2-1で勝利!
勝てるチャンスが少なくなかったにもかかわらず、それを活かせずに引き分けた前2戦。今節、負けは論外として、引き分けが続いたとしても、それでは総勝ち点は1勝2敗と変わらない。勝利という結果を残せないことには事態が好転しないだけでなく、なによりも、またホームでファン・サポーターを失望させることになりかねませんでした。
相手は前節に4得点を挙げて快勝、若さと可能性を武器に乗り込んでくるG大阪U23。カターレにとってU23チームとの初戦でもあり、勝手がわからない難しさもあったと思います。
このまま、開幕ダッシュ失敗でつまずいて勢いに乗れないいつものパターンに陥ってしまうのか、それとも?
まさに、覚悟が問われた試合でした。
大旗の禁止やスポンサーボードの撤去とまではならなかったものの、それでも吹きすさぶ強風の影響は避けられないというコンディションの中での試合となりました。
脇本の出場停止もあって前節とは違うスタメンとなることは明らかであったものの、そのなかで驚かされたのが北井のSB起用。もうFWなんだかわからない三上がサイドに張っているのはともかく、あれ?その後ろじゃないか!?と。中西、苔口の2トップにしても、攻撃力に自信を持つガンバに対して攻撃的に立ち向かう―――これまでに見たことのない布陣に、監督の意気込みが見て取れました。
試合開始から一進一退の攻防が続く展開。
まだ粗削りな感はあったものの、それでも個々の能力の高さの片りんは見て取れたガンバ。対応に苦慮する、といったレベルでこそなかったものの・・・それでもツボにはまったら、乗せてしまったら手が付けられなくなってしまうのではないか?という危機感はおぼえました。
前半7分という早い段階で先制点を奪われてしまい、それを追うのに苦労する展開を強いられた前節。その二の舞は避けねばならない、やはり先制点を挙げて優位に試合を進めねばならないことは明らかであったかと。
ただ、言うは易し、行うは難し。苔口の抜け出しから相手GKと1対1になりながら決めきれなかったときなどは「おいーーー!」ってなもので。
41分にはヘディングからGK手前で弾んだボールがクロスバーに当たって難を逃れるという冷や汗ものの場面も。
しかし、ピンチの後にチャンスあり。先制点が生まれたのは43分。
自陣奥深くから蹴り出したボールがスピーディーにつながり、カウンター。最前線の苔口までつながると、先の決定機を逃した汚名返上、今度はきちんと決めて、見事に今季初ゴールを挙げたのでした。
そのまま前半終了、1-0で折り返し。
今シーズン3試合目にして初めて、リードした状態に。初勝利に向けてそれを得るための権利を獲得したわけですが、だからこそ気を引き締めねばならないと思えました。このまま何事もなく1-0で終わったならそれに越したことはない、ということでしょうが、それは楽観的に過ぎるというものではないか?と。
そんな危惧は、後半開始から7分にして、悪い意味であっさりと実現してしまうことに。
GKを別枠として3名までオーバーエイジの選手を加えることができるU23チームですが、ガンバはそれをフル活用、なかでも注目を集めたのが元日本代表の二川 孝広の起用。その二川に豪快なミドルシュートを決められ、同点にされてしまったのでした。
ボールを受け取ってからの反転、そこからのシュートに一切の無駄が無く、果敢に蹴りこんだ抑えの利いたシュート。J通算400試合オーバーの出場記録を誇る、まさに百戦錬磨というベテランのなせる業・・・敵ながらあっぱれと言うほかないゴールでした。
やはり、経験の少ない若い選手たちのなかにあってチームを締めるベテランの存在は、「フタさんの前でいい加減なプレーなど出来ない」との緊張感とともに、「やっぱり尊敬すべき大先輩だ!負けずに頑張らないと!」というモチベーションにもつながったようで。
事実、同点に追いついてからはガンバが押し気味の展開が続くことに。
先制点は勝つ権利を得ただけ、要はいかにそれを勝利につなげるのか―――わかっていたはずなのに、失点してしまった。そのショックは、少なからずあったことかと。
それでも・・・いや、だからこそ。やるべきことは変わらず。
勝利を成し遂げるために努力を続けること。それに尽きるということは、皆がわかっていたようで。
アンカーのポジションでプレーする窪田の存在感はこの試合でも健在。前半のうちにイエローをもらってしまったものの、萎縮することなくしっかりとプレーを続けました。
ライン際についてピッチを広く使う萱沼の献身的な動き、そして後半に三上と入れ替わって前にポジションをとった北井のドリブル。
ゴール前での決定的なチャンスから放った衛藤のシュートが枠外、「おいーーー!」ということもあったりして、必ずしもうまくいくばかりではなかったけれど。それでも粘り強くチャンスをうかがうなかで、徐々にペースがカターレ側に傾いてきました。
そして迎えた84分。体勢を崩されながらも少しでも前に!という北井の気迫あふれるドリブルに、MF堂安 律がたまらずファウル。ペナルティーエリアやや外の良い位置でFKのチャンスを得ることとなったのでした。
キッカーは衛藤。その右足から繰り出されたシュートは綺麗な放物線を描き、見事にゴール!
