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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



クラマーさんを訪ねる旅(10)

ミュンヘン・スポーツシューレの見学後、ぼくらは、19時から行われるブンデス・リーガ3部のバイエルンミュンヘン2軍対イエナの試合を見に行った。

会場は、バイエルンのチームの現在のホームである「アリアンツアレーナ」の前(オリンピックスタジアム)の前のホーム「グルンバルダー通りスタジアム」である。

ひなびたスタジアムの周りには、3部とはいえ、バイエルンのユニフォームやマフラーをまとったファンが大勢集まり、セキュリティもきちんとしていたのにびっくりした。ただし、ぼくらがクラマーさんの同行者だとわかると、ノーチェックで通してくれたが……。

スタンドの裏側にある一応VIPルームに通され、コーヒーやお菓子を食べながら、時間をつぶしていると、なんと、あのゲルト・ミュラーがやってきた。現在は、バイエルン・ミュンヘンの2軍のアシスタント・コーチをしている。

ワールドカップで得点王になったときの、ずんぐり、がっちりしたイメージからすると、ずいぶんスリムになっていた。クラマーさんと抱き合い、言葉を交わした後は、ぼくらのサイン&記念撮影会が始まった。VIPルームにいた、別のグループの客も、便乗してサインをもらう。

「こんなにすごいツアーになるとは思ってもみなかった」と企画・主催した牛木さんがつぶやく。

ボーフムで小野伸二と会えなかったことなど、みんな、すっかり忘れてしまっていた。


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クラマーさんを訪ねる旅(9)

8月29日(金)。クラマーさんと一緒に、ミュンヘンのスポーツ・シューレに行った。1985年に、それまであったグルンバルトのシューレーを継いだかたちで、ミュンヘン郊外のオーベルハヒングに設立された。前日のデュイスブルクは欧州で最大の施設だが、ミュンヘンは欧州で最も機能的と評価されているそうだ。2006年ドイツ・ワールドカップのときには、パラグアイ代表のベースキャンプだった。

ここでは、クラマーさんとともに、15年前の開設時からここに勤めている支配人のヘルマン・ブルナーさんが案内をしてくれた(写真中央)。

42の競技ができるこの施設には244のベッドがあり、年間で約40000人が利用するとのこと。自然光がたっぷりと差し込む体育館が4つ。天然芝と人工芝のサッカー場が1つずつ。サッカー場にもなる陸上競技場が1つ。他にビーチサッカー場などもある。利用者(=選手たち)がくつろぐ場として、ビリヤード場や卓球場などもり、またリハビリの施設もある。来週には、サッカー・ドイツ代表が合宿をする予定になっていた。そのために、サッカー場の周りに、観客をせきとめる金網をはる作業が始まっていた。

この素晴らしい施設に感動しているぼくらに対して、クラマーさんは言った。

「施設はいいものができたが、人の問題で(ドイツのスポーツは)うまくいっていない。とくに若者に対する指導がよくない。条件はそろったのに、取り組む姿勢がまったく足りない」

北京オリンピックで、なでしこジャパンに勝って3位になったサッカー・ドイツ女子代表についても、「ワールドカップや前回のオリンピックの結果に満足してしまっていたからだ」と手厳しかった。



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