花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

「スリランカ」旅行(6)

2013年04月03日 | 海外旅行「南アジアⅡ」スリランカ・ネパール

≪フレスコ画の美女に出迎えられた「シーギリヤ・ロック」≫

仏教の聖地「アヌラダプーラ」で三大寺院を観光した後、南東方向110kmにある町「ポロンナルワ」までバスで3時間かけて、ホテルに着いたのは17時半だった。
ホテルは、大きな「ギリタレ貯水湖」(5世紀の中頃支配していたダートゥセーナ王が貯水湖を造った)の東岸に面して建てられた古いホテルで、フロントがある広いロビーの貯水湖側は大きく開けられていて壁がなかった。
風景がまるで額縁に入っている様に見える建て方がされていた。
キーを受け取り、部屋に入って見ると、部屋の窓も同じように大きく、風景が素晴らしかった。
このホテルに連泊した。

 

3日目はスリランカ旅行の最大のハイライトであり、難関でもある「シーギリヤ・ロック登山」だった。

所が運悪く私は、2日目の朝食で食べた何が悪かったのかは分らないが、昼前から気持ちが悪くなり、軽い腹痛を起こし、その後、寺院の観光中に数回、下痢をした。
それで2日目の昼食、夕食、3日目の朝食を抜き、その間、日本で事前に病院から処方された抗生物質を服用していたのだ。
だから体力はガタ落ち状態、しかも気温が33度位で湿度が高いと来ていた。
しかし、スリランカに来て、ここに登らない訳には行かなかった。
何人もの男性ヘルパー(頼むと15ドル程らしかったが)が声をかけてくれたが、「ノーサンキュー」と全て断り、持って行った登山用の杖を片手に頑張った。

 

  

観光客で混み合っていたのでゆっくりと25分程登った所の岩肌に辿りつくと、そこに有名な美女のフレスコ画「シーギリヤ・レディ」が現れた。
カーシャパ王が、無念の死を遂げた父の霊を慰めるために描かせたと言われているが、別に美女は天国の妖精たちで、王自身を守らせるために描かせたという説もある。
1500年前には500人の美女が描かれていたらしいが、今は損傷が激しく、18人の絵だけがその美しさを保っていた。フラッシュ撮影は禁止されていた。私は混み合う大勢の人の背後から何とか撮影した。

 

  

ガイドブックによると、この「シーギリヤ・ロック」は、昔から仏教僧たちの修練場だったという。
所が「ギリダレ貯水湖」を造った王の長男カーシャパは、母親が平民の女性だったため、王族の血筋の母親から生まれた腹違いの弟に王位の継承権を奪われるのを恐れていた。
ある日カーシャパは、父王を監禁して王位を奪った。弟はインドに亡命した。
その後、カーシャパは「全ての財産を出せ。」と父に迫ったが、父は貯水湖を指差して「これが私の財産の全てだ。」と答えたという。
怒ったカーシャパは、家臣に命じて父を殺させた

その後カーシャパは、狂った様にシーギリヤ・ロックの頂上に宮殿を建造し始め、ついに7年後、頂上に王座を置き、岩山の周りには堀を造り、ワニを放し飼いにした。
11年後、弟がインドから攻めて来た時、カーシャパは岩山の中腹で自ら死を選んだという。

弟は首都を「アヌラーダプラ」に戻し、「シーギリヤ」の王宮を仏教僧に寄進したという。
そしてこの宮殿が発見されたのは、カーシャパ王の死後1400年後の事だった。

「シーギリヤ・ロック」は、こんな伝説とも史実ともされる物語があり、復讐される恐怖に震えた孤独な王の宮殿なのだった。
中腹から少し登った所に狭いが平坦な場所があり、「ライオンの両足」の間から登る階段が造られていた。造られた当時は、ライオンの頭部もあって、その口を通って階段が造られていたらしい。
さらに頂上までは、岩肌に造られた狭い急階段が続くのだった。

  

15年ほど前に「虚血性心疾患」だと診断され、肺活量が一般の人の70%程しかない上に、絶食でエネルギーを無くしていた私は、噴き出す汗を拭き拭きやっとの思いで頂上を目指した。
最後尾だった私も1200段の階段を登り切り、標高370m(岩山そのものの高さは195m)、1.6haある頂上に着いて、皆に拍手で迎えられた。バスを降りてから50分が経っていた。

そこには、王宮跡、王の沐浴場(プール)があった。ここに孤独な王は、1000人の侍女と住んでいたのだという。
周囲360度見渡せる熱帯の森林の景色は美しかった。
かって、カーシャパという奇異な王がいたお陰で、スリランカの国には今、世界中から大勢の観光客が来ていると思うと不思議な気がした。(南ドイツにある「ノイシュバンシュタイン城」も同じだが…)

 

             

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4 コメント

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Unknown (民ちゃん)
2013-04-03 22:08:53
ソナタさんへ 「シーギヤ・ロック登山」拝見しました。狭くて急な階段をよくぞ一人で登りきったもんだと思いますよ。私はとても最初から挑戦する気は無いが、ソナタさんの意志の強さ(根性)は天下一品ですね。風景の写真はとても綺麗に撮られて素敵でした。
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Unknown (ソナタ)
2013-04-05 07:52:16
民ちゃんさん、お早うございます♪
コメント有難うございました。
登頂した事にお褒めの言葉を頂き、有難うございました。
やはり自力で登った達成感、成就感は大きいものがありますし、頂上からの景観は実際にそこに行かないと見られないものなので、大満足しています。
下山後、体調も徐々に回復しましたよ。(*^_^*)
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Unknown (サマンサどら猫)
2013-04-06 08:34:39
おー、これは凄い。あの岩山は登ってみたくなりますよね、絶対に。しかし、下痢で体力が落ちているのに頑張りましたねえ。壁画はやはり独特の味わいがあります。
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Unknown (ソナタ)
2013-04-06 16:48:39
サマンサどら猫さん、こんにちは♪
コメント有難うございました。
ここはスリランカのハイライトですから、登らない訳には行かなかったです。
壁画も風化が進んでいるので、行くなら早い内がお勧めですね。
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