≪シンドラー博物館≫
4日目、「ヴィエリチカ岩塩抗」から16時近くにホテルに戻ったが、夕食まで2時間半ほど時間があった。
添乗員はホテルに近いスーパーマーケットに案内すると言っていたが、私は折角「クラフク」に来たので「シンドラー博物館」に行っておきたかった。
ホテルにタクシーを頼んでもらって乗ったが、丁度、金曜日夕方のラッシュ時間にぶつかってしまった。
やっと博物館に着いた。タクシーの料金は、チップを入れて1600円程だった。
ここはドイツ人「オスカー・シンドラー」が、彼が経営するホーロー工場に多くのユダヤ人を雇用して、1200人を強制収容場行きから救った工場跡である。彼はそのために賄賂や買取費、闇の食糧調達費など、今の日本円にすると1億3,000万円を使った事が分っている。
(詳しくは「オスカー・シンドラー - Wikipedia」を検索して欲しい)
2010年6月に博物館としてオープンしてから、ナチス占領下のクラフクを多くの展示物で再現していた。(一昨年ドイツに行った時、「レーゲンスブルグ」で彼が一時住んでいた集合住宅を見た事がある)
入場料は大人19ズルチ=760円程。
資料にはポーランド語と英語の説明が添付されていたが、残念ながら内容が詳しくは分からないのがもどかしかった。
しかし、「アウシュビッツ・ビルケナウ」になかった集団首吊り刑の写真や当時のクラフクの街の様子、新聞や雑誌の記事、シンドラーの工場で使われていた食器類、救われた人々の写真、シンドラーの執務机、電車などがぎっしりと展示されていた。
見て良かった。
帰りは自力で帰る事にして、数人の人が歩いて行く後を付けた。するとやがて電車通りに出た。
男性に持っていた地図を見せて、ホテルに近い停車場に行く電車を聞いた。その電車が来たので2輌目に慌てて飛び乗った。
ところが乗ってから切符を持っていないことに気づいたのだ。(本当は切符は予め買って置き、乗車時に刻印機に入れて刻印を押してもらう仕組みになっている。時々検察官が乗って来て検察があるらしい)
そこで近くの人に、「切符を買わずに乗ってしまいました。どうしたらいいですか。」と尋ねた。するとその人は、「後ろに行きなさい。」と教えてくれた。
慌てて3輌目に移動し、切符売り機や車掌を探したが見つからない。うろうろしている内に、下りる停留場が近づいたので飛び降りた。
そこでは角のキオスクの店員に地図を見せて、ホテルに行く道を聞いた。
「右だ。」と言われたので曲がって歩いたら、2丁先の角がホテルだった。
添乗員にこのことを話すと、「検札官は前から来るので、後ろに行けと言われたのでしょう。もし見つかれば10倍請求されていました。」と言われた。私は何てラッキーなんだろうと思った。
添乗員には、「シンドラー博物館は狭い展示室なので、大勢で行くことは無理ですが、希望者がオプショナルで行けたら展示内容が詳しく分かって良かったと思いました。」と言うと、「私も一度行きたいと思っている。」と話していた。