0-3で敗戦。
波乱は、ありませんでした。
片やJ1の1stステージ王者、片やJ3で優勝を狙うも苦戦中というクラブ。戦わずして勝敗は明らか、という試合であったかもしれませんが、実際に結果でもって“現実”というものをまざまざと突きつけられた格好です。
これが自分たちがカターレ富山のファン・サポーターであるからいろいろと思うところがあるだけで・・・他者から見れば、あたりまえすぎてなにも特筆すべきところのない試合、となるのではないでしょうか。あるいは、当事者たる鹿島の選手たちすら、特に振り返るところのない試合として、3日ともたずに忘却の彼方やもしれません。
それほどまでに、してやられてしまった試合であり、強豪に立ち向かう挑戦者として爪痕を残すことが・・・残念ながら、叶わなかった試合。
4度目となるJ1クラブへの挑戦でしたが、またもジャイアントキリングは叶わず。
不出場という屈辱からの捲土重来を期して臨んだ今年の天皇杯でしたが、その挑戦が終わりました。
5年ぶりとなったカシマスタジアム。J3で戦っているぶんには全く縁のないJ1クラブの本拠地。やはり、特別な舞台であることを改めて認識させられました。
前週の1回戦から大幅にメンバーを入れ替えて臨んだこの試合。敬介、西川といったこれまであまりスタメン出場してこなかった選手を抜擢。カターレ2試合目となる大島、衛藤と西室がスタメン復帰。
リーグ戦を戦ってきた中での“鉄板”メンバーではなかったものの、だからと言って、「どうせ負けるんだから」などと勝つことを諦めた“捨て試合”にするつもりなどなかったようで。それが、選手たちそれぞれの動きにも見て取れました。
中でも、誰よりも強い決意をもって試合に臨んでいたのが西室だったのではないでしょうか。
鹿島ユース出身で、高3のときにはキャプテンも務めていた彼にとって、憧れであったトップチームとの公式戦。この日も出場していた元日本代表・小笠原 満男選手には、ユース時代にも様々な影響をうけていたようで。
大卒ルーキーでありプロとしては若輩であるものの、それでもカターレ富山というチームを担う選手のひとりであることに変わりはないわけで。その誇りを胸に、サイドを精力的に走り回って敢然と立ち向かっていく姿が印象的でした。
大卒ルーキーといえば、脇本が、いつもは窪田や衛藤が担うアンカーに抜擢。判断力、プレー精度を求められるポジションで奮闘しました。
そして前めのポジションにつくこととなった衛藤ですが、裏へ抜けだすパスなど、持ち味を発揮するプレーぶりはこちらのほうが活きるのでは?と感じました。
選手・ポジションを一新したスタイルではありましたが、意思疎通に問題はなかったようで。チーム力底上げという目的意識を出した起用に応えようと、選手各人が集中していた、という印象です。
ただ。
前半の半ばくらいまでこそボールをうまくコントロール、焦って自滅ということもなくやりたい方向性を見定めたプレーぶりが出来ていたカターレでしたが・・・。
鹿島にとって、序盤は様子見だったということでしょうか。
徐々にペースをつかんだかと思うと、35分と39分に連続得点。あっという間に2点差をつけられることに。
流れるようなパスワークからの、切れ味鋭い攻め。いつも見ているところのJ3のプレーとは、まさしくレベルが段違いでした。
自分たちがいい加減なプレーをしていて、その因果応報というかたちの失点ではなく。むしろ、調子は良いほうですらあったなかでの失点。
動き出し、切り替え、パス精度、当たり負けしないバランスなどなど・・・それらのレベルが、明らかに違う。
たまにマイボールから攻めの形を構築しようにも、こちらが2タッチくらいかけている隙を見逃す鹿島ではなく。逆にスピーディーに1タッチでつながれてピンチ。いや、それ以前にパスを供給するにも視野・状況判断力がまるで違う。まるで通ることがあらかじめ確定していたかのような、淀みないパス回し。短かすぎもせず、長すぎもしない。出し手と受け手のバランスの絶妙さ。そのあたりの確実性が低いカターレの側が1歩、2歩遅れる、それを見逃さない鹿島。差は、歴然としていました。
