今回、「済州民族村博物館」で罪人の取り調べ所を見に行った時、ガイドが「罪を着せられたチャングムが取り調べを受けた所です。チャングム役をして下さい。」と突然私に言った。私で良ければと覚悟を決めて、罪人が座る椅子に座った。
すると両手、両足をロープで椅子に縛られた。それから真ん中を縛り、バッテン型にした二本の垂木を開いた両足の間に入れられた。ガイドが二本の木の上部を手で開くと、足の太ももが木で押しつぶされる仕掛けだ。私は顔を歪めて大声で「何も悪いことはしていません。お許し下さい。」と本当らしく叫んだ。
そこから少し離れた所に行くと、木でできた牢屋があった。左の牢には罪人の人形が置いてあったが右は空だった。
するとまたガイドが私に「右の牢に入って下さい。」と言う。
行きがかり上、仕方がないので、低いくぐり戸から牢に入った。すると真ん中の木の堅い椅子に座れと言う。座った私の首の後ろから前に向かってU字型の厚くて重い板が掛けられた。余りの重さに驚いた。さらにガイドは首の後ろを締め付ける板をするという。そんなことをしたら私の首が絞められてしまうではないか。危険を感じた私は「高血圧症だから、それは止めて!」と急いで叫んだ。瞬間的だったが、本当に恐ろしい気持ちに襲われたのだ。
牢の外で見ていた妹から、「よくやるね。」と非難めいて言われた。でも、誰かがしなければならないのなら、私が馬鹿になっても良いと思うのだ。それに旅の思いで作りの一つにもなると思うのだがどうだろうか。正直な所、ちょっぴり楽しかった。