行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

ジンクスを破り開幕連勝!2試合連続零封勝利  鹿児島ユナイテッドFC戦

2017-03-19 19:58:57 | カターレ富山
1-0で勝利!
これまで1度も勝てなかった、鬼門であった開幕第2戦で遂に初勝利。史上初の開幕2連勝を達成しました。
昨年カターレを率いた三浦監督の「ホーム凱旋」に注目が集まったものの、凱旋に燃えていたのは敵将だけではなく。
出身地・富山での飛躍を期してカターレでプレーすることを選んだ陽次が、その決意を込めた先制ゴール。角度のないところからの難しいシュートでしたが、気合で決めて見事に挨拶代わりとなる決勝ゴールとなったのでした。
守っても、ファインセーブで決定的ピンチを救った永井をはじめ、全員が勝利のために奮起。鹿児島の攻勢を見事にしのぎ切り、2試合連続となる零封勝ちを達成しました。

昨季最終戦以来、約4カ月ぶりとなった県総での公式戦。好天にも恵まれ、この日を待ちわびたファン・サポーターがホーム開幕戦に詰めかけました。
前節のスタメンからの変更として、パブロが満を持してのカターレデビュー。スタンドではブラジル国旗を振っている人の姿も見受けられました。他クラブではよく見た光景ながら、それがカターレの側のスタンドでも見られるようになったんだなぁ、と感慨深かったです。
試合は、開始からわずかに7分でいきなり動くことに。
「みんなにとっては前監督のチームとの対戦という意識があったかもしれないが、僕自身は浮氣監督とJ2昇格を目指すにあたり、ホーム開幕戦でも勝ってチームを流れに乗せたいという気持ちだった。」
そう語った陽次が、西室からのパスを受けると果敢に攻め込み、自らシュート。角度のないところから左足を振りぬき、ボールはGKの頭上を越えて右サイドに突き刺さったのでした。
前節のFC東京U23戦でも開始直後から積極的に仕掛けていた彼ですが。今回もまたその思いを貫き、それを移籍後初ゴールにしてリーグ戦初ゴール、地元富山での凱旋ゴールとしたのでした。
鹿児島の側にとっても、まだ試合に入り切れていない時間の失点は痛手であったようで。これがもし逆に開始7分での失点であったならどうなっていたことか。前節は前半だけで4得点、計5得点を挙げて圧勝した鹿児島ですが、あるいはその再現がなされてしまっていたやもしれません。
状況的にも、昨年と同じであったなら、敵陣深くに切れ込んでいっても自らは仕掛けず「だれか」にパスしていたシチュエーション。そのだれかが上手く決められない、その前にパス自体が雑になってしまってつながらない、などで結局チャンスを活かしきれず、という場面を何度見てきたことか。
今回については、ゴール前に詰めていたパブロにラストパス、という選択肢もありましたが、陽次自らが果敢に仕掛けてのゴール。
だからと言って、それは陽次の自己中心的なプレーであったかと言えば、そうではなかったかと。
むしろ、これまでのほうが「自ら行くべきシチュエーションに積極性を欠いたパスを選択してしまう」という状況がままあったように思えるくらいであって。
チームメイトを信用しない、というのではなく。むしろ、信用するからこそ自分にできる最大限のプレーでもってチームに貢献する。
そんな意思がつまったホーム戦初ゴールであったかと。

しかしながら、鹿児島もさるもの。
開幕戦5得点の自信を胸に乗り込んできた気概は伊達ではない、ということか。果敢な攻撃に手を焼かされることに。
中でも、25分に2試合連続ゴールを狙う鹿児島のエース・FW藤本 憲明のシュートがバーをたたいたときには肝を冷やしました。
前半も大詰めの43分には、MF関 光博のシュートのこぼれ球を詰めて再び藤本。決定的なシチュエーションでしたが、永井が体を張って阻止。事なきを得ました。
予想されていたことではありますが、やはり、攻撃的な相手に対する厳しい対応が求められる試合となったという印象。
体格差や経験の差で相手を上回って優位に進めた前節とは違い、ガチの競り合い。