後半も早々と追加点、3点差。
実力的には、本気を出して攻めたなら4点目、5点目と積み重ねられたのかもしれません。しかし、そのあたりは無理をせず規律を守ったパス回し。カターレに付け入る隙を与えない鹿島。
試合終盤には何度かチャンスもつくりだしてはみたものの、結局、意地を示すゴールを挙げることは叶わず。
結果、前評判どおり、鹿島の危なげない勝利で試合終了。ジャイアントキリングの達成は、またしてもなりませんでした。
実力差があって仕方なかった、などと言うのは簡単ですが・・・正直、「それでもなんとかならなかったのか」という気持ちです。
3失点も痛かったけれど、そこは問題ではないように思います。攻撃を捨てて防御に専念、ガチガチの守備を敷いたにも関わらずの3失点というなら、それは問題であったかもしれませんが。
リスク覚悟で、あくまで攻める姿勢を見せながらのプレーであったはず。得点を狙いに行っていたはず。
にもかかわらずの、無得点。勝てないまでも一矢報いるゴールが必要であったところ、それが果たせなかった。
鹿島だったから、強豪だったから、では済ませていけない問題だと思います。
県選手権決勝、天皇杯1回戦、そして今回の2回戦。
一連のリーグ戦以外の公式戦のなか、格下のクラブを相手に圧倒することが出来ず、格上クラブには歯が立たず意地を見せられなかった。
結果だけ見れば、不満もあります。
けれども、重要なのは、経験を活かすこと。最優先であるところのリーグ戦に、しっかり還元すること。
今回の敗戦にしても、しっかりと負けを悔しいと思えるかどうか。敗れた無念を引きずることは好ましくないにせよ、割り切る、切り替えるという名目のもとさっぱりと忘れてしまうのであれば、成長というものがありません。
完敗してしまった結果は覆らないけれども。
それでも、今回の対戦は普段では得難い経験であったことは変わりなし。公式戦であればこそ。緊張感をもって挑めた経験を、しかと今後につなげねばなりません。
波乱は、ありませんでした。
片やJ1の1stステージ王者、片やJ3で優勝を狙うも苦戦中というクラブ。戦わずして勝敗は明らか、という試合であったかもしれませんが、実際に結果でもって“現実”というものをまざまざと突きつけられた格好です。
これが自分たちがカターレ富山のファン・サポーターであるからいろいろと思うところがあるだけで・・・他者から見れば、あたりまえすぎてなにも特筆すべきところのない試合、となるのではないでしょうか。あるいは、当事者たる鹿島の選手たちすら、特に振り返るところのない試合として、3日ともたずに忘却の彼方やもしれません。
それほどまでに、してやられてしまった試合であり、強豪に立ち向かう挑戦者として爪痕を残すことが・・・残念ながら、叶わなかった試合。
4度目となるJ1クラブへの挑戦でしたが、またもジャイアントキリングは叶わず。
不出場という屈辱からの捲土重来を期して臨んだ今年の天皇杯でしたが、その挑戦が終わりました。
5年ぶりとなったカシマスタジアム。J3で戦っているぶんには全く縁のないJ1クラブの本拠地。やはり、特別な舞台であることを改めて認識させられました。
前週の1回戦から大幅にメンバーを入れ替えて臨んだこの試合。敬介、西川といったこれまであまりスタメン出場してこなかった選手を抜擢。カターレ2試合目となる大島、衛藤と西室がスタメン復帰。
リーグ戦を戦ってきた中での“鉄板”メンバーではなかったものの、だからと言って、「どうせ負けるんだから」などと勝つことを諦めた“捨て試合”にするつもりなどなかったようで。それが、選手たちそれぞれの動きにも見て取れました。
中でも、誰よりも強い決意をもって試合に臨んでいたのが西室だったのではないでしょうか。
鹿島ユース出身で、高3のときにはキャプテンも務めていた彼にとって、憧れであったトップチームとの公式戦。この日も出場していた元日本代表・小笠原 満男選手には、ユース時代にも様々な影響をうけていたようで。
