ホテルに戻る途中、発明家ノーティエさんの家に寄るが
兄妹は村の住まいへ行っていない










それを知らない子どもたちは、しばらく待っていて、そのまま眠ってしまう

3週間もぶっ通しで雨が降った後で、丸裸の山が地すべりを起こし
鉄道も道も、ノーティエ家も埋めてしまう

酷い吐き気がしてローランが起きると停電で真っ暗
ストーブが有毒ガスを出して、ムクドリのフリケは死んでいる









子どもたちは皆無事だったが、ドアを開けると土砂が入ってくる
台所には木が入りこんで、ようやく地すべりが起きたと知る

リュックに食べ物をたくさん詰めてもらったため、サンドイッチを食べる

家畜小屋の2階が落ちて、ヤギが鳴いている
ローランは父からもらった古いライターで火花を出した灯りだけを頼りに
なんとかヤギを2頭連れて来る

ベルティーユ:私たちがここにいることを誰も知らないわ
ローラン:便りがなければ、2、3日でパパやママが心配すると思うよ

ベルティーユは郵便局にいた女の子に頼んで
まとめて書いた絵葉書を毎日1枚ずつ出してくれと頼んだことを話して泣く
帰る予定の1月5日まで、あと8日もある







時間の見当もつかないため、カッコウ時計を持ってくる
ヤギが空腹で鳴くため、干し草を取りに行き
ローランは穴に落ちて、左腕を深く切ってしまうが
弟たちを心配させないために、傷を隠す

食器棚を探すと、砂糖やぶどう酒などが置いてある
ちびヤギからは乳がとれ、ベルティーユは乳しぼりができる
あるだけの食糧を10日間で割って、1人あたりにするととても少ないと分かる









ベルティーユは夕飯に食べるはずのバナナを昼に食べてしまう
ローランは父から責任者に決められたのだから、自分の言うことを聞かなきゃダメだと話すが
怒ったベルティーユは暗闇に隠れてしまう

地下室に水がたまっていて、ベルティーユが落ちて助けを求める
服や下着が濡れてしまっても乾かすこともできない









大事なパンやリンゴがネズミにかじられ、ペストに感染するのを怖れて
かじられた部分を切り取らねばならない








コルソン夫人は、ショウコウ熱が流行り、冬休みが1週間延びたと手紙を書く



ベロニクは退屈した下の子たちのために『ロビンソン・クルーソー』の話を聞かせる

子ヤギが2頭生まれて、ダニエルとアレクシスは夢中になる
ちびヤギは鎖で初めてつながれたのをイヤがって逃げ、地下室の水に落ちてしまう
かあさんヤギの初乳は不味くて飲めない









食料が尽きたら、子ヤギを殺すしかないと話し合うローランとベロニク
(生肉を食べるつもりだったのかな/汗

窓の土が落ちて、西日が入って、感動する子どもたち
互いに見ると、髪の毛はくしゃくしゃ、部屋も体も汚れ放題と分かる

天井に見事なハムが下がり、暖炉の上にはロウソクと石油ランプ、マッチがあって喜ぶ
窓の外は雪で銀世界 コップに雪をすくえば水問題も解決した









ローランの傷は痛みを増し、熱も出て、干し草を持って来る仕事などを
ベルティーユに頼むと、なぜ兄がやらないのかと不満をもつ








道路が雪に埋もれている間は、モンピエールから誰も来ないだろう
窓の外は崖で、谷底の川までは30mほどある

運動に自信のあるベロニクはシーツを割いてロープをつくり
体に巻いて、谷底まで降りると言い張るが、川は水かさが増し
土砂が崩れそうになって止められる









ローランは鏡で反対の斜面に光のモールス信号を送るアイデアを思いつく
ベルティーユは学校で教わった符号をなんとか思い出し
“SOS たすけて 地すべり ノーティエの家 とじこめられている”と送る

ローランは人が来たら火薬を破裂させるよう提案する



足を捻挫して学校を休んでいたジャン・ルイは
山の斜面に定期的に光が点滅するのを見てフシギに思い
モールス信号の本を弟に借りてきてもらう








モロー先生に光の点滅が4日連続あることを話して
2人でモールス信号を黒板に書くとノーティエになって
ノーティエ氏の発明の1つだろうと推測するが、ノーティエ氏は否定する

2人でふたたびアルファベットを入れ替えて試すと、SOSの意味が分かって救助隊を呼ぶ



コルソン夫人は筆無精のベルティーユが毎日きちんと絵葉書をよこすのに
ローランからは1通も来ないのをフシギに思い、グンターさんに手紙を書くと
12月28日にホテルを出てパリに帰ったと返事が来て、夫婦は慌ててホテルに向かう

村の青年が村長に言われて山からノーティエ家を見るが窓からは誰も見えない
ジャン・ルイ:あそこに人が絶対いるんです

2人が帰ろうとすると、爆発音がして驚く

アスピリンを飲んでなんとかしのいでいたローランは、もう限界
2人が通りかかったのを見て、火薬を爆発させた

コルソン夫妻が村に着き、少女がベルティーユに頼まれて絵葉書を出していたと話す







5人の子どもたちは救助隊に助けられ、ローランは病院に運ばれて治療を受ける
旅館の女将さんがごちそうを作って子どもたちにふるまう









ダニエルは種をまいて森をつくる夢を見る
地面をしっかりくいとめるための森だった




あとがき
本書の原題は『やみの中のロビンソンたち』

ベロニク・デイ
本名はマルセル・プティ
10人の子どもを持つ女性作家

彼女の子どもたちをモデルにした“イザベルシリーズ”で知られる
『イザベルのバカンス』
『イザベルと巨人たち』
『イザベルところがる家』
『SOSイザベル』







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映画『夏の嵐』(1956)

2024-10-25 14:03:27 | 映画
監督:中平康

出演
浅井陵子:北原三枝 教師
浅井妙子:小園蓉子 姉
浅井明:津川雅彦 弟
浅井みつ:北林谷栄 母
浅井義孝:汐見洋 父
浅井家の女中:堀込久子(若草)
牧(陵子の義母):藤代鮎子
秋元啓司:三橋達也 化学者
城戸:金子信雄 教師
教頭:伊達信
生徒・大門:大鶴義英


男女関係をやたら小難しい長セリフで哲学的に描いて
またいやあ~な終わり方をする作品だった


【内容抜粋メモ】

浅井陵子:卑怯よーーーー!!