苔口に続き、衛藤もまたミスを帳消しにする値千金の勝ち越しゴール。移籍後初得点はファン・サポーターの期待に120%で応えるスーパーゴールとなったのでした。
前日、J1ではFKの名手として名高い中村 俊輔が自身の持つFKのJ最多得点記録を更新する見事なゴールを挙げたことがニュースとなりましたが、その対戦相手がガンバ大阪。そして、この試合。衛藤による負けず劣らずの見事なFKが決まったのがガンバ大阪U23戦。なにかの因縁でしょうか?
ただ。
喜びもつかの間、その殊勲の衛藤が足を痛めて負傷退場してしまうというアクシデントが。
「今年のカターレには、やっぱりアンタが必要だよ!」との認識を新たにしたばかりだというのに・・・大事に至らないことを願うばかりです。
そして、4分あったアディショナルタイムもしのぎ切り、試合終了。昨季ホーム最終戦以来となる歓喜が県総に響き渡ったのでした。
久々となる、ゴール裏に挨拶に来た選手たちとのカニダンス。ソロ踊りを押し付けあう姿も懐かしく。
やはり、勝利は格別です。
試合内容としては合格とは言い難い、もっとやれた、もっとうまくできたはず、という試合。けれども、そんななかでも勝ち切った。勝利を信じてプレーし続けるその姿勢を、結果につなげてみせた。そのことは素直に評価すべきことであろうと思います。
試合後、監督が「3節目にして勝点3を取れたので、少し選手の硬さのようなものも取れてくればいいなと思っています。」とコメントしていますが、まさにそのとおりであろうと。
まだ、1勝を挙げただけ。まだ、なにかをやりきったというわけではありません。
それでも。
このしあいで勝てたのと勝てなかったのとでは天と地ほどの差があったことは確か。そのなかで勝ち切ったことは、自信に、力に変えていかねばならないところ。
ここで得た勝利・勝ち点3をさらに次に繋げていくために。
勝って兜の緒を締めよ。
大事なのは、むしろこれからです。
勝てるチャンスが少なくなかったにもかかわらず、それを活かせずに引き分けた前2戦。今節、負けは論外として、引き分けが続いたとしても、それでは総勝ち点は1勝2敗と変わらない。勝利という結果を残せないことには事態が好転しないだけでなく、なによりも、またホームでファン・サポーターを失望させることになりかねませんでした。
相手は前節に4得点を挙げて快勝、若さと可能性を武器に乗り込んでくるG大阪U23。カターレにとってU23チームとの初戦でもあり、勝手がわからない難しさもあったと思います。
このまま、開幕ダッシュ失敗でつまずいて勢いに乗れないいつものパターンに陥ってしまうのか、それとも?
まさに、覚悟が問われた試合でした。
大旗の禁止やスポンサーボードの撤去とまではならなかったものの、それでも吹きすさぶ強風の影響は避けられないというコンディションの中での試合となりました。
脇本の出場停止もあって前節とは違うスタメンとなることは明らかであったものの、そのなかで驚かされたのが北井のSB起用。もうFWなんだかわからない三上がサイドに張っているのはともかく、あれ?その後ろじゃないか!?と。中西、苔口の2トップにしても、攻撃力に自信を持つガンバに対して攻撃的に立ち向かう―――これまでに見たことのない布陣に、監督の意気込みが見て取れました。
試合開始から一進一退の攻防が続く展開。
まだ粗削りな感はあったものの、それでも個々の能力の高さの片りんは見て取れたガンバ。対応に苦慮する、といったレベルでこそなかったものの・・・それでもツボにはまったら、乗せてしまったら手が付けられなくなってしまうのではないか?という危機感はおぼえました。
前半7分という早い段階で先制点を奪われてしまい、それを追うのに苦労する展開を強いられた前節。その二の舞は避けねばならない、やはり先制点を挙げて優位に試合を進めねばならないことは明らかであったかと。
ただ、言うは易し、行うは難し。苔口の抜け出しから相手GKと1対1になりながら決めきれなかったときなどは「おいーーー!」ってなもので。
41分にはヘディングからGK手前で弾んだボールがクロスバーに当たって難を逃れるという冷や汗ものの場面も。
しかし、ピンチの後にチャンスあり。先制点が生まれたのは43分。
自陣奥深くから蹴り出したボールがスピーディーにつながり、カウンター。最前線の苔口までつながると、先の決定機を逃した汚名返上、今度はきちんと決めて、見事に今季初ゴールを挙げたのでした。
そのまま前半終了、1-0で折り返し。