大卒ルーキーでありプロとしては若輩であるものの、それでもカターレ富山というチームを担う選手のひとりであることに変わりはないわけで。その誇りを胸に、サイドを精力的に走り回って敢然と立ち向かっていく姿が印象的でした。
大卒ルーキーといえば、脇本が、いつもは窪田や衛藤が担うアンカーに抜擢。判断力、プレー精度を求められるポジションで奮闘しました。
そして前めのポジションにつくこととなった衛藤ですが、裏へ抜けだすパスなど、持ち味を発揮するプレーぶりはこちらのほうが活きるのでは?と感じました。
選手・ポジションを一新したスタイルではありましたが、意思疎通に問題はなかったようで。チーム力底上げという目的意識を出した起用に応えようと、選手各人が集中していた、という印象です。
ただ。
前半の半ばくらいまでこそボールをうまくコントロール、焦って自滅ということもなくやりたい方向性を見定めたプレーぶりが出来ていたカターレでしたが・・・。
鹿島にとって、序盤は様子見だったということでしょうか。
徐々にペースをつかんだかと思うと、35分と39分に連続得点。あっという間に2点差をつけられることに。
流れるようなパスワークからの、切れ味鋭い攻め。いつも見ているところのJ3のプレーとは、まさしくレベルが段違いでした。
自分たちがいい加減なプレーをしていて、その因果応報というかたちの失点ではなく。むしろ、調子は良いほうですらあったなかでの失点。
動き出し、切り替え、パス精度、当たり負けしないバランスなどなど・・・それらのレベルが、明らかに違う。
たまにマイボールから攻めの形を構築しようにも、こちらが2タッチくらいかけている隙を見逃す鹿島ではなく。逆にスピーディーに1タッチでつながれてピンチ。いや、それ以前にパスを供給するにも視野・状況判断力がまるで違う。まるで通ることがあらかじめ確定していたかのような、淀みないパス回し。短かすぎもせず、長すぎもしない。出し手と受け手のバランスの絶妙さ。そのあたりの確実性が低いカターレの側が1歩、2歩遅れる、それを見逃さない鹿島。差は、歴然としていました。
後半も早々と追加点、3点差。
実力的には、本気を出して攻めたなら4点目、5点目と積み重ねられたのかもしれません。しかし、そのあたりは無理をせず規律を守ったパス回し。カターレに付け入る隙を与えない鹿島。
試合終盤には何度かチャンスもつくりだしてはみたものの、結局、意地を示すゴールを挙げることは叶わず。
結果、前評判どおり、鹿島の危なげない勝利で試合終了。ジャイアントキリングの達成は、またしてもなりませんでした。
実力差があって仕方なかった、などと言うのは簡単ですが・・・正直、「それでもなんとかならなかったのか」という気持ちです。
3失点も痛かったけれど、そこは問題ではないように思います。攻撃を捨てて防御に専念、ガチガチの守備を敷いたにも関わらずの3失点というなら、それは問題であったかもしれませんが。
リスク覚悟で、あくまで攻める姿勢を見せながらのプレーであったはず。得点を狙いに行っていたはず。
にもかかわらずの、無得点。勝てないまでも一矢報いるゴールが必要であったところ、それが果たせなかった。
鹿島だったから、強豪だったから、では済ませていけない問題だと思います。
県選手権決勝、天皇杯1回戦、そして今回の2回戦。
一連のリーグ戦以外の公式戦のなか、格下のクラブを相手に圧倒することが出来ず、格上クラブには歯が立たず意地を見せられなかった。
結果だけ見れば、不満もあります。
けれども、重要なのは、経験を活かすこと。最優先であるところのリーグ戦に、しっかり還元すること。
今回の敗戦にしても、しっかりと負けを悔しいと思えるかどうか。敗れた無念を引きずることは好ましくないにせよ、割り切る、切り替えるという名目のもとさっぱりと忘れてしまうのであれば、成長というものがありません。
完敗してしまった結果は覆らないけれども。
それでも、今回の対戦は普段では得難い経験であったことは変わりなし。公式戦であればこそ。緊張感をもって挑めた経験を、しかと今後につなげねばなりません。