いきなりの大絶叫 荒れた海に向かうリョウコを呼ぶ声



洋館で出かける準備をしているリョウコ
アキラ:手紙が来ている
手紙を読まずに破いてしまうリョウコ

姉:学問さえあれば1人で自由にできると思ってる

アキラは本当の弟ではない 知らないのは彼だけ
(以前もストカーみたいな役だったな、津川雅彦さん

欺瞞と虚栄に満ちた家庭を憎んでいるリョウコ



子どもたちは教師が来るまで大暴れ
黒板に高速で筆記体の英語を書くリョウコ

養母・牧が学校に来るが冷たく当たる
手紙に関する話で今の夫の前の子どもを学園に入れて欲しいと頼む
父は戦死している
リョウコ:見せかけの愛情など誰にも求めないことにした

13年前、養父が死に、リョウコを手放した?
リョウコ:私は愛に渇えていた

マキのことで母から怒られる

姉・タエコの見合い相手・秋元啓司が来る 2人は知り合い
食事前にお祈りをあげる
リョウコは様子が変で部屋に逃げる



去年の夏、山に行った際、1人で湖畔に行き口笛が聞こえて秋元と知り合った
湖にずぶずぶ入っていくリョウコ
リョウコ:あなたが呼んだのよ、私を
いきなりキスする秋元

秋元:
僕は一度心中しそこなった男です
相手は死んで、自分だけ生き残ってしまった

約束もせずに2人は別れた

秋元の帰り道、口笛を吹いて現れるリョウコ

秋元:
知っていたら、タエコさんと婚約しなかった
僕はきっと悔いのない生き方をしてみせる



教会にいるタエコに声をかける秋元
秋元:式を少し延ばしてほしい

生徒・大門:父さんの財布からお金を盗んだから殴ってください
リョウコ:爪を噛むのおやめさい! リョウコは何度もぶつと喜ぶ
大門:僕、先生、好きだ

秋元が家に来る
リョウコ:2分間「知らない」て言葉を言わないって賭けをしよう
秋元は帰る







船上でのダンスパーティー
秋元:こんな船に乗らなきゃよかった
リョウコ:姉と婚約して後悔してらっしゃらない?

洋風な墓地
リョウコ:理性を試しましょうか?
秋元:君は自分を安売りするね タエコさんだけは傷つけたくない

式を延期したことを愚痴る母

アキラ:リョウコさんはお芝居がヘタクソだ
アキラの部屋からリョウコの着替える姿が見える

父:アキラがいとこだってこと知ってるのかなあ
母:戸籍の上でも長男になってる

アキラ:
僕にだって暗い過去がある
あまり自分を苦しめないほうがいいよ



大雨 傘もささずに講堂でピアノを弾いてる秋元を訪ねて会わずに帰るリョウコ

タエコは秋元の家に来る

タエコ:私と結婚するのがおイヤになったんでしょうか?
秋元:愛情を感じなくても結婚できるんですね!
タエコ:結婚していただけますわね!



城戸:
大門を殴ってけがさせたことで父親が訴えている
僕と結婚しませんか?

リョウコ:相手が決まってる

城戸:そんな奴忘れたまえ 人生は意外と単純なものだ



外でビールを飲む秋元とアキラ
アキラ:あなたの考えは不健康だと思う



タエコ:昨日、リョウコが帰らなかった
アキラと秋元が一緒だったと聞いてほっとするタエコ
母:だんだん不良になって神さまがお許しになりませんよ

リョウコはホテルを抜け出し、秋元と講堂で会いキドについて明かす
リョウコ:私が何をしようとあなたに関係ない

言い争ってるところにアキラが来る
リョウコ:私がここに来たこと黙っててね あなたを信用してるわ

秋元:
リョウコさんは1年も前に現れて去ってしまった人
強い印象を受けて忘れられなかった
取り返しのつかないことになってしまった

アキラ:
あんまり深刻に考えないほうがいいですよ
4人で海に行く約束どうします?



キドから電話がきても居留守するリョウコ
リョウコ:昨日、キドさんとホテルに泊まって、秋元さんにそれを話したの

アキラ:お姉さんて呼ぶよ
リョウコ:あんたやっぱり知ってたのね

アキラはリョウコのために詩を読む
リョウコはアキラにもキスする



秋元とタエコの結婚式?
教会なのに着物ってフシギ

電車で海に行く4人
タエコ:台風だいじょうぶかしら?

砂浜でもなにか難しいことゆってるアキラ
台風が近づいてるというニュース

4人で寝ていて秋元はリョウコにキスする

秋元は荒れた海にどんどん入っていく
アキラ:秋元さん、死ぬつもりなんだ

リョウコ:卑怯よーーー! 私はそんなこと許さない!
リョウコも後を追う

なんだかんだ追いついたと思ったら、終わった/驚



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ジュニア世界の文学2 草原の歌 Aitmatov Chingiz 学研

2024-10-25 13:47:19 | 
1970年初版 佐野朝子/訳 矢吹申彦/ケース・イラスト

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

ロシアの小説はベースの社会や環境が厳しすぎて息が詰まる

【内容抜粋メモ】

■ジャミリャー
戦争が始まって3年目
15歳の少年たちは集団農場で働いていた

小さな家の主人が亡くなり
回教徒のしきたりで、父と結婚

母は2つの家の絶対的支配者
母:女の幸福は子どもを産むことと、家が豊かであることだよ

班長オロズマートは戦争に行ってる兄サドゥィクの嫁ジャミリャーに
穀物袋を馬車で駅に運ぶ仕事を頼む
セーイトとダニヤールはジャミリャーを守るよう言いつかる
ジャミリャーは快活で無邪気で美しい