しかしながら、カターレの側も落ち着いていました。
西室が「やられる感じは正直あまりしなかった。ノリさん(山形)やセンターバックの2人、(永井)堅梧が、厳しく声を掛けてくれたのもあり意識を高くもってプレーできた」と振り返るように、攻め込まれる中にあってもしっかりとやるべきことをわきまえてプレー。
中でも光っていたのは、ビッグセーブもさることながら、攻撃の起点となるキックにおいてもその力を示した永井。今シーズンの目標として、無失点はもちろん、キックの質にもこだわりたいとしていた彼ですが。まさに有言実行というべきか。
前線のパブロにボールを預けてそこから攻撃を組み立てる、という戦術を徹底していたカターレですが、それを忠実に実行していました。
ゴール前から蹴り出す状況は様々でしたが、それがあらかじめそうなると決まっていたかのように、きちんとパブロへ。その視野、判断、正確性に感心させられました。
3人の候補の中から選ばれて正GKとして出場しているわけですが、それも納得。なんとも頼もしい限り。
そして、カターレデビューとなったパブロ。
富山での初ホームゲームにして、自身久々となる公式戦。期するところはあったでしょうが・・・開始9分でいきなりイエローをくらってしまったり、相手から執拗なマークをうけたり。それでいて「どっちのホームアドバンテージだよ!」とツッコみたくなるくらいに鹿児島寄りとしか思えないジャッジ。
そりゃ、パブロ本人ならずともイライラさせられてしまうよ、と同情を禁じえませんでした。
それでも。攻撃の起点となる働きはもちろんとして、守備面でも積極的にボールを追うなど献身的なプレー。真面目に、真摯にサッカーに取り組む姿勢というものは、カターレ富山というチームスタイルに合っていると思います。
今節こそ本領発揮とはなりませんでしたが、次節以降の働き、躍進に期待したいと思えるデビュー戦でした。

虎の子の1点をいかに守るか―――後半も攻勢を強めてくる鹿児島を相手に我慢の時間が続いたカターレ。しかし、集中力が途切れることはありませんでした。
特に感心させられたのが、陽次。なかなか追加点に結びつく状況にはならなかったものの、守備面で奔走。「試合も終盤になって、なおそれだけ動けるのかよ!」と驚きました。
危ない場面も1度や2度ではなかったものの。監督が「球際、セカンドボールへの意識、前線の2人がボールホルダーにプレッシングにいってくれた。そういう小さなものの積み重ねてよって無失点で抑えられたのだと思う。」と語ったように、まさに全員がしっかりとやり切るんだという姿勢を貫き通した結果であったかと。
4分あったアディショナルタイム、最後のプレーは相手GKも前線に上がってきてのCKだったものの、そこも見事に掻き出して難を逃れ。
そして、タイムアップ。
粘り強いサッカーを連続無失点に繋げたカターレが、見事に史上初となる開幕2連勝に繋げたのでした。

まさに、「ここぞ!」という試合でした。
得点力不足など、要因はほかにもあったにせよ。昨季のJ2復帰失敗における最大の要因は「ここぞ!」という試合で勝てなかったことにあったのは明らかでした。
どのクラブよりもカターレを知る三浦前監督との対戦、それでなくとも勝利が宿命づけられたホーム開幕戦。さまざまなプレッシャーもあったことでしょう。
しかし、乗り越えてみせた。
8年にも渡って呪いじみて続いていた開幕2戦目未勝利のジンクスを、しっかりと跳ね除けてみせた。
内容的には、まだまだ納得のいく出来とは言えないものの。それでも、この連勝で得た手応えというものは、決して小さくないはずです。
J2復帰という必達目標の達成に向け、現時点でやるべきことをしっかりとやってみせた。
まだまだシーズンは始まったばかり。
それでも。
この先も何度も訪れる「ここぞ!」という試合で勝っていくために。
今節の勝利で得た経験を糧に、更なる精進を続けねば。
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