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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



クラマーさんを訪ねる旅(20)
バイエルン・ミュンヘン 4対1 ヘルタ・ベルリン
2008/8/31 ミュンヘン・アリアンツアリーナ


初めてのブンデスリーガの生観戦。最前列で見るブンデスリーガの迫力は、やはり格別だった。

すぐ目の前を、バイエルン・ミュンヘンの左サイドのラームが何度も駆け上がり、チャンスメイクに絡む。その運動量は半端でない。トップのトニの体の大きさもテレビで見る以上だ。

今季、クリンスマン監督のもとで、まだ勝ち星がないバイエルンだったが、この日はホーム6万9000人の声援に後押しされ、序盤から優勢。そして、前半12分、トニがパスを受けながらディフェンダーをかわし、丁寧にゴール右隅に決めた。クリンスマンが小躍りして喜び、アシスタントコーチと抱き合う。

押しながらも前半を1対0で終えたバイエルンの追加点は後半の早い時間に生まれた。左サイドから中に切り込んだラームが、ゴール右隅に追加点を決める。2006年のドイツW杯の開幕戦の先制ゴールを思い出させるようなゴールだった。

2点をリードされた、ヘルタは、10番のブラジル人ラファエルのドリブルで果敢に攻め込むが、ルシオ(186cm)、デミケリス(184cm)、ファン・ヴァイテン(196cm)の超大型最終ラインを突破することはできない。バイエルンがPKで2点を追加し、4対0となった後、カウンターからオフサイド気味に抜け出して、1点を返しただけだった。

後半途中からは、ラームが前線に攻め上がることもなくなり、中盤のゼ・ロベルトを中心としたボールキープ的な展開になる。その中で、交代出場した選手が、自らをアピールするような攻撃姿勢を見せていたのが印象的だった。

期待にたがわず、スピード、激しいコンタクトが印象に残った。そして、後半、バイエルンが2点リードした後のこと。クローゼがポストに当たる惜しいシュートを放ったまま、その場で悔しがっていたら、クリンスマンがベンチから飛び出して、早く戻れと大きなアクションで必死に指示をしていた。このあたりの厳しさがドイツサッカーの源流なのかとも思った。

試合は、4対1でバイエルンの完勝。残り10分ごろには、ウェーブも始まり、今季初勝利を祝うお祭り状態となった。




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チャンピオンズ オン アイス2008
2008/9/14 新横浜スケートセンター

「チャンピオンズ オン アイス」は、もともとフィギュアスケート世界選手権のメダリストたちが中心になって始めたアイスショーである。主に北米を回る、このツアーに呼ばれることは、スケーターにとって大きな名誉だ。日本での公演は3年目となり、初めて首都圏で開催された新横浜公演を見に行った。

主な出演者は、日本人では、荒川静香、村主章枝、安藤美姫、本田武史、織田信成ら。海外からは、ベテランのスルヤ・ボナリー(フランス、2005年世界選手権2位)、ジョニー・ウィア(米国、2008年世界選手権3位)、井上玲奈&ジョン・ボルドウィン(米国、2006年全米選手権優勝)、マリナ・アニシナ&グウェンダル・ペーゼラ(フランス、2002年ソルトレイク五輪優勝)、そして、ステファン・ランビエル(スイス、2007グランプリファイナル優勝)。さらに、ヴァイオリニスト川井郁子の生演奏を加えて、今年のテーマ「カルメン」を描いていく。

観客2000人ほどの小さな、冷んやりとしたスケートリンクが、ショウの始まりから華やかな雰囲気に包まれた。競技よりも、演技の時間は短めで(ショートプログラム程度か)、ジャンプの回数も少ない分、細かな演技や演出に力が入る。

第2部の後半、安藤美姫、ウィア、ランビエルらの演技を見ていて不思議な思いをした。演技をしているスケーターたちが、時間がたつにつれて大きく見えてくるのである。演技に見とれているうちに、スケーターたちが、見ている者の心のなかに大きく入り込んでくるかのように。これがチャンピオンたるゆえんなのか。

関係者の話では、スルヤ・ボナリーは6週間前に膝の手術をしたばかり。また、アイスダンスを踊ったマリナ・アニシナは妊娠4か月だそうだ。当然かもしれないが、観客のために、チャンピオンたちが真剣に取り組んでいる。観客の一番のお目当てのランビエルも十二分に期待にこたえるパフォーマンスを見せ、観客を総立ちにさせた。

チャンピオンたちは、競技会とは違った、ショウならではの、観客との真剣勝負に挑んでいるのかもしれない。



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