ダニヤールは最近クルクレウ村にやって来た負傷兵
小さい時にみなしごになり、いろいろな地方を放浪した
無口で1人でいることが多く、みんなは彼を笑いものにした

ジャミリャーとセーイトはからかって
ダニヤールに100kgを超える袋を運ばせる
帰り道、ジャミリャーが歌い、ダニヤールにも歌わせると2人は感動する

セーイトも自己表現したい渇望を覚え
子どもの頃から好きだった絵を描きはじめる

ジャミリャーとダニヤールが寄り添い合って馬車に乗る様子も描き
ジャミリャーがその絵が欲しいというのであげる

帰還兵がサドゥィクは2か月ほどで帰ってくると教える
ジャミリャー:あの人は一度も私を愛してくれなかった

ジャミリャーとダニヤールは駆け落ちする
セーイトはジャミリャーを愛していたことに突然気づく

サドゥィクが帰り、セーイトが描いた2人の絵を見て「裏切り者」と責める
セーイトは絵の勉強をするために家を出る



■最初の先生
クルクレウ村に2本のポプラがたつ丘は「ヂュイシェンの学校」と呼ばれている
昔、学校があって、ヂュイシェンが教えていたが
彼自身あまり学がなかったのだと笑う村人たち

新しい学校の開校式に、私と学士院会員のスライマーノヴナ女史もゲストに呼ばれて
アルトゥィナーイ・スライマーノヴナはみんなから大歓迎される

ヂュイシェンも同席するよう言われるが郵便配達があるからと断る
戦争から帰った際「死にに帰ってきた」と言っていた

アルトゥィナーイは数日滞在する予定だったのに、急用があるからと汽車に乗って帰る
後日、私に彼女から長い告白の手紙が来て、すぐに発った理由が書かれている

14歳の頃、亡き父のいとこの家に引き取られていた
母も亡く、叔母はアルトゥィナーイに辛く当たる

ヂュイシェンは村に学校を開いて教えたいから、丘の馬小屋を使いたいと提案するが
代々百姓の村人は学問など必要ないと反対する

ヂュイシェン:
私たちは貧乏で無知でした
でもソビエト政権は私たちに読んだり書いたりするよう望んでいるのです

馬糞を集めていたアルトゥィナーイに勉強したいかと聞き
ほかの子どもたちも学校に連れて来てくれないかと頼むヂュイシェン

先生に馬糞を分けて、また探しに行くが袋の半分しか集まらず叔母に叱られる
叔母:学校なんかに近づいたら、足をへし折ってやるからね!

ヂュイシェンは農家を1軒ずつ回って子どもたちを学校まで連れて来る
擦り切れたレーニンの肖像画を見せて熱く語り
知っているすべてを文盲の子どもたちに忍耐強く教えた

村人たちが橋を造る手伝いもしなかったため
切るように冷たい川を渡る子どもたちをおぶって渡らせる
ヂュイシェン:君は才能がある

レーニンが亡くなった日、ヂュイシェンは子どもたちと一緒に喪に服す

ヂュイシェンが入党するため町に3日行っている間
アルトゥィナーイは仕事も手につかず、サイカルばあさんの家に泊まるよう言われる
そこはヂュイシェンが厄介になっていた
ヂュイシェンは生徒との約束を守るために飢えたオオカミに襲われ、老馬が身代わりに食われた

ある日、叔母はアルトゥィナーイを赤ら顔の太った男の第二の妻にする

ヂュイシェンは丘に2本のポプラを植えて
アルトゥィナーイが町で勉強できるようにすると約束する

赤ら顔の男が2人の男と学校に来て、アルトゥィナーイを連れて行く
叔母:こいつはあの娘ととうにデキてたんだよ あの雌犬をタダでたぶらかしてたんだ!
ヂュイシェンは止めようとして、殴られ、骨を折られる

気づくとテントの中にいたアルトゥィナーイ
15歳でトコール(第二の妻)にされ、テントに監禁される

ヂュイシェンが民警を連れて来て、赤ら顔の男を捕まえる
ヂュイシェン:お前の時代は過ぎ去って、彼女の時代がやってきたんだ!

アルトゥィナーイを守りきれなかったことを謝り
川で体を洗って、すべてきれいさっぱり忘れるよう言う

町に行く汽車に乗り、ヂュイシェンが名前を呼ぶ声が今でも忘れられない
私の初恋よ、さようなら

戦争が始まり、疎開に行く途中、2本のポプラがたっているのを見る
学校はなくなっていた

大学に出張に行った際、鉄道用の小旗を振っている男をヂュイシェンと間違える
客:可哀想に夫か兄弟かと思ったんだよ

アルトゥィナーイは結婚し、子どもを産み、哲学博士となった
ヂュイシェンの生徒の多くは戦死した

新しい学校を「ヂュイシェン学校」と名付けるよう提案したいと手紙に書いてある



■ラクダの瞳
ケメリはトラクターの運転を学ぶためにアナルハイの処女地開拓にやって来たが
すでに助手がいたため、水くみ係となり、アバキルに「学者先生」と呼ばれてバカにされる

歴史のアルヂヤーロフ先生がアナルハイのヨモギ草原の素晴らしさを何度も吹き込んだため
この地に来たのに、毎日アバキルにののしられることにウンザリするケメリ

母はケメリを医者にしたかったのを反対して家を出たから、帰るわけにもいかない
助手のカリーパはケメリをかばってくれる
誰も自分を非難できないよう夢中になって働こう

泉のそばに子羊を連れた少女がきて、泉の名を聞くので「ラクダの瞳」と教えるケメリ
アルヂヤーロフ先生を知っていて気が合う

サローキンはみんなを集めて、ケメリは水はこび係はイヤだと言うと
カリーパが仕事を替わってくれ、すきの上に乗る仕事になる

少女は畑にやって来て、アバキルはケメリにトラクターの乗り方を教えて
自分は少女を口説きに行き、羊飼いの少女は来なくなる

カリーパはアバキルの子どもを身ごもり、捨てられる

土から金が出てきて、昔、遊牧民がいた証拠だとアバキルに見せる
アバキルは具合が悪いとウソをついて、金を持ってアナルハイから去る

カリーパ:
よく働く人だと思った
優しく愛せば、あの人の悪意はなくせると思った
でも昔の彼のまま行ってしまった!