今シーズン3試合目にして初めて、リードした状態に。初勝利に向けてそれを得るための権利を獲得したわけですが、だからこそ気を引き締めねばならないと思えました。このまま何事もなく1-0で終わったならそれに越したことはない、ということでしょうが、それは楽観的に過ぎるというものではないか?と。
そんな危惧は、後半開始から7分にして、悪い意味であっさりと実現してしまうことに。
GKを別枠として3名までオーバーエイジの選手を加えることができるU23チームですが、ガンバはそれをフル活用、なかでも注目を集めたのが元日本代表の二川 孝広の起用。その二川に豪快なミドルシュートを決められ、同点にされてしまったのでした。
ボールを受け取ってからの反転、そこからのシュートに一切の無駄が無く、果敢に蹴りこんだ抑えの利いたシュート。J通算400試合オーバーの出場記録を誇る、まさに百戦錬磨というベテランのなせる業・・・敵ながらあっぱれと言うほかないゴールでした。
やはり、経験の少ない若い選手たちのなかにあってチームを締めるベテランの存在は、「フタさんの前でいい加減なプレーなど出来ない」との緊張感とともに、「やっぱり尊敬すべき大先輩だ!負けずに頑張らないと!」というモチベーションにもつながったようで。
事実、同点に追いついてからはガンバが押し気味の展開が続くことに。
先制点は勝つ権利を得ただけ、要はいかにそれを勝利につなげるのか―――わかっていたはずなのに、失点してしまった。そのショックは、少なからずあったことかと。
それでも・・・いや、だからこそ。やるべきことは変わらず。
勝利を成し遂げるために努力を続けること。それに尽きるということは、皆がわかっていたようで。
アンカーのポジションでプレーする窪田の存在感はこの試合でも健在。前半のうちにイエローをもらってしまったものの、萎縮することなくしっかりとプレーを続けました。
ライン際についてピッチを広く使う萱沼の献身的な動き、そして後半に三上と入れ替わって前にポジションをとった北井のドリブル。
ゴール前での決定的なチャンスから放った衛藤のシュートが枠外、「おいーーー!」ということもあったりして、必ずしもうまくいくばかりではなかったけれど。それでも粘り強くチャンスをうかがうなかで、徐々にペースがカターレ側に傾いてきました。
そして迎えた84分。体勢を崩されながらも少しでも前に!という北井の気迫あふれるドリブルに、MF堂安 律がたまらずファウル。ペナルティーエリアやや外の良い位置でFKのチャンスを得ることとなったのでした。
キッカーは衛藤。その右足から繰り出されたシュートは綺麗な放物線を描き、見事にゴール!
苔口に続き、衛藤もまたミスを帳消しにする値千金の勝ち越しゴール。移籍後初得点はファン・サポーターの期待に120%で応えるスーパーゴールとなったのでした。
前日、J1ではFKの名手として名高い中村 俊輔が自身の持つFKのJ最多得点記録を更新する見事なゴールを挙げたことがニュースとなりましたが、その対戦相手がガンバ大阪。そして、この試合。衛藤による負けず劣らずの見事なFKが決まったのがガンバ大阪U23戦。なにかの因縁でしょうか?
ただ。
喜びもつかの間、その殊勲の衛藤が足を痛めて負傷退場してしまうというアクシデントが。
「今年のカターレには、やっぱりアンタが必要だよ!」との認識を新たにしたばかりだというのに・・・大事に至らないことを願うばかりです。
そして、4分あったアディショナルタイムもしのぎ切り、試合終了。昨季ホーム最終戦以来となる歓喜が県総に響き渡ったのでした。
久々となる、ゴール裏に挨拶に来た選手たちとのカニダンス。ソロ踊りを押し付けあう姿も懐かしく。
やはり、勝利は格別です。
試合内容としては合格とは言い難い、もっとやれた、もっとうまくできたはず、という試合。けれども、そんななかでも勝ち切った。勝利を信じてプレーし続けるその姿勢を、結果につなげてみせた。そのことは素直に評価すべきことであろうと思います。
試合後、監督が「3節目にして勝点3を取れたので、少し選手の硬さのようなものも取れてくればいいなと思っています。」とコメントしていますが、まさにそのとおりであろうと。
まだ、1勝を挙げただけ。まだ、なにかをやりきったというわけではありません。
それでも。
このしあいで勝てたのと勝てなかったのとでは天と地ほどの差があったことは確か。そのなかで勝ち切ったことは、自信に、力に変えていかねばならないところ。
ここで得た勝利・勝ち点3をさらに次に繋げていくために。
勝って兜の緒を締めよ。
大事なのは、むしろこれからです。