石林を観光した日の午後、バスは更に昆明よりずっと東部の羅平に向った。
今のシーズンだけ菜の花畑がある農村地帯を観光するためだ。
(羅平の菜の花観光は数冊のガイドブックを探しても出ていなかった。菜種を栽培する様になって、まだ間もないのかも知れない)
3時間走る間、車窓からは鉄分が多く含まれる赤土の大地が延々と続くのが見えた。
「イ族」の村を通った。所々に独特な墓が見られた。全て土葬だ。
イ族は、死後も魂と肉体が離れない土葬が一番だと信じているそうだ。
畑では、小麦、菜種、豌豆、稲などが初夏の陽射しを受けて青々と育っていた。見ると鍬を振り下ろしながら広い農地を耕す農民達の姿があった。どこにもトラクターの様な機械は見当たらない。この辺りの中国の農民は、今でも自分の体一つで農業を営んでいるのだろう。
ガイドの話では、中国の土地は全てが国の所有で、農民は借りて耕作するのだが、死ぬと返す仕組みになっているという。今では農民が年間5元(日本円で75円)を負担すると、国が同額を負担してくれる健康保険制度もあるそうだ。
途中に炭鉱もあって、掘り出された泥炭状の石炭が野積みされていた。
ほとんどの炭鉱は個人の所有なのだそうだ。(現在の中国の会社は、1/3が国営で、 2/3が個人経営だと説明された)
炭鉱では事故が多いが、わいろが横行していて、安全管理が軽視されているとガイドが話してくれた。
いよいよ羅平に近づくと、一面に広がる真黄色い菜の花畑が目に飛び込んで来た。
私が予想していた菜の花畑は、羅平の一部だけだと思っていたが、そうではなかった。
行けども行けども、今まさに満開の菜の花畑が続いていた。小高い山の斜面にも、菜の花の段々畑が所狭しと作られているのだ。
ガイドの説明では、10月から11月に菜種の種を蒔き、今が菜の花の時期で、3月下旬から4月には菜種を収穫して菜種油の製造元に出すのだ。収穫後の畑にはタバコを植え、その葉を秋に収穫するという。
菜の花とタバコを交互に栽培している農家は、年間60万円位の収入があり、一般より豊からしい。
道路脇には、テントを張って蜂蜜を売っている人たちが沢山いた。
テントの後ろには蜂の巣箱が並べてあり、蜜蜂が飛び交っている。彼らは菜の花の咲く時期に巣箱を持って移住し、蜂に蜜を吸わせて、その場で手作業で蜂蜜を採取し、瓶に詰めて売っているのだった。
ガイドは、清潔安全を考えたら、専門店の蜂蜜を買ったほうが良いと言ったので、私たちは店の前を素通りした。
よく見ると、テントの中で寝泊りしている家族も多く、幼児が寝ているテントもあった。
観光客が多く立ち寄る景色の良い場所では、ゆで卵や砂糖きび、パイナップルなどを売る中年の女性の姿も多く見られた。
その日のホテルの夕食には、菜の花の炒め物とチャーハンが出た。花の部分は除いてあるが、綺麗な緑色の茎の料理に元気が出そうな気がした。
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