ケメリは全部の責任を持つことになり、この荒れた地に
素晴らしいアナルハイの国が必ずできると羊飼いの少女に信じてもらいたいと願う

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ゲームで遊んでみた part30~どうぶつの森 ポケットキャンプ(28)

2024-10-24 19:43:31 | ゲーム
「ゲームで遊んでみた まとめ」カテゴリー内に追加します



■シーズンイベント「夕暮れの提灯ハロウィン」
ハロウィンのおだんごを集めてハロウィンアイテムをゲット

●パンプキングと幻想ハロウィンまつり















■キョンシーなハロウィンコレクション
キョンシーの映画が公開されたのって随分昔なのにいまだ人気なのかなあ?






■つり大会~あやしげ骨董店~
ここにもパンプキングが登場





■写真と好きな言葉
バーバラ:わざわいを転じて福となす
1ごう:必殺技
スワンソン:時は金なり
リッキー:赤子のから笑い







■ミニハニワあつめ~ハロウィン・スイーツ~
ミニハニワ(カヌレ)を集めてお菓子のアイテムをゲットする






その他。

1個3000ベルの果物に驚くどうぶつたち





「家具コーディネート」で2131まで来て
黄金の招き猫、ブタの貯金箱がつくれるようになった
何万ベルもないからつくれないけど


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岩波少年文庫 3120 フランバーズ屋敷の人びと 5 愛ふたたび 下 K.M.ペイトン/作 岩波書店

2024-10-24 19:25:58 | 
1986年初版 1995年 第6刷 掛川恭子/訳 K.M.ペイトン/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


長いフランバーズ屋敷の物語もこれで最終章
目の前で生き生きと動いていたさまざまな人たちは本の中に戻り
私の感動もすぐに記憶のかなたへ行ってしまうと思うと切なくなる
素晴らしい物語を読んだ後はいつもそんな気持ちになる

マークがとんでもない体調にも関わらず馬に乗ったり
酒を飲んで自分の体を労らないことにずっと疑問を感じていたけれども
父から虐待的な体罰を受けていたことを思い出して
自分で自分の体を大切に思わない要因がやっと腑に落ちた

最後、クリスチナをいつまでも見送るディックの立ち姿と
大好きな馬で駆けるヒロインのシーンも胸をしめつけられた


【内容抜粋メモ】

登場人物

フランバーズ屋敷
クリスチナ・パーソンズ
ディック・ライト 以前屋敷で馬丁をしていた 現夫
イザベル ウィルとの間の娘
ティジー(トーマス・マーク) マークとバイオレットの子ども

ラッセル 亡父 亡妻イザベル
マーク 長男
ドロシー・ソーンダーズ ホテル「ブドウのふさ亭」経営者の娘 マークの妻
ウィリアム 元夫 戦死
メアリー 女中頭
ファウラー
ウィルヘルム ドイツ人捕虜 農夫
ロージー・ディーキン 父シメオンはディックの父的存在
クララ・ディーキン 未亡人 乳母
グレイスおば 洋裁で生計を立てている
ジェリーとファーガス マークの戦友




ファウラーは呼び戻される
乳母としてクララが雇われる

戦争の終結とともに夕食会などが復活したが、ディックは頑なに出席しようとしない
保守的なディックはクリスチナに屋敷のきりもりだけをしていてほしいと願う
クリスチナ:ディック、少しは楽しまなくては 人生は仕事だけじゃないのよ

ファーガスはダーモット邸に住んで車の修理をし、マークとともにトラクターなどを売る
2人はカーレースに夢中になり、ファーガスはクリスチナにも車の運転を教える
カーレースは復員してきた男たちの間で流行りはじめていた

ドロシーは経済的にも性格的にも自立していて、結婚してもそれは変わらず
子どもを産まない決断に関してマークとすさまじいケンカをしたが信念は変えない

ダーモット邸に移り、新居祝いパーティーには出席したディック

クリスチナとドロシーは子どもを連れて、男抜きでフランスで休暇を過ごす

ドロシー:
あなたは私の夫を愛していて、彼もあなたを愛している
そして私は自分のことしか愛していない

みんなでウィルの墓参りをする



トムに家庭教師を見つけるためにダーモット邸を訪ねるクリスチナ
帰りに馬車に乗ったクリスチナはマークの車とスピードを競って
自転車に乗った少年が飛び出してきたのをよけて生垣に突っ込んでしまう

ディックとの息子ハリーを身ごもっていて、異常な痛みと戦いながら
クリスチナは「マーク、行かないで!」とわめくのを聞くディックとドロシー

クリスチナの意識が戻り、ハリーが亡くなったと知る
ドロシー:人間は驚くほど回復力のある生き物よ

ディックは自分の後を継いでくれるはずのハリーの誕生にすべてを賭けていたが叶わず
またディーキン家を訪ねて慰めてもらう

ロージーが来て、2人の事故を見ていた少年から目撃情報を聞いたと話す
2人は周囲への配慮から、クリスチナが誤って生垣に突っ込んだとウソをついていたが
そのウソもバレ、ディックはショックのうちにロージーにキスする

