【チャングムが親代わりの師、ハンサングンを負ぶって歩いた海岸・ウェドルグェ】
150万年前の火山噴火でできたという海から突きだした高さ20mの岩がある景勝地。その高い海岸線が撮影に使われたという。私達が行った途端、急に雨が降り出したので、急いでバスに戻ったのが残念だった。
【済州民族村博物館】
広い場所に、昔の農家や商家、裁判所などを再現して建ててあり、歩きながら昔の雰囲気に浸れた。何カ所かに「チャングムの誓い」のロケに使われた事を示す立て看板があった。
写真右の広場は昔の豚の飼育場である。隣に人のトイレが作られていて、排泄物が飼育場に流れていく様になっていた。実際に黒豚2頭がいたが、撮そうとしたら向こうに行ってしまい、撮せなくて残念だった。
【民族自然史博物館】
済州島の歴史、風俗に関する資料が集めてあって、分かりやすく展示されている。葬祭と農業、漁業の展示に興味が湧いた。
【山房窟寺】
巨大な溶岩の固まりでできた南西部にある山房山を登って行くと、中腹の洞窟に高麗時代に作られたという山房窟寺があった。洞窟の奥に大きな石造りの仏像があり、二人のお年寄り(僧侶?)がお参りに来た人に御札を渡すなどしていた。帰りに階段を数えたら444段だった。ここで働く人は、毎日通うのが大変だと思った。
済州島には「世界自然遺産」が二つある。
ひとつは①に書いた巨大溶岩洞窟の「萬丈窟」である。もうひとつは済州島の東端に位置する「城山日出峰」だ。その他、主な観光場所を紹介したい。
【世界自然遺産・城山日出峰】
風光明媚な海岸を島の東端に突き出た火山「城山」から見る日の出の眺めが素晴らしい所だそうである。
私達が訪れた時間は午前10時を過ぎていたが、50分の自由時間を与えられた。
他の健脚者と一緒に私も182mの頂上を目指して階段を上って行った。私は何度も息が切れ、休み休み登った。中学生や高校生の遠足とぶつかったらしく、狭い階段で彼らの群とすれ違いながら昇降した。数えたら階段の数は全部で634段もあった。たっぷり汗をかき、疲れ果てた。
【ソプチコジのオールイン記念館】
城山日出峰のすぐ南に位置する岬がドラマ「オールイン」のロケ地だが、それを記念してドラマに登場した修道院が素敵に再現されていた。協会も本物らしく作られていて、ひょっとしたら結婚式などにも使われているのかも知れないと思った。
ドラマは貧しい若者がカジノで成功した実話をモデルとして作られていて、私もそれまでの韓国ドラマにはないアメリカロケを取り入れた舞台背景の広がり、カジノの緊張感とスピード感、海を越えたロマンスに、毎回、楽しみに見たものだった。その日も沢山の若者達がその記念館を訪れ、主演したイ・ビョンホンとソン・ヘギョの像やポスターなどの前で写真を撮っていた。
【チャングムの誓いの最終場面撮影地・陣地洞窟】
男尊女卑の風習が強かった朝鮮王朝時代に、王の専属医女に迄上り詰めた女性をモデルとして作られたドラマが「チャングムの誓い」だ。
ここで見てない人のためにあらすじを簡単に書く。チャングムは宮廷の調理場で働く女官だったが、やがて医学に目覚めて勉強する。しかし、宮廷内の政権争いに巻き込まれて罪を着せられ、一度、済州島に追放されるが、その医学への情熱と鍛えた実力のため、ついには王の専属医女になる。しかし、病気になった王の治療に手術を申し出たため命の危険にさらされる。いつしかチャングムを愛するようになった王は、彼女を密かに恋人の元へ送る。済州島に逃げた二人は、王の死後、権利を回復されるが、ある時、洞窟で難産に苦しむ妊婦を見つけ、急遽、初めての帝王切開手術を施して成功する。
この手術の場面の撮影地が「陣地洞窟」である。
ここには旧日本軍が敗戦間近に海岸に作った幾つもの洞窟が並んでいた。立て看板を見たら、海から上陸する米軍を想定し、特攻隊員の自殺場として作られた軍事施設だという。実際には使われなかったと言うが、私は何かしら悲しい感情に襲われた。
比較的広い右から5つ目の洞窟が撮影に使われたのだという。
ガイドの「暗い洞窟の中は戦争、中から見る明るい海は平和です。」と説明した言葉が印象的だった。
(帰りがけに私が「昔の妊婦は一人で洞窟で出産したの?」とガイドに聞いて見たが、答えて貰えなかった)
韓国訪問は3度目なので、出される食事に違和感は無かったが、今回は済州島という南端の島で旅行費用も安かったためと思うが、あまり上等な料理にはありつけなかった。しかし、食事は大切な旅の要素の1つだし、ドラマ「チャングムの誓い」で知られるようになった韓国宮廷料理の医食同源の伝統的な食習慣が注目されているので、ここに韓国の一般庶民の食事の現状について書いて見たい。
まず団体旅行では、食卓に着く前にすでに小皿に入ったキムチと数種類の常備菜が置いてあるのが普通だ。
キムチは白菜が多かったが、大小の大きさの大根もあった。キムチの味は店によって微妙に異なっていた。
常備菜はいかの塩辛、ほうれん草やもやしなどの野菜の和え物(少しのごま油だけで味付けしてあるものが多かった)、小魚の韓国風辛味佃煮、岩のりなどだ。これは食べる時に適当に味付けにも使う。
また、メインが焼き肉なら、肉を包むサンチュなどの葉野菜も用意されている。そしてコチジャンや甘味噌などの調味料も出されている。キムチやコチジャンは発酵食品でもあり、胃腸に優しく、身体に良いと言われている。
これらのキムチと常備菜の小皿料理は、好きなだけお代わりができる所が韓国の特徴である。
食卓に着くと蓋つきの金属製器に入ったご飯と、大きな丼に盛られたスープが出て来る。(スープが無い場合もあるが) 鍋物がメインの場合も多かった。
右側に縦に置いてあるスプーンと金属製の箸で食べるが、食器は手で持ち上げないので、ご飯もスプーンで食べる方が食べやすい。
焼き肉は葉野菜に載せ、添えられている大根の千切りや酢漬け、もやしなどの和え物や好きな常備菜、調味料を乗せて包んで食べる。慣れないと包むのも食べるのも上手く行かなくて困る。
また、岩のりやワカメが良く登場する。特にワカメスープに入っているワカメの量は、信じられないほど多い。岩のりは無機質、カロテンをたっぷり含むし、海草類は一般に低カロリー食品である。
このように韓国では、常にたっぷりの常備野菜、海草類と一緒に肉や魚を食べるので、栄養のバランスが良いし、唐辛子の適度な辛味は身体の新陳代謝を高め、消化を助けてくれるようになっているのだ。味も各自が好きなように調節できる所も良いと思う。
普段でも胃腸の弱い私だが、今回は毎回美味しく食事ができた。
今回も私は、お土産用には韓国の岩のりを、それと自分用にコチジャンを買ってきた。夕べも我流でビピンパを作って食べた所である。
写真①骨付きカルビの焼き肉料理 ②きじ肉のしゃぶしゃぶ料理 ③豚肉の焼き肉料理 ④帰国直前の朝出た日本料理
① ②
③ ④