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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



コンフェデレーションズカップ2005

日本代表はベスト4へ進出できなかったが、その試合内容は高く評価してもいいのではないか。

そもそも日本代表とコンフェデレーションズカップとの相性はいい。2001年の地元では準優勝。2003年フランス大会、今年のドイツ大会とグループリーグ敗退ながらも、フランスやブラジルに善戦した。2001年の地元大会はやや出来すぎの感はあるものの当然といえば当然の結果。しかし、2003年と今年、コンフェデ杯で日本が突然進化したわけは何か。

まず、日本代表の試合スケジュール。コンフェデ杯の前に、日本国内でキリンカップ2試合を戦っている。そのキリンカップは2003年も今年も散々な出来だった。しかし、そこでの経験がコンフェデ杯での連携の熟成につなっがている。
二つ目は、各大陸のチャンピオンチームが集まっているものの、日本と違って特に欧州、南米のチームの顔ぶれはベストメンバーとは言い難い。今の日本のチカラを持ってすれば、列強の2軍なら十二分に戦えるのはあたりまえだ。
三つ目は、大会自体、FIFAの公式大会ではあるものの、ワールドカップほどの真剣さはない。半公式、半親善試合といったところか。そのため、勝負どころでも、互いのプレッシャーにぬるさを感じる。強さはなくても、巧さで勝負できる大会なのだ。

これらの要因によって、試合を重ねて連携が高まった日本代表は、プレッシャーから解放され、ややチカラを落としている列強と、のびのびとした攻め合いができたのだ。
しかし、いい試合はしても、勝ちきれなかったことも事実。ドイツW杯本番への期待をふくらませてもいいが、勝つためには何が必要かを、もう一度確かめる必要がある。

ただ、ぼくとしては、日本が勝てなくても、面白い試合が見れれば、それで十分だけれど……。



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コンフェデ杯・日本対ブラジル(フジTV)

早朝3時40分、がんばって選手入場の直前に起きて見たかいがあった、とっても面白い試合だった。日本対ギリシャの試合は、日本のベストパフォーマンスと言えるものだったが、日本対ブラジルは、双方が持ち味を発揮してつくり上げたベストエンターティメントだった。ブラジルのサポーターは前半を、日本のサポーターは後半を、そして、世界のサッカーファンが前後半90分間に、わくわくしながら見入ってしまっていたのではないか。

その理由は3つ。やはりブラジルのサッカーのスタイルに起因している。
優れた個人技を駆使してボールを保持しながらの、相手ゴールに迫るときの瞬間的なスピードチェンジ。その意表をつくタイミングとスピードの変化は、俯瞰でとらえているはずのテレビカメラをも置き去りにしていた。
誰もがゴールに迫る全員攻撃の姿勢。次から次へと選手が上がってくる様は、まるでマジック。フィールドプレーヤーが15人も20人もいるようだ。
そして、ゆるいディフェンス。まるで、わざと相手に攻めさせるかのように、集中力の欠如を垣間見せる。そこに、ブラジルの攻撃を受けて触発された相手が、まるで自分たちもブラジルになったかのように攻め込む。だから、試合は両者がアグレッシブなものになる。

つまり、ブラジルのサッカーは、自分たちが攻撃的であるだけでなく、相手チームに攻撃の楽しさ、面白さを思い出させ、実際にプレーさせてしまうのだ。そういえば、2002年W杯での準決勝の対トルコ戦、決勝の対ドイツ戦も、そんな感じだった。

ただ巧く、強いだけでない。相手の力も引き出して、試合を面白くする。ブラジル・サッカーのふところの深さを感じた試合だった。


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