後日、マークはドロシーが止めるのも構わず、ディックに謝りに来る
ディックはマークの腹以外を選んで殴る

マーク:
おまえの女房には少なくともお前の子を産む気があるが、こっちは終身刑だ
楽しめばいいだろ! 素晴らしい屋敷もクリスチナも こんな贅沢はないぞ

ディックはマークの意外な告白を聞いて、初めて好意と憐れみを感じる



子どもを失って3か月の間、クリスチナはずっと屋敷に引きこもる
ファーガスがホテルでのお茶に誘い出す
ファーガス:戦争が悪いのです

ファーガスは半分吹き飛んだ顔のために、ホテルのレストランに来るのもためらっていたこと
慕う女性がいることを明かす

ファーガス:
マークはあなたを愛しています
ディックにはよそに女がいると思います
あなたが罪の意識にさいなまれる必要はありません
あなたとディックには共通点がほとんどありません
悪いのがぜんぶ自分だと思うのは酷というものです

ファーガスはクリスチナを狩猟舞踏会とカーレースに誘う



もうクリスチナを愛していないディックは、フランバーズ屋敷から一番離れた場所にある
農場の小屋を再建し、子どもたちの乳母をするクララに母ネルの面影を映して惹かれる
クララは8年の結婚生活を送り、夫が死んで4年になる

狩猟舞踏会に出ると、ウィルがいないほかはすべてが昔のまま
ディックにもう負い目はない 好きなことをしよう
マークと一緒にキツネ狩りを楽しむクリスチナ
マークは農場の小屋に寄った際、ディックとクララが暮らしているのを知る



ヒルクライムのカーレース
女性ドライバーはほぼいない
雨でぬかるんだコースでスピードを上げて、泥をはねあげながらカーブを曲がり
なんとかゴールするクリスチナ

そこでファーガスの恋人で修道院附属の女学校の校長ヘレンを紹介される

レース後、マークはクリスチナを農場の小屋に連れて行く
クララと食事しているディックはこれまで見たことないほど楽しそうに喋っていた
マークはディックに3度目のケンカをしかけ、2人はぼろぼろになるまでやりあう



ドロシー:
ディックとは離婚しなくてはならないわね
私もマークと別れるわ
愛している男性に会うためよ

クリスチナはディックと離婚し、引き続き農場管理人の仕事をしてもらう
フランバーズ屋敷の女主人に戻り、クララをクビにしたことで
子育ても自分でできるし、農場にトラクターを導入することもできる

マークとファーガスの所で秘書も始める

ドロシーは下院議員ジムを紹介する
亡妻の姉妹との結婚条例を修正したのと同様に、亡夫の兄弟との結婚も適用しようとしていると話す
教会は猛反対しているが、戦争で大勢の若い男が死んだため、法律の修正が求められている

ドロシー:
悪い思い出ばかりのフランバーズ屋敷を売ってダーモット邸に住めばいい
ファーガスとヘレンが結婚して住めば、学校にするかもしれない
私は看護の仕事に戻ろうかと思っている

クリスチナはその話をディックにも伝える
クリスチナ:マークは私と結婚する
ディック:昔の思い出のために、もう一度キスしてくれ それで終わりにしよう

クリスチナは馬で駆け、振り向くとディックがこちらを見たまま立っているのが見える
ディックはチャンスは五分五分 性分を変えるわけにはいかない と言った

クリスチナ:夕陽が沈まないうちに厩に到着できたら、私は幸せになれる



訳者あとがき
本作を読んで、手紙をくれた若い方のほとんどが
クリスチナがディックは優しいがマークは横暴だと非難したため
クリスチナがマークと結婚するのが気に入らない人も多いのではないかと想像する

クリスチナとディックの暮らしがぎくしゃくした最大の原因は
人生に対する考え方が離れていたこと

“育ちが違う”ことは、日本とイギリスとでだいぶ捉え方が異なる
イギリスではひと言、ふた言話しただけで、どの階級か分かる
社会的階級が違うと、軍隊内の階級も異なり、暮らしぶりも違ってくる


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何回観ても面白いミステリーゲーム「オブラディン号の帰還」ほか

2024-10-23 16:16:45 | ゲーム
[完]【三人称】鉄塔のReturn of the Obra Dinn【ミステリー】




コーマさん、三浦大知くんで観て面白かったから鉄塔さんでも観てみた
面白いゲームは誰が実況しても、何度観ても面白いv

船上の惨劇で死んだ60人を特定する「Return of the Obra Dinn」@ゲーム実況 三浦大知さん

珠玉の推理ADV!Return of the Obra Dinn #1


#1【アクション】弟者の「Papers,Please」【2BRO.】




鉄塔さんが『オブラディン号の帰還』の同じ制作チームが作ったこのゲームも面白かったとゆってて
弟者さんが実況していたから観てみた

入国審査官になって、国に入れるか入れないか判断するというシンプルなつくりで
ゲームというよりもはや労働に近いw

「アルストツカに栄光あれ」
長蛇の列になってる人々は朝から「8時間待って」いるそう/驚
それでも、パスポートに偽造があれば、どんな理由であれ入国させるわけにはいかない







1日の最後に給料が入るけれども、住居費、食糧、暖房費を引くと貯金はあっという間になくなるし
息子が病気になれば薬代も払わなきゃならない
本当にこういう国がまだあるかと思うと身につまされる↓↓↓

政府からしょっちゅうルール変更があって、労働許可証やら必要な書類がどんどん増えるし
顔写真が違ったり、期限が切れてたりして、ちゃんと審査しないとペナルティが課せられる

いきなりテロで爆弾を投げてきたりするのも怖かった・・・



ネタバレ注意【お試しミステリー】三浦大知の「都市伝説解体センター 体験版」




証言や証拠を集めていろんな都市伝説に特定するって
以前観た「奇天烈相談ダイヤル」と似てる

お電話で『怪異を特定』するお仕事に就きました。【奇天烈相談ダイヤル】@実況 鉄塔さん

あざみは霊が見えるのをなんとかしてもらいたくて都市伝説解体センターを訪ねるが
千里眼を持つ廻屋渉の口車に乗せられて、「呪いの椅子」を壊した弁償として高額な負債をおい
まんまと調査員となって働かされることになる









運転手兼助手は止木休美
最初の事件は「ベッドの下の男」
マンションで異様な人影を見た女性が依頼してきた
SNS調査もあって、たくさんの書き込みも、それに対する休美のツッコミも全部考えた手間がすごいと思った








[完]【三人称】鉄塔と太ったピエロが抱きつくDropsy【Steam】




タイトルの「Dropsy」は浮腫って意味なのも意味深
主人公はみんなが怖がるメイクのピエロ
サーカスが全焼して、その犯人にされてる?

とにかく、会う人みんなに嫌われてる感じ
頼りになるのは、父親と愛犬だけ







セリフはなく、ふきだしのイラストで相手の欲求を読み取って
町にあるもので叶えていく
ピエロが喜ぶ姿を見て癒される



#01【 Europa / エウロパ (製品版)】とにかく景色が美しい、アンドロイドの冒険譚@実況 トイレットペーパーさん




“木星の影に覆われた緑が豊かな楽園エウロパで、父が残した手記を頼りに
 アンドロイドのジーが答えを探す旅に出るアクションアドベンチャー”

主人公がロボットっていうのが面白い
ジャンプや滑空でらくらくと移動できるし、周りの景色も明るくてキレイ











【爆買い】7年間毎日コツコツ貯めた財産を一気に使う!どうぶつの森無課金ガチ勢の断末魔@千秋




ポケ森つながりでおすすめに上がってきた
発売当初から7年間ずっとプレイしてきて、今年の11月末で終了してしまうから
ずっと貯めてきたリーフチケットを消費するって、5000枚も貯めてたのがスゴイ/驚×5000
私がずっと1つの家具と替える130枚貯めるのに苦心してきたのと大違い

旧Twitterで募集したフレンドとのギフトのやりとりも何百回とか
特別な家具が入ってるフォーチュンクッキーも大量にあるし!

なかなか手に入らない新しい背景をどんどこ買っていくたびに「買うよー!」て言ってるのが可愛かった
自分のクルマの1階が拷問部屋になってたり、結構クセ強めなキャンプ場の紹介も面白かったw








てか、千秋さん、52歳なのか!? アップで写してもシワひとつなくてビックリ


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岩波少年文庫 3119 フランバーズ屋敷の人びと 4 愛ふたたび 上 K.M.ペイトン/作 岩波書店

2024-10-23 15:22:42 | 
1986年初版 1987年 第2刷 掛川恭子/訳 K.M.ペイトン/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


こんなに夢中になって読むのは、大昔からある男女の三角関係
♪けんかをやめて~ って話だからだな、とふと冷静になって思った
私たち読者も下世話な噂話で盛り上がってる農家のおくさんたちと同じかも

ものすごい長い年月が経っているような気がしても
ヒロインはまだ22歳、ディックも25歳って若さなのにビックリ/驚

それにあんなに酷いケンカをしても、まだ惹き付けるほどのマークの魅力ってのが
私には分からないな


【内容抜粋メモ】

登場人物

フランバーズ屋敷
クリスチナ・パーソンズ 22歳
ディック・ライト 以前屋敷で馬丁をしていた現夫 25歳
イザベル ウィルとの間の娘 1歳
ティジー(トーマス・マーク) マークとバイオレットの子ども

ラッセル 亡父 亡妻イザベル
マーク 長男
ドロシー・ソーンダーズ ホテル「ブドウのふさ亭」経営者の娘 マークの妻
ウィリアム 元夫 戦死
メアリー 女中頭
ファウラー
ウィルヘルム ドイツ人捕虜 農夫
ロージー・ディーキン 父シメオンはディックの父的存在
グレイスおば 洋裁で生計を立てている
ジェリーとファーガス マークの戦友



クリスチナはマークの私生児を養子にしたことで保守的な人々の反感を買ったが
元使用人のディックと再婚すると教会で発表されると、さらに噂の的になる

戦争は長引き、ずっと徴兵猶予を受けていたマスターズの長男も出兵した

グレイス叔母に結婚の報告に行くと、クリスチナが百姓の妻になれないだろうと予言する

グレイス叔母:
兄弟が死んでも、その妻とは結婚できない法律
あなたは家を守るタイプじゃない
安定した暮らしに退屈するでしょう

クリスチナは3人を3様に愛していることに気づく

質素な結婚式の3日後、ドロシーからマークの生命が危ういとの電報が届く
クリスチナ:大丈夫、助かるわ! そうでなければ、生きていけない!



6人の兵士の中に爆弾が落ちて、マークだけが奇跡的に助け出されたが
腹部にひどい傷を負って、生きているのがフシギなほど

メアリーとファウラーはディックが主人となってもまだ馬ていのように扱っている
メアリー:まっぴらごめんですよ 馬番の・・・

それでもフランバーズ屋敷の歴史であるメアリーとファウラーを辞めさせることは考えられないクリスチナ
メアリーの負担を軽くするために、エイミーを雇う



親友ドロシーが休暇で訪れる
従軍看護婦でやせ細っていたが、フランバーズ屋敷で徐々に元気を取り戻す
ドロシー:結婚すべきじゃなかった 自分が飽きっぽいのは分かってるから怖いの

ディックはクリスチナのためにスイートブライアを買い戻す
この馬のためにディックがクビになった思い出がよみがえる
スイートブライアは妊娠していて、子馬はサラブレッドの血統を引いてると分かる

ディック:真剣に額に汗する匂いが好きなのがあなたのいいところだ

クリスチナ:
働く人が好き ウィルはオイルの匂い
ドロシーはクレゾールの匂いがした



マークを見舞うと、息が苦しい、食べられない、眠れないと悲惨な様子
病院は傷ついた男であふれていて、少しでも動けるようになれば保養所に行かなければならない

従軍看護婦は常に人手不足で、ドロシーは見舞いにも来れず
マークはフランバーズ屋敷で療養したいと言うが断わり続けるクリスチナ

マーク:もっとよくなったら家に帰りたいよ
クリスチナ:あなたには家はないでしょ

マークはクリスチナに対する気持ちが全然変わっていないことをあけすけに言う



ディックはクリスチナに農場を手伝わせず、家の監督をしてもらいたがるが
裁縫も料理も苦手なクリスチナは何もすることがなく手持ち無沙汰となり
叔母の予言が頭をよぎる
ディック:目が覚めるとなにもかも消えているのではないかと思ってしまう

マスターズ夫妻を夕食に招いて、ディックをなんとか説得して社交界のルールを教える
なんとかその場を取り繕っていると、マークがひどい体調のまま運びこまれてくる

クリスチナはひと晩だけ預かるつもりで元いた部屋に寝かせるが
その日から2時間ごとに粥を飲ませ、体を拭き、下の世話をする看病が始まる

マークは時々、爆弾のショックで幻覚を見て怒鳴る
腹のひどい傷は見るに堪えられず、ディックに泣いて頼む

ドロシーに電報を打つと、チフスに感染したから数か月は隔離状態と分かり絶望する
クリスチナはマークの世話で手一杯で、ディックの食事の用意もままならない
メアリーとファウラーは元主人の命令を聞くことに慣れていて、ディックを無視する

ディックはクリスチナの立場なら乳母がいて当然だと寡婦のクララを雇う
父シメオン・ディーキンはずっと父代わりの存在で
農場を手伝ってくれているロージーは昔からディックが好きだった気持ちを秘めている
ディーキン家に行くといつも心が安らぐのを感じるディック

マーク:ボクの目を見て愛していないと言ってごらん
弱っているマークに同情し、ウィルに似た黒い髪と目に魅了される気持ちをコントロールできないクリスチナ
回復したドロシーが屋敷に来て、マークと同じ寝室に寝ることに嫉妬を感じて動揺する



マークの戦友ジェリーとファーガスがいきなりやってきて、ジャズを演奏し、ダンスする
ファーガスは顔半分に大怪我を負って、目がない状態
ウィルと一時期一緒に飛行機を飛ばしていた

マーク:彼女を愛していないんだ
ドロシー:夫に会うのが不安

ディック:雇われていた時のほうがまだましな待遇を受けていた

ファウラーはクララに夢中になり、ディックに言われた仕事をサボるようになる
ディックはマークへの嫉妬心からフェザントを売り払う
ドロシー:自分がボスだというところを見せようとしているのよ

ディック:マークに嫉妬し、傷つけたかった
クリスチナ:あなたのすべてを愛しているのよ!



マークは保養所に行く代わりに、ダーモット氏の家を買い
ふたたびみんなで狩猟するために、マリゴールドに子犬を産ませる

マークは子どもを欲しがっているが、ドロシーは産まないと決めている
ドロシー:自由にしたいし、楽しみたい 自分の性格を変えるのは手遅れ

ファーガスらがまた屋敷を訪ねて、ファウラーが酒の用意をしているのを見てディックが激怒し
ファウラーをクビにしないのなら、自分が出て行くと言う

ディック:
自分は身を粉にして働いているのに、親から譲られた奴らは浪費するばかりで感謝もしない
人生において大切なのは労働だ
ウィルは働くことを知っていた

マークとドロシーは翌朝、屋敷を出て、ダーモット氏の家に越すまでホテルで泊まる
クリスチナはディックに戻ってほしいと手紙を書き、ディックは帰ってくる






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岩波少年文庫 3118 フランバース屋敷の人びと 3 めぐりくる夏 K.M.ペイトン/作 岩波書店

2024-10-22 17:21:30 | 
1981年初版 1989年 第7刷 掛川恭子/訳 ビクター・G・アンブラス/挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


マークとウィルがいなくなって
周囲に青年がいなくなったとはいえ
トーマスに屋敷を継がせるとなると
マークの正式の息子と認めて、屋敷も畑も全部譲ることになるのを
クリスチナは分かってたのかな?と疑問に思った

戦争はそうしたあらゆる矛盾やカオスもありにして
因襲をも壊す効果があるのかもしれないな

今でもこうした地主が小作人を支配する階級で
遊んで暮らしている人々っているのかな?
ピラミッド型の考えも古い

クリスチナは叔母らの世代の考えが古臭いと言うけれども
彼女の言動も家や階級、女性蔑視な考えに縛られていて時にイライラした



【内容抜粋メモ】


登場人物

フランバーズ屋敷
クリスチナ・パーソンズ 21歳
イザベル ウィルとの間の娘
ティジー(トーマス・マーク) マークとバイオレットの子ども
ディック 以前屋敷で馬丁をしていた

ラッセル 亡父 亡妻イザベル
マーク 長男
ウィリアム 次男
メアリー 女中頭
ファウラー
スタンレーとハリー 農夫
ウィルヘルム ドイツ人捕虜
グレイスおば 洋裁で生計を立てている
ドロシー・ソーンダーズ ホテル「ブドウのふさ亭」経営者の娘



あわれな飛行士が死んでいく
あるよく晴れた夏の夕べ
バラバラ死体をかたづけようと
仲間がまわりをとりかこむ


ウィリアムはフランスの牧草畑に墜落して戦死した







失意に沈むクリスチナはフランバーズ屋敷に帰る
屋敷に残ったのはメアリーとファウラーだけ
馬はおいぼれのペパーのみ残して軍に持っていかれた
ルーカスの猟犬もぜんぶ手放した

クリスチナは21歳になり、ようやく父の財産を手に入れたが
屋敷の周囲はジャングルと化し、窓にはツタがびっしりはびこる

村に残ったのは老人、子ども、召集されなかった者だけ
女たちは軍需工場で働いている

クリスチナ:馬は買える でも人間を買うことはできないのね

ウィルはいつも幸せだった記憶しかないのが幸いだった
体調が悪いと思っていたら妊娠していると分かる
ポーター医師:時が癒すことのできないものはない







クリスチナ:フランバーズ屋敷を生き返らせなくてはならないわ
クリスチナは農場を採算のとれるものにすると心に誓う

なんとか見つけてきた2人の少年
スタンレーは監視してないとすぐにサボるし
ハリーは精神薄弱で仕事が遅い







クリスチナはファウラーとともに競売で作業馬を買い
そこで見つけた荒れ馬フェザントを高値で買う
医者に売ったウッドピジョンを買い戻す

以前、ラッセル家の猟犬だったマリゴールドを飼いはじめる







マスターズ家は3人の息子がいるが
農場の仕事に就いているからという理由で
召集を不正に延ばしてもらっている

クリスチナはバイオレットの家を訪ねて、マークとの子どもを養子にする
バイオレットは2度結婚して、女児2人と赤ん坊を抱えて、変わらず貧しかったため
クリスチナの500ポンド小切手を受け取り、息子ティジーを差し出す











ラッセルの血を引いたティジーはフランバーズ屋敷の馬に夢中になり
フェザントに乗りたがる

ティジーの話からディックが戦争で負傷して帰ってきていると知り
農場の管理人としてまた働いてもらいたいと頼む

ディックはイェペルで肺を撃ち抜かれ、結核を患っているため
以前のような力仕事はムリだといったんは断るが半年後に引き受ける







戦時農業協会に頼んだドイツ人捕虜から1人しか連れて来れないと言われる
ウィルヘルムはドイツ語しか話せないが、元農家で使えると分かる
ディックは病院で学んだドイツ語でウィルヘルムと意思疎通を図る








クリスチナは女児を産み、ウィルとマークの母の名をとってイザベルと名付ける

飛行機の揺籃期をともに過ごしたドロシーはフランスで従軍看護婦となり
過酷な日々を過ごしながら、行方不明のマークからの連絡を待っている

スタンレーにも召集がかかり、刈り入れのため延長するが、その後戦地に赴く

ある日、ドイツの戦闘機が畑に落ちて、1人は助かるが、もう1人は即死
ウィリアムはこうして死んだのだと改めて目の当たりにしたクリスチナは
ずっと死から目を背けていたが、ウィルからの手紙を読み直す








爆撃による破壊跡の写真を撮りに行って射撃され墜落したため、遺言もなかった
戦争は奴隷も支配者も平等に殺した

ウィルは国のために戦うことを誇りに思っていたが、それが愚かだと悟る
ウィルに会いたい! クリスチナは号泣する







グレイス叔母が屋敷に来ると手紙をよこした後に駅に着くという電報をもらい
叔母を迎えに行ったクリスチナの前に現れたのはマーク!
ずっと捕虜になっていたため手紙も書けずに行方不明扱いされていた







屋敷に戻り、バイオレットとの間の息子ティジーを紹介されてショックを受けるが
持前ののんきさで2人は意気投合する

ディックが農場を管理していることにきつい言葉を吐くマーク
マーク:奴はずっと君に惚れてたんだ

マークの下では働けないと言うディックをなんとか止める

ラッセル家の弁護士パーキンズを呼び、法律上、クリスチナには何の所有権もないと分かる
マークは屋敷が欲しいなら自分と結婚することだと改めて決断を迫るが
クリスチナの気持ちは変わらない







マークはティジーにフェザントに乗ることを許したため
ティジーは落馬して頭を打つ

ポーター医師から安静にするよう言われたのに
マークは明日の朝、またフェザントに乗るよう強要したため
ティジーはマークに恐れを抱く

平和な日々が一気に壊され、ディックの存在がいかに大きいかに気づく
ディック:愛しています 15の時からずっと

クリスチナはディックを愛していることをマークに伝える
クリスチナ:朝になったら農場の小屋へ行くわ







ティジーは屋敷に残りたいばかりに、ディックのいる農場の小屋に火をつける
クリスチナが気づいた時にはもう炎に包まれて、ディックは馬を連れだしている








今年の収穫物に燃え移る前に、小屋ごと壊そうとマークも村人も総出で加わる
クリスチナもバケツレースに加わり、消防隊も来て、ようやく消火する

マークは出火もディックのせいにするが、ティジーが犯人と分かり、尻にムチ打つ
父からムチ打たれた時とまったく同じ



弁護士パーキンズは叔父ラッセルが屋敷を抵当にして多額の借金をしたから
あるのは土地と農場の小屋だけだと明かす

パーキンズ:働いて稼ぐつもりがないなら、屋敷を売るより方法はありません
マーク:くだらん百姓にだけはならんよ
クリスチナ:私が買うわ



ドロシーがフランバーズ屋敷を訪ねる
いろんな経験を積んで、さらに成熟した魅力にあふれ、マークは惹かれる

2人は翌朝一緒にフランスに発ち、その後結婚した
2人とも美しく、衝動的で、横柄で、わがままなのが似ていた

マーク:
戦争が終われば、ドロシーのホテルに住むことができるし
なにより最高の狩猟場なのが気に入った
今でも君と結婚したいが、きっと忘れられると思う

クリスチナ:私たちは考え方も興味も違う

マーク:
君みたいな馬の乗り方をする女を見たことがない
それで君を愛しているのさ

ティジーは君のものだ 僕は叔父さんになろう
ディックがあの子の父親になればいい

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